お金の基本

いま使うか、あとに回すか

あとに回せばお金は増えます。でも、いま使うことにも値打ちがあります。片方だけが数字で見えるので、判断が偏りやすいところです。

このページの要点

どちらを選んでも、選ばなかったほうの値打ちが失われる。これが機会費用。あとに回せば増える分が得られ、いま使えばいま使う値打ちが得られる。増える分は計算で出るが、いま使う値打ちは自分で見積もるしかないので、意識して金額にして並べる。

最終更新 2026年8月31日 / 全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 4 問

  1. 先送りで増える
  2. 機会費用と時間
  3. 比べる2つ
  4. 我慢が正しいとは限らない

わかる 3 問

  1. 先送りの判定
  2. 使うかの手順
  3. 見えるものと見えないもの

見抜く 4 問

  1. 場面とどちらが大きいか
  2. いま使うと損か
  3. 5年で増える分
  4. 先送りできない値打ち

ケースで考える 2 問

  1. 使うか迷ったとき
  2. 仕事の道具

判断する 2 問

  1. 両方を金額に
  2. いま使うか、あとに回すか

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

次の説明は、使うのを先送りにしたときのこととして正しいですか。

  • A 使わずに置いておけば、その期間ぶん増える可能性がある 正解

    置いた期間ぶん、増える可能性があります。

  • B 使わずに置いておいても、金額はまったく変わらない

    置き場所によっては、増えていきます。

  • C 使わずに置いておくと、必ず減っていく

    必ず減る、というわけではありません。

  • D 使うのを先送りにしても、何も変わらない

    増える分という形で、確かに変わります。

置いておけば、その期間ぶん増える可能性があります。

知るお金の基本★★★
  • いま使う
  • 5年置く

年5%なら、10万円は5年で約12万8千円

10万円をいま使えば、その10万円は手元から出ていきます。使わずに年5パーセントで5年置けば、約12万8千円。差は約2万8千円です。これが「いま使うこと」の裏側にある金額です。前回見た時間と金額の関係を、支出の判断に使うとこうなります。いま使うか、あとに回すか。その差が数字で出せます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

ある選択をしたために、得られなくなったもののことを__費用といいます。

  • A 機会 正解

    選ばなかったことで、失われるもののことです。

  • B 事務

    事務手数料は、手続きにかかる費用です。

  • C 固定

    固定費は、毎月決まって出ていくお金です。

  • D 保証

    保証料は、保証会社に払う費用です。

選ばなかったことで失われるものを、機会費用といいます。

知るお金の基本★★★
どちらを選んでも
  • いま使う:5年後に増えていた分を失う
  • あとに回す:いま使えたはずのものを失う

10万円をいま使えば、5年後の約12万8千円は手に入りません。この約2万8千円が、いま使うことの機会費用です。逆に、5年置くことを選べば、いま使えたはずの体験や時間が失われます。どちらを選んでも、選ばなかったほうが機会費用になる。だから「損か得か」ではなく「どちらの値打ちが大きいか」で考えます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

いま使うか、あとに回すかを決めるとき、比べるべき2つは何ですか。

  • A いま使うことで得られる値打ちと、あとに回して増えた分の値打ち 正解

    両方を金額にして、並べます。

  • B いまの金額と、あとの金額

    金額だけでは、いま使う値打ちが抜けます。

  • C 自分の収入と、支出の合計

    収支の合計とは、別の判断です。

  • D 他人がどちらを選んだか

    他人の選択は、自分の値打ちを決めません。

いま使う値打ちと、増えた分の値打ちです。

知るお金の基本★★★

いま使う値打ち

  • いま必要なもの
  • いましかできないこと
  • 節約できる時間や手間

あとに回す値打ち

  • 増えた分の金額
  • 選択肢が残ること
  • 備えが厚くなること

金額だけを比べれば、あとに回すほうがいつも大きくなります。増える分があるからです。しかし、いま使うことにも値打ちがあります。いま必要なもの、いましかできない体験、いま買うことで節約できる時間。これらを金額に見積もって、増える分と並べる。両方を金額にして初めて、比べられる形になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

