経済・景気を読む

職探しをやめた人は、失業者に数えられない

数に入る人と、入らない人が、はっきり決まっています。

このページの要点

総務省統計局は、完全失業者の定義をILOの国際基準に準拠して(1)仕事についていない、(2)仕事があればすぐつくことができる、(3)仕事を探す活動をしていた者とし、仕事を探す活動をしていない人は完全失業者には含まれないとしています。完全失業率は、労働力人口(就業者と完全失業者の合計)に占める完全失業者の割合です。またハローワークに登録している人だけでなく、求人広告や知人への紹介依頼など、方法にかかわらず仕事を探す活動をしていた人が広く含まれます。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 完全失業者
  2. 完全失業者
  3. 完全失業率

わかる 2 問

  1. 完全失業率
  2. 完全失業者

見抜く 3 問

  1. 完全失業率
  2. 完全失業者
  3. 完全失業率

ケースで考える 5 問

  1. 労働力人口
  2. 完全失業率
  3. 有効求人倍率
  4. 完全失業者
  5. 完全失業者

判断する 2 問

  1. 完全失業率
  2. 完全失業率

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

完全失業者の定義と、関連する用語です。

それぞれ、どういう内容ですか。

答え 完全失業者の条件(1) … 仕事についていない/完全失業者の条件(2) … 仕事があればすぐつくことができる/完全失業者の条件(3) … 仕事を探す活動をしていた/就業可能非求職者 … 非労働力人口のうち就業を希望し、すぐに就業できる者

三つは、すべて満たす必要があります。

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区分内容
条件(1)仕事についていない
条件(2)仕事があればすぐつくことができる
条件(3)仕事を探す活動をしていた
就業可能非求職者非労働力人口のうち就業を希望し、すぐに就業できる者(詳細集計)

三つすべてに当てはまる人が完全失業者。

(1)仕事についていない、(2)仕事があればすぐつくことができる、(3)仕事を探す活動をしていた。この三つすべてに当てはまる人が完全失業者です。一つでも欠ければ入りません。就業可能非求職者は、非労働力人口のうち就業を希望しすぐに就業できる者を、詳細集計で別に集計しているものです。数から外れた人を、まったく見ていないわけではありません。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

_人は、完全失業者には含まれません。

  • A ハローワークに登録していなかった

    登録していなくても、探していれば含まれます。

  • B 前の仕事を自分の都合で辞めた

    自分の都合で辞めた人も、探していれば含まれます。

  • C 仕事を探す活動をしていない 正解

    正解です。三つの条件のうち、一つが欠けるからです。

  • D 家業を手伝っている

    家業を手伝っている人は、就業者になります。

三つの条件のうち、一つが欠けるからです。

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仕事を探す活動をしていれば、方法にかかわらず含まれる

ハローワークに登録している人だけが含まれる

探す活動をしていない人は、含まれない。

資料は「仕事を探す活動をしていない人は、完全失業者には含まれません」としています。ハローワークに登録していなくても、求人広告や知人への紹介依頼など、方法にかかわらず探していれば含まれます。自分の都合で辞めた人も、探していれば含まれます。家業を手伝っている人は、給与がなくても就業者になります。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 完全失業者とは、ハローワークに登録している人のことである

    方法にかかわらず、広く含まれます。

  • B 家業を手伝っている人は、給与がなければ就業者にならない

    給与がなくても就業者になります。

  • C 完全失業率の分母は、15歳以上のすべての人である

    分母は労働力人口です。

  • D 完全失業率は、有効求人倍率に遅れて推移する傾向がある 正解

    通ります。景気動向指数での位置づけが違います。

景気動向指数での位置づけが違います。

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資料に書いてあること

  • 完全失業率の分母は、労働力人口(就業者と完全失業者の合計)
  • 方法にかかわらず、仕事を探す活動をしていた人が広く含まれる
  • 家業を手伝っている人は、給与を受け取っていなくても就業者
  • 有効求人倍率は一致系列、完全失業率は遅行系列

