相続・贈与に備える

相続を放棄した人は、数に入らない?

分け方の話では数に入りません。ところが基礎控除の人数には、数えます。

このページの要点

相続税の基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算し、正味の遺産額からこれを引いた残りが課税遺産総額になります。ここでいう法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数です。放棄しても人数は減りません。また養子がいる場合は人数に制限があり、被相続人に実子がいれば養子は1人まで、実子がいなければ2人までを含めます。なお財産を取得した人が被相続人の配偶者、父母、子供以外の者である場合は、相続税額に20パーセント相当額が加算されます。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 基礎控除
  2. 法定相続人の数
  3. 相続税の計算

わかる 2 問

  1. 基礎控除
  2. 法定相続人の数

見抜く 3 問

  1. 法定相続人の数
  2. 法定相続人の数
  3. 相続税額の加算

ケースで考える 5 問

  1. 基礎控除
  2. 課税遺産総額
  3. 基礎控除
  4. 基礎控除
  5. 法定相続人の数

判断する 2 問

  1. 基礎控除
  2. 判断の順序

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

相続税の基礎控除額は、どう計算しますか。

  • A 3,000万円に、法定相続人の数を掛ける

    3,000万円は定額で、掛けません。

  • B 600万円に、法定相続人の数を掛ける

    600万円だけでは足りません。

  • C 3,000万円 + 600万円 × 人数 正解

    正解です。定額と、人数に比例する部分の足し算です。

  • D 遺産の総額に、法定相続人の数を掛ける

    遺産の額は、式に出てきません。

定額と、人数に比例する部分の足し算です。

知る相続・贈与に備える★★
定額の3,000万円+ 600万円 × 法定相続人の数= 基礎控除額

遺産の額は、式に出てこない。

資料の式は「基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)」です。3,000万円は人数に関わらず引ける定額、600万円は1人あたりの上乗せです。掛け算だけでも、足し算だけでもありません。遺産の額は式に出てこないので、遺産がいくらであっても基礎控除額は変わりません。決めているのは人数だけです。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

被相続人に実子がいる場合、法定相続人の数に含める養子は_までです。

  • A 1人 正解

    正解です。実子がいれば1人、いなければ2人までです。

  • B 2人

    2人までなのは、実子がいない場合です。

  • C 3人

    3人という区分はありません。

  • D 制限なし

    制限があります。実子の有無で1人か2人までです。

実子がいれば1人、いなければ2人までです。

知る相続・贈与に備える★★★
  • 養子は1人まで実子がいる場合
  • 養子は2人まで実子がいない場合

基礎控除額は人数に比例するので、制限が置かれている。

資料は「被相続人に実子がいる場合は、養子のうち1人までを法定相続人に含めます」「被相続人に実子がいない場合は、養子のうち2人までを法定相続人に含めます」としています。実子がいるかどうかで、含められる養子の数が変わります。基礎控除額は人数に比例するので、この制限がないと人数をいくらでも増やせてしまう、ということでもあります。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 基礎控除額は、遺産の額によって変わる

    式に遺産の額は出てきません。

  • B 養子は、何人でも法定相続人の数に含める

    実子がいれば1人、いなければ2人までです。

  • C 相続を放棄すると、基礎控除額が減る

    放棄がなかったものとして数えるので、減りません。

  • D 配偶者・父母・子供以外なら20%加算 正解

    通ります。その三者以外が取得すると、加算されます。

その三者以外が取得すると、加算されます。

知る相続・贈与に備える★★★

基礎控除額を決めるもの

  • 定額の3,000万円
  • 法定相続人の数(× 600万円)

決めないもの

  • 遺産がいくらあるか
  • 誰が実際に受け取るか
  • 放棄した人がいるかどうか

20%加算は、誰が取得したかで決まる別の話。

資料は「財産を取得した人が被相続人の配偶者、父母、子供以外の者である場合、税額控除を差し引く前の相続税額にその20パーセント相当額を加算した後、税額控除額を差し引きます」としています。基礎控除額の式に遺産の額は出てこないので、遺産がいくらでも控除額は変わりません。養子には人数の制限があり、放棄しても人数は減りません。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

