税金・制度を活用する

年収700万円の人の所得は、700万円ではない

源泉徴収票の支払金額と、税の計算に使う所得は、別の数字です。

このページの要点

国税庁は、給与所得の金額は給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出するとしています。給与所得控除額は収入金額の区分ごとに算式が変わり、令和8年分・令和9年分では、収入660万1円から850万円までは収入金額×10%+110万円、850万1円以上は195万円が上限です。収入700万円なら控除は180万円で、給与所得は520万円になります。なお収入が660万円未満の場合は、この表にかかわらず所得税法別表第五により給与所得の金額を求めることとされています。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 給与所得控除
  2. 給与所得控除
  3. 給与所得控除

わかる 2 問

  1. 給与所得
  2. 給与所得控除

見抜く 3 問

  1. 給与所得控除
  2. 給与所得控除
  3. 給与所得控除

ケースで考える 5 問

  1. 給与所得控除
  2. 給与所得
  3. 給与所得
  4. 給与所得
  5. 給与所得

判断する 2 問

  1. 給与所得控除
  2. 給与所得控除

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

給与所得控除額の上限は、_です。

  • A 650,000円

    650,000円は令和7年分の下の区分の額です。

  • B 740,000円

    740,000円は、収入2,200,000円までの区分の額です。

  • C 1,100,000円

    1,100,000円は、区分の算式に出てくる定数です。

  • D 1,950,000円 正解

    正解です。8,500,001円以上は、この額で止まります。

8,500,001円以上は、この額で止まります。

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  • 収入700万円
  • 収入850万円
  • 収入900万円
  • 収入1,000万円

単位は円。850万円を超えると、控除は動かない。

令和8年分・令和9年分の表では、収入金額が8,500,001円以上の区分に「1,950,000円(上限)」と書かれています。この区分だけ、率も定数もなく、金額そのものが置かれています。つまり収入がどれだけ増えても、控除はここから動きません。区分の式を追っていくと、最後に式が消える。そこが上限です。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

令和8年分・令和9年分の給与所得控除額の表です。

それぞれの区分には、何が書かれていますか。

答え 2,200,000円まで … 740,000円/2,200,001円から3,600,000円まで … 収入金額×30%+80,000円/3,600,001円から6,600,000円まで … 収入金額×20%+440,000円/8,500,001円以上 … 1,950,000円(上限)

区分ごとに、式そのものが入れ替わります。

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給与等の収入金額給与所得控除額
2,200,000円まで740,000円
2,200,001円から3,600,000円まで収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

令和8年分・令和9年分。率は下がり、定数は上がっていく。

下の区分は定額、真ん中の区分は率と定数の式、いちばん上の区分はまた定額です。率は30%、20%、10%と下がっていき、足す定数は80,000円、440,000円、1,100,000円と上がっていきます。二つが逆向きに動くので、区分の境目でも金額が飛ばないようにできています。式の形が変わるところが、この表の読みどころです。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 給与所得控除額は、収入が増えるほど無制限に増える

    1,950,000円という上限があります。

  • B 給与所得の金額は、収入金額そのものである

    控除を引いたあとの金額です。

  • C 給与所得控除額の上限は、1,100,000円である

    上限は1,950,000円です。

  • D 収入660万円未満なら、この表ではなく別表第五で求める 正解

    通ります。「上記の表にかかわらず」と書かれています。

「上記の表にかかわらず」と書かれています。

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資料に書いてあること

  • 給与所得の金額=収入金額−給与所得控除額
  • 給与所得控除額の上限は1,950,000円
  • 収入660万円未満は、表にかかわらず別表第五で求める
  • 源泉徴収票が2枚以上ある場合は、支払金額を合計して表を適用する

上限に達すると、控除はそれ以上増えない。

資料は「給与等の収入金額が660万円未満の場合には、上記の表にかかわらず、所得税法別表第五により給与所得の金額を求めます」としています。控除額は8,500,001円以上で1,950,000円の上限に達し、そこから増えません。給与所得は収入金額から控除を引いたもので、収入金額そのものではありません。1,100,000円は区分の算式に出てくる定数です。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

