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目次
はじめに
「雑所得」という言葉を聞いたことがありますか?会社員として給与をもらっているだけでは、あまり意識することのない所得区分かもしれません。しかし、近年、副業やインターネットを通じた活動が活発になるにつれて、雑所得を得る機会が増えています。たとえば、趣味で書いたブログの広告収入や、フリマアプリでの不用品販売、あるいは仮想通貨(暗号資産)の取引で得た利益などが該当します。
雑所得は、所得税法で定められた10種類の所得のうち、他のどの所得にも当てはまらないものを指します。そして、確定申告の際には、この雑所得について「内訳書」を作成し、提出する必要があります。この記事では、雑所得の内訳書とは何か、なぜ必要なのか、どのように書けば良いのか、そして申告する際の注意点について、初心者にもわかりやすく解説します。この記事を読めば、雑所得の内訳書について深く理解し、自信を持って確定申告に臨めるようになるでしょう。
学びのゴールは、雑所得の内訳書の書き方をマスターし、収入と経費の内訳を正確に記載できるようになることです。
この記事のカテゴリは「税金・申告・社会制度」、サブカテゴリは「年末調整・確定申告」です。

確定申告は、難しそうに感じるかもしれませんが、一つずつステップを踏んでいけば大丈夫です。この記事が、あなたの確定申告のお手伝いになれば幸いです。
雑所得とは?定義と具体例をわかりやすく解説
まず、雑所得とは何かを明確に理解しましょう。雑所得は、所得税法における所得区分のひとつで、給与所得、事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、一時所得、譲渡所得、山林所得、退職所得のいずれにも該当しない所得を指します。つまり、「どれにも当てはまらないものは、とりあえず雑所得」と考えると、わかりやすいかもしれません。
具体的にどのようなものが雑所得になるのでしょうか?
- 公的年金等:国民年金や厚生年金などの公的年金は、雑所得として扱われます。
- 副業による収入:会社員が副業で得た収入のうち、事業として行っていないものは雑所得となることが多いです。例えば、原稿料、講演料、アフィリエイト収入、オンライン講師としての収入などが該当します。
- 暗号資産(仮想通貨)の売買による利益:ビットコインなどの暗号資産を売買して得た利益は、雑所得として課税されます。
- フリマアプリやネットオークションでの収入:不用品を売却して得た収入も、営利を目的とした継続的な販売でない場合は、雑所得として扱われます。
- その他:生命保険の満期保険金のうち一時所得に該当しないもの、懸賞金、競馬や競輪の払戻金なども、雑所得に含まれる場合があります。
重要なポイントは、「事業として行っているかどうか」です。もし、副業の規模が大きく、継続的に収入を得ており、事業として認められる場合は、雑所得ではなく事業所得として申告する必要があります。この判断は、税務署に相談することをおすすめします。
さて、ここで最初のクイズです。
他のどの所得区分にも該当しない所得のことを何と呼ぶか?
- 給与所得
- 一時所得
- 雑所得
- 事業所得
正解は「3. 雑所得」です。雑所得は、他の9種類の所得のいずれにも分類されない所得を指します。公的年金や暗号資産の利益、副業収入などが該当します。

雑所得は、意外と身近な所得区分です。副業を始めたら、まず自分がどの所得に該当するか確認するようにしましょう。
なぜ雑所得の内訳書が必要なのか?税務署が求める理由を徹底解説
雑所得の内訳書は、確定申告の際に、どのような活動で、いくらの収入と経費が発生したのかを税務署に伝えるための書類です。これは、税務署があなたの申告内容を正しく理解し、適正な課税を行うために非常に重要な役割を果たします。
具体的に、内訳書がなぜ必要なのでしょうか?
- 所得区分の妥当性の確認:税務署は、内訳書を通じて、あなたが申告した所得が本当に雑所得に該当するかどうかを判断します。例えば、副業収入を雑所得として申告した場合、その活動内容や規模から、事業所得として申告すべきではないかをチェックします。
- 経費の適切性の確認:雑所得から差し引く経費が適切かどうかを判断します。例えば、副業で原稿料を得ている場合、その経費として計上された書籍代や交通費が、本当に原稿作成に必要なものだったのかを確認します。
- 収入と経費の透明性の確保:内訳書があることで、収入と経費の流れが明確になり、税務署は申告内容の信頼性を高めることができます。
- 税務調査のリスク軽減:きちんと内訳書を作成し、収入と経費の根拠となる資料を保管しておけば、税務調査が入った際にもスムーズに対応できます。
内訳書は、税務署にとって、あなたの申告内容を裏付けるための重要な証拠となります。したがって、正確かつ丁寧に作成し、必要な情報を漏れなく記載することが大切です。
それでは、ここで2つ目のクイズです。
税務署が雑所得の内訳書の提出を求める主な理由は何か?
- 所得者の年収を確認するため
- 収入と経費の内容の適切性を判断するため
- 内訳書の記入漏れをチェックするため
- 次年度以降の税額を計算するため
正解は「2. 収入と経費の内容の適切性を判断するため」です。内訳書を通じて、申告された収入と経費が雑所得として妥当かを判断します。内訳書がなければ、税務署はどのような活動で所得が発生し、経費が適正であるかを判断できません。

