家計を整える

家賃を月1万円下げるために引っ越す。何年で元が取れる?

割られる数と割る数の、両方が動きます。

このページの要点

引っ越し費用480,000円、家賃は月10,000円減。家賃だけなら480,000 ÷ 120,000 = 4年です。通勤費が月5,000円増えると年間の効果は60,000円に半減し、8年に。敷金のうち120,000円が戻れば正味360,000円で、360,000 ÷ 60,000 = 6年。同じ引っ越しなのに答えが三つ出ます。

最終更新 2026年9月14日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 初期費用
  2. 初期費用
  3. 初期費用

わかる 2 問

  1. 初期費用
  2. 初期費用

見抜く 3 問

  1. 回収期間
  2. 回収期間
  3. 初期費用

ケースで考える 5 問

  1. 初期費用
  2. 回収期間
  3. 年間削減額
  4. 回収期間
  5. 家賃

判断する 2 問

  1. 年間削減額
  2. 回収期間

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

資料は退去時の原状回復について、費用負担の原則を示しています。

経年変化や通常の使用による損耗・キズの修繕費は、誰が負担するのが原則ですか。

  • A 借主

    借主が負担するのは責任による損耗のほうです。

  • B 折半

    折半という決まりはありません。

  • C 貸主 正解

    正解です。家賃に含まれているとされています。

  • D 仲介した業者

    業者が負担するとは書かれていません。

家賃に含まれているとされています。

知る家計を整える★★★

資料で確かめたこと

  • 経年変化・通常の使用による損耗の修繕費は貸主の負担が原則
  • 借主の責任による汚れやキズは借主の負担が原則
  • 借主の負担でも経過年数を考慮し、全額とはかぎらない
  • 負担は補修工事に必要な施工の最小単位に限定される
  • 通常の原状回復義務を超えた特約は無効とされることがある

東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」から。

資料は「賃貸住宅の契約においては、経年変化及び通常の使用による損耗・キズ等の修繕費は、家賃に含まれているとされており、貸主が費用を負担するのが原則です。」としています。例として、壁に貼ったポスターの跡、家具によるカーペットのへこみ、日照による畳やクロスの変色が挙げられています。すでに家賃で払っている、という考え方です。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

「借主の責任で生じた損耗なら、修繕費は全額を負担する」と考えました。

資料で見ると、どうですか。

  • A 全額を負担する

    全額とはかぎりません。

  • B 負担はまったくない

    借主の負担がなくなるわけではありません。

  • C 必ず半分になる

    半分という決まりはありません。

  • D 経過年数を考える 正解

    正解です。経過年数を考慮します。

全額とはかぎらないとされています。

知る家計を整える★★★★

戻る分があるかもしれないものとして、正味の費用を出す

敷金の全額が出ていくものとして計算に入れる

通常損耗は貸主負担が原則。借主負担でも経過年数を考慮する。

資料は「借主の負担で原状回復すべきとされている場合でも、全額を負担しなければならないわけではありません。このような破損部分も経年変化・通常損耗をしており、その分の経費は貸主の負担とするのが原則です。」としています。負担がゼロになるわけでも、必ず半分になるわけでもありません。経過年数を考えて割合を出す、という考え方です。ただし畳については経過年数を考慮しないとされています。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 通常損耗の修繕費は借主が負担

    貸主が負担するのが原則です。

  • B 通常損耗の修繕費は貸主が負担 正解

    通ります。家賃に含まれているとされています。

  • C 畳は経過年数を考慮する

    畳は経過年数を考慮しません。

  • D 条例の説明義務は口頭だけでよい

    書面の交付も義務付けられています。

家賃に含まれているとされています。

知る家計を整える★★★★

条例で説明が義務付けられている4点

  • (1) 退去時における住宅の損耗等の復旧について
  • (2) 住宅の使用及び収益に必要な修繕について
  • (3) 実際の契約における賃借人の負担内容について
  • (4) 入居中の設備等の修繕及び維持管理等に関する連絡先