「使うのを我慢して、あとに回すほうが常に正しい」という考え方について、正しいのはどれですか。

  • A 正しくない。いま使う値打ちのほうが大きい場面もある 正解

    いま使う値打ちのほうが大きい場面があります。

  • B 正しい。使わないほうが、いつも有利である

    常に有利とは、いえません。

  • C 正しくない。いつでも、いま使うほうが有利だから

    あとに回すほうが有利な場面も、あります。

  • D 正しい。増える分は、必ず値打ちが大きいから

    増える分が、いつも上回るわけではありません。

いま使う値打ちのほうが大きい場面もあります。

知るお金の基本★★★

いま使う値打ちも金額に見積もって、並べて決める

我慢することが、常に正しいと考える

仕事に必要な道具を買えば、それだけ収入が増えるかもしれません。健康にかかわる支出を先送りにすれば、あとでもっと大きな費用になります。子どもと過ごす時間は、5年後には同じ形で買えません。増える分は数字で出せますが、いま使う値打ちは金額に見えにくいだけで、確かに存在します。見えにくいものを、勘定に入れ忘れないことが大事です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

それぞれの説明が、いま使うかあとに回すかの考え方として正しいかどうかを判定してください。

  • A どちらを選んでも、選ばなかったほうの値打ちが失われる 正解

    どちらにも、失うものがあります。

  • B あとに回せば、失うものは何もない

    いま使えたはずのものが、失われます。

  • C いま使えば、失うものは何もない

    増えていたはずの分が、失われます。

  • D どちらを選んでも、失うものはない

    どちらを選んでも、何かは失われます。

どちらを選んでも、選ばなかったほうが失われます。

わかるお金の基本★★★
1つを選ぶ選ばなかったほうが失われるのでどちらの値打ちが大きいかを問う

「どちらが損か」ではなく「どちらが大きいか」

これが機会費用の考え方です。あとに回せば、いま使えたはずのものが失われる。いま使えば、増えていたはずの分が失われる。どちらにも失うものがあるので、「どちらが損か」ではなく「どちらの値打ちが大きいか」を問います。問いの形を変えるだけで、判断できるようになります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

いま使うか、あとに回すかを決める手順を、正しい順に並べてください。

答え あとに回した場合、いくら増えるかを出す → いま使うことの値打ちを、金額で見積もる → 2つを並べて、大きいほうを選ぶ

増える分を出し、いまの値打ちを見積もり、並べます。

わかるお金の基本★★★
  1. あとに回すと、いくら増えるか出す
  2. いま使う値打ちを金額で見積もる
  3. 並べて、大きいほうを選ぶ

2番目が難しいところです。「この10万円をいま使うことに、自分は何円ぶんの値打ちを感じるか」。価値の回で見た「自分にとっての値打ちを金額で見積もる」が、そのまま使えます。増える分は計算で出ますが、いま使う値打ちは自分で決めるしかありません。だからこの判断は、人によって答えが違って構いません。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

いま使うかあとに回すかを考えるとき、注意すべき偏りは何ですか。

  • A 増える分は数字で見えるが、いま使う値打ちは見えにくく、軽く扱われやすい 正解

    見えるほうに、判断が引っぱられます。

  • B いま使う値打ちのほうが、いつも数字で見えやすい

    いま使う値打ちのほうが、見えにくいものです。

  • C どちらも同じくらい、数字で見えやすい

    片方は計算で出て、片方は出てきません。

  • D どちらも数字にできないので、比べられない

    見積もれば、金額として比べられます。

見えるほうに引っぱられ、見えないほうが軽くなります。

わかるお金の基本★★★

増える分

  • 計算すれば出てくる
  • 数字で示せる
  • 判断に入りやすい

いま使う値打ち

  • 誰も計算してくれない
  • 自分で見積もるしかない
  • 放っておくと軽くなる

「5年で2万8千円増える」は、計算すれば出てきます。一方「いまこれを買うことの値打ち」は、誰も計算してくれません。だから放っておくと、数字で見えるほうだけが判断材料になります。見えないほうを、あえて金額に見積もる。この一手で、偏りを打ち消せます。金額にすれば、同じ土俵に乗ります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

