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目次
はじめに
投資を始めたばかりの頃は、「どの銘柄を買おうか」「資産配分(ポートフォリオ)はどうしようか」と熱心に考えるものです。しかし、一度投資をスタートして数年が経過すると、日々の忙しさに追われて運用を「ほったらかし」にしていませんか。「資産が増えているから大丈夫」と思っているその瞬間、実はあなたの投資リスクは、当初の計画を大きく超えて膨れ上がっているかもしれません。
投資の世界には、崩れた資産のバランスを元の計画に戻す「リバランス」という非常に重要なメンテナンス作業があります。このリバランスを怠ると、特定の資産が占める割合が勝手に高くなり、知らないうちにハイリスク・ハイリターンな運用へと変貌してしまうのです。特に、これから数十年という長い時間をかけて資産形成を行う高校生や新社会人の皆さんにとって、リバランスの仕組みを理解しておくことは、投資の成功を左右する決定的な知識となります。
本記事では、リバランスをしないことで生じるリスクの正体や、市場急落時に受けるダメージの違い、そして感情に左右されずに合理的な判断を下すためのコツを詳しく解説します。自分のお金を守りながら、着実に増やしていくための「予防線」の張り方を一緒に学んでいきましょう。

投資で最も大切なのは「最大の利益を出すこと」ではなく「自分が許容できるリスクの範囲内で長く続けること」です。リバランスはそのための羅針盤になります。
リバランスを放置すると資産配分が意図せず偏る理由
私たちが投資を始める際、通常は「株式50%:債券50%」というように、リスクとリターンのバランスを考えて資産配分(アセットアロケーション)を決めます。しかし、市場は常に動いています。数年が経過すると、運用成績が良い資産(例:株式)はどんどん値上がりし、相対的に成績が振るわない資産(例:債券)の割合は小さくなっていきます。
例えば、当初100万円を「株式50万円:債券50万円」で投資したとします。数年後、株式市場が好調で株式が80万円に値上がりし、一方で債券は50万円のままだった場合、あなたの資産配分は「株式61.5%:債券38.5%」へと変化してしまいます。これが「資産配分の偏り(かたより)」です。
このようにリバランスをしない状態を放置すると、当初計画した比率からどんどんズレが生じます。特に近年のような米国株を中心とした上昇相場では、意識的に調整を行わない限り、多くの投資家のポートフォリオで株式の比率が当初の予定よりも大幅に高くなっているのが現実です。資産の総額が増えていると「順調だ」と錯覚しがちですが、中身のバランスが崩れていることは、後述する大きなリスクへの入り口となります。
リバランスの基本は、増えすぎた資産を一部売り、減ってしまった資産を買い増すことで、元の比率に戻すことです。これを怠ることは、設計図のないまま建物を増築し続けるようなものであり、資産運用の安定性を著しく損なう原因となります。

「上がっているからもっと持っておこう」という欲が、資産の偏りを生みます。元の比率から5%から10%以上ズレたら、メンテナンスのサインだと考えましょう。
リスク資産の増加が招く「知らないうちのハイリスク運用」
資産配分が株式などの値動きが大きい「リスク資産」に偏ることで生じる最大の問題は、自分自身の「リスク許容度(りすくきょようど)」を知らぬ間に超えてしまうことです。リスク許容度とは、資産が値下がりしたときに、精神的にも経済的にもどれくらいのマイナスまでなら耐えられるかという、いわば「投資の耐久力」のことです。
当初、あなたは「半分を安定した債券で持つから、もし株式が30%暴落しても全体では15%のマイナスで済む。これなら夜も眠れる」と考えて計画を立てたはずです。しかし、リバランスをせずに株式比率が70%や80%にまで高まっていたらどうでしょうか。同じ「株式の30%暴落」が起きたとき、資産全体の目減りは20%を超えてしまいます。これは当初想定していたリスク水準を大きく逸脱しています。
特に怖いのは、市場が好調なときにはこの「リスクの増大」に気づきにくい点です。資産が増えている間は誰でも強気になり、「もっとリスクを取れる」と勘違いしてしまいます。しかし、本当の意味でリスクが牙を剥くのは、相場が暗転したときです。自分の許容度を超えた資産配分で運用を続けていると、予期せぬ大きな損失を被る可能性が高まり、その精神的な負担は計り知れません。
リバランスは、値上がりした資産を売却することで、膨らみすぎたリスクを元の適切なレベルまで引き下げる作業です。これは利益を確定させるためだけではなく、あなたの「投資の安全性」を維持するために不可欠なプロセスなのです。

リスクは「自分がどれだけ耐えられるか」ではなく「資産構成がどれだけ動くか」で決まります。自分の感覚よりも、客観的な数字(比率)を信じることが大切です。
市場の急落に弱い体質!リバランスをしない最大の末路
リバランスをしないままリスク資産の比率を高めた状態で「市場の急落(暴落)」に直面すると、投資家には過酷な運命が待ち受けています。当初の計画よりもハイリスクな状態になっているため、急落時の損失額が当初の想定を遥かに上回ってしまうからです。
例えば、世界的な経済危機などで株価が50%下落するような事態を想像してみましょう。
- リバランスしていた場合:株式比率が50%に保たれていれば、全体の下落率は約25%で済みます。
- 放置していた場合:株式比率が80%にまで高まっていたら、全体の下落率は40%に達します。
この「15%の差」は、金額が大きくなるほど、そして精神的なショックが大きくなるほど、決定的なダメージとなります。多くの個人投資家が投資を途中で挫折してしまう最大の原因は、こうした暴落時に自分の心が耐えられなくなり、底値付近で資産を投げ出してしまう「狼狽売り(ろうばいうり)」です。リバランスをしていないポートフォリオは、いわば「嵐に弱い船」のようなものであり、市場の変動という荒波を乗り越える体質を備えていません。
リバランスを定期的に行っていると、急落が起きる直前に「高くなった株式」を既に売却し、「安全な資産(現金や債券)」に換えていることになります。これが、長期投資における最強の「予防線」として機能します。急落が起きた後に慌てるのではなく、起きる前に仕組みとしてリスクを抑えておく。この守りの姿勢こそが、暴落をチャンスに変え、長期的に生き残るための秘訣です。

