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目次
はじめに
ETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)投資を始めるにあたって、運用テーマやコストに注目するのは当然ですが、実はそれと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「出来高」と「流動性」です。この二つを理解しているかどうかで、あなたの投資成果は大きく変わる可能性があります。
「買いたい時に買えない」「売りたい時に売れない」という状況は、投資家にとって大きなストレスであり、損失にもつながりかねません。この記事では、ETFの出来高と流動性がなぜ重要なのか、具体的にどのようにチェックすれば良いのかを、初心者にもわかりやすく解説していきます。この記事を読めば、あなたもスムーズなETF取引を実現し、より賢い投資家になれるでしょう。

ETFは手軽に分散投資ができる魅力的な金融商品ですが、流動性リスクには注意が必要です。この記事を読んで、安心して取引できるETFを選びましょう。
なぜ出来高が重要なのか?取引の成立しやすさと価格への影響
ETFの出来高とは、一定期間(通常は1日)に取引が成立した株数のことです。出来高が多いほど、そのETFは流動性が高いと判断されます。流動性が高いとは、簡単に言うと「取引がしやすい」ということです。例えば、あなたが特定のETFを100株買いたいと思ったとき、出来高が多ければ、すぐに買い注文が成立する可能性が高くなります。逆に、出来高が少ないと、買い手が見つからず、なかなか注文が成立しないことがあります。
出来高が多いETFは、一般的に売買価格のスプレッド(買い値と売り値の差)が小さく、希望する価格で取引できる可能性が高まります。スプレッドが大きいと、それだけ取引コストがかさむことになります。つまり、出来高は、取引の成立しやすさだけでなく、取引コストにも影響を与える重要な要素なのです。
また、出来高の少ないETFは、市場の需給バランスが崩れやすく、価格が大きく変動するリスクがあります。少数の投資家の売買によって価格が大きく左右される可能性があるため、注意が必要です。
- 出来高が多いほど流動性が高い: 取引が成立しやすい
- スプレッドが小さい: 取引コストを抑えられる
- 価格変動リスクが低い: 安定した取引が期待できる

出来高は、ETFの「人気度」を示すだけでなく、取引の安全性を測る重要な指標です。必ず確認するようにしましょう。
流動性不足が招くリスク:希望価格で売買できない状況
ETFの流動性が低い(出来高が少ない)と、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか? 最も大きなリスクは、買いたい時に買えない、売りたい時に売れないという状況に陥る可能性が高まることです。
例えば、あなたが「このETFは将来性がある」と考えて購入しようとしたとします。しかし、出来高が少ないため、買い注文を出してもなかなか成立しません。その間に、ETFの価格が上昇してしまうかもしれません。そうなると、あなたは当初考えていたよりも高い価格で買わざるを得なくなります。
逆に、あなたが保有しているETFを売却しようとした場合も同様です。出来高が少ないと、売り注文を出しても買い手が見つからず、なかなか売却できません。その間に、ETFの価格が下落してしまうかもしれません。そうなると、あなたは損失を被る可能性があります。
また、流動性が低いETFは、市場価格が基準価額(NAV:Net Asset Value)から大きく乖離(かいり)することがあります。基準価額とは、ETFが保有する資産の価値を基に算出される理論的な価格です。市場価格が基準価額から大きく乖離している場合、あなたは本来の価値よりも高い価格で買ったり、低い価格で売ったりしてしまう可能性があります。
これらのリスクを避けるためには、ETFを選ぶ際に、必ず出来高と流動性を確認することが重要です。
- 希望するタイミングで売買できない: 投資戦略の実行に支障をきたす
- 不利な価格で売買せざるを得ない: 損失を被る可能性が高まる
- 市場価格と基準価額の乖離: 本来の価値から外れた価格で取引してしまう

流動性リスクは、特に急な資金需要が生じた場合に深刻な問題となります。日頃から流動性の高いETFを選ぶように心がけましょう。
板情報で流動性をチェック:注文状況を把握する
ETFの流動性をチェックする方法として、証券会社の取引ツールで提供されている「板情報(気配値)」を確認することが非常に有効です。板情報には、ある価格で買いたい人(買い注文)と、売りたい人(売り注文)の量がリアルタイムで表示されています。
板情報を見ることで、以下の情報を把握できます。
- 買い注文と売り注文のバランス: どちらの注文が多いか
- 注文の厚さ: 特定の価格帯にどれくらいの注文が集まっているか
- スプレッドの幅: 最も高い買い注文と最も低い売り注文の差
例えば、ある価格帯に買い注文が集中している場合、その価格で買いたい人が多いことを意味します。つまり、その価格で買い注文を出せば、すぐに成立する可能性が高いと言えます。逆に、売り注文が集中している場合は、その価格で売りたい人が多いことを意味し、売り注文を出す際には注意が必要です。
板情報を見ることで、現在の市場の需給状況を把握し、より有利なタイミングで取引することができます。
また、板情報には、気配値という情報も表示されています。気配値とは、現在取引されている最も高い買い注文価格(買気配)と最も低い売り注文価格(売気配)のことです。この気配値の差が小さいほど、流動性が高いと判断できます。
- 買い注文と売り注文の量を確認: 需給バランスを把握する
- 注文の厚さ(厚いほど流動性が高い): 取引の成立しやすさを判断する
- 気配値のスプレッド(狭いほど流動性が高い): 取引コストを把握する

