投資信託・ETFを選ぶ

購入時手数料が無料。それならコストはかからない?

費用は三つの時期に分かれています。見えているのは、そのうち一つだけです。

このページの要点

投資信託の費用は、購入時・保有時・換金時に分かれます。購入時手数料は販売会社に直接支払うもので、ファンドや販売会社によってはない場合もあります(ノーロード)。運用管理費用(信託報酬)は保有額に応じて日々、信託財産から間接的に差し引かれ、運用会社・販売会社・信託銀行の3者で配分されます。監査報酬や売買委託手数料も信託財産から間接的に差し引かれ、売買委託手数料は運用の結果発生するため事前に金額を示すことができません。換金時の信託財産留保額は直接支払いますが、販売会社が受け取るのではなく信託財産に留保されます。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 運用管理費用
  2. 投資信託のコスト
  3. 信託財産留保額

わかる 2 問

  1. 投資信託のコスト
  2. 投資信託のコスト

見抜く 3 問

  1. ノーロード
  2. 投資信託のコスト
  3. 売買委託手数料

ケースで考える 5 問

  1. 投資信託のコスト
  2. 購入時手数料
  3. 運用管理費用
  4. 投資信託のコスト
  5. ノーロード

判断する 2 問

  1. 運用管理費用
  2. 判断の順序

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

運用管理費用(信託報酬)は、どこに配分されますか。

  • A 運用会社・販売会社・信託銀行 正解

    正解です。3者で配分される、と書かれています。

  • B 投資信託を売った販売会社だけ

    販売会社だけではありません。

  • C 信託財産に、そのまま留保される

    留保されるのは、信託財産留保額のほうです。

  • D 監査を行う監査法人に支払われる

    監査法人に支払われるのは、監査報酬です。

3者で配分される、と書かれています。

知る投資信託・ETFを選ぶ★★★
運用管理費用(信託報酬)
  • 運用会社
  • 販売会社
  • 信託銀行

販売会社は、買ったあとも配分を受けている。

資料は「運用管理にかかる費用などをまかなうもので、運用会社・販売会社・信託銀行の3者で配分されます」としています。販売会社は購入時手数料を受け取るだけでなく、保有している間もこの配分を受けます。つまり買ったあとも関係が続いているということです。信託財産に留保されるのは信託財産留保額のほうで、監査法人に支払われるのは監査報酬です。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 購入時手数料は、どのファンドでも必ずかかる

    ない場合もあります(ノーロード)。

  • B 信託報酬は、保有額に応じて日々支払う 正解

    通ります。保有額に応じて、日々かかります。

  • C 信託財産留保額は、どのファンドにもある

    差し引かれないファンドもあります。

  • D 売買委託手数料は、事前に金額が分かる

    事前に示すことはできない、とされています。

保有額に応じて、日々かかります。

知る投資信託・ETFを選ぶ★★★

資料に書いてあること

  • 購入時手数料:ファンドや販売会社によってはこの費用がない場合もあります(ノーロード)
  • 信託報酬:保有額に応じて日々支払う費用
  • 信託財産留保額:差し引かれるものと差し引かれないものがある
  • 売買委託手数料:事前にいくらかかるのか示すことはできません

言い切れるものと、そうでないものがある。

資料は信託報酬を「投資信託を保有している間、投資信託の保有額に応じて日々支払う費用」としています。購入時手数料は「ファンドや販売会社によってはこの費用がない場合もあります(ノーロード)」。信託財産留保額は「投資信託によって差し引かれるものと差し引かれないものがある」。売買委託手数料は「運用の結果発生する費用ですので、事前にいくらかかるのか示すことはできません」。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

信託財産留保額は、販売会社が受け取るのではなく_に留保されます。

  • A 運用会社

    運用会社が受け取るのではありません。

  • B 信託銀行

    信託銀行でもありません。

  • C 信託財産 正解

    正解です。名前のとおり、信託財産に留保されます。

  • D 監査法人

    監査法人が受け取るのは、監査報酬です。

名前のとおり、信託財産に留保されます。

知る投資信託・ETFを選ぶ★★★
信託財産留保額は、換金時に直接支払う販売会社が受け取るのではないそのファンドの信託財産に留保される

手数料という言葉でも、行き先が違えば性質も違う。

資料は「販売会社が受け取るのではなく信託財産に留保される」と明記しています。つまりこの費用は、誰かの取り分になるのではなく、そのファンドの中に残ります。途中で換金する人が、残る人に負担を残さないための仕組みだと理解できます。手数料という言葉が使われていても、行き先が違えば性質も違う、ということになります。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