完全失業率は、有効求人倍率に遅れて推移する傾向があるとされる。

資料は「有効求人倍率が景気動向におおむね一致して推移する一致系列に位置付けられているのに対して、完全失業率は景気動向に遅れて推移する遅行系列に位置付けられています」としています。完全失業者には、方法にかかわらず仕事を探す活動をしていた人が広く含まれます。家業を手伝っている人は給与を受け取っていなくても就業者です。そして分母は労働力人口です。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

完全失業率の分母は、何ですか。

  • A 15歳以上のすべての人

    人口全体ではありません。

  • B 労働力人口 正解

    正解です。就業者と完全失業者の合計です。

  • C 就業者だけの人数

    就業者だけでもありません。

  • D 人口の全体の人数

    人口の全体でもありません。

就業者と完全失業者の合計です。

わかる経済・景気を読む★★★
労働力人口 = 就業者 + 完全失業者完全失業率(%) = 完全失業者 ÷ 労働力人口 × 100仕事を探す活動をしていない人は、分子にも分母にも入らない

人口全体で割るのではない。

資料は「完全失業率とは、労働力人口(就業者と完全失業者の合計)に占める完全失業者の割合」としています。人口全体で割るのではありません。だから、仕事を探す活動をやめた人が増えると、その人は分子からも分母からも抜けます。分母が何かで、同じ人数でも出てくる率は変わります。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

完全失業者と、ハローワークへの登録の関係についてです。

資料は、どう書いていますか。

  • A 登録している人だけが含まれる

    登録している人だけではありません。

  • B 方法にかかわらず広く含まれる 正解

    正解です。求人広告や知人への紹介依頼も含まれます。

  • C 登録していない人だけが含まれる

    登録している人も含まれます。

  • D 求人広告を見た人は含まれない

    求人広告による人も含まれます。

求人広告や知人への紹介依頼も含まれます。

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仕事を探す活動をしていたか
  • ハローワークに登録して探していた → 含まれる
  • 求人広告・求人情報誌で探していた → 含まれる
  • 学校・知人などへの紹介依頼 → 含まれる
  • 探す活動をしていなかった → 含まれない

登録の有無ではなく、探す活動をしていたかどうかで決まる。

資料は「完全失業者には、公共職業安定所(ハローワーク)に登録して仕事を探している人のほかに、求人広告・求人情報誌や学校・知人などへの紹介依頼による人など、その方法にかかわらず、仕事を探す活動をしていた人が広く含まれます」としています。登録の有無ではなく、探す活動をしていたかどうかで決まります。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 完全失業率は、完全失業者を労働力人口で割って求める/労働力人口とは、就業者と完全失業者の合計である/仕事を探す活動をしていない人は、完全失業者に含まれない

完全失業率のほうが、遅れて動きます。

見抜く経済・景気を読む★★★★

完全失業率は、有効求人倍率に遅れて推移する傾向がある

完全失業率のほうが、先に景気の変化を映す

景気動向指数で、有効求人倍率は一致系列、完全失業率は遅行系列。

完全失業率の式、労働力人口の中身、探す活動をしていない人が含まれないことは、いずれも資料に書かれています。一方、完全失業者にはハローワークに登録していない人も広く含まれます。そして景気動向指数では有効求人倍率が一致系列、完全失業率が遅行系列とされていて、先に動くのは有効求人倍率のほうです。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

離職しても仕事が見つからず、職探しを諦めた人がいます。

この人は、完全失業者ですか。

  • A 含まれる。仕事についていない

    一つ満たしただけでは足りません。

  • B 半分だけ数えることになる

    半分という数え方はありません。

  • C 含まれない。探す活動がない 正解

    正しい見方です。三つ目の条件が欠けています。

  • D 含まれる。すぐ就ける状態だ

    これも一つ満たしただけです。

三つ目の条件が欠けています。

見抜く経済・景気を読む★★★★

完全失業者に含まれる

  • (1)仕事についていない
  • (2)仕事があればすぐつくことができる
  • (3)仕事を探す活動をしていた
  • 三つすべてを満たす

含まれない

  • 三つのうち一つでも欠ける
  • 職探しを諦めた人は(3)が欠ける
  • 非労働力人口として扱われる

就業可能非求職者として、詳細集計では別に集計されている。

資料は「仕事を探す活動をしていない人は、完全失業者には含まれません」としています。(1)と(2)を満たしていても、(3)が欠ければ入りません。三つすべてが必要だからです。だから景気が悪くなって職探しを諦める人が増えると、その分だけ完全失業率は下がる向きに働きます。数字が下がったことが、そのまま良い変化とはかぎりません。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

