債券・国債を活用する

個人向け国債を1年で解約。元本は割れないと聞いたけど?

元本は戻ります。ただし引かれるものがあります。何が戻り、何が引かれるのかを、金額で確かめます。

このページの要点

個人向け国債は、発行後1年経過すればいつでも中途換金でき、償還金額は額面100円につき100円で中途換金時も同じです。ただし直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。0.79685を掛けるのは、利子の受取時に20.315%分の税金が差し引かれているためです。つまり元本は割れませんが、直前1年分の利子は実質的に戻すことになります。金利には年0.05%の下限があり、変動10年の適用利率は基準金利×0.66で決まります。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

このレッスンを解く

会員登録なしで解けます。このページには答えと解説を載せています。

目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 中途換金
  2. 0.79685
  3. 金利の下限

わかる 2 問

  1. 金利設定方法
  2. 中途換金の特例

見抜く 3 問

  1. 中途換金
  2. 個人向け国債
  3. 金利設定方法

ケースで考える 5 問

  1. 中途換金
  2. 中途換金調整額
  3. 償還金額
  4. 変動10年
  5. 情報不足

判断する 2 問

  1. 中途換金
  2. 判断の順序

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

個人向け国債を中途換金できるのは、いつからですか。

  • A 購入した直後から、いつでも

    購入直後には換金できません。

  • B 発行後6か月が経過してから

    6か月ではありません。

  • C 発行後1年が経過してから 正解

    正解です。発行後1年経過すれば、いつでも換金できます。

  • D 満期の1年前になってから

    満期の1年前という決まりではありません。

発行後1年経過すれば、いつでも換金できます。

知る債券・国債を活用する★★
  1. 発行〜1年原則として中途換金できない
  2. 1年経過後いつでも中途換金が可能
  3. 特例大規模な自然災害の被害・本人の死亡は期間に関わらず可

すぐ使うかもしれないお金を入れる場所ではない。

財務省は「発行後1年経過すれば、いつでも中途換金が可能」としています。つまり最初の1年は、原則として引き出せません。すぐ使うかもしれないお金を入れる場所ではない、ということです。ただし特例があり、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害により被害を受けた場合や、保有者本人が亡くなられた場合は、この期間に関わらず中途換金できます。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

調整額の計算で0.79685を掛けるのは、なぜですか。

  • A 受取時に20.315%の税が引かれるから 正解

    正解です。税引後に受け取った分に、合わせるためです。

  • B 中途換金の手数料が20.315%かかるから

    手数料ではありません。税の分の調整です。

  • C 額面の20.315%が保証されているから

    保証の割合ではありません。

  • D 国債の利率が20.315%分下がるから

    利率が下がるわけではありません。

税引後に受け取った分に、合わせるためです。

知る債券・国債を活用する★★★
  • 20.315%利子の受取時に引かれる税
  • 0.796851 − 0.20315

手元に入ったのは税引後の分なので、返すのもその分に合わせる。

財務省は「直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を乗じているのは、国債の利子の受取時に20.315%分の税金が差し引かれているためです」と説明しています。1から0.20315を引くと0.79685になります。つまり手元に入っていたのは税引後の分なので、返すのもその分に合わせる、という筋です。手数料でも保証でもなく、税の分を戻す計算にすぎません。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

個人向け国債の金利には下限があり、年率_%を下回りません。

  • A 0.01

    0.01%ではありません。

  • B 0.02

    0.02%でもありません。

  • C 0.03

    0.03%は固定3年の差し引き分の数字です。

  • D 0.05 正解

    正解です。年0.05%が下限です。3タイプに共通です。

年0.05%が下限です。3タイプに共通です。

知る債券・国債を活用する★★
商品金利の決め方下限
変動10年基準金利 × 0.660.05%
固定5年基準金利 − 0.05%0.05%
固定3年基準金利 − 0.03%0.05%

下限は共通。決め方だけが違う。

財務省は「金利の下限 0.05%(年率)」としています。変動10年・固定5年・固定3年のいずれにも共通する下限です。基準金利がどれだけ下がっても、この水準は割りません。3タイプで違うのは金利の決め方のほうで、変動10年は基準金利×0.66、固定5年は基準金利−0.05%、固定3年は基準金利−0.03%です。下限は共通、決め方は別、と分けて覚えます。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