法定相続人の数ごとに、基礎控除額はいくらになりますか。

答え 1人 … 3,600万円/2人 … 4,200万円/3人 … 4,800万円/4人 … 5,400万円

1人増えるごとに、600万円ずつ増えます。

わかる相続・贈与に備える★★★
法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

1人取り違えると、600万円ずれる。

1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円、4人なら5,400万円。定額の3,000万円に600万円ずつ積み上がるので、増え方は一定です。ここが一定だからこそ、人数を1人取り違えると600万円まるごとずれます。しかも人数の数え方には、このあと見るような別のルールが乗っています。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

相続を放棄した人は、法定相続人の数にどう扱われますか。

  • A 数に入らないので、人数から外れる

    外れません。数に入ります。

  • B 放棄がなかったものとして数える 正解

    正解です。放棄しても、人数は減りません。

  • C 半分の人数として数えられる

    半分として数えるわけではありません。

  • D 遺産を受け取った場合だけ数える

    受け取ったかどうかは関係ありません。

放棄しても、人数は減りません。

わかる相続・贈与に備える★★★★

放棄がなかったものとした場合の相続人の数を使う

放棄した人は、基礎控除の人数から外れる

わざわざ注記があるのは、放棄が効く場面が別にあるから。

資料の注1は「法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます」としています。つまり放棄しても、基礎控除額の計算では人数に数えます。わざわざこう書かれているということは、放棄が効いてくる場面が別にあるということでもあります。同じ「放棄」でも、どの計算の話かで扱いが変わります。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

法定相続人の数に含まれるのは、どれでしょう。

答え 相続を放棄した人/実子がいる場合の、養子1人/実子がいない場合の、養子2人

放棄は数え、養子には人数の制限があります。

見抜く相続・贈与に備える★★★★

法定相続人の数の数え方

  • 相続を放棄した人も、放棄がなかったものとして数える
  • 実子がいる場合、養子は1人まで
  • 実子がいない場合、養子は2人まで

放棄には制限がなく、養子には制限がある。

相続を放棄した人は、放棄がなかったものとして数に含めます。養子については、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までです。だから実子がいるのに養子を2人数えたり、実子がいない場合に3人数えたりはできません。放棄には制限がなく、養子には制限がある、という非対称になっています。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

相続を放棄した人の扱いは、場面によって違いますか。

  • A 違う。基礎控除の人数には数える 正解

    正解です。わざわざ注記があるのは、違うからです。

  • B 同じ。どの場面でも数に入らない

    基礎控除の人数には数えます。

  • C 同じ。どの場面でも数に入る

    同じではありません。注記が置かれています。

  • D 違う。基礎控除の人数からは外れる

    外れるのではなく、数えます。

わざわざ注記があるのは、違うからです。

見抜く相続・贈与に備える★★★★

どの計算の話かを決めてから、放棄の扱いを見る

放棄したのだから、どの場面でも数から外れる

基礎控除の人数は、放棄がなかったものとして数える。

基礎控除の計算では「放棄がなかったものとした場合の相続人の数」を使います。もしどの場面でも同じ扱いなら、こんな注記は要りません。わざわざ「放棄をした人がいても」と書かれているのは、放棄が効いてくる場面が別にあるからです。だから「放棄した」という事実だけでは扱いが決まらず、どの計算の話かを先に決めることになります。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