それぞれの費用は、いつ、どう支払いますか。

答え 購入時手数料 … 購入時・直接支払う/運用管理費用(信託報酬) … 保有時・間接的に支払う/売買委託手数料 … 株式などの売買時・間接的に支払う/信託財産留保額 … 換金時・直接支払う

直接が二つ、間接が二つあります。

わかる投資信託・ETFを選ぶ★★★
費用時期支払い方法
購入時手数料購入時直接支払います
運用管理費用(信託報酬)保有時信託財産から間接的に
監査報酬保有時信託財産から間接的に
売買委託手数料株式などの売買時信託財産から間接的に
信託財産留保額換金時直接支払います

間接的に引かれるものは、請求が来ない。

購入時手数料は購入時に直接、信託財産留保額は換金時に直接支払います。運用管理費用(信託報酬)は保有時に、売買委託手数料は株式などの売買時に、どちらも信託財産から間接的に支払われます。直接支払うものは金額が意識に残りますが、間接的に引かれるものは請求が来ないので気づきにくい。だから目論見書で一覧を見ることになります。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

「直接支払う」と「間接的に支払われる」は、何が違いますか。

  • A 間接は、信託財産から引かれる 正解

    正解です。間接は、ファンドの中から引かれます。

  • B 直接は、あとから請求書が届く

    直接は、その場で支払うものです。

  • C 間接のほうが、必ず金額は小さい

    小さいとは限りません。5倍になった例があります。

  • D 直接は、運用会社が肩代わりする

    肩代わりされるわけではありません。

間接は、ファンドの中から引かれます。

わかる投資信託・ETFを選ぶ★★★

直接支払う

  • 購入時や換金時に、その場で支払う
  • 金額が意識に残る

間接的に支払われる

  • 信託財産から差し引かれる
  • 請求は来ないが、負担しているのは投資家

間接のほうが小さいとは限らない。

間接的に支払われるものは、信託財産から差し引かれます。自分の財布からお金が出ていく感覚がないので気づきにくいのですが、その分だけ基準価額が下がるので、負担しているのは投資家です。金額が小さいとも限らず、先の計算では保有中の費用のほうが入口の5倍でした。直接支払うものは購入時や換金時にその場で払うもので、請求書が後から届くわけでもありません。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

購入時手数料が無料(ノーロード)のファンドについて、正しく言えているのはどれですか。

  • A 投資にかかるコストは、いっさいない

    保有中の費用は残ります。

  • B 信託報酬も、あわせて無料になる

    信託報酬は別の費用です。

  • C 換金時の費用も、必ず無料になる

    換金時の費用も、別に決まっています。

  • D 保有中のコストは、別にかかる 正解

    正しい言い方です。無料なのは、入口の費用だけです。

無料なのは、入口の費用だけです。

見抜く投資信託・ETFを選ぶ★★★★

無料なのは購入時手数料。保有中の費用は残る

手数料無料なら、コストはかからない

先の計算では、保有中の費用が入口の5倍だった。

ノーロードとは購入時手数料がないことで、資料も「ファンドや販売会社によってはこの費用がない場合もあります(ノーロード)」と、購入時手数料の欄に書いています。保有中には信託報酬、監査報酬、売買委託手数料が信託財産から差し引かれ続けます。しかも先の計算では、保有中の費用が入口の5倍でした。無料という言葉が、どの費用にかかっているかを見ます。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

信託財産から間接的に支払われるのは、どれでしょう。

答え 運用管理費用(信託報酬)/監査報酬/売買委託手数料

請求が来ないのは、この三つです。

見抜く投資信託・ETFを選ぶ★★★★

直接支払う

  • 購入時手数料(購入時)
  • 信託財産留保額(換金時)

信託財産から間接的に

  • 運用管理費用(信託報酬)
  • 監査報酬
  • 売買委託手数料

払った覚えのないものほど、目論見書で確かめる。

信託報酬、監査報酬、売買委託手数料は、いずれも信託財産から間接的に支払われます。請求書が届くわけでも、口座から引き落とされるわけでもなく、ファンドの中から引かれて基準価額に反映されます。一方、購入時手数料と信託財産留保額は直接支払います。払った覚えのないものほど、目論見書で確かめる必要がある、ということになります。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