内訳書は、税務署とのコミュニケーションツール。きちんと作成することで、誤解を防ぎ、スムーズな申告につながります。
雑所得の内訳書、書き方のキホン:記載事項と記入例
雑所得の内訳書は、定められたフォーマットに沿って、必要な情報を記載する必要があります。ここでは、内訳書の構成と、具体的な記載事項について解説します。
内訳書は、主に以下の項目で構成されています。
- 収入の内訳:
- 収入の種類(例:講演料、原稿料、暗号資産取引)
- 支払者の氏名または名称(例:〇〇株式会社、△△フリマアプリ)
- 収入金額
- 必要経費の内訳:
- 経費の種類(例:書籍代、通信費、旅費交通費)
- 経費の金額
それぞれの項目について、具体例を交えながら解説します。
【収入の内訳】
例えば、Aさんが〇〇株式会社から講演料として10万円、△△フリマアプリで不用品を売却して2万円の収入を得たとします。この場合、内訳書には以下のように記載します。
- 収入の種類:講演料
- 支払者の氏名または名称:〇〇株式会社
- 収入金額:100,000円
- 収入の種類:フリマアプリ売上
- 支払者の氏名または名称:△△フリマアプリ
- 収入金額:20,000円
【必要経費の内訳】
Aさんが講演料を得るために、書籍代として5,000円、交通費として3,000円を支出したとします。また、フリマアプリで不用品を売却する際に、梱包資材として1,000円を支出したとします。この場合、内訳書には以下のように記載します。
- 経費の種類:書籍代
- 経費の金額:5,000円
- 経費の種類:交通費
- 経費の金額:3,000円
- 経費の種類:梱包資材費
- 経費の金額:1,000円
【課税対象となる雑所得の金額】
内訳書の最後に、収入金額の合計から経費金額の合計を差し引いた金額を記載します。これが、課税対象となる雑所得の金額です。
Aさんの場合、収入金額の合計は12万円、経費金額の合計は9,000円なので、課税対象となる雑所得の金額は11万1,000円となります。
内訳書の書き方は、国税庁のウェブサイトで公開されている手引きや様式を参考にすると良いでしょう。また、確定申告ソフトを利用すれば、自動的に内訳書を作成してくれる機能もあります。

内訳書は、収入と経費をきちんと整理する良い機会です。日頃から記録をつけておくと、スムーズに作成できます。
経費計上の落とし穴:雑所得で認められる経費と認められない経費
雑所得を計算する上で、経費を正しく区分することは非常に重要です。なぜなら、経費を多く計上すれば、課税対象となる所得が減り、税金も安くなるからです。しかし、何でもかんでも経費として計上できるわけではありません。
雑所得から差し引ける経費は、「その雑所得を得るために直接かかった費用」に限られます。つまり、その収入を得るために、どうしても必要な支出だったかどうか、という点が判断基準となります。
具体的に、どのようなものが経費として認められるのでしょうか?
- 副業の原稿料の場合:取材のための交通費、書籍代、資料代、通信費(インターネット代、電話代)、執筆に必要な文具代などが該当します。
- 暗号資産(仮想通貨)の取引の場合:取引手数料、セミナー参加費、情報収集のための書籍代などが該当します。
- フリマアプリやネットオークションの場合:梱包資材費、送料、出品手数料などが該当します。
一方、以下のようなものは経費として認められません。
- プライベートな支出:個人的な趣味や娯楽のための費用、家族との食事代などは経費として認められません。
- 家事関連費:自宅で副業を行っている場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上することはできますが、明確な基準(例:仕事で使用している面積の割合)に基づいて按分する必要があります。
- 収入に直接関係のない支出:例えば、原稿料を得るために必要な書籍代であっても、専門分野と全く関係のない書籍は経費として認められない可能性があります。
ここで、3つ目のクイズです。
Aさんは副業の原稿料で5万円の収入があった。内訳書に記載できる経費はどれか?
- プライベートで使用しているスマートフォンの通信費
- 原稿料を得るための取材に必要な交通費
- 家族との外食費
- 趣味で使う文房具代
正解は「2. 原稿料を得るための取材に必要な交通費」です。これは、原稿料という収入を得るために直接かかった費用として経費にできます。プライベートな通信費や家族の外食費、趣味の文具代は経費として認められません。
経費として認められるかどうか判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。また、経費として計上する際には、領収書やレシートなどの証拠書類を必ず保管しておきましょう。
4つ目のクイズです。
雑所得から差し引く経費として、最も適切と判断される基準は?
- 収入の多寡にかかわらず計上できる
- その所得を得るために直接要した費用である
- 他の所得の経費と重複しないこと
- 個人的な支出も生活費として含めること
正解は「2. その所得を得るために直接要した費用である」です。雑所得から差し引ける経費は、その雑所得を生み出すために直接かかった費用のみです。内訳書がなければ、税務署はどのような活動で所得が発生し、経費が適正であるかを判断できません。

