お金の基本

いま受け取るか、あとで受け取るか

同じ100万円でも、いま受け取るのと1年後に受け取るのでは値打ちが違います。金利は、その差を測るための物差しでもあります。

このページの要点

同じ金額でも、受け取る時期が違えば値打ちが違う。理由は、いま受け取れば増やせること、物価で買える量が減ること、受け取れない可能性があることの3つ。将来の金額をいまの値打ちに直したものを現在価値といい、割り引く率が高いほど、また先になるほど、いまの値打ちは小さくなる。

最終更新 2026年8月31日 / 全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 4 問

  1. 時期で値打ちが違う
  2. 現在価値
  3. 3つの理由
  4. 先ほど小さくなる

わかる 3 問

  1. 1年後の100万円
  2. 現在価値を出す手順
  3. 現在価値の判定

見抜く 4 問

  1. 期間といまの値打ち
  2. 割り引く率の意味
  3. 1年後の105万円
  4. 分割払いの見方

ケースで考える 2 問

  1. 時期の違う金額を比べる
  2. いまか、3年後か

判断する 2 問

  1. 時期も条件のうち
  2. いまか、あとか

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

「いま受け取る100万円」と「1年後に受け取る100万円」。この2つの関係として正しいのはどれですか。

  • A 金額は同じでも、いま受け取るほうが値打ちが大きい 正解

    いま受け取れば、そのあいだ置いておけます。

  • B 金額が同じなので、値打ちもまったく同じ

    金額が同じでも、値打ちは同じになりません。

  • C 1年後に受け取るほうが、値打ちが大きい

    あとで受け取るほうが、値打ちは小さくなります。

  • D どちらの値打ちが大きいかは、決められない

    理由があるので、決めることができます。

金額は同じでも、いま受け取るほうが値打ちが大きくなります。

知るお金の基本★★★
  • いまの100万円
  • 1年後の100万円

年5%で置けば、いまの100万円は1年後に105万円になる

いま受け取れば、その100万円を1年間置いておけます。年5パーセントなら、1年後には105万円。つまり「いまの100万円」は「1年後の105万円」と釣り合います。だから1年後の100万円は、いまの100万円より値打ちが小さい。同じ数字でも、受け取る時期が違えば別の金額として扱う必要があります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

将来受け取る金額を、いまの値打ちに直したものを__価値といいます。

  • A 現在 正解

    将来の金額を、いまの値打ちに直したものです。

  • B 将来

    将来価値は、いまの金額を将来に直したものです。

  • C 額面

    額面は、書かれている金額そのものです。

  • D 平均

    平均は、複数の値をならしたものです。

将来の金額をいまの値打ちに直したものが、現在価値です。

知るお金の基本★★★
将来受け取る金額いまの値打ちに直す現在価値

時期がばらばらな金額を、同じ土俵に乗せる

年5パーセントで考えるなら、1年後の100万円はいまの約95.2万円にあたります。95.2万円を年5パーセントで1年置けば、100万円になるからです。この「いまに直した金額」が現在価値です。受け取る時期がばらばらな金額どうしを比べるとき、この形にそろえると同じ土俵に乗せられます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

同じ金額でも、あとで受け取るほうが値打ちが小さくなるのはなぜですか。

  • A いま受け取れば増やせること、物価で買える量が減ること、受け取れない可能性があること 正解

    この3つが重なって、値打ちを下げます。

  • B 将来のお金は、法律で価値が下げられているから

    法律で価値が下げられるわけではありません。

  • C 将来のお金は、金額が自動的に減っていくから

    金額そのものが減るわけではありません。

  • D 将来のお金は、税金が高くなるから

    税の話とは、別の理由です。

増やせる機会、物価、受け取れない可能性の3つです。

知るお金の基本★★★

先の金額ほど値打ちが小さい理由

  • いま受け取れば、増やせる
  • 物価が上がれば、買える量が減る
  • 受け取れない可能性がある

1つ目は、いま受け取れば置いて増やせるということ。2つ目は、購買力の回で見たとおり、物価が上がれば同じ金額で買える量が減るということ。3つ目は、時間が経つほど「約束どおり受け取れないかもしれない」可能性が入ることです。この3つが重なるので、先の金額ほど値打ちが小さくなります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

