お金の土台を作る

3つとも◎の金融商品は、どれ?

そろっているものを探すより、何を重く見るかを決めるほうが先です。

このページの要点

金融庁は、主な金融商品を安全性・収益性・流動性の三つの度合いで示し、預貯金は◎△◎、株式は△◎◯、債券は◯◯△、投資信託は△〜◯・◯〜◎・◯としたうえで「3つとも◎の金融商品はありません。目的に応じて使い分けましょう」としています。また長期投資については、投資や預金などで得た収益を当初の元本にプラスして運用することで得られる利益を「複利」と呼び、長い期間続けると複利の効果が大きくなるとしています。ただし元本割れのおそれもある、とも書かれています。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 主な金融商品
  2. 主な金融商品
  3. 長期・積立・分散投資

わかる 2 問

  1. 複利
  2. 複利

見抜く 3 問

  1. 長期・積立・分散投資
  2. 長期・積立・分散投資
  3. 資産形成

ケースで考える 5 問

  1. 複利
  2. 複利
  3. 複利
  4. 主な金融商品
  5. 複利

判断する 2 問

  1. 主な金融商品
  2. 長期・積立・分散投資

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

資料の「主な金融商品」の表です。

それぞれ、三つの度合いはどうなっていますか。

答え 預貯金 … 安全性◎ 収益性△ 流動性◎/株式 … 安全性△ 収益性◎ 流動性◯/債券 … 安全性◯ 収益性◯ 流動性△/投資信託 … 安全性△〜◯ 収益性◯〜◎ 流動性◯

◎の位置が、商品ごとに違います。

知るお金の土台を作る★★★
金融商品安全性収益性流動性
預貯金
株式
債券
投資信託△〜◯◯〜◎

安全性=元本および利子の支払いが確実かの度合い。収益性=どのくらいの収益が期待できるかの度合い。流動性=必要になったときにすぐ換金できるかの度合い。

預貯金は安全性と流動性が◎で収益性が△、株式は収益性が◎で安全性が△。◎が付く場所がずれていて、どれか一つを上げると別のどれかが下がる形になっています。資料は安全性を「元本および利子の支払いが確実かの度合い」、収益性を「どのくらいの収益が期待できるかの度合い」、流動性を「必要になったときにすぐ換金できるかの度合い」と説明しています。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

安全性・収益性・流動性の3つとも◎の金融商品は、_。

  • A 預貯金がそれにあたります

    預貯金は収益性が△です。

  • B 株式です

    株式は安全性が△です。

  • C 債券です

    債券は流動性が△です。

  • D ありません 正解

    正解です。資料がそのまま書いている一文です。

資料がそのまま書いている一文です。

知るお金の土台を作る★★

何を重く見るかを決めてから、商品を見比べる

三つともそろっている商品を探す

資料は「目的に応じて使い分けましょう」と書いている。

資料は表のあとに「3つとも◎の金融商品はありません。目的に応じて使い分けましょう」と書いています。どれか一つを探し当てれば済む、という話ではないということです。だから商品を比べる前に、自分が何を重く見るのかを決めることになります。三つのうちどれを取るかを選ぶ場面だ、と資料は示しています。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 長期投資では、複利の効果が小さくなる

    長い期間続けると、大きくなります。

  • B 安全性・収益性・流動性の3つとも◎の商品がある

    3つとも◎の商品はありません。

  • C 積立投資とは、まとめて一度に投資すること

    一括で投資するのではない、とされています。

  • D 分散投資では、値動きが異なる複数の資産に投資する 正解

    通ります。国内/海外、株式/債券/不動産などです。

国内/海外、株式/債券/不動産などです。

知るお金の土台を作る★★★

資料に書いてあること

  • 長期投資 …… 長い期間続けると複利の効果が大きくなる
  • 積立投資 …… 一括ではなく、決まった金額を続けて投資する
  • 分散投資 …… 値動きが異なる複数の資産に分散する
  • 3つとも◎の金融商品はない