配偶者・父母・子供以外の人が財産を取得した場合について、正しく言えているのはどれですか。

  • A 相続税はかからないことになる

    かからないわけではありません。

  • B 税額がちょうど半分に減らされる

    減るのではなく、増えます。

  • C 税額に20%相当額が加算される 正解

    正しい言い方です。税額が2割増しになります。控除ではありません。

  • D 基礎控除額のほうが20%増える

    基礎控除額は変わりません。

税額が2割増しになります。控除ではありません。

見抜く相続・贈与に備える★★★★
財産を取得した人
  • 配偶者・父母・子供 → 加算なし
  • それ以外 → 相続税額に20%相当額を加算
  • 子供が先に亡くなっているときの孫 → 加算は不要

子供が亡くなっていない場合の養子である孫には、加算が必要。

資料は「財産を取得した人が被相続人の配偶者、父母、子供以外の者である場合、税額控除を差し引く前の相続税額にその20パーセント相当額を加算した後、税額控除額を差し引きます」としています。増えるのは税額のほうで、基礎控除額は変わりません。なお子供が先に亡くなっているときの孫には加算は不要ですが、子供が亡くなっていない場合の養子である孫には加算が必要とされています。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Hさんの父が亡くなりました。相続人は配偶者(母)と子2人です。正味の遺産額は6,000万円でした。基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算します。

基礎控除額は、いくらですか。(単位:万円)

答え 4800万円

3,000万円 + 600万円 × 3人 で4,800万円です。

ケース相続・贈与に備える★★★
  1. 定額 3,000万円
  2. 600万円 × 3人 = 1,800万円
  3. 合計 4,800万円

人数が1人増えるごとに、600万円ずつ線が上がる。

定額の3,000万円に、法定相続人1人あたり600万円を足していきます。3人なら1,800万円を足して4,800万円。人数が1人増えるごとに600万円ずつ線が上がる形です。この額が、相続税がかかるかどうかの目安になります。まず人数を数えることから始まる、というのがこの計算の入口です。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

正味の遺産額は6,000万円、基礎控除額は4,800万円でした。

課税遺産総額は、いくらですか。(単位:万円)

答え 1200万円

6,000万円 − 4,800万円 で1,200万円です。

ケース相続・贈与に備える★★
  • 正味の遺産額(万円)
  • 課税遺産総額(万円)

差の4,800万円が、基礎控除額。

課税価格の合計額から基礎控除額を引いた残りが、課税遺産総額です。6,000万円から4,800万円を引いて1,200万円。もし遺産が4,800万円以下だったら、この引き算の答えは残りません。基礎控除額は「ここまでは課税されない」という線なので、まずその線を出してから、遺産がそれを超えているかを見ることになります。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

Hさんの家では、子2人のうち1人が相続を放棄しました。もし放棄した人を数えず、法定相続人の数を2人として計算すると、基礎控除額は4,200万円になります。

正しい4,800万円との差は、いくらですか。(単位:万円)

答え 600万円

1人分の600万円だけ、少なく見積もることになります。

ケース相続・贈与に備える★★★
  • 正しい基礎控除(万円)
  • 放棄を外して数えた場合(万円)

課税遺産総額は1,200万円から1,800万円へ増えてしまう。

4,800万円と4,200万円の差は600万円です。人数を1人少なく数えると、控除の線が600万円下がります。すると課税遺産総額は1,200万円ではなく1,800万円になり、課税される部分が5割増えることになります。放棄した人を外して数えるという思い込みが、そのまま金額の誤りにつながります。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

友人から「うちは相続人が3人だけど、1人が放棄する予定。基礎控除は減る?」と聞かれました。

まず伝えるべきなのは、どれですか。

  • A 放棄があっても、人数は3人 正解

    正解です。放棄がなかったものとして数えます。

  • B 放棄すると、人数は2人に減る

    人数は減りません。放棄がなかったものとして数えます。

  • C 放棄した分だけ、控除が増える

    増えることもありません。

  • D 基礎控除は、遺産の額で決まる

    式に遺産の額は出てきません。

放棄がなかったものとして数えます。

ケース相続・贈与に備える★★★★
  1. 法定相続人の数は、放棄がなかったものとして3人
  2. 基礎控除額 3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円
  3. 放棄によって、この額は変わらない