給与所得の金額は、どのように出しますか。

  • A 収入金額に、そのまま税率をかけて出す

    税率をかけるのは、もっとあとの段階です。

  • B 収入金額から払った税金を引く

    払った税金を引くのではありません。

  • C 収入金額から給与所得控除額を引く 正解

    正解です。引いたあとの数字が、給与所得です。

  • D 収入金額を12か月で割って出す

    月割りにするものではありません。

引いたあとの数字が、給与所得です。

わかる税金・制度を活用する★★★
給与等の収入金額(源泉徴収票の支払金額)− 給与所得控除額= 給与所得の金額

税率をかけるのは、さらにあとの段階。

国税庁は「給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出します」としています。源泉徴収票の支払金額がそのまま所得になるのではありません。税率をかけるのは、さらに所得控除を引いたあとの段階です。順番を一つ飛ばすと、あとの計算がすべてずれます。まず収入から控除を引く、というのが最初の一段です。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

収入が850万円から900万円に増えました。

給与所得控除額は、どうなりますか。

  • A 50万円増える

    控除が収入と同じだけ増えることはありません。

  • B 5万円増える

    5万円も増えません。

  • C 変わらない 正解

    正解です。どちらも1,950,000円で、同じ額です。

  • D 50万円減る

    減るわけでもありません。

どちらも1,950,000円で、同じ額です。

わかる税金・制度を活用する★★★
  • 収入660万円の控除
  • 収入700万円の控除
  • 収入850万円の控除
  • 収入900万円の控除

単位は円。850万円で上限に届き、そこから先は水平になる。

850万円は「6,600,001円から8,500,000円まで」の上端で、8,500,000 × 10% + 1,100,000 を計算すると1,950,000円。ちょうど上限と同じ額になります。900万円は上限の区分なので、やはり1,950,000円。控除は動きません。区分の境目で金額が飛ばないように作られていて、そこから先は水平になります。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 給与所得控除額には1,950,000円という上限がある/収入660万円未満の場合は、別表第五により求める/給与所得は、収入金額から給与所得控除額を引いて出す

表が使えない収入の範囲があります。

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収入660万円以上なら、この表と速算表で求められる

どんな収入でも、この表を当てはめて求められる

660万円未満は、所得税法別表第五による。

上限が1,950,000円であること、収入660万円未満では別表第五によること、給与所得が収入から控除を引いたものであることは、いずれも資料に書かれています。一方、控除は上限に達したあと増えません。そして源泉徴収票の支払金額は収入金額であって、給与所得ではありません。表に載っているのは控除額であって、所得そのものではないところに注意が要ります。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

収入が増えると、給与所得控除額も増えていきます。

これは、どこまで続きますか。

  • A 収入に比例して、いつまでも増える

    上限があるので、いつまでもは増えません。

  • B 850万円を超えると、増えなくなる 正解

    正しい見方です。1,950,000円で止まります。

  • C 収入が増えると、控除は減っていく

    減ることはありません。

  • D 収入がいくらであっても、控除は同じ額

    区分ごとに、額は変わります。

1,950,000円で止まります。

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上限に届くまで

  • 区分ごとに率と定数が入れ替わる
  • 率は30%→20%→10%と下がる
  • 増え方はだんだん鈍くなる

上限に届いてから

  • 8,500,001円以上は1,950,000円
  • 式がなくなり、定額になる
  • 増えた収入は、そのまま所得に乗る

青天井にならないように作られている。

区分を上がるにつれて率は30%、20%、10%と下がっていき、8,500,001円以上では式そのものがなくなって1,950,000円という定額になります。つまり増え方がだんだん鈍くなり、最後に止まる。この形は、控除が青天井にならないように作られていることを表しています。減っていくわけでも、最初から一定なわけでもありません。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