重要事項説明に併せて、書面を交付して説明する。

資料は、経年変化及び通常の使用による損耗・キズ等の修繕費について「家賃に含まれているとされており、貸主が費用を負担するのが原則です」としています。畳については「原則1枚単位。ただし、経過年数は考慮しません。」とあり、考慮するのは壁(クロス)のほうです。条例は「書面を交付し、説明することを義務付けています」ので、口頭だけではありません。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

四つを、資料が示す扱いと組み合わせてください。

答え 経年変化・通常損耗 … 貸主が負担するのが原則/借主の責任による損耗 … 借主が負担するのが原則/壁(クロス) … 原則1平方メートル単位で算定/畳 … 原則1枚単位で経過年数は考慮しない

同じ借主負担でも、数え方が違います。

わかる家計を整える★★★
区分負担数え方
経年変化・通常損耗貸主家賃に含まれているとされる
借主の責任による損耗借主経過年数を考慮し、全額とはかぎらない
壁(クロス)原則1平方メートル単位・経過年数を考慮
原則1枚単位・経過年数は考慮しない

東京都住宅政策本部のガイドラインの記述のまま。

資料は、経年変化・通常損耗の修繕費を貸主の負担、借主の責任による汚れやキズを借主の負担としたうえで、負担割合は「破損部分の補修工事に必要な施工の最小単位に限定されます」としています。壁(クロス)は原則1平方メートル単位で経過年数を考慮し、畳は原則1枚単位で経過年数は考慮しません。同じ借主負担でも、数え方の単位と経過年数の扱いが違います。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

資料から読み取れるものを、すべて選んでください。

答え 通常損耗の修繕費は家賃に含まれているとされる/借主負担でも経過年数を考慮する/条例は書面の交付と説明を義務付けている

契約書で確かめるとされているものがあります。

わかる家計を整える★★★★

資料に書かれている

  • 通常損耗は貸主負担が原則
  • 借主負担でも経過年数を考慮
  • 条例による書面交付と説明の義務

資料に書かれていない

  • 敷金や家賃の金額
  • 戻ってくる敷金の割合
  • 退去予告の期限そのもの

この回の金額はすべてこちらで置いた例。

資料は、通常損耗の修繕費が家賃に含まれているとされること、借主負担でも経過年数を考慮すること、条例が書面の交付と説明を義務付けていることを示しています。特約については「通常の原状回復義務を超えた負担を借主に課す特約は、内容によっては無効とされることがあります。」とあるので、どんな内容でも有効ではありません。退去予告の期限は「契約書を確認し」とされていて、条例で決まっているとは書かれていません。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

毎年の効果が半分になると、元が取れるまでの期間は_になります。

  • A 半分

    期間は短くなりません。

  • B 同じ

    同じままにはなりません。

  • C 2倍 正解

    正解です。4年が8年になります。

  • D 4倍以上

    4倍にはなりません。

割る数が半分なら、答えは2倍です。

見抜く家計を整える★★★★
家賃だけ 480,000 ÷ 120,000 = 4年通勤費を引く 480,000 ÷ 60,000 = 8年効果は 120,000 ÷ 60,000 = 2分の1期間は 2倍

割られる数は同じ。動いたのは割る数だけ。

480,000 ÷ 120,000 = 4年が、480,000 ÷ 60,000 = 8年になります。割られる数は同じ480,000円のままで、割る数だけが半分。だから答えはちょうど2倍です。通勤費の月5,000円は家賃の10,000円の半分ですが、効果を半分にし、期間を2倍にします。小さく見える額が、答えを大きく動かすことがあります。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

同じ引っ越しなのに、4年、8年、6年と答えが変わりました。

何が動いたからですか。

  • A 家賃の額だけ

    家賃の差は10,000円のままです。

  • B 費用と効果の両方 正解

    正解です。割る数と割られる数が動きました。

  • C 住む年数

    住む年数は、この答えと比べる相手です。

  • D 引っ越しの回数が増えた

    引っ越しは1回のままです。

分子と分母が別々に動いています。

見抜く家計を整える★★★★

同じ引っ越しを、三つの置き方で

家賃だけ
480,000 ÷ 120,000 = 4年
通勤費を引く
480,000 ÷ 60,000 = 8年
敷金が戻る
360,000 ÷ 60,000 = 6年
家賃の差
どの場合も月10,000円

