収入を管理する

給与明細の控除5万円。このお金はどこへ消えた?

全額払いが原則で、控除できるのは例外のほうです。

このページの要点

労働基準法第二十四条は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」としたうえで、「法令に別段の定めがある場合」などには「賃金の一部を控除して支払うことができる」としています。総支給額320,000円から社会保険料46,000円と所得税4,000円を引くと、差引支給額は270,000円。翌年に住民税12,000円が加わると控除は62,000円になり、差引支給額は258,000円。総支給額は変わっていません。

最終更新 2026年9月11日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 総支給額
  2. 控除
  3. 総支給額

わかる 2 問

  1. 控除
  2. 住民税

見抜く 3 問

  1. 控除
  2. 総支給額
  3. 差引支給額

ケースで考える 5 問

  1. 差引支給額
  2. 住民税
  3. 差引支給額
  4. 差引支給額
  5. 住民税

判断する 2 問

  1. 控除
  2. 所得税

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 賃金は通貨で直接労働者に全額を支払う 正解

    通ります。第二十四条の本文がこの形です。

  • B 賃金は年に一回支払えばよいとされている

    毎月一回以上、一定の期日を定めて支払うとされています。

  • C 法令に別段の定めがあっても控除はできない

    法令に別段の定めがある場合は控除できます。

  • D 休業手当は平均賃金の百分の三十以上である

    百分の六十以上とされています。

第二十四条の本文がこの形です。

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労働基準法 第三章 賃金

  • 第二十四条 賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない
  • 法令に別段の定めがある場合などには、賃金の一部を控除して支払うことができる
  • 第二十四条第二項 賃金は毎月一回以上、一定の期日を定めて支払う
  • 第二十六条 休業手当は平均賃金の百分の六十以上
  • 第二十八条 賃金の最低基準は最低賃金法の定めるところによる

第二十五条は非常時払、第二十七条は出来高払制の保障給を定めている。

第二十四条は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」としています。同条第二項は「毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」。法令に別段の定めがある場合などには一部を控除できるとされています。休業手当は第二十六条で「平均賃金の百分の六十以上」とされています。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

労働基準法第二十四条は、賃金は、通貨で、直接労働者に、その_を支払わなければならない、としています。

  • A 全額 正解

    正解です。控除できるのは、ただし書きの場合だけです。

  • B 半額

    半額とは書かれていません。

  • C 一部

    一部はただし書きのほうに出てくる言葉です。

  • D 残額

    残額という言葉は使われていません。

控除できるのは、ただし書きの場合だけです。

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定めている内容
第二十四条賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払う
第二十四条ただし書き法令に別段の定めがある場合などは、一部を控除して支払える
第二十四条第二項毎月一回以上、一定の期日を定めて支払う
第二十六条休業手当は平均賃金の百分の六十以上

第二十八条は、賃金の最低基準を最低賃金法によるとしている。

第二十四条の本文は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」です。「一部を控除して支払うことができる」のは、そのあとのただし書きに書かれた場合にかぎられます。原則と例外の順番が、条文の書き方に表れています。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

労働基準法の第三章は、賃金についていくつかのことを定めています。

それぞれ、どう定めていますか。

答え 第二十四条 … 賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払う/第二十四条第二項 … 毎月一回以上、一定の期日を定めて支払う/第二十五条 … 非常の場合の費用に充てるための請求があれば支払期日前でも支払う/第二十六条 … 休業手当は平均賃金の百分の六十以上

支払い方と、支払う時期の両方が定められています。

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第二十四条 → 賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払う第二十四条第二項 → 毎月一回以上、一定の期日を定めて支払う第二十五条 → 非常の場合の費用のための請求があれば支払期日前でも支払う第二十六条 → 休業手当は平均賃金の百分の六十以上

控除については、第二十四条のただし書きに書かれている。

第二十四条は支払い方(通貨で、直接、全額)と支払う頻度(毎月一回以上、一定の期日)を定めています。第二十五条は非常の場合に支払期日前でも支払うこと、第二十六条は休業手当。控除の話は第二十四条のただし書きに置かれています。

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わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

Aさんは「控除の5万円は、会社が受け取っているのだろうか」と考えました。

労働基準法の条文で見ると、どうですか。

  • A 会社の取り分になっている

    会社の取り分にはなりません。

  • B 会社を通じて納められる 正解

    正解です。全額払いが原則で、控除は例外です。

  • C 銀行が預かっている

    銀行が預かるという仕組みではありません。

  • D 控除は総支給額と無関係

    控除は総支給額から引かれる分です。

全額払いが原則で、控除は例外です。

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第二十四条の原則

  • 通貨で
  • 直接労働者に
  • その全額を支払う

条文が認める例外

  • 法令に別段の定めがある場合
  • 労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合
  • 賃金の一部を控除して支払うことができる

原則が先に書かれ、控除はただし書きの側に置かれている。

第二十四条は賃金の全額払いを原則としたうえで、「法令に別段の定めがある場合」などに限って「賃金の一部を控除して支払うことができる」としています。社会保険料や所得税は、その法令に別段の定めがある場合にあたります。会社の取り分になるのではなく、会社を通じて納められる形です。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