景気動向指数では、有効求人倍率と完全失業率が別の系列に置かれています。

どちらが先に動きますか。

  • A 両方とも同時に動く

    同時ではありません。

  • B 完全失業率が先に動く

    先に動くのは有効求人倍率のほうです。

  • C 有効求人倍率のほうが遅れて動く

    遅れるのは完全失業率のほうです。

  • D 完全失業率のほうが遅れる 正解

    正解です。一致系列と遅行系列に分かれています。

一致系列と遅行系列に分かれています。

見抜く経済・景気を読む★★★★
  1. 景気が動く景気動向そのものの変化
  2. おおむね同時有効求人倍率(一致系列)が動く
  3. 遅れて完全失業率(遅行系列)が動く

同じ雇用の数字でも、反応の早さが違う。

資料は「有効求人倍率が景気動向におおむね一致して推移する一致系列に位置付けられているのに対して、完全失業率は景気動向に遅れて推移する遅行系列に位置付けられています。つまり、完全失業率は、有効求人倍率に遅れて推移する傾向があるといわれます」としています。同じ雇用の数字でも、景気に対する反応の早さが違います。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

ある時点で、就業者が6,800万人、完全失業者が200万人だったとします。(この数字は計算のために置いた仮のものです)

労働力人口は、何万人ですか。(単位:万人)

答え 7000万人

6,800 + 200 で、7,000万人です。

ケース経済・景気を読む★★
  • 6,800万人就業者
  • 200万人完全失業者
  • 7,000万人労働力人口

仕事を探す活動をしていない人は、ここに入らない。

資料は労働力人口を「就業者と完全失業者の合計」としています。働いている人と、条件を満たして仕事を探している人を合わせたものです。ここに入らない人もいます。仕事を探す活動をしていない人は完全失業者に含まれないので、労働力人口にも入りません。まずこの合計を出さないと、失業率の計算に進めません。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

完全失業者が200万人、労働力人口が7,000万人でした。

完全失業率は、何%ですか。(単位:%・小数第1位まで)

答え 2.9%

200 ÷ 7,000 × 100 で、およそ2.9%です。

ケース経済・景気を読む★★★
200万人÷7,000万人およそ2.9%

資料の式は「完全失業率(%)=完全失業者/労働力人口×100」です。200を7,000で割ると0.02857…なので、100を掛けておよそ2.9%。分母が7,000万人であって、人口全体ではないところが要点です。もし分母をもっと大きな数にすれば、同じ200万人でも率は小さく出ます。式を見ないと、その違いに気づけません。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

有効求職者数が200万人、有効求人数が250万件だったとします。有効求人倍率は、有効求職者数に対する有効求人数の比率です。(この数字は計算のために置いた仮のものです)

有効求人倍率は、何倍ですか。(単位:倍・小数第2位まで)

答え 1.25倍

250 ÷ 200 で、1.25倍です。

ケース経済・景気を読む★★★
  • 有効求人数
  • 有効求職者数

単位は万。250 ÷ 200 で1.25倍。

資料は有効求人倍率を「有効求職者1人当たりに有効求人が何件あるか」を表した指標としています。1.25倍なら、求職者1人あたり1.25件の求人があることになります。完全失業率とは、集めているものも作り方も違う数字です。片方はハローワークに登録された数、もう片方は世帯を調べた結果です。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