投資には元本割れのおそれもある、とも書かれている。

資料は分散投資を「1つの資産だけに投資するより、値動きが異なる複数の資産(国内/海外、株式/債券/不動産など)に分散して投資を行うことで、価格の変動をある程度抑えられ、安定的な運用を目指すことができます」としています。長期投資では複利の効果は大きくなります。3つとも◎の商品はありません。積立投資は「一括で投資するのではなく」と書かれています。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

資料は「複利」を、どう説明していますか。

  • A 元本にだけ利率をかけ続ける

    それは単利のほうです。

  • B 収益を元本に足して運用する 正解

    正解です。当初の元本にプラスして運用します。

  • C 手数料を差し引いた利益のこと

    手数料の話ではありません。

  • D 税を引いたあとの利益のこと

    税の話でもありません。

当初の元本にプラスして運用します。

わかるお金の土台を作る★★★
単利 → 元本にだけ利率をかけ続ける複利 → 得た収益を当初の元本にプラスして運用する長い期間続けると、複利の効果が大きくなる

分かれ目は、収益を元本に組み入れるかどうか。

資料は「投資や預金などで得た収益を、当初の元本にプラスして運用することで得られる利益を『複利』と呼びます」としています。元本にだけ率をかけ続けるのは単利のほうです。手数料や税を引いたあとの利益という意味でもありません。収益を元本に組み入れるかどうか、という一点で分かれます。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

複利と単利の差は、1年後が0円、2年後が2,500円、3年後が7,625円でした。

年数が増えると、この差はどうなりますか。

  • A 縮まっていく

    縮まることはありません。

  • B 変わらない

    一定ではありません。

  • C 開いていく 正解

    正解です。増えた分にも、次の年から率がかかります。

  • D 3年目に消える

    消えることもありません。

増えた分にも、次の年から率がかかります。

わかるお金の土台を作る★★★
  • 1年後の差
  • 2年後の差
  • 3年後の差

単位は円。差そのものが年ごとに大きくなる。

0円、2,500円、7,625円と、差そのものが年ごとに大きくなっています。単利では毎年50,000円ずつしか増えませんが、複利では増えた分が元本に加わるので、翌年からはその分にも率がかかります。だから期間が長いほど差が開く。資料が長期投資のところで複利に触れているのは、時間が効いてくる仕組みだからです。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 複利とは、得た収益を当初の元本にプラスして運用すること/長い期間投資を続けると、複利の効果が大きくなる/安全性・収益性・流動性の3つとも◎の金融商品はない

価格の変動を「ある程度」抑えられる、です。

見抜くお金の土台を作る★★★★

分散投資で、価格の変動をある程度抑えられる

分散投資をすれば、元本割れはなくなる

資料は「安定的な運用を目指すことができます」と書いている。

複利の定義、長期投資での効果、3つとも◎の商品がないことは、いずれも資料に書かれています。一方、積立投資は「一括で投資するのではなく」と書かれています。そして分散投資については「価格の変動をある程度抑えられ、安定的な運用を目指すことができます」とあり、元本割れがなくなるとは書かれていません。程度を表す言葉が、そのまま残っています。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

「投資をすれば、預貯金より高いリターンが得られる」と聞きました。

この言い方は、どうですか。

  • A かならず高いリターンになる

    「かならず」とは書かれていません。

  • B 元本割れは決して起きないとされる

    元本割れのおそれもある、と書かれています。

  • C 預貯金のほうが必ず高くなる

    預貯金のほうが高いとも書かれていません。

  • D 期待はできるが、元本割れもある 正解

    正しい見方です。資料は同じ一文の中に両方を書いています。

資料は同じ一文の中に両方を書いています。

見抜くお金の土台を作る★★★★

資料が書いていること(前半)

  • 預貯金よりも高いリターンを期待することはできる

資料が書いていること(後半)

