株式投資

PERとは?

株価が1株あたり純利益の何倍かを表す指標。割安かどうかの目安として使われます。

全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

PER(株価収益率)が示すものとして最も適切なものはどれですか。

  • A 株価が1株あたり純資産の何倍か

    それは PBR(株価純資産倍率)の説明です。

  • B 株価が1株あたり純利益の何倍か 正解

    PER = 株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)。利益の何年分かを表します。

  • C 配当が純利益の何パーセントか

    それは配当性向の説明です。

  • D 自己資本に対する純利益の割合

    それは ROE(自己資本利益率)の説明です。

PERは株価を1株あたり純利益で割った値です。

知る 株式投資 ★★ 株価 ÷ 1株あたり純利益 PER

PER = 株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)。利益に対して株価が何年分かを表し、数値が低いほど利益に比べて株価が割安と見なされます。ただし業種によって平均値が大きく異なるため、同業他社との比較で使うのが基本です。

PERの計算に使う EPS とは何を表す指標ですか。

  • A 1株あたり純利益 正解

    EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数。PERの分母になります。

  • B 1株あたり純資産

    それは BPS(1株あたり純資産)です。

  • C 1株あたり配当金

    それは DPS(1株あたり配当金)です。

  • D 1株あたり売上高

    EPS の S は Share(株式)で、売上高のことではありません。

EPSは1株あたりの純利益です。

知る 株式投資 ★★ 当期純利益 ÷ 発行済株式数 EPS

EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数。PERはこの EPS を分母に使うため、EPS が変われば PER も変わります。

PERはどのような単位で表されますか。

  • A パーセント

    パーセントで表すのは配当利回りや ROE です。

  • B 正解

    「PER 15倍」のように使います。

  • C

    円で表すのは EPS や BPS です。

  • D 年利

    年利で表すのは債券の利回りなどです。

PERは「倍」で表します。

知る 株式投資 15倍 PERの表し方 15年 利益がこのまま続いたときの回収年数

「PER 15倍」のように使います。株価が1株あたり純利益の15倍という意味で、利益がそのまま続けば投資額を回収するのに15年かかる、という読み方もできます。

日本株でPERの水準を判断するとき、最も一般的な比べ方はどれですか。

  • A 全銘柄の平均とだけ比べる

    業種をまたいだ平均との比較だけでは、業種差を見落とします。

  • B 同業他社や過去の自社水準と比べる 正解

    業種差と時期による変動を踏まえた比べ方です。

  • C 常に15倍を基準に比べる

    15倍はよく挙がる数字ですが、業種によって適正な水準は変わります。

  • D 株価の絶対額と比べる

    株価の絶対額は発行株数で変わるため、割安さの判断には使えません。

PERは同業他社や過去の自社水準と比べて使います。

知る 株式投資 ★★ 同業他社や、その会社自身の過去の水準と比べる × 業種をまたいで「何倍以下だから割安」と決める

PERの平均は業種によって大きく異なります。成長期待の高い業種は高く、成熟した業種は低くなりがちです。そのため「何倍だから割安」と一律には言えず、同業他社や、その会社自身の過去の水準と比べるのが基本です。

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

株価2,000円、EPS100円の会社のPERはいくつですか。

  • A 5倍

    割る向きが逆です。100 ÷ 2,000 ではありません。

  • B 20倍 正解

    2,000 ÷ 100 = 20倍。

  • C 200倍

    桁を取り違えています。

  • D 0.05倍

    EPS ÷ 株価は益回りで、PERの逆数です。

2,000 ÷ 100 = 20倍です。

わかる 株式投資 ★★ 2,000円 ÷ 100円 20倍

PER = 株価 ÷ EPS = 2,000 ÷ 100 = 20倍。利益が今の水準で続くと仮定すると、投資額を回収するのに20年かかる計算になります。

利益が変わらないまま株価だけが上がった場合、PERはどうなりますか。

  • A 上がる 正解

    分子が大きくなるので、PERは大きくなります。

  • B 下がる

    利益が増えた場合はPERが下がりますが、ここでは利益は変わっていません。

  • C 変わらない

    株価が変われば PER も変わります。

  • D 必ず1倍になる

    PERが1倍に固定されることはありません。

分子の株価が上がるので、PERは上がります。

わかる 株式投資 ★★ 株価 上がる ÷ EPS 変わらず PER 上がる 買われるほど、割安感は薄れていく

PER = 株価 ÷ EPS。EPS が一定なら、株価が上がるほど PER は大きくなります。つまり同じ会社でも、買われて株価が上がれば「割安感」は薄れていきます。

