収入を管理する

昇給したのに貯金が増えない。何が起きた?

貯蓄額が同じでも、同じ意味ではなくなります。

このページの要点

手取りが200,000円から250,000円になっても、支出も50,000円増えれば貯蓄は20,000円のまま。年間240,000円も変わりません。変わるのは割合で、10%から8%に下がります。全国銀行協会の資料には給与天引きの仕組みが3つ載っていますが、一般財形貯蓄は一部引き出しや解約が自由で、財形年金貯蓄は原則60歳以降しか引き出せません。

最終更新 2026年9月11日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

このレッスンを解く

会員登録なしで解けます。このページには答えと解説を載せています。

目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 財形貯蓄
  2. 財形貯蓄
  3. 財形貯蓄

わかる 2 問

  1. 支出増加
  2. 貯蓄率

見抜く 3 問

  1. 財形貯蓄
  2. 貯蓄率
  3. 貯蓄率

ケースで考える 5 問

  1. 貯蓄率
  2. 支出増加
  3. 家計余力
  4. 貯蓄率
  5. 家計余力

判断する 2 問

  1. 貯蓄率
  2. 家計余力

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 一般財形貯蓄には預入限度額がない 正解

    通ります。資料に「預入限度額はなく」と書かれています。

  • B 財形年金貯蓄は満50歳以降に引出せる

    満60歳以降と書かれています。

  • C 一般財形貯蓄には税制上の優遇措置がある

    優遇措置がありません、と書かれています。

  • D 財形住宅貯蓄の積立期間は1年以上である

    5年以上と書かれています。

資料に「預入限度額はなく」と書かれています。

知る収入を管理する★★★★

全国銀行協会の資料で確かめたこと

  • 一般財形貯蓄は、積立の目的を問わず一部引き出しや解約などが自由
  • 一般財形貯蓄には、税制上の優遇措置がない。積立期間は3年以上
  • 一般財形貯蓄の利子等は20.315%の源泉分離課税。預入限度額はない
  • 財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄は、契約時に満55歳未満で一人一契約、積立期間5年以上
  • 財形年金貯蓄は、原則として満60歳以降に年金の形でしか引出せない

財形貯蓄は元本保証され、預金保険の対象と書かれている。

資料では、一般財形貯蓄は「預入限度額はなく」、財形年金貯蓄は「原則として満60歳以降に年金の形でしか引出せません」。一般財形貯蓄は自由度が高いので「税制上の優遇措置がありません」。財形住宅貯蓄の「積立期間は5年以上」とされています。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

資料は、給与天引きで積み立てる仕組みを3つ挙げています。

それぞれ、どういう条件ですか。

答え 一般財形貯蓄 … 積立の目的を問わず、一部引き出しや解約などが自由/財形住宅貯蓄 … マイホーム取得や工事費が75万円を超えるリフォーム等が目的/財形年金貯蓄 … 原則として満60歳以降に年金の形でしか引出せない/一般財形貯蓄の利子等 … 20.315%の源泉分離課税

取り出せる条件が、それぞれ違います。

知る収入を管理する★★★★
一般財形貯蓄 → 目的を問わず、一部引き出しや解約が自由。優遇措置はない財形住宅貯蓄 → マイホーム取得や工事費75万円超の増改築が目的財形年金貯蓄 → 原則として満60歳以降に年金の形でしか引出せない財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄 → 合計で元利合計550万円(貯蓄型)まで非課税

資料の3つの見出しの内容をそのまま並べたもの。

一般財形貯蓄は目的を問わず引き出しも自由。財形住宅貯蓄はマイホーム取得や工事費が75万円を超える増改築が目的で、財形年金貯蓄は原則として満60歳以降に年金の形でしか引出せません。どちらも目的外の解約は課税対象になると書かれています。同じ「天引き」でも、あとで取り出せる条件が別です。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