次の説明は、現在価値についての説明として正しいですか。

  • A 同じ金額なら、受け取るのが先になるほど、いまの値打ちは小さくなる 正解

    先になるほど、いまの値打ちは小さくなります。

  • B 同じ金額なら、受け取るのが先になるほど、いまの値打ちは大きくなる

    大きくなることは、ありません。

  • C 受け取る時期が違っても、いまの値打ちは変わらない

    時期が違えば、いまの値打ちも変わります。

  • D いまの値打ちは、金額の大きさだけで決まる

    金額だけでなく、時期でも決まります。

先になるほど、いまの値打ちは小さくなります。

知るお金の基本★★★
  1. 1年後の100万円いまの約95.2万円
  2. 5年後の100万円いまの約78.4万円
  3. 10年後の100万円いまの約61.4万円

年5パーセントで考えると、1年後の100万円はいまの約95.2万円、5年後なら約78.4万円、10年後なら約61.4万円。同じ100万円でも、先になるほど小さくなります。10年後だと6割ほどです。だから「いつ受け取れるのか」は、金額と同じくらい重要な条件になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

「いま100万円もらう」と「1年後に100万円もらう」。年5パーセントで考えると、差はどれくらいですか。

  • A 1年後の100万円は、いまの約95.2万円にあたるので、約4.8万円の差 正解

    割り算1回で、差が出ます。

  • B 金額が同じなので、差はまったくない

    金額が同じでも、値打ちには差があります。

  • C 1年後のほうが、約5万円多い値打ちになる

    先に受け取るほうが、値打ちは大きくなります。

  • D 差はあるが、計算では出せない

    割り算で、はっきり計算できます。

1年後の100万円は、いまの約95.2万円にあたります。

わかるお金の基本★★★
  • 100万円いまの100万円
  • いまの約95.2万円1年後の100万円
  • 約4.8万円

100万円を1.05で割ると、約95.2万円。これは「約95.2万円を年5パーセントで1年置けば100万円になる」という意味です。だから1年後の100万円と釣り合うのは、いまの約95.2万円。差は約4.8万円です。同じ数字でも、受け取る時期が違えば、これだけ違う金額として扱えます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

将来の金額を、いまの値打ちに直す手順を正しく並べてください。

答え いつ受け取るのかを確かめる → どの率で割り引くかを決める → 将来の金額をその率で割って、いまの値打ちを出す

時期を確かめ、率を決めて、割り算します。

わかるお金の基本★★★
  1. いつ受け取るのかを確かめる
  2. どの率で割り引くか決める
  3. 将来の金額をその率で割る

時期と率の2つが決まらないと、いまの値打ちは出せません。しかも率は「自分ならその期間でどれくらい増やせるか」という見立てなので、人によって違って構いません。率が違えば答えも変わりますが、考え方は同じです。最後の「そのままいまの値打ちとする」は、時期を無視した見方になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

それぞれの説明が、現在価値についての見方として正しいかどうかを判定してください。

  • A 割り引く率が高いほど、将来の金額のいまの値打ちは小さくなる 正解

    割る数が大きくなるので、答えは小さくなります。

  • B 割り引く率が高いほど、いまの値打ちは大きくなる

    率が高いほど、いまの値打ちは小さくなります。

  • C 割り引く率は、誰にとっても同じ数字に決まっている

    率は見立てなので、人によって違って構いません。

  • D 現在価値は、将来の金額より必ず大きくなる

    割り引くので、将来の金額より小さくなります。

率が高いほど、いまの値打ちは小さくなります。

わかるお金の基本★★★
割り引く率いまの値打ち
1年後の100万円年1%約99.0万円
1年後の100万円年5%約95.2万円
1年後の100万円年10%約90.9万円

1年後の100万円は、年5パーセントで割り引けばいまの約95.2万円、年10パーセントなら約90.9万円、年1パーセントなら約99.0万円。率が高いほど小さくなります。率は「自分ならその期間でどれくらい増やせるか」の見立てなので、人によって違って構いません。同じ将来の金額でも、見る人によっていまの値打ちが変わります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