場面と、値打ちの大きさの関係を対応させてください。

答え 仕事に必要な道具を、いま買う … 収入が増えるなら、いま使う値打ちが大きいことがある/健康にかかわる支出を先送りにする … あとで、もっと大きな費用になることがある/いま買わなくてよいものを、勧められて買う … あとに回して増やすほうが、値打ちが大きいことが多い

場面によって、どちらが大きいかが変わります。

見抜くお金の基本★★★★
いま使う値打ち判断
仕事の道具収入が増えるなら大きいいま使う理由になる
健康の支出先送りは費用を増やす先送りしないほうがよい
勧められて買う必要でなければ小さいあとに回すほうが大きい

いま使うことが値打ちを生む場面と、先送りにすることで大きな費用になる場面と、あとに回すほうが良い場面。3つとも同じ「いま使うかどうか」ですが、答えは違います。だから一律の答えを持つのではなく、そのつど並べて比べる。判断の型は同じで、答えだけが場面ごとに変わります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

「いま使うと、増えたはずの分だけ損をする」という考え方について、正しいのはどれですか。

  • A 増えた分は失うが、いま使うことで得るものもあるので、損と決めつけられない 正解

    失うものと得るもの、両方を並べます。

  • B 正しい。使えば、必ず損をする

    得るものの値打ちしだいで、損とは限りません。

  • C 正しくない。使っても、増えた分は失われないから

    増えたはずの分は、確かに失われます。

  • D 正しい。使わないことが、常に有利だから

    使わないことが、常に有利とはいえません。

得るものもあるので、損とは決めつけられません。

見抜くお金の基本★★★★

いま使うということ

メリット

  • いま必要なものが手に入る
  • いましかできないことができる

デメリット

  • 増えたはずの分は失われる
  • 備えが薄くなることがある

増えたはずの分を失うのは事実です。しかしその代わりに、いま何かを得ています。得たものの値打ちが失った分より大きければ、それは損ではありません。「使う=損」と考えると、必要な支出まで止めてしまいます。失ったものと得たもの、両方を並べる。それが機会費用の正しい使い方です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

10万円を使わずに、年5パーセントで5年置くと約12万8千円になります。増えた分はおよそいくらですか。

答え 28000円

12万8千円 − 10万円 = 約2万8千円です。

見抜くお金の基本★★★★
  • 10万円いまの金額
  • 約12万8千円5年後
  • 約2万8千円増えた分

この約2万8千円が、いま10万円を使うことの機会費用です。つまり「いま使うことに2万8千円以上の値打ちを感じるかどうか」が、判断の分かれ目になります。感じるなら使えばよく、感じないなら置いておく。数字が出れば、感覚ではなく比較で決められます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

いま使う値打ちを見積もるとき、見落としやすいのはどのようなものですか。

  • A 時期が限られていて、あとでは同じ形で手に入らないもの 正解

    あとでは、同じ形で手に入りません。

  • B 金額が大きいもの

    金額の大小は、見落としやすさとは別です。

  • C 何度でも買えるもの

    何度でも買えるなら、先送りにできます。

  • D 誰でも手に入れられるもの

    誰でも手に入るなら、あとでも買えます。

あとでは同じ形で手に入らないものです。

見抜くお金の基本★★★★
いま使う値打ち
  • あとでも買えるもの:先送りにできる
  • あとでは買えないもの:先送りできない

子どもの成長に合わせた支出、期間が決まっている学びの機会、体力があるうちにしかできない経験。これらは5年後に同じ金額を出しても、同じものは手に入りません。あとで買えるものなら先送りにできますが、買えないものは先送りできない。この違いは、金額の大小とは関係なく効いてきます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Kさんは、10万円のものを買うかどうかで迷っています。急な出費への備えは、別に用意できています。