毎月12,000円の差が12か月続くと144,000円になりました。

この144,000円は、何を表していますか。

  • A 総支給額が増えた分である

    総支給額は320,000円のままです。

  • B 1年で減る手取りの分 正解

    正解です。総支給額は変わっていません。

  • C 社会保険料の合計

    社会保険料は毎月46,000円です。

  • D 所得税の合計である

    所得税は毎月4,000円です。

総支給額は変わっていません。

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総支給額 320,000円(変わらない)

  • 1年目の控除 50,000円 → 差引支給額 270,000円
  • 翌年の控除 62,000円 → 差引支給額 258,000円
  • 毎月の差 12,000円 → 1年で144,000円

住民税は前年の所得に対して課税されるため、翌年から天引きが始まる。

住民税の天引きが始まったことで、1年に使える額が144,000円少なくなります。総支給額は320,000円のままなので、増えてはいません。社会保険料は毎月46,000円、所得税は毎月4,000円で、どちらもこの144,000円とは別の数字です。

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見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料とこの回の計算から言えるのは、どれでしょう。

答え 第二十四条は、賃金の全額払いを原則としている/法令に別段の定めがある場合は、一部を控除できる/総支給額が同じでも、差引支給額は変わることがある

総支給額は320,000円のままでした。

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総支給額の欄と控除の欄を、別々に見比べる

手取りが減ったことだけを見て、給料が下がったと考える

この回では総支給額320,000円のまま、差引支給額が12,000円減った。

全額払いの原則も、ただし書きによる控除も条文のとおりです。この回では総支給額が320,000円で変わらないまま、差引支給額が270,000円から258,000円になりました。控除が増えたことと、総支給額が減ったことは別です。また賃金は毎月一回以上、一定の期日を定めて支払うとされています。

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「振込額が12,000円減った。給料が下がったのだろう」と考えました。

明細で見ると、どうですか。

  • A そのとおり給料が下がった

    総支給額の欄を見ると、変わっていません。

  • B 総支給額は変わっていない 正解

    正解です。320,000円のままです。

  • C 控除は増えていない

    控除は50,000円から62,000円に増えています。

  • D 総支給額は関わらない

    総支給額は、差を作る側の一つです。

320,000円のままです。

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振込額が12,000円減った
  • 総支給額が減った場合 → 総支給額の欄が変わる
  • 控除が増えた場合 → 控除の欄に行が増えるか額が変わる
  • この回では → 総支給額320,000円のまま、控除が50,000→62,000円

明細の欄が分かれているので、どちらなのかを見分けられる。

総支給額の欄は二つの年とも320,000円です。動いたのは控除欄で、50,000円から62,000円になりました。手取りが減る理由は二つあり、総支給額が減る場合と控除が増える場合。どちらなのかは、明細の別々の欄を見れば分かります。

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この回では、差引支給額を最後に置きました。

この欄を見るのは、なぜですか。

  • A 総支給額と控除の両方が入った数字だから 正解

    正解です。差引支給額は総支給額から控除を引いた額です。

  • B 会社が決めているから

    会社が金額を決めているという話ではありません。

  • C 通帳の桁数が決まっているから

    通帳の桁数は、計算に入ってきません。

  • D 硬貨の枚数が変わるから

    硬貨の枚数も、計算に入ってきません。

差引支給額は総支給額から控除を引いた額です。

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258,000円(差引支給額)÷320,000円(総支給額)×100約80.6%

総支給額だけを見ても、控除だけを見ても、実際に振り込まれる額は分かりません。差引支給額は二つを合わせた結果です。この回では320,000円から62,000円を引いて258,000円。総支給額に対する割合は約80.6%で、1年目の約84.4%より下がっています。

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ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Aさんの給与明細です。総支給額は320,000円、控除欄には社会保険料46,000円と所得税4,000円が並んでいました(この二つの額は明細に書かれていた額としてこちらで置いた仮の数字です)。この年はまだ住民税の天引きが始まっていません。

差引支給額は、いくらですか。(単位:円)

答え 270000円

320,000 − 46,000 − 4,000 で、270,000円です。

ケース収入を管理する★★★
  1. 総支給額 320,000円
  2. 社会保険料 −46,000円
  3. 所得税 −4,000円
  4. 差引支給額 270,000円

控除の額は、明細に書かれていた額としてこちらで置いた仮の数字。

控除の合計は50,000円です。労働基準法第二十四条は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」としたうえで、法令に別段の定めがある場合などには「賃金の一部を控除して支払うことができる」としています。全額払いが原則で、控除できるのは例外のほうです。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

翌年になり、住民税の天引きが始まりました。明細の控除欄に住民税12,000円が加わります(この額もこちらで置いた仮の数字です)。社会保険料46,000円と所得税4,000円は変わりません。

控除の合計は、いくらになりますか。(単位:円)

