お金の基本

複利を削るもの

複利は伸ばす力ですが、削る力も同じ理屈で働きます。毎年かかる費用と、増えた分にかかる税。この2つを勘定に入れます。

このページの要点

毎年かかる費用は、複利の伸びをその分だけ押し下げる。年1パーセントの費用でも、100万円・年5パーセント・30年なら約108万円の差になる。税は増えた分にだけかかり、元本にはかからない。費用は率で示されるので、必ず金額と年数に直して大きさをつかむ。

最終更新 2026年8月31日 / 全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 4 問

  1. 削るもの2つ
  2. 課税
  3. 1パーセントの費用
  4. 費用も複利で効く

わかる 3 問

  1. 率か金額か
  2. 手取りまでの順序
  3. 削るものの判定

見抜く 4 問

  1. 削るものと効き方
  2. 小さい率が大きく効く
  3. 増えた分への税
  4. 税は増えた分だけ

ケースで考える 2 問

  1. 削られる分を確かめる
  2. 0.1パーセントの差

判断する 2 問

  1. 伸びと削りを並べる
  2. 複利を削るもの

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

複利で増えていくお金の伸びを削るのは、主に何ですか。

  • A 毎年かかる費用と、増えた分にかかる税 正解

    毎年かかる費用と、増えた分にかかる税です。

  • B 預けた元本の大きさ

    元本の大きさは、伸びを削るものではありません。

  • C 口座を持っている年数

    口座を持っている年数そのものは、削りません。

  • D 金融機関の店舗の数

    店舗の数は、増え方とは関係しません。

毎年かかる費用と、増えた分にかかる税の2つです。

知るお金の基本★★★
複利の伸びを削るもの
  • 毎年かかる費用:かける相手を小さくする
  • 増えた分にかかる税:最後に差し引かれる

複利は「かける相手が年々大きくなる」ことで伸びました。費用が毎年差し引かれれば、そのかける相手が小さくなります。だから費用は、その年の金額を減らすだけでなく、以後の伸びまで減らします。税は最後に増えた分から引かれます。伸ばす力と削る力は、同じ舞台で働いています。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

増えた分に対して税がかかることを、__といいます。

  • A 課税 正解

    税がかかることを、課税といいます。

  • B 非課税

    非課税は、税がかからないことです。

  • C 免税

    免税は、税を免除されることです。

  • D 減税

    減税は、税の負担を軽くすることです。

税がかかることを、課税といいます。

知るお金の基本★★
増えた分課税されるので手元に残るのは残り

元本には、税はかからない

前に見たとおり、預金の利息には20.315パーセントの税がかかります。かかるのは増えた分だけで、元本にはかかりません。だから「税があるから損」ではなく、「増えた分の一部が引かれる」だけです。ただし複利で大きく増えたときは、その一部も大きな金額になります。率が同じでも、金額は伸びとともに大きくなります。

出典 国税庁「タックスアンサー No.1310 利子所得」 / 2026年8月時点の情報

100万円を年5パーセントで30年置く場合と、毎年1パーセントの費用が引かれて年4パーセントになる場合。30年後の差はどれくらいですか。

  • A およそ108万円の差 正解

    約432万円と約324万円で、差は約108万円です。

  • B およそ1万円の差

    1万円では、桁がまったく足りません。

  • C およそ30万円の差

    30万円は、10年時点の差にも届きません。

  • D 差はほとんど生まれない

    長期では、はっきりした差が生まれます。

年5パーセントなら約432万円、年4パーセントなら約324万円です。

知るお金の基本★★★
  • 年5%で30年約432万円
  • 年4%で30年約324万円

元本100万円。差は約108万円

差は約108万円。もとの元本100万円を超える大きさです。「たった1パーセント」に見えても、30年ぶん複利で効くとこうなります。10年時点での差は約15万円なので、この差もまた後半ほど大きく開きます。費用の話が長期で重く扱われるのは、この形のためです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