Rさんの支払金額は500万円です。表の「3,600,001円から6,600,000円まで」の式を使って、給与所得を出そうとしています。

この求め方について、資料は何と書いていますか。

  • A この表でそのまま求められる

    660万円未満では、この表によりません。

  • B 別表第五で求めることになる 正解

    正解です。「上記の表にかかわらず」とあります。

  • C 税務署に聞くほかに方法はない

    別表第五という定めがあります。

  • D 収入の半分が控除の額になる

    半分になるとは書かれていません。

「上記の表にかかわらず」とあります。

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収入金額はいくらか
  • 660万円未満 → 所得税法別表第五により求める
  • 660万円以上 → この表と速算表で求められる

表のすぐ下の注に、使えない範囲が書かれている。

資料は「給与等の収入金額が660万円未満の場合には、上記の表にかかわらず、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により給与所得の金額を求めます」としています。表のすぐ下に、その表が使えない範囲が書かれている。しかも660万円未満というのは、多くの人が入る範囲です。表を見つけたら、注まで読むことになります。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Pさんの源泉徴収票の支払金額は700万円でした。給与所得控除額の表では、6,600,001円から8,500,000円までの区分は「収入金額×10%+1,100,000円」です。

給与所得控除額は、いくらですか。(単位:円)

答え 1800000円

7,000,000 × 10% + 1,100,000 で、1,800,000円です。

ケース税金・制度を活用する★★★
  • 7,000,000円収入金額(支払金額)
  • 6,600,001円から8,500,000円まで入る区分
  • 収入金額×10%+1,100,000円その区分の算式
  • 1,800,000円給与所得控除額

率と定数は、区分ごとに入れ替わる。

区分ごとに式が決まっていて、700万円は「6,600,001円から8,500,000円まで」に入ります。700,000円に1,100,000円を足して1,800,000円。かける率だけでなく、足す定数もその区分に固有のものです。だから区分を取り違えると、率も定数も両方ずれます。まずどの区分に入るかを決めるところから始まります。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

Pさんの支払金額は700万円、給与所得控除額は180万円でした。

給与所得の金額は、いくらですか。(単位:円)

答え 5200000円

7,000,000 − 1,800,000 で、5,200,000円です。

ケース税金・制度を活用する★★★
  • 支払金額(収入金額)
  • 給与所得

単位は円。差の180万円が給与所得控除額。

年収700万円という言い方をしていても、税の計算で使う所得は520万円です。資料には収入660万円以上の場合の速算表もあり、そちらで計算すると 7,000,000 × 90% − 1,100,000 で、やはり5,200,000円になります。二つの道筋で同じ数字にたどり着くので、計算が合っているかを自分で確かめられます。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

Qさんの支払金額は900万円です。8,500,001円以上の区分では、給与所得控除額は1,950,000円(上限)です。

給与所得の金額は、いくらですか。(単位:円)

答え 7050000円

9,000,000 − 1,950,000 で、7,050,000円です。

ケース税金・制度を活用する★★★★
  • 1,950,000円収入850万円の控除
  • 1,950,000円(同じ)収入900万円の控除
  • +500,000円収入の増え方
  • +500,000円給与所得の増え方

上限に達したあとは、増えた分がそのまま所得になる。

900万円は上限の区分に入るので、控除は1,950,000円で固定です。資料の速算表にも「8,500,000円以上 収入金額−1,950,000円」とあり、同じ答えになります。850万円の人の控除も1,950,000円ですから、850万円から900万円へ収入が50万円増えると、所得も50万円まるごと増えます。上限に達したあとは、増えた分がそのまま所得に乗ります。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