暴落が起きてから「リスクを取りすぎていた」と後悔しても遅すぎます。穏やかな天気の日にこそ、船のバランスを整えておくのが一流の航海士です。
感情に流されないリバランスは「合理的な判断」の極み
リバランスを実行しようとすると、心理的な抵抗を感じることがよくあります。なぜなら、リバランスとは「今まさに絶好調で値上がりしている資産(株式など)を売り、パッとしない値下がりしている資産(債券など)を買う」という、人間の本能に反する行動を求めるからです。
多くの人は「もっと上がるかもしれないのにもったいない」「ダメな資産を買い増すのは嫌だ」という感情に支配されます。しかし、この感情こそが投資の失敗を招く原因です。リバランスは、あらかじめ決めたルールに基づいて機械的・定期的に売買を行うため、こうした感情的な判断を排除し、合理的な行動を促してくれます。
リバランスの合理性には、以下の2つのポイントがあります。
- 高値売り・安値買いの自動化:意識せずとも「高いときに売り、安いときに買う」という、投資の鉄則を実践することになります。
- 規律ある運用の継続:一時の流行やニュースに惑わされず、自分が信じた当初の計画(ポートフォリオ)に立ち戻ることができます。
特に新社会人の皆さんにお勧めなのは、カレンダーに「1年に1回、リバランスの日」と決めておくことです。誕生月でも年末でも構いません。その日だけは現在の比率をチェックし、ズレていたら無心で調整を行う。この「機械的なルール」を守り続けることが、値動きに一喜一憂するストレスからあなたを解放し、長期的な資産形成をサポートしてくれるのです。

投資の最大の敵は自分自身の「欲」と「恐怖」です。ルール化されたリバランスは、その敵からあなたを守る盾になってくれます。
自分のリスク許容度を維持することが長期投資成功の鍵
なぜ、ここまでして自分の「リスク許容度」を維持し続けなければならないのでしょうか。それは、長期投資を成功させるための唯一にして絶対の条件が、「相場から退場せずに、ルール通りに投資を継続すること」だからです。
どれほど優れた投資理論や銘柄選びをしても、暴落時の恐怖に耐えられず、最も安い時期に投資をやめてしまえば、それまでの努力はすべて水の泡になります。自分のリスク許容度を正しく把握し、それをリバランスによって維持し続けることは、一時的な損失が出ても「この程度の揺れなら、自分で決めた範囲内だ」と冷静に耐えるための精神的な支柱になります。
自分のリスク許容度を維持することのメリットを整理しましょう。
- 投資の継続性が高まる:不況時でもパニックにならず、計画通りに積立や保有を続けられます。
- 狼狽売りを防げる:自分の許容範囲内であれば、感情に流された損な売買を回避できます。
- 安定したパフォーマンス:偏った配分で大勝ちを狙うよりも、安定したリスク管理を行うほうが、長期的な目標達成の確率は高まります。
特に若い世代にとって、最大の武器は「時間」です。しかし、その時間を最大限に活かすためには、途中で投資を投げ出さないための「精神的な安定」が不可欠です。リバランスは単なる計算上の調整ではなく、あなたの「投資し続ける力」をメンテナンスする作業なのです。手数料や税金を気にしてリバランスを渋る人もいますが、それらを考慮しても、リスク許容度を維持することで得られる「継続という果実」の方が遥かに価値が高いことを忘れないでください。

100点満点の利益を狙って0点(退場)になるよりも、80点の実績を40年間続ける方が、最終的な資産は圧倒的に大きくなります。リバランスはそのための保険です。
まとめとやるべきアクション
今回の記事では、リバランスをしないことで生じるリスクの正体について詳しく見てきました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- 放置は資産の偏りを生む:運用成績が良い資産の比率が勝手に高まり、当初の計画が崩れます。
- 知らないうちにハイリスクに:値動きの大きい資産が増えることで、自分のリスク許容度を超えた危険な運用状態になります。
- 暴落時のダメージが激増:リスク資産に偏ったポートフォリオは、市場急落時に当初の想定を遥かに超える損失を招きます。
- 機械的なルールが自分を救う:リバランスは感情を排除し、合理的な「高値売り・安値買い」を自動化します。
- 継続こそが勝利の条件:リスクレベルを一定に保つことで、暴落時もパニックにならずに投資を長く続けられます。
「自分は大丈夫」という過信が、投資においては最大の敵になります。まずは現状を正しく把握することから始めましょう。
次にあなたが取るべきアクションは、今投資している資産(新NISAの口座や特定口座など)の「現在の比率」を確認することです。 当初、株式を何%、債券や現金を何%にしようと決めていましたか? その比率は今、どれくらいズレていますか? もし株式の比率が目標より5%〜10%以上高くなっていたら、リスクが当初の想定を超えている証拠です。増えすぎた分を売って他に回すか、あるいは今後の積立設定を変更して少ない方の資産を重点的に買うなど、具体的な調整を検討してみましょう。この小さなメンテナンスが、将来のあなたの大切な資産を暴風雨から守ることになります。

定期的な健康診断と同じで、資産も定期的なチェックが必要です。年に一度の「リバランス記念日」を設けて、自分のリスクと向き合う時間を作ってみてください。