3タイプの金利の決め方として、正しい組み合わせはどれですか。

  • A 変動10年は基準金利−0.05%で決まる

    変動10年は掛け算(×0.66)で決まります。

  • B 固定5年は基準金利−0.05%で決まる 正解

    正解です。固定5年だけが「−0.05%」です。

  • C 固定3年は基準金利×0.66で決まる

    掛け算で決まるのは、変動10年のほうです。

  • D 変動10年は基準金利−0.03%で決まる

    −0.03%は固定3年の数字です。

固定5年だけが「−0.05%」です。

わかる債券・国債を活用する★★★
金利の決め方
  • 変動10年 → 基準金利 × 0.66
  • 固定5年 → 基準金利 − 0.05%
  • 固定3年 → 基準金利 − 0.03%

掛け算は変動10年だけ。固定の2つは引き算。

財務省の表では、変動10年が基準金利×0.66、固定5年が基準金利−0.05%、固定3年が基準金利−0.03%です。掛け算で決まるのは変動10年だけで、固定の2つは引き算です。満期が長いほうが差し引く幅が大きい、という並びになっています。0.05%という数字は金利の下限と同じですが、こちらは固定5年の差し引き分なので、別のものとして扱います。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

発行後1年以内でも中途換金できるのは、五つのうちどの場合でしょうか。

答え 大規模な自然災害の被害を受けた場合/保有者本人が亡くなられた場合

災害と、本人が亡くなられた場合だけです。

わかる債券・国債を活用する★★★

1年以内でも換金できる場合

  • 災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害の被害
  • 保有者本人が亡くなられた場合

自分の都合による換金は、特例に入らない。

財務省は中途換金の特例として、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害により被害を受けた場合と、保有者本人が亡くなられた場合を挙げています。この二つだけが、1年という期間に関わらず換金できます。急にお金が必要になったことや、より条件の良い商品が出たこと、金融機関を変えたいことは特例に入りません。最初の1年は動かせない、という前提で置き場所を決めます。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この一文は、中途換金の読み方として正しいですか。

  • A 元本が割れないので、いつ解約しても損はしない

    元本は割れませんが、利子の分は引かれます。

  • B 元本が割れないので、利子も全額が手元に残る

    利子は全額が残るわけではありません。

  • C 元本は割れないが、直前1年分の利子は戻す 正解

    正しい一文です。割れないのは元本。利子のほうは引かれます。

  • D 元本が割れないのは、満期まで持った場合だけである

    中途換金のときも、元本は割れません。

割れないのは元本。利子のほうは引かれます。

見抜く債券・国債を活用する★★★★

元本は割れない。ただし直前1年分の利子は戻す

元本が割れないから、いつ解約しても損はしない

利子は年2回。直前2回分は、およそ1年分にあたる。

償還金額は中途換金のときも額面100円につき100円なので、元本は割れません。しかし直前2回分の各利子にあたる額は差し引かれます。利子は半年ごとに年2回なので、直前2回分とはおよそ1年分にあたります。つまり「元本割れしない」は本当ですが、「いつ解約しても損しない」ではありません。1年ちょうどで解約すれば、受け取った利子はほぼ返すことになります。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 購入は1万円から、1万円単位でできる 正解

    通ります。1万円から、1万円単位で買えます。

  • B 中途換金では、市場の価格で買い取られる

    額面100円につき100円です。市場価格ではありません。

  • C 利子は、満期のときに一括で受け取る

    半年ごとに年2回、受け取ります。

  • D 発行は年に1回だけで、時期が限られる

    発行は毎月、年12回です。

1万円から、1万円単位で買えます。

見抜く債券・国債を活用する★★★
項目中身
購入単価最低1万円から1万円単位
利子の受け取り半年毎に年2回
発行頻度毎月(年12回)
償還金額額面100円につき100円(中途換金時も同じ)

少額から、毎月買える。

財務省は購入単価について「最低1万円から1万円単位(額面金額100円につき100円)」としています。中途換金でも償還金額は額面100円につき100円なので、市場価格で買い取られることはありません。利子は満期一括ではなく半年ごとに年2回受け取ります。発行は毎月、年12回です。少額から買えて毎月買える、というのがこの商品の入りやすさになっています。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