年5パーセントで考えたとき、受け取る時期といまの値打ちを対応させてください。

答え 1年後に受け取る100万円 … いまの約95.2万円にあたる/5年後に受け取る100万円 … いまの約78.4万円にあたる/10年後に受け取る100万円 … いまの約61.4万円にあたる

先になるほど、いまの値打ちは小さくなります。

見抜くお金の基本★★★★
  • 1年後の100万円いまの約95.2万円
  • 5年後の100万円いまの約78.4万円
  • 10年後の100万円いまの約61.4万円

年5%で割り引いた場合

1年後で約95.2万円、5年後で約78.4万円、10年後で約61.4万円。10年先だと、いまの6割ほどの値打ちしかありません。複利で増えるときと同じ計算を、逆向きに使っているだけです。増えるときは掛け、いまに直すときは割る。だから期間が長いほど、効き方も大きくなります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

現在価値を出すときに使う「割り引く率」は、何を表していますか。

  • A そのお金を、自分ならその期間でどれくらい増やせるかという見立て 正解

    自分の見立てを、率として置きます。

  • B 国が定めた、公式の換算率

    国が定めた公式の率ではありません。

  • C その商品の販売価格

    販売価格とは、まったく別のものです。

  • D 将来かならず起きる物価の上昇率

    物価だけで決まるものでもありません。

自分ならどれくらい増やせるか、という見立てです。

見抜くお金の基本★★★★
割り引く率
  • 高く置く:いまの値打ちは小さくなる
  • 低く置く:いまの値打ちは大きくなる

率が決まっていれば計算は機械的ですが、その率をいくつにするかは判断です。安全な置き場所で年1パーセントしか増やせない人と、別の手段で年5パーセントを見込む人では、同じ将来の金額でもいまの値打ちが変わります。だから現在価値は「絶対の正解が1つある数字」ではなく、前提を置いて出す数字です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

年5パーセントで考えるとき、1年後に受け取る105万円は、いまのいくらにあたりますか。

答え 100万円

105万円 ÷ 1.05 = 100万円です。

見抜くお金の基本★★★★
いまの100万円1.05を掛ける1年後の105万円

いまに直すときは、1.05で割る

いまの100万円を年5パーセントで1年置けば105万円になります。だから逆に、1年後の105万円はいまの100万円と釣り合う。増やすときは1.05を掛け、いまに直すときは1.05で割る。まったく同じ関係を、向きを変えて見ているだけです。この対応が分かると、時期の違う金額を並べられるようになります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

「総額は同じですが、分割でお支払いいただけます」と言われたとき、正しい見方はどれですか。

  • A 払う側にとっては、あとで払うぶん、いまの値打ちでは軽くなっている 正解

    あとで払うぶん、いまの値打ちでは軽くなります。

  • B 総額が同じなら、負担もまったく同じである

    払う時期が違えば、いまの値打ちも違います。

  • C 分割にすると、必ず総額が小さくなる

    総額が小さくなるとは限りません。

  • D 分割にすると、必ず総額が大きくなる

    手数料がなければ、総額は変わりません。

あとで払うぶん、いまの値打ちでは軽くなります。

見抜くお金の基本★★★★

受け取る側

  • あとで受け取る
  • いまの値打ちは小さい
  • 早く受け取りたい

払う側

  • あとで払う
  • いまの値打ちでは軽い
  • ただし手数料に注意

受け取る側で値打ちが下がるということは、払う側では負担が軽くなるということです。だから「総額が同じで分割」は、払う側に有利な条件になります。ただし現実には、分割にすると手数料がかかることが多く、その分は総額に上乗せされます。総額が本当に同じかどうかを、まず確かめます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Iさんは「いま受け取る案」と「数年後に受け取る案」を比べようとしています。