資料では、財形住宅貯蓄は財形年金貯蓄との合計で元利合計_(貯蓄型の場合)まで非課税扱いとなります。

  • A 550万円 正解

    正解です。資料にこの額が書かれています。

  • B 350万円

    350万円とは書かれていません。

  • C 750万円

    75万円は、対象になる工事費の下限のほうです。

  • D 1,000万円

    1,000万円とは書かれていません。

資料にこの額が書かれています。

知る収入を管理する★★★
項目資料の書き方
非課税枠財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の合計で元利合計550万円(貯蓄型の場合)
対象になる増改築工事費が75万円を超えるリフォーム等増改築
契約できる年齢契約時に満55歳未満の勤労者。一人一契約のみ
積立期間財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄は5年以上。一般財形貯蓄は3年以上

目的外の解約は課税対象になると書かれている。

資料は「財形年金貯蓄との合計で元利合計550万円(貯蓄型の場合)まで非課税扱いとなります」としています。ただし「マイホーム取得や増改築の目的外以外で解約すると課税対象になります」とも書かれています。枠があることと、いつでも使えることは別です。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

昇給して手取りが250,000円になりました。ところが1年たっても、年間の貯蓄額は240,000円のまま変わっていません。

何が起きたのでしょう。

  • A 支出も同じだけ増えた 正解

    正解です。支出は180,000円から230,000円になっています。

  • B 貯蓄の利息が下がっている

    利息の話ではありません。

  • C 手取りが減っている

    手取りは200,000円から250,000円に増えています。

  • D 貯蓄をやめてしまった

    毎月20,000円は続いています。

支出は180,000円から230,000円になっています。

わかる収入を管理する★★★

手取りの増え方と支出の増え方を、並べて見る

貯蓄額だけを見て、去年と同じなら大丈夫と考える

この回では手取り+50,000円、支出+50,000円で、貯蓄は20,000円のまま。

手取りが50,000円増え、支出も50,000円増えました。差は20,000円のままなので、貯蓄額も動きません。外食や家賃、趣味の支出はそれぞれ小さく見えても、合わせると増えた手取りをちょうど吸い込む形になります。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

貯蓄率が10%から8%に下がりました。貯蓄額は20,000円のままです。

なぜ下がったのでしょう。

  • A 貯蓄額そのものが減ったから

    20,000円のままです。

  • B 手取りだけが増えたから 正解

    正解です。割る相手が200,000から250,000になりました。

  • C 利息が下がったから

    利息は、この回の計算に入っていません。

  • D 支出が減ったから

    支出は180,000円から230,000円に増えています。

割る相手が200,000から250,000になりました。

わかる収入を管理する★★★★

貯蓄率 = 貯蓄 ÷ 手取り

  • 昇給前 20,000 ÷ 200,000 = 10%
  • 昇給後 20,000 ÷ 250,000 = 8%
  • さらに昇給 20,000 ÷ 280,000 = 約7.1%

分子は動かず、分母だけが増えている。

割合は 貯蓄 ÷ 手取り です。分子の20,000円が動かないまま、分母が200,000円から250,000円になれば、割合は下がります。貯蓄額が減ったわけではありません。支出も減っていません。増えたほうが増えたので、比べたときの位置が下がった形です。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

「給与天引きにしておけば、自動的に貯まっていく」と考えました。

資料で見ると、どうですか。

  • A そのとおり必ず貯まる

    引き出しが自由なものもあります。

  • B 引き出せるものもある 正解

    正解です。一般財形貯蓄は引き出しも自由です。

  • C 天引きは選べない

    資料には3つの仕組みが並んでいます。

  • D 天引きなら課税されない

    一般財形貯蓄の利子等は20.315%の源泉分離課税です。

一般財形貯蓄は引き出しも自由です。

見抜く収入を管理する★★★★
給与天引きで積み立てる
  • 一般財形貯蓄 → 一部引き出しや解約が自由。優遇措置はない
  • 財形住宅貯蓄 → 目的外の解約は課税対象になる
  • 財形年金貯蓄 → 原則として満60歳以降に年金の形でしか引出せない

同じ天引きでも、あとで取り出せる条件が違う。

資料では、一般財形貯蓄は「積立の目的を問わず、一部引き出しや解約などが自由にできる給与天引きの貯蓄」で、「預入れより1年経過後から、全額または一部引出しをしても契約が無効になることはありません」とされています。天引きは、引き出せなくなる仕組みではありません。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