遺産の額も、基礎控除額を変えない。

基礎控除額の計算では、放棄がなかったものとした場合の相続人の数を使います。だから3人のまま、基礎控除額は4,800万円です。放棄によって減ることも増えることもありません。基礎控除の式に遺産の額は出てこないので、遺産がいくらであっても額は変わりません。人数だけが効いています。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

Hさんの知人の家は、相続人が配偶者と実子1人、それに養子が2人います。

法定相続人の数は、何人として計算しますか。

  • A 4人。全員を数える

    養子は1人までなので、4人にはなりません。

  • B 2人。養子は数えない

    養子も1人は数えます。

  • C 5人。配偶者を二重に数える

    配偶者を重ねて数えることはありません。

  • D 3人。養子は1人まで数える 正解

    正解です。実子がいるので、養子は1人までです。

実子がいるので、養子は1人までです。

ケース相続・贈与に備える★★★★
  • 1人配偶者
  • 1人実子
  • 1人養子(実子がいるので1人まで)
  • 3人法定相続人の数

養子2人を数えると、基礎控除額が600万円ずれる。

配偶者1人、実子1人、そして養子は実子がいるので1人まで。合わせて3人です。養子が2人いても、法定相続人の数としては1人しか含められません。だから基礎控除額は4,800万円で、養子2人を数えた場合の5,400万円とは600万円違います。養子を数えないわけでもないので、0人としても誤りになります。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

相続税がかかるかどうかを知りたいと思っています。

先に出すのは、どちらでしょう。

  • A 法定相続人の数と、基礎控除額 正解

    正解です。線を先に引いて、遺産と比べます。

  • B 遺産のうち、現金がいくらあるか

    内訳は、基礎控除額を変えません。

  • C 相続の手続きに、何日かかるか

    手続きの日数も、関わりません。

  • D 税務署が、どこにあるのか

    場所も、金額とは関わりません。

線を先に引いて、遺産と比べます。

判断相続・贈与に備える★★★★

先に出すこと

  • 法定相続人の数を数える(放棄した人も数える/養子には制限)
  • 3,000万円 + 600万円 × 人数 で基礎控除額を出す
  • 正味の遺産額が、その線を超えているかを見る

家族構成が分かれば、その場で計算できる。

基礎控除額は「ここまでは課税されない」という線なので、まずその線を出します。式に必要なのは人数だけなので、家族構成が分かればその場で計算できます。そのうえで正味の遺産額がその線を超えているかを見ます。現金の内訳も、手続きの日数も、税務署の場所も、この線を動かしません。人数が先に来ます。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

「相続税の基礎控除は4,800万円」と聞いたとき、確かめるのはどれですか。

  • A その数字が、いつ決まったのか

    いつ決まったかは、金額を変えません。

  • B その家の法定相続人が、何人か 正解

    正解です。4,800万円は、3人のときの額です。

  • C 基礎控除という言葉の、正式な定義

    定義を知っても、自分の額は出ません。

  • D 申告書を、どこに出すのか

    提出先も、金額とは関わりません。

4,800万円は、3人のときの額です。

判断相続・贈与に備える★★★
基礎控除は4,800万円
  • それは法定相続人が3人のときの額
  • 1人なら3,600万円、4人なら5,400万円
  • 自分の家の人数を数えれば、その場で出せる

聞いた数字が、そのまま当てはまるとは限らない。

基礎控除額は法定相続人の数で決まるので、4,800万円というのは3人のときの額です。1人なら3,600万円、4人なら5,400万円。だからこの数字を聞いても、それが自分の家に当てはまるとは限りません。人数を先に数えれば、自分の額はその場で出せます。決まった時期も、言葉の定義も、提出先も、その額を変えません。

出典 国税庁「相続税の計算」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

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