事前にいくらかかるか示すことができないのは、どの費用ですか。

  • A 売買委託手数料。運用の結果として発生する 正解

    正解です。運用してみないと、金額が決まりません。

  • B 購入時手数料。申込価額で決まっている

    申込価額の数%として決まっています。

  • C 信託報酬。年率で目論見書に記載される

    年率で目論見書などに記載されています。

  • D 信託財産留保額。換金時に決まっている

    換金時にかかるかどうかも決まっています。

運用してみないと、金額が決まりません。

見抜く投資信託・ETFを選ぶ★★★★
ファンドが投資先の株式などを売買するそのつど売買委託手数料が発生するどれだけ売買したかで変わるので、事前には示せない

ほかの費用は、率やルールが先に決まっている。

資料は売買委託手数料について「運用の結果発生する費用ですので、事前にいくらかかるのか示すことはできません」としています。ファンドが投資先の株式などを売買するたびに発生するので、どれだけ売買したかで変わります。購入時手数料は申込価額の数%、信託報酬は年率で目論見書に記載され、信託財産留保額も換金時のルールが決まっています。分からないものが一つ混じっています。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Cさんが見ている投資信託の目論見書には、購入時手数料・運用管理費用(信託報酬)・信託財産留保額が書かれていました。

この三つは、いつかかりますか。

  • A どれも、購入したときにまとめてかかる

    購入時だけではありません。

  • B どれも、換金したときにまとめてかかる

    換金時だけでもありません。

  • C どれも、保有している間に日々かかる

    保有時だけでもありません。

  • D 購入時・保有時・換金時に分かれる 正解

    正解です。入口・保有中・出口の三つに分かれます。

入口・保有中・出口の三つに分かれます。

ケース投資信託・ETFを選ぶ★★★
  1. 購入時購入時手数料(直接支払う)
  2. 保有時運用管理費用(信託報酬)・監査報酬・売買委託手数料(間接)
  3. 換金時信託財産留保額(直接支払う)

時期も、支払い方も違う。

購入時手数料は購入時、運用管理費用(信託報酬)は保有時、信託財産留保額は換金時にかかります。時期がばらばらなので、どれか一つだけを見ても全体は分かりません。しかも支払い方も違い、購入時手数料と信託財産留保額は直接支払うのに対し、信託報酬は信託財産から間接的に差し引かれます。三つを同じ表に並べてはじめて、比べられるようになります。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

Cさんは100万円分を購入します。購入時手数料は、申込価額の3%だとします。

購入時手数料は、いくらですか。(単位:円)

答え 30000円

100万円の3%で、30,000円です。

ケース投資信託・ETFを選ぶ★★
  • 1,000,000円購入する金額
  • 3%購入時手数料の率
  • 30,000円支払う額

購入時に、販売会社へ直接支払う。

購入時手数料は、購入時に販売会社に直接支払う費用です。申込価額の数%を支払う形で、ここでは3%として30,000円になります。金額がはっきり分かるので、いちばん目につく費用です。ただしファンドや販売会社によってはこの費用がない場合もあり、それをノーロードといいます。目に見えるからといって、いちばん大きいとは限りません。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

信託報酬は年1.5%で、保有額に応じて日々差し引かれます。Cさんの残高が100万円のまま10年間変わらなかったとします。

10年間の信託報酬は、合計いくらですか。(単位:円)

答え 150000円

年15,000円が10年で、150,000円です。

ケース投資信託・ETFを選ぶ★★★
  • 購入時手数料(円)
  • 10年間の信託報酬(円)

目に見えていたほうが、5分の1の大きさだった。

100万円の1.5%で年15,000円、それが10年で150,000円です。購入時に払った30,000円の5倍にあたります。入口で目に見えていた3%より、保有中の1.5%のほうがずっと大きくなりました。信託報酬は保有している間ずっと、保有額に応じて日々かかる費用だからです。長く持つつもりなら、率の小ささよりも、年数を掛けたあとの金額で見ることになります。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

Cさんは購入時手数料30,000円、10年間の信託報酬150,000円を負担し、換金時の信託財産留保額は3,000円でした。

負担したコストは、合計いくらですか。(単位:円)