Pさんは源泉徴収票の支払金額700万円を見て、「自分の所得は700万円だ」と言いました。

この言い方は、どうですか。

  • A 正しい。支払金額が所得である

    支払金額は収入金額のほうです。

  • B 誤り。所得は520万円になる 正解

    正解です。控除180万円を引いたあとが所得です。

  • C 誤り。税を引いた額が所得になる

    税を引くのは、もっとあとの段階です。

  • D 正しい。所得と収入は同じ言葉だ

    収入と所得は、別の言葉です。

控除180万円を引いたあとが所得です。

ケース税金・制度を活用する★★★
  • 支払金額と思っている額
  • 実際の給与所得

単位は円。同じ人の同じ年でも、二つの数字がある。

支払金額は給与等の収入金額であって、給与所得ではありません。700万円から給与所得控除180万円を引いた520万円が給与所得です。税を引いた額でもありません。順番は、収入から控除を引いて所得を出し、そこからさらに所得控除を引いて、はじめて税率をかける段階になります。同じ「所得」という言葉でも、どの段階かで指すものが変わります。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

給与所得の金額を出すときの手順です。

正しい順に、並べてください。

答え 源泉徴収票の支払金額(給与等の収入金額)を見る → 収入金額がどの区分に入るかを調べる → その区分の算式で、給与所得控除額を出す → 収入金額から給与所得控除額を差し引く

区分を決めてから、式を選びます。

ケース税金・制度を活用する★★★
  1. 源泉徴収票の支払金額(給与等の収入金額)を見る
  2. 収入金額がどの区分に入るかを調べる
  3. その区分の算式で、給与所得控除額を出す
  4. 収入金額から給与所得控除額を差し引く

源泉徴収票が2枚以上あるときは、支払金額を合計してから区分を見る。

まず支払金額を確かめ、それがどの区分に入るかを決め、その区分の算式で控除額を出し、最後に収入から引きます。区分を決める前に式を選ぶことはできません。率も定数も区分ごとに違うので、順番を守らないと違う式を当ててしまいます。なお、源泉徴収票が2枚以上ある場合は、支払金額を合計してから区分を見ます。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

給与所得控除額の表を使おうとしています。

先に確かめておくのは、どれでしょう。

  • A 収入が660万円以上か 正解

    正解です。660万円未満では、この表によりません。

  • B 勤め先の従業員の人数

    従業員の人数は、控除額と関わりません。

  • C 給与が振り込まれる曜日と時刻

    振込の曜日や時刻も、関わりません。

  • D 源泉徴収票の紙の大きさ

    紙の大きさも、関わりません。

660万円未満では、この表によりません。

判断税金・制度を活用する★★★★

表を当てはめる前に、使える範囲かどうかを見る

表が載っているのだから、どの収入にも当てはまると考える

660万円未満は、所得税法別表第五による。

660万円未満であれば、資料は「上記の表にかかわらず」別表第五によるとしています。だから表を使い始める前に、そこを確かめることになります。表が目の前にあると、つい当てはめたくなりますが、使える範囲かどうかが先です。従業員の人数も、振込の曜日も、紙の大きさも、この判断とは関わりません。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

「年収が上がったのに、思ったほど手取りが増えない」という話を聞きました。

この資料から確かめられるのは、どれですか。

  • A 勤め先の業種はどこか

    業種は、控除額を変えません。

  • B 同僚の年収がいくらなのか

    同僚の年収も、関わりません。

  • C 控除が上限に届いているか 正解

    正解です。届いていれば、増えた分がそのまま所得になります。

  • D 通勤にかかっている時間の長さ

    通勤時間も、この判断とは関わりません。

届いていれば、増えた分がそのまま所得になります。

判断税金・制度を活用する★★★★

メリット

  • 給与所得控除が上限に届いているかは、この資料から分かる
  • 上限のあとは、増えた収入がそのまま所得に乗る

デメリット

  • 手取りは社会保険料や所得控除にも左右される
  • この資料だけで、手取りの増え方をすべて説明することはできない

分かる範囲と、分からない範囲を分けて読む。

給与所得控除は1,950,000円で頭打ちになるので、そこに届いたあとは、増えた収入がまるごと所得に乗ります。同じ50万円の増加でも、上限の手前と先とでは所得の増え方が違う。この資料から確かめられるのは、そこまでです。実際の手取りは社会保険料や所得控除にも左右されるので、この一点で全部が説明できるわけではありません。

出典 国税庁「No.1410 給与所得控除」 / 2026年9月時点の情報

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