  • 元本割れのおそれもある

どちらも同じ一文の中にある。

資料は「株式や投資信託などの運用商品に投資することで、預貯金よりも高いリターンを期待することはできますが、元本割れのおそれもあります」としています。「期待することはできます」と「おそれもあります」が、一つの文の中に並んでいる。片方だけを取り出すと、まったく違う話になります。だから長期・積立・分散という工夫が続けて紹介されています。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

資料は資産形成の方法として「貯蓄」と「投資」の二つを挙げています。

この二つを、どう分けていますか。

  • A 同じ意味の言葉として使う

    別のものとして分けられています。

  • B 貯めることと、出すこと 正解

    正解です。貯蓄は貯めて蓄える、投資は利益を見込んで出す。

  • C 投資だけが資産形成にあたる

    貯蓄も資産形成の方法です。

  • D 貯蓄だけが資産形成にあたる

    投資も資産形成の方法です。

貯蓄は貯めて蓄える、投資は利益を見込んで出す。

見抜くお金の土台を作る★★★
資産形成の方法
  • 貯蓄 → お金を貯めて蓄えること(銀行預金など)
  • 投資 → 利益を見込んでお金を出すこと(株式や投資信託の購入など)

資産状況やライフプランに適した形で、使い分けることが大切とされている。

資料は「貯蓄」を「お金を貯めて蓄えること」(銀行預金などがこれにあたる)、「投資」を「利益を見込んでお金を出すこと」(株式や投資信託の購入がこれにあたる)としています。どちらも資産形成の方法で、「そのときの資産状況や今後のライフプランなどに適した形で、方法を使い分けることが大切です」と書かれています。どちらか一方だけ、という書き方ではありません。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Eさんは1,000,000円を、年5%で運用したと考えてみます。得た収益は当初の元本にプラスして運用します。(この5%は計算のために置いた仮の数字です)

1年後の残高は、いくらですか。(単位:円)

答え 1050000円

1,000,000 × 1.05 で、1,050,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  • 1,000,000円元本
  • 50,000円年5%(仮の数字)
  • 1,050,000円1年後の残高

1年目は、単利でも同じ額になる。

1年目は、元本に率をかけるだけなので単利と同じ額になります。違いが出るのは2年目からです。資料は複利を「投資や預金などで得た収益を、当初の元本にプラスして運用することで得られる利益」としています。ここで得た50,000円を元本に足して、次の年はその合計に率がかかります。まず1年分を出すところから始めます。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

Eさんの1年後の残高は1,050,000円でした。同じように年5%で、収益を元本にプラスしながら運用を続けます。

3年後の残高は、いくらですか。(単位:円)

答え 1157625円

1,050,000 → 1,102,500 → 1,157,625円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  1. 1年後 1,000,000 × 1.05 = 1,050,000円
  2. 2年後 1,050,000 × 1.05 = 1,102,500円
  3. 3年後 1,102,500 × 1.05 = 1,157,625円

同じ率でも、かける相手が毎年大きくなる。

2年後は1,050,000 × 1.05 で1,102,500円、3年後は1,102,500 × 1.05 で1,157,625円。同じ1.05を三度かけているだけですが、かける相手が毎年大きくなっていきます。1年目に増えたのは50,000円、2年目は52,500円、3年目は55,125円。同じ率でも、増える金額は年ごとに違います。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

同じ1,000,000円を、元本にだけ年5%をかけ続けた場合(単利)、3年後は1,150,000円です。複利では1,157,625円でした。

3年後の差は、いくらですか。(単位:円)

答え 7625円

1,157,625 − 1,150,000 で、7,625円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  • 複利(3年後)
  • 単利(3年後)

単位は円。差は7,625円。1年後は0円、2年後は2,500円だった。

3年でこの差です。1年後の差は0円、2年後は2,500円、3年後は7,625円と、年を追うごとに開いていきます。開き方そのものが加速するのは、増えた分にも次の年から率がかかるからです。資料が「長い期間投資を続けると複利の効果が大きくなります」と書いているのは、この開き方のことです。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