次の説明は、毎年かかる費用について正しいですか。

  • A 費用はその年の金額を減らすだけでなく、以後の伸びまで小さくする 正解

    減った残高が、次の計算のもとになります。

  • B 費用は、その年の金額を減らすだけで終わる

    その年だけでは終わらず、以後に響きます。

  • C 費用は、最後にまとめて一度だけ引かれる

    毎年かかる形の費用は、毎年引かれます。

  • D 費用は、増えた分がないかぎりかからない

    増えた分がなくても、かかる費用があります。

その年だけでなく、以後の伸びまで小さくします。

知るお金の基本★★★
  1. 費用が引かれて残高が減る
  2. 次の年の計算のもとが小さくなる
  3. その差が、また次の年に響く

複利では、その年の残高が次の年の計算のもとになります。だから費用で残高が減れば、次の年の計算のもとも小さくなる。その差がまた次の年に響きます。費用も、複利と同じ理屈で積み重なっていきます。伸ばす側の複利を学ぶなら、削る側の複利も一緒に見ておく必要があります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

「毎年1パーセントの費用」と示されたとき、大きさをつかむにはどうすべきですか。

  • A 自分の金額と置く年数に直して、いくらになるか出してみる 正解

    金額に直して初めて、大きさが見えます。

  • B 1パーセントという数字だけを見て、小さいと判断する

    率のままでは、大きさが見えません。

  • C ほかの商品の費用と、率のまま比べるだけにする

    率での比較も要りますが、それだけでは足りません。

  • D 費用は必ずかかるものなので、確かめなくてよい

    かかる大きさは、必ず確かめる必要があります。

自分の金額と年数に直して、金額を出します。

わかるお金の基本★★★

率を自分の金額と年数に直して、大きさをつかむ

1パーセントという数字の小ささだけで判断する

1パーセントという数字は小さく見えます。しかし100万円を30年置けば、差は約108万円。率のままでは、この大きさは絶対に見えません。金利のときと同じで、率は比べるための単位、金額は重さを測るための単位です。費用でも、同じ使い分けをします。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

複利で増えたお金の手取りを出す手順を、正しい順に並べてください。

答え 費用を引いたあとの率で、増え方を出す → 増えた分を計算する → 増えた分にかかる税を差し引く

費用を引いた率で増やし、増えた分を出し、税を引きます。

わかるお金の基本★★★
  1. 費用を引いた率で増やす
  2. 増えた分を出す
  3. 増えた分から税を引く

順番には理由があります。費用は毎年かかるので、率の段階で引いておく必要があります。税は最後に増えた分から引かれるので、増え方を出したあとです。順番を逆にすると、費用が複利で効いている部分を数え落とします。最後の「元本にかかる税」は誤りで、税は増えた分だけにかかります。

出典 国税庁「タックスアンサー No.1310 利子所得」 / 2026年8月時点の情報

それぞれの説明が、費用と税についての見方として正しいかどうかを判定してください。

  • A 費用は毎年かかるが、税は増えた分に対してかかる 正解

    かかり方が違うので、効き方も違います。

  • B 費用も税も、増えた分がなければかからない

    費用は、増えた分がなくてもかかります。

  • C 税は、元本に対してもかかる

    税は、増えた分だけにかかります。

  • D 費用は、期間が長いほど効き方が小さくなる

    期間が長いほど、費用の効き方は大きくなります。

費用は毎年、税は増えた分に対してかかります。

わかるお金の基本★★★
何にかかるか増えなかった年
費用毎年、残高にそれでもかかる
増えた分にかからない
効き方期間が長いほど大きい増えた分しだい

かかり方が違うので、効き方も違います。費用は増えても増えなくても毎年かかり、しかも残高に対してかかるので、残高が大きくなるほど金額も増えます。税は増えた分だけにかかるので、増えなければゼロです。この違いを押さえると、どちらをどう確かめるべきかが分かります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