この資料とこの回の計算から言えるのは、どれでしょう。

答え 一般財形貯蓄は、一部引き出しや解約などが自由にできる/財形年金貯蓄は、原則として満60歳以降に年金の形でしか引出せない/貯蓄額が同じでも、手取りが増えれば割合は下がる

20,000円は三度とも変わりませんでした。

見抜く収入を管理する★★★★
  • 貯蓄20,000円/10%昇給前
  • 貯蓄20,000円/8%昇給後
  • 貯蓄20,000円/約7.1%さらに昇給
  • 240,000円(どの時点でも同じ)1年の貯蓄

額は動かず、割合だけが下がっていく。

引き出しの自由さも、満60歳以降という条件も資料のとおりです。この回では手取りが200,000円から280,000円まで増えましたが、貯蓄は20,000円のまま。割合は10%から約7.1%に下がりました。一般財形貯蓄には税制上の優遇措置がないと書かれています。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

この回では、貯蓄額だけでなく手取りに対する割合も出しました。

それは、なぜですか。

  • A 手取りが増えても額が同じ 正解

    正解です。額だけでは、変化が見えません。

  • B 貯蓄額の桁が大きくなるから

    桁の大きさの話ではありません。

  • C 明細の行が増えるから

    行の数は、計算に入ってきません。

  • D 貯蓄の名前が変わるから

    名前は、計算に入ってきません。

額だけでは、変化が見えません。

見抜く収入を管理する★★★★
20,000円(貯蓄)÷250,000円(手取り)×1008%

貯蓄額は三度とも20,000円で、去年と同じという言い方ができてしまいます。手取りに対する割合を出すと、10%から8%、約7.1%と下がっていることが見えます。同じ20,000円が、同じ意味ではなくなっています。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Bさんの昇給前の家計です。手取りは200,000円、支出は180,000円でした(この2つの額は、この回でこちらが置いた例です)。

毎月の貯蓄は、いくらですか。(単位:円)

答え 20000円

200,000 − 180,000 で、20,000円です。

ケース収入を管理する★★★
  1. 手取り 200,000円
  2. 支出 −180,000円
  3. 貯蓄 20,000円
  4. 手取りに対する割合 10%

手取りと支出の額は、この回でこちらが置いた例。

手取りに対する割合は、20,000 ÷ 200,000 で10%。この10%という数字が、あとで効いてきます。額だけを覚えていると、手取りが変わったときに比べようがなくなります。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

Bさんの支出は、昇給前が180,000円、昇給後が230,000円でした。

支出はいくら増えましたか。(単位:円)

答え 50000円

230,000 − 180,000 で、50,000円です。

ケース収入を管理する★★★
  • 昇給前の支出(円)
  • 昇給後の支出(円)

手取りの増加も同じ50,000円。だから差は動かない。

手取りの増加も50,000円でした。増えた分と同じだけ支出が増えたので、差は20,000円のまま動きません。外食が増えた、家賃の高い部屋に移った、趣味に使う額が増えた。一つずつは小さくても、合計すると増えた手取りと同じになりました。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

さらに昇給して、手取りが280,000円になりました。ところが増えた30,000円は、家賃や毎月の契約料といった固定費の増加にそのまま回りました。

毎月の貯蓄額は、どうなりますか。

  • A 30,000円増える

    増えた分は固定費に回っています。

  • B 20,000円のまま 正解

    正解です。支出が260,000円になります。

  • C 貯蓄はゼロになる

    毎月20,000円は続いています。

  • D 手取りが減ることになる

    手取りは280,000円に増えています。

支出が260,000円になります。

ケース収入を管理する★★★★

Bさんの3つの時点

昇給前
手取り200,000/支出180,000/貯蓄20,000(10%)
昇給後
手取り250,000/支出230,000/貯蓄20,000(8%)
さらに昇給
手取り280,000/支出260,000/貯蓄20,000(約7.1%)
3回目の増加分
すべて固定費に回った