Fさんは、必要になったときにすぐ換金できることを重く見ています。

資料の表で、流動性が◎なのはどれですか。

  • A 株式

    株式の流動性は◯です。

  • B 債券

    債券の流動性は△です。

  • C 預貯金 正解

    正解です。ただし、収益性は△とされています。

  • D 投資信託

    投資信託の流動性は◯です。

ただし、収益性は△とされています。

ケースお金の土台を作る★★

流動性を重く見る場合

預貯金
流動性◎(ただし収益性は△)
株式
流動性◯
投資信託
流動性◯
債券
流動性△

何かを取れば、何かが下がる。

表では預貯金の流動性が◎です。株式は◯、投資信託も◯、債券は△となっています。ただし預貯金は収益性が△。何かを取れば何かが下がる、という表の作りがここにも出ています。だから「流動性を重く見る」と決めたうえで、収益性が△であることも承知して選ぶ、という順番になります。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

複利で3年後の残高を出し、単利と比べるときの手順です。

正しい順に、並べてください。

答え 元本に率をかけて、1年後の残高を出す → 1年後の残高に同じ率をかけて、2年後の残高を出す → 2年後の残高に同じ率をかけて、3年後の残高を出す → 単利で計算した額と比べる

かける相手が、毎年入れ替わります。

ケースお金の土台を作る★★★
  1. 元本に率をかけて、1年後の残高を出す
  2. 1年後の残高に同じ率をかけて、2年後の残高を出す
  3. 2年後の残高に同じ率をかけて、3年後の残高を出す
  4. 単利で計算した額と比べる

元本にかけ続けるのではなく、かける相手が毎年入れ替わる。

毎年、前の年の残高に同じ率をかけていきます。元本にかけ続けるのではなく、かける相手が入れ替わるところが単利との違いです。三度かけ終えてから、単利で出した額と比べます。比べる相手を先に決めておかないと、増えたかどうかは分かっても、複利の効き方までは見えません。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

金融商品を選ぼうとしているときのことです。

先に決めておくのは、どれでしょう。

  • A 商品名の響き

    商品名は、度合いを変えません。

  • B 何を重く見るか 正解

    正解です。3つとも◎の商品はないからです。

  • C 広告の色づかいの好み

    広告の色づかいも、関わりません。

  • D 会社の創立年

    創立年も、関わりません。

3つとも◎の商品はないからです。

判断お金の土台を作る★★★★

メリット

  • 安全性を重く見るなら、預貯金は◎
  • 収益性を重く見るなら、株式は◎
  • 流動性を重く見るなら、預貯金は◎

デメリット

  • 預貯金は収益性が△
  • 株式は安全性が△
  • 債券は流動性が△

3つとも◎の金融商品はない。

安全性・収益性・流動性のうち、どれを重く見るのかが決まらないと、表を見比べても選べません。資料も「目的に応じて使い分けましょう」と書いています。三つそろった商品を探すのではなく、どれを取るかを決める場面だということです。商品名も、広告も、創立年も、この三つの度合いを変えません。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

「長期で持てば増える」という説明を読みました。

確かめるのは、どれですか。

  • A 元本割れのおそれ 正解

    正解です。資料は、同じ場所に両方を書いています。

  • B 商品名の文字数

    文字数は、この判断と関わりません。

  • C 販売会社の支店の数

    支店の数も、関わりません。

  • D 目論見書の紙質

    紙質も、関わりません。

資料は、同じ場所に両方を書いています。

判断お金の土台を作る★★★★
  • 預貯金よりも高いリターンを期待することはできる資料が書いていること
  • 元本割れのおそれもある同じ一文の後半
  • 長期・積立・分散という工夫だから紹介されているもの

片方だけの説明を読んだら、もう片方を探す。

資料は長期投資で複利の効果が大きくなるとしていますが、その前に「元本割れのおそれもあります」と書いています。増える側の話と、減る側の話が同じ場所に並んでいる。片方だけを取り出した説明を読んだら、もう片方が書かれていないかを見ることになります。文字数も、支店の数も、紙質も、その判断とは関わりません。

出典 金融庁「資産形成の基本」 / 2026年9月時点の情報

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