PERの逆数である「益回り」は何を表しますか。

  • A 株価に対する1株あたり純利益の割合 正解

    EPS ÷ 株価 × 100。PER 20倍なら 5%です。

  • B 株価に対する配当金の割合

    それは配当利回りです。

  • C 純資産に対する利益の割合

    それは ROE です。

  • D 売上に対する利益の割合

    それは売上高純利益率です。

益回りは、株価に対して利益がどれだけあるかを示します。

わかる 株式投資 ★★★ EPS ÷ 株価 × 100 益回り(%)

益回り(%)= EPS ÷ 株価 × 100 で、PER の逆数です。PER 20倍なら益回りは5%。債券の利回りと並べて比べるときに使われます。

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

PERが低い銘柄について、正しい理解はどれですか。

  • A 必ず割安なので買いである

    低PERが業績悪化の予想を映していることもあります。

  • B 低い理由を確かめないと割安とは言えない 正解

    低い理由を確かめてはじめて、割安かどうかを判断できます。

  • C 低いほど必ず値上がりする

    PERと将来の値動きに、そのような関係はありません。

  • D PERが低い銘柄は存在しない

    低PERの銘柄は実際に多く存在します。

低PERには理由があります。理由を見ないと割安かどうかは判断できません。

見抜く 株式投資 ★★★ なぜ低いのかを決算資料で確かめる × 低いという数字だけで割安と決める

PERが低いのは、市場がその会社の将来の利益に期待していない結果かもしれません。業績悪化の見込み、一時的な特別利益で EPS が膨らんでいる、といった事情があると、数字上の低PERは割安を意味しません。「安いのには訳がある」場合を疑う必要があります。

PERを業種をまたいで比べるとき、注意すべきことはどれですか。

  • A 業種が違ってもPERの適正水準は同じ

    適正水準は業種によって大きく異なります。

  • B 成長期待の高い業種はPERが高くなりやすい 正解

    将来の利益成長を織り込むため、期待が高いほど PER は高くなります。

  • C 製造業は必ずPERが高い

    製造業の中でも水準はさまざまです。

  • D 業種によってPERの計算式が変わる

    計算式は業種によらず 株価 ÷ EPS です。

成長期待が高いほどPERは高くなりやすく、業種間の単純比較はできません。

見抜く 株式投資 ★★★ 成長期待が高い業種 PER 高め 成熟した業種 PER 低め

PERは将来の利益への期待を織り込みます。成長が期待される業種では、今の利益に対して株価が高く付くため PER は高くなりがちです。逆に成熟した業種では低く出ます。業種をまたいで数字だけを比べると、判断を誤ります。

純利益が赤字の会社のPERはどうなりますか。

  • A 0倍になる

    0倍にはなりません。分母がマイナスになります。

  • B 通常は算出されない(意味を持たない) 正解

    意味を持たないため、多くの場合「-」と表示されます。

  • C マイナスになるので割安と判断できる

    マイナスのPERを割安の根拠にはできません。

  • D 自動的に業種平均が使われる

    業種平均が代わりに使われることはありません。

赤字ではEPSがマイナスになり、PERは意味を持ちません。

見抜く 株式投資 ★★★ 純利益が赤字 EPSがマイナスになる PERは意味を持たない

EPS がマイナスだと PER もマイナスになりますが、「株価が利益の何年分か」という意味が成り立ちません。そのため多くの情報サイトでは赤字企業のPERを「-」と表示します。この場合はPBRや売上、キャッシュフローなど別の指標で見る必要があります。

資産売却による一時的な利益で、その期のEPSが大きく増えました。このときのPERの見方として適切なものはどれですか。

  • A 一時的な利益を除いて見直す必要がある 正解

    本業で毎期稼げる利益に引き直して考えます。

  • B そのまま割安と判断してよい

    一時的な利益による低PERを、そのまま割安とは判断できません。

  • C PERは計算できなくなる

    計算自体はできます。意味の解釈が問題になります。

  • D 翌期のPERも同じ水準が続く

    一時的な利益は続かないため、翌期の水準は変わります。

一時的な利益で膨らんだEPSは、翌期には元に戻ります。

見抜く 株式投資 ★★★★ 今期 特別利益でEPS増。PERは低く見える 翌期 EPSは元に戻り、PERは上がる

特別利益で EPS が一時的に増えると、PER は見かけ上とても低くなります。しかしその利益は毎期続くものではないため、翌期に EPS が戻れば PER も上がります。継続的な本業の利益(営業利益や経常利益)で見直すことが必要です。