複利で増えたお金を削るものと、その効き方を対応させてください。

答え 毎年かかる費用 … 残高に毎年かかり、以後の伸びまで小さくする/増えた分にかかる税 … 増えた分だけにかかり、元本にはかからない/物価の上昇 … 金額は減らないが、買える量を減らす

3つとも、削り方がそれぞれ違います。

見抜くお金の基本★★★★
削るもの減るもの
毎年の費用残高以後の伸びまで
増えた分の税増えた分一度だけ
物価の上昇買える量金額は変わらない

費用は残高そのものを毎年削り、税は増えた分から一度引かれ、物価は金額を減らさずに買える量を減らします。3つとも「手元に残るもの」を小さくしますが、効く場所が違います。だから確かめ方も別々になります。増え方だけを見て、この3つを勘定に入れないと、実際に手に入るものを大きく見誤ります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

年1パーセントという小さな費用が、長い期間では大きく効くのはなぜですか。

  • A 毎年の残高が小さくなり、その差が翌年以降にも積み重なっていくから 正解

    差が翌年以降にも積み重なっていきます。

  • B 費用の率が、年々自動的に上がっていくから

    費用の率が、自動で上がるわけではありません。

  • C 費用は、最後の年にまとめて引かれるから

    毎年かかる形の費用は、毎年引かれます。

  • D 費用は、元本の大きさに関係なく定額でかかるから

    残高に対してかかるので、定額ではありません。

残高の差が、翌年以降にも積み重なっていくためです。

見抜くお金の基本★★★★
  1. 10年後差は約15万円
  2. 20年後差が広がる
  3. 30年後差は約108万円

1年目に引かれた分は、その年だけの損ではありません。その分だけ翌年の計算のもとが小さくなり、翌年の伸びも小さくなる。その差がまた翌々年に響きます。複利が伸びる仕組みと、まったく同じ形です。だから期間が長いほど、費用の差も後半ほど大きく開いていきます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

100万円が30年で約432万円になりました。増えた約332万円に20.315パーセントの税がかかるとき、税額はおよそいくらですか。

答え 67万円

332万円 × 20.315% = 約67万円です。

見抜くお金の基本★★★★
  • 約432万円30年後の合計
  • 約67万円増えた分への税
  • 約365万円手元に残る

手元に残るのは、432万円から67万円を引いた約365万円です。増えた分の約8割が残る計算で、割合は前に見たとおり変わりません。ただし増えた分が大きいので、引かれる金額も大きくなります。率は同じでも、金額は伸びとともに増える。だから増え方を見積もるときは、この一手も入れておきます。

出典 国税庁「タックスアンサー No.1310 利子所得」 / 2026年8月時点の情報

複利で増えたお金に税がかかるとき、元本はどうなりますか。

  • A 元本には税がかからないので、そのまま手元に残る 正解

    元本には税がかからず、そのまま残ります。

  • B 元本にも同じ税率で税がかかる

    元本に税がかかることはありません。

  • C 元本の半分に、税がかかる

    元本の一部に税がかかることもありません。

  • D 元本は、税として全額引かれる

    元本が引かれることはありません。

元本には税がかからず、そのまま残ります。

見抜くお金の基本★★★★
  • 元本100万円・課税なし
  • 増えた分約332万円・課税される

税がかかるのは、増えた分だけ

432万円のうち、100万円は自分が入れた元本です。税がかかるのは増えた332万円だけ。だから「増えたら税で持っていかれる」と身構える必要はなく、増えた分の約2割が引かれるだけです。増えなければ税もかかりません。前に見た預金の利息と、まったく同じ考え方です。

出典 国税庁「タックスアンサー No.1310 利子所得」 / 2026年8月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Sさんは、長く置くつもりのお金について、実際に手元に残る額を見積もろうとしています。