四つの項目は、それぞれどの式で決まりますか。

答え 変動10年 … 基準金利 × 0.66/固定5年 … 基準金利 − 0.05%/固定3年 … 基準金利 − 0.03%/中途換金調整額 … 直前2回分の利子 × 0.79685

掛ける式が二つ、引く式が二つあります。

見抜く債券・国債を活用する★★★
項目
変動10年の利率基準金利 × 0.66
固定5年の利率基準金利 − 0.05%
固定3年の利率基準金利 − 0.03%
中途換金調整額直前2回分の利子 × 0.79685

0.66と0.79685は、どちらも掛ける数字だが役割が違う。

変動10年は基準金利に0.66を掛け、固定5年は0.05%を引き、固定3年は0.03%を引きます。そして中途換金調整額は、直前2回分の利子に0.79685を掛けます。掛ける式と引く式が混ざっているので、どれがどれか取り違えやすいところです。0.66と0.79685はどちらも掛ける数字ですが、片方は利率の決め方、もう片方は解約時の差し引きなので、役割がまったく違います。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Lさんは個人向け国債(変動10年)を額面100万円分持っています。利子は半年ごとに年2回。直近2回の適用利率は、どちらも年0.5%でした。

直前2回分の利子(税引前)は、合計いくらですか。(単位:円)

答え 5000円

1回2,500円が2回で、合計5,000円です。

ケース債券・国債を活用する★★★
  1. 額面 100万円 × 年0.5% = 5,000円(年間)
  2. 年2回に分けるので、1回分は 2,500円
  3. 直前2回分 = 2,500円 × 2 = 5,000円

年率をそのまま使うと、倍で見積もってしまう。

利子は半年ごとに年2回受け取るので、1回分は年率の半分です。100万円 × 0.5% ÷ 2 で2,500円、それが2回分なので5,000円になります。中途換金のときは、この「直前2回分の各利子(税引前)相当額」が計算のもとになります。まずこの金額を出しておかないと、解約したときにいくら引かれるのかが分かりません。年率をそのまま使うと、倍の金額で見積もってしまいます。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

中途換金では、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。Lさんの直前2回分は5,000円でした。

差し引かれるのは、およそいくらですか。(単位:円)

答え 3984円

5,000円 × 0.79685 で、約3,984円です。

ケース債券・国債を活用する★★★
  • 直前2回分の利子(税引前)
  • 差し引かれる調整額

差は、受取時にすでに引かれていた税の分。

5,000円に0.79685を掛けて、3,984円ほどになります。これが中途換金調整額です。もとの5,000円は税引前の金額ですが、利子を受け取ったときにはすでに20.315%分の税金が引かれています。だから返すのも、税引後に受け取った分に合わせた額になります。5,000円がまるごと引かれるわけではない、というのがこの0.79685の意味です。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

Lさんは、中途換金したら元本が減るのではないかと心配しています。

額面100万円の元本は、中途換金でどうなりますか。

  • A 戻る。額面100円につき100円で、換金時も同じ 正解

    正解です。償還金額は、中途換金のときも同じです。

  • B 減る。市場の価格で買い取られることになる

    市場価格で買い取られる仕組みではありません。

  • C 減る。調整額の分だけ元本から引かれる

    引かれるのは利子にあたる分で、元本ではありません。

  • D 戻らない。満期まで持たないと元本は返らない

    満期を待たなくても、元本は戻ります。

償還金額は、中途換金のときも同じです。

ケース債券・国債を活用する★★★

戻るもの

  • 元本(額面100円につき100円)
  • 中途換金のときも同じ

引かれるもの

  • 直前2回分の各利子(税引前)× 0.79685

元本は割れない。ただし引かれるものはある。

財務省は償還金額について「額面金額100円につき100円(中途換金時も同じ)」としています。市場で売る債券と違い、価格が動いて元本が目減りすることはありません。差し引かれるのは直前2回分の利子にあたる調整額であって、元本そのものではありません。ここが「元本割れしない」と言われるゆえんです。ただし、引かれるものがないという意味ではありません。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

変動10年の適用利率は、基準金利に0.66を掛けて決まります。ある回の基準金利が年1.5%でした。

このときの適用利率は、年何%ですか。(単位:%)