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Aさんは同じ業種の2社を比べています。X社は株価1,500円・EPS100円、Y社は株価3,000円・EPS100円です。ほかの条件は同じとします。

PERの数値だけで見た場合、どちらがより割安と読めますか。

  • A X社(PER15倍) 正解

    1,500 ÷ 100 = 15倍。同じ利益に対する株価が低いほうです。

  • B Y社(PER30倍)

    3,000 ÷ 100 = 30倍。同じ利益に対して株価が高い状態です。

  • C 同じ

    EPSが同じで株価が違うため、PERは同じになりません。

  • D 判断できない

    この条件ならPERは計算でき、比較もできます。

X社は15倍、Y社は30倍。数値の上ではX社が割安です。

ケース 株式投資 ★★★ X社 Y社 株価 1,500円 3,000円 EPS 100円 100円 PER 15倍 30倍

X社 = 1,500 ÷ 100 = 15倍、Y社 = 3,000 ÷ 100 = 30倍。同じ利益に対して、Y社のほうが2倍の株価が付いています。ただしこれは「数値の上では」という話で、実際にはY社の成長期待が高いのかもしれません。数値の比較は出発点であって、結論ではありません。

Bさんが持つ会社の株価は変わっていませんが、来期の純利益が半分になる見通しが公表されました。

この見通しどおりになった場合、来期のPERはどうなると考えられますか。

  • A 約2倍になる 正解

    分母が半分になるので、PERはおよそ2倍になります。

  • B 約半分になる

    PERが下がるのは、利益が増えるか株価が下がる場合です。

  • C 変わらない

    EPSが変われば、株価が同じでもPERは変わります。

  • D 0倍になる

    利益が半分になっただけで、0にはなりません。

EPSが半分になれば、株価が同じでもPERは約2倍になります。

ケース 株式投資 ★★★★ 変わらず 株価 半分 EPS 約2倍 PER

PER = 株価 ÷ EPS。分母の EPS が半分になれば、PER はおよそ2倍です。株価が動いていなくても、利益が落ちれば割安感は失われます。「今のPERが低い」ことよりも「来期の利益がどうなるか」が重要になる場面です。

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

Cさんは、同業他社よりPERが明らかに低い会社を見つけました。

投資を検討する前に、まず確認すべきこととして最も適切なものはどれですか。

  • A 株価が過去最安値かどうか

    過去最安値であることは、割安である理由にはなりません。

  • B PERが低い理由(業績見通しや一時的な利益の有無) 正解

    市場が織り込んでいる事情を確かめるのが先です。

  • C 株主優待の内容

    優待は保有の動機にはなりますが、PERの水準とは別の話です。

  • D 株価チャートの形

    チャートの形は、PERが低い理由を教えてくれません。

低PERには理由があります。その理由を確かめることが出発点です。

判断 株式投資 ★★★★ なぜ低いのかを確かめる 業績の下方修正が出ていないか 構造的に需要が減っていないか 特別利益でEPSが膨らんでいないか

同業より明らかに低いPERは、市場が何かを織り込んでいる可能性があります。業績の下方修正、構造的な需要減、特別利益による一時的なEPSの膨らみなどです。まず「なぜ低いのか」を決算資料や適時開示で確認します。安値やチャートの形は、その理由を説明してくれません。

Dさんは「PERが低い」という理由だけで購入を決めようとしています。

この判断について、最も適切な考え方はどれですか。

  • A PERだけで十分に判断できる

    PERが説明できるのは利益と株価の関係だけです。

  • B PBRやROE、業績の推移など複数の面から確かめる 正解

    見ている面が異なる指標を組み合わせて確かめます。

  • C 株価が安ければPERは見なくてよい

    株価の絶対額は、割安さの判断材料になりません。

  • D PERが低ければリスクも低い

    PERの高低とリスクの大きさは直接結び付きません。

1つの指標だけで投資判断はできません。複数の面から確かめます。

判断 株式投資 ★★★★ 投資判断 PER 株価の水準 ROE 稼ぐ効率 業績推移 継続性

PERは「利益に対する株価の水準」しか表しません。財務の健全性は自己資本比率やPBR、稼ぐ効率はROE、継続性は業績の推移で見ます。1つの指標だけを根拠にすると、その指標が見ていない部分のリスクを丸ごと見落とします。

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