答え 62000円

46,000 + 4,000 + 12,000 で、62,000円です。

ケース収入を管理する★★★
  • 46,000円社会保険料
  • 4,000円所得税
  • 12,000円住民税(翌年から)
  • 62,000円控除の合計

控除の額は、明細に書かれていた額としてこちらで置いた仮の数字。

控除欄に一行増えました。住民税は前年の所得に対して課税されるため、働き始めた年には天引きがなく、翌年から始まります(この点はミッション006で総務省の資料から確認しています)。総支給額は320,000円のままで、変わったのは控除欄のほうです。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

翌年の控除の合計は62,000円になりました。総支給額は同じ320,000円です。

差引支給額は、いくらになりますか。(単位:円)

答え 258000円

320,000 − 62,000 で、258,000円です。

ケース収入を管理する★★★
  • 1年目の差引支給額(円)
  • 翌年の差引支給額(円)

総支給額はどちらも320,000円。動いたのは控除欄のほう。

前の年は270,000円でしたから、12,000円少なくなります。総支給額は320,000円のままで動いていません。手取りが減った理由は、給料が下がったからではなく、控除欄に一行増えたからです。この二つは明細の別の欄に出るので、見分けられます。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

控除が50,000円から62,000円になりました。総支給額は320,000円で変わりません。

差引支給額は、どうなりますか。

  • A 差引支給額は変わらない

    控除が増えれば、差引支給額は変わります。

  • B 12,000円少なくなる 正解

    正解です。270,000円から258,000円になります。

  • C 会社が負担する額が増える

    会社の負担の話ではありません。

  • D 総支給額が減っている

    総支給額は320,000円のままです。

270,000円から258,000円になります。

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同じ総支給額320,000円で、二つの年を比べると

1年目の控除
社会保険料46,000+所得税4,000=50,000円
1年目の差引支給額
270,000円
翌年の控除
50,000+住民税12,000=62,000円
翌年の差引支給額
258,000円

総支給額は動いていない。増えたのは控除の側。

控除が12,000円増えた分、そのまま差引支給額が12,000円減ります。総支給額の欄は320,000円のままです。給料が下がったのか、控除が増えたのかは、明細の別の欄を見れば分かります。1年では12,000 × 12 = 144,000円の差になります。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

住民税が加わったことで、毎月の差引支給額は12,000円少なくなりました。この状態が12か月続くとします。

1年では、いくら少なくなりますか。(単位:円)

答え 144000円

12,000 × 12 で、144,000円です。

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  • 1か月の差(円)
  • 1年の差(円)

総支給額は320,000円のまま。変わったのは控除欄だけ。

毎月の差は12,000円でも、1年では144,000円になります。総支給額は320,000円のままなので、給与そのものは変わっていません。それでも使える額は144,000円分減ります。生活費や固定費を前の年のまま続けると、この分だけ計算が合わなくなります。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

この回では、明細の総支給額・控除・差引支給額を並べました。

振込額が減った理由を出すとき、役に立たないのはどれですか。

  • A 明細の総支給額

    総支給額は、引かれる前の額です。

  • B 控除の合計額

    控除の合計は、引かれる額です。

  • C 受け取った曜日 正解

    正解です。曜日は、計算に入ってきません。

  • D 差引支給額の欄

    差引支給額は、その差です。

曜日は、計算に入ってきません。

判断収入を管理する★★★
総支給額 → 320,000円(二つの年とも同じ)控除の合計 → 50,000円/62,000円差引支給額 → 270,000円/258,000円差 → 毎月12,000円、1年で144,000円

労働基準法第二十四条は、全額払いを原則とし、控除をただし書きに置いている。

この回の計算に入ってきたのは、総支給額320,000円、控除の合計50,000円または62,000円、そしてその差である差引支給額の三つでした。どれか一つが変わると、振込額も変わります。明細を受け取った曜日は、そのどこにも入ってきません。振込額の減り方より先に、どの欄が動いたかを見る形になります。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

振込額が前より減っていました。

確かめるのは、どれでしょう。

  • A 控除の欄のどれが増えたか 正解

    正解です。総支給額が減った場合と、控除が増えた場合があります。

  • B 前月の残業時間を見る

    残業時間は総支給額の側の話です。

  • C 同僚の明細を見る

    他人の明細は、自分の控除欄を教えてくれません。

  • D 明細の紙質を見る

    紙質は、計算に入ってきません。

総支給額が減った場合と、控除が増えた場合があります。

判断収入を管理する★★★

総支給額の欄と控除の欄を、前の明細と並べて見る

振込額が減ったことだけを見て、理由を決めつける

この回では総支給額が変わらないまま、控除に住民税12,000円が加わった。

この回では総支給額320,000円のまま、控除が50,000円から62,000円になって差引支給額が12,000円減りました。明細は総支給額と控除が別の欄に分かれているので、どちらが動いたかを見分けられます。同僚の明細も、紙質も、自分の控除欄が何行増えたかを教えてくれません。

出典 e-Gov法令検索「労働基準法」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

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