板情報は、市場の「生の声」を聞くことができる貴重な情報源です。積極的に活用して、取引の精度を高めましょう。
売買代金もチェック:出来高だけでは見えない流動性の実態
ETFの流動性を判断する上で、出来高だけでなく「売買代金」も合わせて確認することが重要です。出来高は、あくまで取引された株数を示す指標であり、高額なETFと低額なETFでは、同じ株数でも価値が大きく異なります。
例えば、あるETFの株価が1万円で、別のETFの株価が1000円だったとします。どちらも100株の出来高があった場合、売買代金はそれぞれ100万円と10万円となり、市場に流通した金額に大きな差が生じます。つまり、売買代金を見ることで、より正確な流動性を判断できるのです。
売買代金は、以下の計算式で求めることができます。
売買代金 = 出来高 × 株価
一般的に、売買代金が多いETFほど、流動性が高いと判断されます。売買代金は、証券会社の取引ツールなどで確認できます。
また、売買代金を見ることで、機関投資家などの大口投資家の取引動向を推測することもできます。大口投資家が積極的に取引しているETFは、流動性が高く、安定した取引が期待できます。
- 出来高(株数)だけでなく売買代金(金額)を確認: より正確な流動性を把握する
- 売買代金が多いほど流動性が高い: 取引の安定性が期待できる
- 大口投資家の動向を推測: 市場のトレンドを把握する

売買代金は、ETFの「実力」を示す指標です。出来高と合わせて確認することで、より深い分析が可能になります。
銘柄選びのチェックポイント:流動性を最優先に考える
ETFを選ぶ際には、運用テーマやコスト(信託報酬など)だけでなく、出来高と売買代金を必ずチェックしましょう。流動性の高い銘柄を選ぶことで、自分が希望するタイミングと価格で売買できる可能性が高くなります。
具体的には、以下の基準で銘柄を選ぶと良いでしょう。
- 出来高と売買代金がともに多い: 流動性が高く、取引しやすい
- 板情報が厚い: 買い注文と売り注文が豊富で、希望価格で取引できる可能性が高い
- スプレッドが狭い: 取引コストを抑えられる
また、過去の出来高や売買代金の推移も確認しておくと良いでしょう。過去に出来高が極端に少ない時期があったり、売買代金が大きく変動している場合は、注意が必要です。
さらに、分配金の頻度も考慮すると良いでしょう。分配金が頻繁に支払われるETFは、一般的に流動性が高い傾向があります。
ETFを選ぶ際には、これらのポイントを総合的に判断し、自分に合った銘柄を選ぶようにしましょう。
- 出来高と売買代金が十分にあるか: 最低限の基準を満たしているか確認する
- 板情報を確認して注文の厚さをチェック: 流動性の高さを視覚的に判断する
- スプレッドを比較して取引コストを考慮: 長期的な視点でコストを抑える

流動性の高いETFを選ぶことは、投資の成功への第一歩です。慎重に銘柄を選び、長期的な視点で投資に取り組みましょう。
まとめとやるべきアクション
この記事では、ETF投資における出来高と流動性の重要性について解説しました。出来高は、ETFの取引の成立しやすさを示す重要な指標であり、流動性が低いETFは、買いたい時に買えなかったり、売りたい時に売れなかったりするリスクがあります。
ETFを選ぶ際には、運用テーマやコストだけでなく、出来高と売買代金を必ずチェックし、板情報も参考にして流動性を確認するようにしましょう。流動性の高い銘柄を選ぶことで、スムーズな取引を実現し、より賢い投資家になることができます。
今日からできるアクション:現在あなたが気になっているETFを一つ選び、証券会社のツールで「出来高」「売買代金」「板情報」を確認してみましょう。そして、他のETFと比較して、流動性の違いを実感してみてください。

ETF投資は、リスクとリターンを理解した上で、慎重に行う必要があります。この記事が、あなたの投資判断の一助となれば幸いです。