このときに確かめるべきことを、すべて選んでください。

答え 毎年かかる費用が、何パーセントか/その費用を、自分の金額と年数で金額に直すといくらか/増えた分に、税がかかるかどうか

費用の率、金額に直した大きさ、税の有無の3つです。

ケースお金の基本★★★★

手元に残る額を見積もる3つ

  • 毎年かかる費用は何パーセントか
  • 金額と年数に直すといくらか
  • 増えた分に税はかかるか

3つとも、手元に残る額に直に効きます。費用の率が分かれば、金額と年数に直して大きさがつかめます。税がかかるかどうかで、増えた分の約2割が変わります。提供開始の時期や他人の利用は、残る金額を1円も変えません。判断の材料と、そうでない情報を分ける。ここまでと同じ形です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

Tさんは、毎年かかる費用が0.1パーセント違う2つを比べています。1つは年0.1パーセント、もう1つは年1.1パーセントです。

Tさんは、この差をどう受け止めるのが適切ですか。

  • A 差は1パーセント。長く置くほど大きく効くので、金額と年数に直して確かめる 正解

    差は1パーセントで、長期では大きく効きます。

  • B 差は0.1パーセントなので、無視してよい

    0.1と1.1の差は、0.1ではなく1です。

  • C 費用は必ずかかるものなので、比べる意味はない

    必ずかかるものだからこそ、比べる意味があります。

  • D 費用が高いほうが、良い商品である

    費用の高さは、良さの証明にはなりません。

差は1パーセント。金額と年数に直して確かめます。

ケースお金の基本★★★★
  • 低いほう年0.1%
  • 高いほう年1.1%
  • 1%

まず、差は0.1パーセントではなく1パーセントです。0.1と1.1の差なので、引き算をすれば1になります。桁の見間違いは、費用の比較でよく起きます。そして1パーセントの差は、100万円を30年置けば約108万円。この一手間を惜しむと、長期では大きな差を見過ごすことになります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

複利で増える見込みを考えるとき、忘れずに並べるべきものは何ですか。

  • A 毎年かかる費用と、増えた分にかかる税 正解

    2つを並べて、初めて手取りの見当がつきます。

  • B 過去にどれだけ増えた実績があるか

    過去の実績は、これからの手取りを保証しません。

  • C 周りの人が、どれだけ増やしたか

    他人の結果は、自分の手取りを変えません。

  • D 商品の名前が、有名かどうか

    有名さは、削られる分を減らしません。

毎年かかる費用と、増えた分にかかる税です。

判断お金の基本★★★★
伸びる見込みから費用と税を引く手元に残る見当

両方を並べて、初めて見当がつく

伸びる側だけを見た数字は、実際に手元に残る額より必ず大きく出ます。費用で率が下がり、税で増えた分の約2割が引かれる。この2つを並べて初めて、手に入るものの見当がつきます。実績や他人の結果、商品名の有名さは、自分の手取りを1円も変えません。伸びと削り、両方を並べます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

この回で身につけた見方を、ひとことでいうと何になりますか。

  • A 毎年の費用は複利と同じ理屈で伸びを削り、税は増えた分にかかる。両方を金額に直して並べる 正解

    費用は複利で削り、税は増えた分にかかります。

  • B 費用は小さければ、長期でも影響しない

    小さい率でも、長期では大きく効きます。

  • C 税は元本にもかかるので、増やさないほうがよい

    税は、元本にはかかりません。

  • D 費用や税は避けられないので、確かめる意味はない

    大きさを確かめれば、比べて選べます。

費用は複利で削り、税は増えた分にかかります。

判断お金の基本★★★★★

複利を削るもの

  • 毎年の費用:複利と同じ理屈で積み重なる
  • 増えた分の税:元本にはかからない
  • どちらも金額と年数に直して見る

複利は伸ばす力ですが、毎年かかる費用も同じ理屈で積み重なります。年1パーセントでも、100万円を30年置けば約108万円の差。税は増えた分だけにかかり、元本には及びません。どちらも率で示されるので、必ず自分の金額と年数に直して大きさをつかむ。次回は、この小カテゴリ「複利」全体をまとめます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

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