経費の区分は、税金の計算に大きく影響します。日頃から記録をつけ、判断に迷う場合は専門家に相談しましょう。
確定申告の実務と注意点:スムーズな申告のために
雑所得の内訳書を作成したら、いよいよ確定申告です。確定申告は、1年間の所得を計算し、税金を納めるための手続きです。ここでは、確定申告の実務と、申告する際の注意点について解説します。
【確定申告の流れ】
- 確定申告書の入手:税務署の窓口で入手するか、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
- 確定申告書の作成:確定申告書に、所得金額や所得控除額などを記入します。確定申告ソフトを利用すると、自動的に計算してくれるので便利です。
- 必要書類の添付:確定申告書に、源泉徴収票(給与所得がある場合)、雑所得の内訳書、所得控除に関する証明書などを添付します。
- 確定申告書の提出:税務署の窓口に提出するか、郵送で提出、またはe-Tax(電子申告)で提出します。
- 納税:税金を納付します。納付方法は、現金納付、振込、クレジットカード納付、口座振替などがあります。
【確定申告の注意点】
- 申告期限を守る:確定申告の期限は、通常、翌年の2月16日から3月15日までです。期限を過ぎると、延滞税などのペナルティが課される場合があります。
- 必要書類を揃える:確定申告書だけでなく、源泉徴収票、雑所得の内訳書、所得控除に関する証明書など、必要な書類をきちんと揃えて提出しましょう。
- 正確な情報を記載する:確定申告書には、正確な情報を記載しましょう。誤った情報を記載すると、税務署から指摘を受ける可能性があります。
- 証拠書類を保管する:収入や経費の根拠となる領収書やレシート、請求書などは、必ず保管しておきましょう。税務調査が入った際に、これらの書類が必要になる場合があります。
- 事業所得と間違えないようにする:副業収入がある場合、それが雑所得なのか事業所得なのかを正しく判断する必要があります。事業として行っている場合は、事業所得として申告しなければなりません。判断に迷う場合は、税務署に相談しましょう。
ここで、5つ目のクイズです。
副業収入があり、雑所得の申告を行う際、最も優先して注意すべき実務上の点は?
- 内訳書の提出期限を守ること
- 収入や経費の証拠書類を確実に保存すること
- 事業所得として申告する方が有利か検討すること
- すべての経費を計上し、赤字を大きくすること
正解は「2. 収入や経費の証拠書類を確実に保存すること」です。税務調査などが入った際、経費の根拠を証明するため、領収書や取引記録の保存が最も重要です。確定申告は期限内に正確な申告書を作成することが重要ですが、実務上は証拠書類(領収書など)がなければ、経費計上が否認され、税務署から指摘を受けるリスクが高まります。
確定申告は、複雑で難しいと感じるかもしれませんが、一つずつステップを踏んでいけば、誰でもできます。この記事が、あなたの確定申告のお役に立てれば幸いです。

確定申告は、国民の義務であり、権利でもあります。正しく申告することで、税金を取り戻せる場合もあります。積極的に取り組みましょう。
まとめとやるべきアクション
この記事では、雑所得の内訳書の書き方から申告の注意点まで、幅広く解説しました。雑所得とは、給与所得、事業所得、不動産所得など、他の9種類の所得のどれにも分類されない所得のことです。内訳書は、どのような活動で、いくらの収入と経費が発生したかを税務署に示すための書類であり、所得区分の妥当性や経費の適切性を判断するために必要です。内訳書には、収入の種別、支払者の名称、収入金額、そしてそれに対応する経費の内訳を記載します。経費は、「その雑所得を得るために直接かかった費用」のみが認められ、プライベートな支出は経費にできません。確定申告の際には、内訳書を確定申告書に添付して提出し、収入や経費の証拠となる領収書や取引記録は必ず保存しましょう。
さあ、今日からできるアクションとして、副業などで雑所得を得ている方は、収入と経費を分けて記録し、領収書や取引明細をまとめて保存するフォルダを作りましょう。 これを習慣にすることで、確定申告の際に慌てることなく、スムーズに内訳書を作成することができます。

確定申告は、一度経験すれば、次からはスムーズに行えるようになります。この記事を参考に、ぜひチャレンジしてみてください。