決める前に行うべきことを、すべて選んでください。

答え あとに回した場合、いくら増えるかを出す/いま使うことの値打ちを、金額で見積もる/あとでも同じものが手に入るかを確かめる

増える分、いまの値打ち、あとでも買えるかの3つです。

ケースお金の基本★★★★

使うか迷ったときの3つ

  • あとに回すといくら増えるか
  • いま使う値打ちは何円ぶんか
  • あとでも同じものが手に入るか

増える分は計算で出て、いま使う値打ちは自分で見積もり、あとでも買えるかどうかで先送りできるかが決まります。この3つがそろえば、比べて決められます。他人が買っているかや販売数は、自分にとっての値打ちを何も教えてくれません。価値の回で見たとおり、値打ちは自分の目的と状況で決まります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

Lさんは10万円の仕事の道具を買うか迷っています。これがあれば作業が早くなり、年に3万円ほど収入が増える見込みです。同じ10万円を年5パーセントで5年置いた場合、増える分は約2万8千円です。

Lさんの判断として、適切な考え方はどれですか。

  • A いま使う値打ちが年3万円の収入増なら、5年ぶんの増える分を大きく上回る 正解

    いま使う値打ちのほうが、大きく上回ります。

  • B 増える分があるので、必ずあとに回すべきである

    増える分より大きい値打ちが、いまにあります。

  • C 10万円は大きな金額なので、買うべきではない

    金額の大小ではなく、値打ちで判断します。

  • D 収入が増えるかどうかは、この判断には関係ない

    収入増は、いま使う値打ちそのものです。

いま使う値打ちのほうが、大きく上回ります。

ケースお金の基本★★★★
  • 5年置いて増える分約2万8千円
  • 道具による収入増(5年)約15万円

いま使う値打ちのほうが、大きく上回る

5年置いて増えるのは約2万8千円。一方、道具を買えば年3万円の収入増が5年続けば15万円です。いま使う値打ちのほうが、はるかに大きい。「増える分があるから使わない」と決めていたら、この判断を取り落とします。数字にして並べれば、いま使うことが理にかなっていると分かります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

いま使うかあとに回すかを決めるとき、いちばん大事なことは何ですか。

  • A いま使う値打ちも金額に見積もって、増える分と同じ土俵に乗せること 正解

    同じ土俵に乗せて、初めて比べられます。

  • B 増える分の計算を、できるだけ正確に行うこと

    計算の精度より、並べることのほうが大事です。

  • C できるだけ使わないようにすること

    使わないことが、常に正しいとは限りません。

  • D 迷ったら、必ず買わないことにすること

    迷いを、判断の代わりにしてしまいます。

いま使う値打ちも、金額にして並べることです。

判断お金の基本★★★★
増える分いま使う値打ちどちらも金額にして並べる

片方だけが数字の状態を、放置しない

増える分の計算は、少しずれても判断は変わりません。判断を分けるのは、いま使う値打ちを金額にしたかどうかです。金額にしなければ、比べられないまま「なんとなく我慢する」か「なんとなく使う」になります。片方だけが数字になっている状態を、放置しない。それがこの回のいちばんの要点です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

この回で身につけた見方を、ひとことでいうと何になりますか。

  • A どちらを選んでも選ばなかったほうが失われる。両方を金額にして、大きいほうを選ぶ 正解

    両方を金額にして、大きいほうを選びます。

  • B 使わずに置いておくのが、常に正しい

    いま使う値打ちが上回る場面も、あります。

  • C いま使うほうが、常に正しい

    あとに回すほうが大きい場面も、あります。

  • D どちらを選んでも、失うものはない

    どちらを選んでも、何かは失われます。

両方を金額にして、大きいほうを選びます。

判断お金の基本★★★★★

いま使うか、あとに回すか

  • どちらを選んでも、選ばなかったほうが失われる
  • 増える分は、計算で出る
  • いま使う値打ちは、自分で見積もる

あとに回せば増える分が得られ、いま使えばいま使う値打ちが得られる。どちらを選んでも、選ばなかったほうは失われます。これが機会費用です。増える分は計算で出ますが、いま使う値打ちは自分で見積もるしかありません。だから片方だけが数字になりやすい。両方を金額にして並べる。次回は、この判断を長い時間の中で見ていきます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

会員登録をすると、経験値と連続学習日数が記録され、間違えた問題だけをあとで解き直せます。

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