家賃の差10,000円は最初から最後まで変わっていません。動いたのは、割る数(通勤費を引いた年間の効果)と、割られる数(敷金が戻った後の正味の費用)です。効果が半分になれば期間は2倍、費用が4分の3になれば期間も4分の3。片方だけを直しても正しい答えにはならず、両方を置き直してはじめて6年が出ます。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

条例で説明が義務付けられている四つを、資料の順に並べてください。

答え 退去時における住宅の損耗等の復旧について → 住宅の使用及び収益に必要な修繕について → 実際の契約における賃借人の負担内容について → 入居中の設備等の修繕及び維持管理等に関する連絡先

原則が先で、実際の契約はそのあとです。

見抜く家計を整える★★★★
契約の前に説明されること
  • (1) 退去時の復旧 → 原則
  • (2) 入居中の修繕 → 原則
  • (3) 実際の契約での負担内容 → 特約の有無や内容
  • (4) 修繕・維持管理の連絡先

重要事項説明に併せて、書面を交付して説明する。

資料は(1)退去時における住宅の損耗等の復旧について、(2)住宅の使用及び収益に必要な修繕について、(3)実際の契約における賃借人の負担内容について、(4)入居中の設備等の修繕及び維持管理等に関する連絡先の順に挙げています。(1)と(2)が原則の話、(3)がその契約では実際にどうなっているか、(4)が連絡先。原則を聞いてから、目の前の契約が原則どおりかを確かめる並びになっています。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Aさんの引っ越しでは、敷金180,000円、礼金90,000円、仲介手数料99,000円、引越運賃111,000円がかかります。

合計はいくらですか。

答え 480000円

四つを足した分です。

ケース家計を整える★★★
  • 180,000円敷金
  • 90,000円礼金
  • 99,000円仲介手数料
  • 111,000円引越運賃
  • 480,000円合計

金額はこちらで置いた例。

180,000 + 90,000 + 99,000 + 111,000 = 480,000円です。これが割られる数になります。ただし敷金は、退去のときに戻ってくる分があるかもしれません。全額が出ていくと決めてかかると、費用を多く見積もることになります。まず合計を出し、あとで戻る分を引き直します。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

引っ越し費用は480,000円、家賃は月10,000円下がります。

家賃だけで見ると、何年で元が取れますか。

  • A 4年 正解

    正解です。480,000 ÷ 120,000 = 4年です。

  • B 8年

    8年は通勤費まで入れた場合です。

  • C 6年

    6年は敷金が戻った場合です。

  • D 48年もかかる

    月の額のまま割ってしまった答えです。

480,000 ÷ 120,000 の分です。

ケース家計を整える★★★
480,000÷120,0004年

10,000 × 12 = 120,000円が1年あたりの効果なので、480,000 ÷ 120,000 = 4年です。48年になるのは月10,000円のまま12をかけ忘れた場合。8年と6年は、このあと条件を足していったときに出てくる答えです。同じ引っ越しでも、何を計算に入れるかで年数が変わります。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

家賃は月10,000円下がりますが、新居では通勤費が月5,000円増えます。

1年あたりの効果は、いくらになりますか。

答え 60000円

120,000 − 60,000 の分です。

ケース家計を整える★★★★
  • 家賃だけの年間効果(円)
  • 通勤費を引いた年間効果(円)

ちょうど半分になる。金額はこちらで置いた例。

家賃の効果は10,000 × 12 = 120,000円、通勤費の増加は5,000 × 12 = 60,000円。差し引くと60,000円です。家賃だけで見ていたときの半分になりました。割る数が半分になれば、答えは2倍になります。増える支出を入れ忘れると、回収の年数を短く見積もることになります。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