Kさんは仕事についておらず、仕事があればすぐ就ける状態です。ただし、この期間は仕事を探す活動をしていませんでした。

Kさんは、完全失業者にあたりますか。

  • A 完全失業者にあたる

    二つでは足りません。

  • B 完全失業者ではない 正解

    正解です。三つのうち、一つが欠けています。

  • C 半分だけ数えられる

    半分という数え方はありません。

  • D 就業者にあたることになる

    仕事についていないので、就業者でもありません。

三つのうち、一つが欠けています。

ケース経済・景気を読む★★★

Kさんの場合

(1)仕事についていない
満たしている
(2)仕事があればすぐつくことができる
満たしている
(3)仕事を探す活動をしていた
満たしていない
判定
完全失業者にはあたらない

就業を希望しすぐ就業できるなら、就業可能非求職者として集計される。

(1)仕事についていない、(2)仕事があればすぐつくことができる、の二つは満たしていますが、(3)仕事を探す活動をしていた、が欠けています。三つすべてが必要なので、完全失業者にはあたりません。就業者でもないので、労働力人口にも入りません。ただし就業を希望しすぐに就業できるなら、詳細集計で「就業可能非求職者」として集計されます。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

完全失業者にあたるかどうかを見ていく順序です。

正しい順に、並べてください。

答え 仕事についていないかを見る → 仕事があればすぐつくことができるかを見る → 仕事を探す活動をしていたかを見る → 三つすべてに当てはまれば、完全失業者として数える

三つすべてを見てから、決まります。

ケース経済・景気を読む★★★
  1. 仕事についていないかを見る
  2. 仕事があればすぐつくことができるかを見る
  3. 仕事を探す活動をしていたかを見る
  4. 三つすべてに当てはまれば、完全失業者として数える

一つでも欠ければ、完全失業者にはならない。

(1)から(3)まで順に確かめ、三つすべてに当てはまってはじめて完全失業者として数えます。途中で一つでも欠ければ、そこで外れます。第40回で扱った確定申告の条件は「どれか一つでも当たれば」でしたが、この回は逆で「すべてに当たれば」です。同じ条件の並びでも、つなぎ方が違えば結論の出方が変わります。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

完全失業率の数字を見たときのことです。

確かめておくのは、どれでしょう。

  • A 分母は何か 正解

    正解です。人口全体ではなく、労働力人口です。

  • B 発表された曜日

    曜日は、数字の中身と関わりません。

  • C 資料の紙の色や質

    紙の色や質も、関わりません。

  • D 表の罫線の太さ

    罫線の太さも、関わりません。

人口全体ではなく、労働力人口です。

判断経済・景気を読む★★★★

分母が労働力人口だと分かったうえで、率を読む

人口全体に対する割合だと思って読む

探す活動をしていない人は、分子からも分母からも外れている。

分母が労働力人口だと分かっていれば、そこに入らない人がいることも見えてきます。仕事を探す活動をしていない人は、分子からも分母からも外れています。だから率だけを見ても、働きたい人がどれだけいるのかは分かりません。曜日も、紙の質も、罫線の太さも、その中身を教えてくれません。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

「失業率が下がった」という報道を見ました。

あわせて確かめるのは、どれですか。

  • A 探す活動をやめた人 正解

    正解です。数から外れると、率は下がる向きに働きます。

  • B 発表機関の職員の数

    職員の数は、率と関わりません。

  • C 資料のページ数の多さ

    ページ数も、関わりません。

  • D 図表の色づかいの好み

    色づかいも、関わりません。

数から外れると、率は下がる向きに働きます。

判断経済・景気を読む★★★★

メリット

  • 就職が決まって完全失業者が減れば、率は下がる

デメリット

  • 探す活動をやめた人が増えても、率は下がる向きに働く
  • 率だけでは、どちらで下がったのかを区別できない

非労働力人口のうち就業を希望しすぐ就業できる者は、就業可能非求職者として集計されている。

仕事を探す活動をやめた人は、完全失業者にも労働力人口にも入りません。だからその人が増えると、率は下がる向きに働きます。就職が決まって下がったのか、探すのをやめた人が増えて下がったのかは、率だけでは区別できません。資料も、そうした人を詳細集計で「就業可能非求職者」として集計していると書いています。

出典 総務省統計局「労働力調査に関するQ&A」 / 2026年9月時点の情報

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