このときに行うべきことを、すべて選んでください。

答え それぞれをいつ受け取る(払う)のかを確かめる/自分ならその期間でどれくらい増やせるか、率を決める/その率でいまの値打ちに直して、並べて比べる

時期、率、そしていまの値打ちに直すことです。

ケースお金の基本★★★★

時期の違う金額を比べる3つ

  • いつ受け取る(払う)のか
  • どの率で割り引くか
  • いまの値打ちに直して並べる

時期が違う金額は、そのままでは比べられません。時期を確かめ、率を置き、いまの値打ちにそろえる。ここまでやって初めて同じ土俵になります。金額の大小をそのまま比べると、先に受け取る案の有利さを見落とします。他人の選択は、自分の率も時期も変えません。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

Jさんは「いま95万円を受け取る」か「3年後に110万円を受け取る」かを選べます。Jさんは、そのお金を年5パーセントで増やせる見込みがあります。

Jさんの判断として、適切な考え方はどれですか。

  • A 3年後の110万円をいまの値打ちに直すと約95万円なので、ほぼ釣り合っている 正解

    いまの値打ちに直すと、ほぼ同じになります。

  • B 金額が大きい3年後の110万円が、明らかに有利である

    3年ぶん割り引くと、金額の差は消えます。

  • C いま受け取れる95万円が、必ず有利である

    割り引いた結果、ほぼ釣り合っています。

  • D 時期が違うので、比べることはできない

    いまの値打ちに直せば、比べられます。

いまの値打ちに直すと、ほぼ釣り合っています。

ケースお金の基本★★★★
  • 95万円いま受け取る
  • いまの約95万円3年後の110万円
  • ほぼ釣り合う結果

110万円を1.05で3回割ると、約95万円。つまりこの2つは、年5パーセントという前提のもとでほぼ同じ値打ちです。金額だけを見れば110万円が15万円多く見えますが、3年ぶん割り引くとその差は消えます。どちらを選ぶかは、確実さや使う時期といった別の材料で決めることになります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

金額の提示を受けたとき、金額と一緒に必ず確かめるべきことは何ですか。

  • A それをいつ受け取る(払う)のか、という時期 正解

    時期が分からないと、いまの値打ちに直せません。

  • B その金額が、他人と比べて多いか少ないか

    他人との比較は、自分の値打ちを変えません。

  • C その金額が、切りのよい数字かどうか

    数字の切りの良さは、値打ちと関係ありません。

  • D その金額を、誰が提示したか

    誰が提示したかは、金額の値打ちを変えません。

いつ受け取る(払う)のか、という時期です。

判断お金の基本★★★★

金額を聞いたら、いつのお金かを必ず一緒に確かめる

金額の大小だけで、有利か不利かを判断する

金額と時期はセットです。時期が分からなければ、いまの値打ちに直せません。「3年後に110万円」と「いま95万円」のように、金額だけを見ると差があるのに、いまの値打ちではほぼ同じということが起こります。金額を聞いたら、時期を聞く。この一手で、比べられる形になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

この回で身につけた見方を、ひとことでいうと何になりますか。

  • A 同じ金額でも受け取る時期で値打ちが違う。時期の違う金額は、いまの値打ちにそろえて比べる 正解

    時期をそろえて、初めて比べられます。

  • B 金額が同じなら、いつ受け取っても値打ちは同じ

    時期が違えば、値打ちも違います。

  • C 将来の金額のほうが、いつも値打ちが大きい

    将来の金額のほうが、値打ちは小さくなります。

  • D 時期の違う金額は、比べることができない

    いまの値打ちに直せば、比べられます。

時期で値打ちが違うので、いまの値打ちにそろえます。

判断お金の基本★★★★★

いま受け取るか、あとで受け取るか

  • 同じ金額でも、時期が違えば値打ちが違う
  • 先になるほど、いまの値打ちは小さい
  • いまの値打ちにそろえて比べる

いま受け取れば増やせる、物価で買える量が減る、受け取れない可能性がある。この3つのために、先の金額ほど値打ちが小さくなります。複利で増やすときの計算を逆向きに使えば、いまの値打ちが出せます。次回は、この考え方を使って「いま使うか、あとに回すか」という判断そのものを見ていきます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

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