年間の効果は60,000円です。さらに、前の部屋の敷金のうち120,000円が戻ってきました。

元が取れるのは何年後ですか。

  • A 6年 正解

    正解です。360,000 ÷ 60,000 = 6年です。

  • B 8年

    8年は敷金が戻らなかった場合です。

  • C 4年

    4年は通勤費を入れなかった場合です。

  • D 元は取れない

    6年で取れる計算になります。

360,000 ÷ 60,000 の分です。

ケース家計を整える★★★★
  • 戻る前の費用(円)
  • 正味の費用(円)

4分の3になるので、期間も8年の4分の3で6年。

480,000 − 120,000 = 360,000円が正味の費用で、360,000 ÷ 60,000 = 6年です。8年は敷金が戻らなかった場合、4年は通勤費を入れなかった場合。費用が480,000円の4分の3になったので、期間も8年の4分の3で6年になります。分子が小さくなれば期間は短くなり、分母が小さくなれば長くなる。両方を正しく置き直して、はじめて答えが定まります。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

資料は、東京に居住する世帯のうち民間賃貸住宅に住む世帯について書いています。

それは約何万世帯ですか。

答え 270万世帯

資料は約270万世帯としています。

ケース家計を整える★★★★
  1. 資料の記述を読む(4割近くにあたる約270万世帯)
  2. 割合から全体を見当づける(270 ÷ 0.4 = 675万世帯ほど)
  3. 条例とガイドラインの背景として押さえる

675万という数は資料になく、資料の数字から出した見当。

資料は「東京に居住する世帯の4割近くにあたる約270万世帯が、民間賃貸住宅に居住しています。」としています。4割近くという割合から逆算すると、東京の世帯数はおよそ675万〜700万世帯ということになります(270 ÷ 0.4 = 675)。多くの世帯にかかわる話なので、都は条例で説明を義務付け、ガイドラインを作っている、という流れです。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

新居では通勤費が月5,000円増えることが分かりました。

次に確かめるのは、どれでしょう。

  • A ほかに増える支出 正解

    正解です。効果をさらに削るものです。

  • B 去年の家賃との差

    去年との差では増える分が分かりません。

  • C 友人の通勤時間

    通勤時間は金額ではありません。

  • D いちばん高かった月の家賃

    過去の家賃では増える分が分かりません。

増える支出は、年間の効果を削ります。

判断家計を整える★★★★
  1. 家賃だけ年120,000円 → 4年
  2. 通勤費を引く年60,000円 → 8年
  3. さらに増える支出があれば効果はもっと小さくなる

増える支出は、割る数を小さくする。

通勤費だけで年間の効果は120,000円から60,000円へ半分になりました。ほかにも増えるものがあれば、効果はさらに小さくなり、期間はさらに延びます。駐輪場や共益費、更新料の有無なども同じ扱いです。去年との差や友人の通勤時間、過去の家賃からは、この増える分は出てきません。減る額と増える額を、両方そろえてから割る、ということです。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

「家賃が月1万円下がるんだから、4年で元が取れる」と聞きました。

確かめるのは、どれでしょう。

  • A 家賃の順位

    順位では年間の効果が出ません。

  • B 去年との差

    去年との差でも出ません。

  • C いちばん安い物件

    安い物件を探すのは、そのあとです。

  • D 毎年いくら効くか 正解

    正解です。ここで割る数が決まります。

通勤費を引くと、効果は半分になりました。

判断家計を整える★★★

メリット

  • 増える支出まで引くと、年間の効果が正しく出せる
  • 戻る分を引くと、正味の費用で割れる

デメリット

  • 家賃の差だけで割ると、期間を短く見積もる
  • 敷金の全額を費用に入れると、期間を長く見積もる

引っ越すかどうかは、この回では決めない。

4年という答えは、家賃の差だけで割った場合のものです。通勤費が月5,000円増えれば年間の効果は60,000円になり、8年。敷金が120,000円戻れば6年。順位や去年との差、いちばん安い物件を見ても、この年間の効果は出てきません。引っ越すかどうかは人によって違うので、ここでは決めません。分子と分母を置き直すところまでが、この回の範囲です。

出典 東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

会員登録をすると、経験値と連続学習日数が記録され、間違えた問題だけをあとで解き直せます。

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