答え 0.99%

1.5% × 0.66 で、年0.99%です。

ケース債券・国債を活用する★★★
  • 基準金利
  • 変動10年の適用利率

そのままではなく、0.66を掛けた分になる。

基準金利1.5%に0.66を掛けて0.99%です。基準金利がそのまま適用されるのではなく、3分の2ほどに抑えられます。実勢金利が上がれば受取利子が増えることもありますが、上がり方は基準金利と同じにはなりません。この0.66を知らないと、「金利が上がったのに思ったほど増えない」と感じることになります。決め方の式そのものを見ておくのが確実です。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

友人から「個人向け国債を解約したい。いくら引かれる?」と聞かれました。

いま答えられるのは、どれですか。

  • A 元本の1%が引かれるので、その分だけ減る

    元本に対する割合では決まりません。

  • B 何も引かれない。元本割れしないから

    直前2回分の利子にあたる額が引かれます。

  • C 満期まで待つべき。解約すると必ず損をする

    必ず損をするとは言えません。持っていた期間しだいです。

  • D 直近2回の利率と額面を聞かないと出せない 正解

    正解です。調整額は、直前2回分の利子から決まります。

調整額は、直前2回分の利子から決まります。

ケース債券・国債を活用する★★★
いくら引かれるか
  • 額面はいくらか
  • 直近2回の適用利率は何%か
  • この2つで、直前2回分の利子が出る

元本の何%、という決まりではない。

差し引かれるのは「直前2回分の各利子(税引前)相当額 × 0.79685」なので、額面と直近2回の適用利率が分からないと金額が出せません。元本の何%という決まりではありませんし、何も引かれないわけでもありません。必ず損をするとも言えず、すでに受け取った利子が直前2回分より多ければ、その分は手元に残ります。まず二つの数字を聞きます。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

すぐには使わないお金の置き場所として、個人向け国債を考えています。

置く前に確かめておくべきなのは、どれですか。

  • A 過去に金利がいちばん高かった時期

    過去の水準は、これからの利率を教えてくれません。

  • B そのお金を、1年以内に使う可能性 正解

    正解です。最初の1年は、原則として動かせません。

  • C 同じ商品を買った人が、何人いるか

    他の人の数は、判断材料になりません。

  • D 国債が最初に発行された年と経緯

    沿革は、置けるかどうかとは関わりません。

最初の1年は、原則として動かせません。

判断債券・国債を活用する★★★★
  1. そのお金を、いつ使うかを決める
  2. 1年以内に使う可能性があるなら、置かない
  3. 1年を過ぎても、解約時は直前2回分の利子が引かれる

使う時期が先に決まる。金利を見るのはそのあと。

発行後1年は原則として中途換金できず、1年を過ぎても直前2回分の利子にあたる額が差し引かれます。だから、そのお金を1年以内に使う可能性があるかどうかが、置けるかどうかを決めます。過去の金利の高さは、これから適用される利率を教えてくれません。買った人の数や制度の沿革も、自分が動かせるかどうかとは関わりません。使う時期が先に決まります。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

「元本は保証されます」と聞いたとき、次に確かめるのはどちらでしょう。

  • A 元本のほかに、引かれるものがあるかどうか 正解

    正解です。個人向け国債でも、調整額は引かれます。

  • B その商品を扱っている会社の設立年

    設立年は、引かれるものの有無とは関わりません。

  • C その説明をした人が、何年勤めているか

    勤続年数も、判断材料になりません。

  • D その商品の名前が、覚えやすいかどうか

    名前の覚えやすさは、金額とは関わりません。

個人向け国債でも、調整額は引かれます。

判断債券・国債を活用する★★★

元本の保証を聞いたら、隣にある差し引きを確かめる

元本が保証されるなら、減るものは何もない

個人向け国債は、まさにその形になっている。

個人向け国債は元本が割れませんが、中途換金では直前2回分の利子にあたる額が差し引かれます。つまり「元本は戻る」ことと「引かれるものがない」ことは別です。元本の保証を聞いたら、その隣にある差し引きを確かめます。会社の設立年や説明した人の勤続年数、商品名の覚えやすさは、どれも引かれるものの有無を教えてくれません。

出典 財務省「個人向け国債商品概要」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

会員登録をすると、経験値と連続学習日数が記録され、間違えた問題だけをあとで解き直せます。

このレッスンを解く