答え 183000円

30,000 + 150,000 + 3,000 で183,000円です。

ケース投資信託・ETFを選ぶ★★★
  1. 購入時手数料 30,000円
  2. 10年間の信託報酬 150,000円
  3. 信託財産留保額 3,000円
  4. 合計 183,000円

8割以上が、保有中にかかっていた。

合計183,000円で、投資した100万円の18%ほどにあたります。そのうち150,000円、つまり8割以上が保有中の信託報酬でした。購入時に見ていた30,000円は全体の6分の1ほどです。時期がばらばらな費用を一本の軸に載せると、どこがいちばん重いのかが見えてきます。目につくところだけで比べていると、順番を取り違えます。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

友人から「手数料無料の投資信託を見つけた。これならコストはかからないよね?」と聞かれました。

まず伝えるべきなのは、どれですか。

  • A 手数料が無料なら、たしかにコストはない

    保有中の費用が残ります。

  • B 無料なのは購入時。保有中は別にかかる 正解

    正解です。無料が指しているのは、入口だけです。

  • C 換金時にまとめて、あとから請求される

    まとめて請求される形ではありません。

  • D コストの額は、どこにも書かれていない

    目論見書などで確認できます。

無料が指しているのは、入口だけです。

ケース投資信託・ETFを選ぶ★★★★
  1. 「手数料無料」が指すのは、購入時手数料
  2. 保有中は、信託報酬などが信託財産から日々引かれる
  3. 換金時に信託財産留保額がかかるファンドもある

どの費用のことかを、まず分ける。

手数料無料といわれるのは購入時手数料のことで、保有している間は信託報酬などが信託財産から差し引かれ続けます。あとからまとめて請求されるわけではなく、日々引かれています。そして金額はどこにも書かれていないのではなく、目論見書などで確認できます。まず、その「無料」がどの費用のことかを分けて伝えることになります。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

二つの投資信託を比べています。長く持つつもりです。

先に見るのは、どちらでしょう。

  • A 年率で書かれた、運用管理費用(信託報酬) 正解

    正解です。年数を掛けると、いちばん重くなります。

  • B ファンドの名前が、覚えやすいかどうか

    名前は、負担する金額を変えません。

  • C 目論見書のページ数が、何ページあるか

    ページ数も、金額とは関わりません。

  • D 販売会社の店舗が、近くにあるかどうか

    店舗の近さも、コストを変えません。

年数を掛けると、いちばん重くなります。

判断投資信託・ETFを選ぶ★★★★
  • 購入時手数料 3%(一度きり)
  • 信託報酬 年1.5% × 10年

率の小ささではなく、年数を掛けたあとの金額で比べる。

信託報酬は保有している間ずっと、保有額に応じて日々かかります。だから持つ年数が長いほど積み上がり、先の計算では10年で入口の5倍になりました。年率の数字は小さく見えても、年数を掛けてから比べることになります。ファンドの名前も、目論見書の厚さも、店舗の近さも、負担する金額を変えません。まず年率を見て、次に年数を掛けます。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

投資信託のコストを確かめるとき、どこを見ればよいですか。

  • A 販売会社の広告のうたい文句

    広告は、目立つ費用だけを強調することがあります。

  • B 過去の運用成績のグラフ

    成績のグラフは、費用を教えてくれません。

  • C 目論見書などの費用の一覧 正解

    正解です。資料が案内している場所は、一つです。

  • D 同じファンドを持つ人の口コミ

    口コミも、費用の一覧の代わりにはなりません。

資料が案内している場所は、一つです。

判断投資信託・ETFを選ぶ★★★

目論見書などで確かめること

  • 購入時手数料はあるか、あれば何%か
  • 運用管理費用(信託報酬)は年率で何%か
  • 信託財産留保額はかかるか
  • ファンドオブファンズなら、実質的な信託報酬率はいくらか

広告や成績のグラフでは、この四つは分からない。

資料は「投資信託を取引する際に、どのような費用を投資家が負担するかについては、目論見書などで確認することができます」としています。広告は目立つ費用だけを強調することがあり、過去の成績はコストを教えてくれません。口コミも同じです。費用の一覧はまとめて載っているので、そこを見れば入口・保有中・出口の三つを一度に押さえられます。

出典 資産運用業協会「投資信託のコスト」 / 2026年9月時点の情報

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