手取りと支出の額は、この回でこちらが置いた例。

280,000 − 260,000 で、やはり20,000円です。三度計算しても同じ額でした。ただし手取りは280,000円になっているので、割合は 20,000 ÷ 280,000 で約7.1%まで下がります。しかも今回増えたのは固定費なので、来月やめる、という形では戻せません。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

毎月の貯蓄は20,000円です。昇給の前も後も、同じ20,000円でした。

1年では、いくら貯まりますか。(単位:円)

答え 240000円

20,000 × 12 で、240,000円です。

ケース収入を管理する★★★
  • 昇給前の年間貯蓄(円)
  • 昇給後の年間貯蓄(円)
  • 年間の手取りの増加(円)

手取りは年で600,000円増えたが、貯まる額は同じ240,000円。

昇給前も昇給後も240,000円で、年間の貯蓄額は変わりません。「昇給したのに貯金が増えない」というのは、この形のことです。手取りは年で600,000円増えているのに、貯まる額は同じでした。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

もし、増えた50,000円のうち10,000円を、使う前に別のところへ移していたとします。残りの40,000円は支出に回ります。

この10,000円は、1年でいくらになりますか。(単位:円)

答え 120000円

10,000 × 12 で、120,000円です。

ケース収入を管理する★★★

あとで残りを数える

  • 手取り 250,000円
  • 支出 230,000円
  • 貯蓄 20,000円/8%
  • 1年で240,000円

先に10,000円を移す

  • 手取り 250,000円
  • 先に移す 10,000円
  • 支出 220,000円
  • 貯蓄 30,000円/12%
  • 1年で360,000円

支出を細かく削ったのではなく、順番を変えただけ。

年間の貯蓄は240,000 + 120,000 で360,000円、割合は 30,000 ÷ 250,000 で12%になります。順番を変えただけで、支出を細かく削ってはいません。増えた分の行き先を先に決めるか、あとで残りを数えるかの違いです。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

この回では、手取り・支出・貯蓄額・その割合を並べました。

貯蓄率を出すとき、役に立たないのはどれですか。

  • A 手取りの額

    割合の分母になります。

  • B 貯蓄に回した額

    割合の分子になります。

  • C 通帳の表紙の色 正解

    正解です。表紙の色は、計算に入ってきません。

  • D 支出の合計額

    手取りから引くと、貯蓄額が出ます。

表紙の色は、計算に入ってきません。

判断収入を管理する★★★
手取り → 200,000円 → 250,000円 → 280,000円支出 → 180,000円 → 230,000円 → 260,000円貯蓄 → 20,000円のまま割合 → 10% → 8% → 約7.1%

額が動かないことは、変化がないことを意味しない。

この回の計算に入ってきたのは、手取り、支出、その差である貯蓄額の三つでした。どれか一つが変われば、割合も変わります。通帳の表紙が何色かは、そのどこにも入ってきません。額が去年と同じかどうかより先に、分母のほうが動いていないかを見る形になります。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

昇給で増えた分を、どう扱うか考えています。

確かめるのは、どれでしょう。

  • A 増えた分の行き先 正解

    正解です。行き先を決めないと、支出に混ざります。

  • B 同僚の貯蓄額を聞く

    他人の額は、自分の家計を教えてくれません。

  • C 昇給額の見出しだけ

    見出しの数字は、行き先を決めません。

  • D 銀行の店舗数を調べる

    店舗数は、計算に入ってきません。

行き先を決めないと、支出に混ざります。

判断収入を管理する★★★

増えた分の行き先を、使う前に決めておく

天引きにしたから自動的に貯まる、と考えて確かめない

資料では、一般財形貯蓄は一部引き出しや解約などが自由と書かれている。

この回では、増えた50,000円がそのまま支出に回って貯蓄額が動きませんでした。10,000円を先に移していれば、1年で120,000円の差になります。なお資料では、給与天引きの仕組みでも一般財形貯蓄は一部引き出しや解約が自由と書かれています。天引きにすれば必ず貯まる、とは言えません。

出典 全国銀行協会「財形貯蓄」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

会員登録をすると、経験値と連続学習日数が記録され、間違えた問題だけをあとで解き直せます。

このレッスンを解く