お金の基本

時間が生む差

複利で大きく伸びるのは後半です。前半はゆるやか。この形を知っているかどうかが、続けられるかどうかを分けます。

このページの要点

同じ10年でも、あとの10年ほど大きく増える。100万円を年5パーセントなら、最初の10年で約63万円、次の10年で約102万円、その次の10年で約167万円。だから期間が強く効き、途中で崩すといちばん伸びる区間を失う。備えを別に持つことが、そのまま複利を守ることになる。

最終更新 2026年8月31日 / 全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 4 問

  1. 後半ほど大きい
  2. 元利合計
  3. 途中でやめると
  4. どの10年が大きいか

わかる 3 問

  1. 時間の判定
  2. 増え方の順序
  3. 10年遅れると

見抜く 4 問

  1. 期間と元利合計
  2. 早ければ必ず得か
  3. 次の10年の伸び
  4. 引き出すと失うもの

ケースで考える 2 問

  1. 3年で判断しない
  2. 続けるために

判断する 2 問

  1. 期間を先に決める
  2. 時間が生む差

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

複利で長く置いたとき、増える額はどのように変わっていきますか。

  • A 年を追うごとに大きくなり、後半ほど伸びが大きい 正解

    計算のもとが大きくなるので、後半ほど伸びます。

  • B 年を追うごとに小さくなり、後半ほど伸びが小さい

    伸びは小さくならず、大きくなっていきます。

  • C 毎年おなじ額ずつ増えていく

    毎年おなじ額ずつなのは、単利のしかたです。

  • D 前半だけ増えて、後半は増えなくなる

    後半のほうが、むしろ大きく増えます。

年を追うごとに大きくなり、後半ほど伸びます。

知るお金の基本★★★
  • 最初の10年約63万円増
  • 次の10年約102万円増
  • その次の10年約167万円増

元本100万円・年5%。同じ10年でも、あとほど大きい

100万円を年5パーセントで置くと、最初の10年で増えるのは約63万円。次の10年では約102万円、その次の10年では約167万円です。同じ10年でも、あとの10年ほど大きく増えます。計算のもとが年々大きくなっているからです。だから複利の話では「どれだけ置いたか」より「どこまで置いたか」が効いてきます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

元本と利息を合わせた金額を、__合計といいます。

  • A 元利 正解

    元本と利息を合わせた金額のことです。

  • B 元金

    元金は、元本と同じく最初の金額を指します。

  • C 総額

    総額は、合計を広く指す言葉です。

  • D 差引

    差引は、引き算をした結果を指します。

元本と利息を合わせた金額が、元利合計です。

知るお金の基本★★
  1. 10年後約163万円
  2. 20年後約265万円
  3. 30年後約432万円

複利では、この元利合計がそのまま次の年の計算のもとになります。だから元利合計を追っていけば、増え方の形がそのまま見えます。100万円が10年で約163万円、20年で約265万円、30年で約432万円。同じ元本・同じ金利でも、置いた年数によってこれだけ変わります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

次の説明は、複利と時間の関係として正しいですか。

  • A 途中で引き出してやめると、そこから先の伸びは得られなくなる 正解

    いちばん伸びる区間が、まるごと失われます。

  • B 途中でやめても、あとから同じだけ増える

    やめた時点で、そこから先へは進みません。

  • C 途中でやめると、それまでに受け取った利息も返さなければならない

    受け取った利息を返す必要はありません。

  • D 途中でやめても、伸びは自動で続いていく

    引き出せば、伸びはそこで止まります。

そこから先の伸びは、得られなくなります。

知るお金の基本★★★

いちばん伸びる後半まで、置き続けられるかを先に考える

途中でやめても、あとから取り返せると考える

複利で大きく伸びるのは後半です。だから20年で引き出せば、いちばん伸びる30年目までの区間はまるごと失われます。それまでに受け取った分はもちろん自分のものですが、「もう10年置いていれば」という部分は戻ってきません。複利は、続けることそのものが条件になっています。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

100万円を年5パーセントで30年置いたとき、いちばん増える額が大きいのはどの10年ですか。

  • A 20年目から30年目までの10年 正解

    計算のもとが最も大きいので、伸びも最大になります。

  • B 最初の10年

    最初の10年が、いちばん伸びの小さい区間です。

  • C 10年目から20年目までの10年

    真ん中の10年は、最後の10年には及びません。

  • D どの10年も、増える額は同じ

    あとの10年ほど、大きく増えます。

20年目から30年目までの10年です。

知るお金の基本★★★
元利合計その10年で増えた額
0年→10年約163万円約63万円
10年→20年約265万円約102万円
20年→30年約432万円約167万円

最初の10年で約63万円、次の10年で約102万円、最後の10年で約167万円。最後の10年だけで、最初の10年の2倍以上増えます。だから「あと10年置けるかどうか」は、金利を少し上げること以上に効くことがあります。複利では、期間そのものが強い材料になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

それぞれの説明が、複利と時間の関係として正しいかどうかを判定してください。

  • A 同じ金額・同じ金利なら、置いた年数が長いほど元利合計は大きくなる 正解

    年数が長いほど、元利合計は大きくなります。

  • B 年数を長くしても、元利合計はほとんど変わらない

    年数の効き方は、非常に大きくなります。

  • C 年数が長いほど、1年あたりに増える額は小さくなる

    1年あたりに増える額は、年々大きくなります。

  • D 年数を2倍にすれば、増えた額もちょうど2倍になる

    ちょうど2倍になるのは、単利のときです。

年数が長いほど、元利合計は大きくなります。

わかるお金の基本★★★

単利

  • 年数2倍で、利息も2倍
  • 増える額は毎年おなじ
  • 計算が読みやすい

複利

  • 年数2倍で、増えた額は2倍以上
  • 増える額が年々大きくなる
  • 後半ほど効いてくる

ただし「2倍の年数で2倍」にはなりません。それは単利の性質です。100万円を年5パーセントで置くと、10年で増えるのは約63万円、20年では約165万円。ちょうど2倍の126万円ではなく、2.6倍ほどになります。年数が延びるほど、増え方そのものが上がっていくためです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

複利で長く置いたときの増え方を、起きる順に並べてください。

答え 最初のうちは、増え方がゆるやか → 計算のもとが大きくなっていく → 後半になるほど、増え方が大きくなる

ゆるやかに始まり、もとが育ち、後半で伸びます。

わかるお金の基本★★★
  1. 最初はゆるやか
  2. 計算のもとが育つ
  3. 後半で伸びが大きくなる

この順番が分かっていると、途中で焦らずに済みます。始めて数年は、思ったほど増えません。これは失敗ではなく、そういう形だからです。焦って途中でやめると、いちばん伸びる区間の手前で降りることになります。増え方の形を知っていることが、続ける支えになります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

同じ金額・同じ金利で、始めるのが10年遅れると何が起きますか。

  • A 置ける年数が10年短くなり、いちばん伸びる後半の区間を失う 正解

    失うのは、いちばん伸びる後半の区間です。

  • B 遅れた分は、あとで年数を延ばせば同じように取り返せる

    後ろに延ばしても、失った区間は戻りません。

  • C 遅れても、元利合計はほとんど変わらない

    期間の差は、元利合計に大きく効きます。

  • D 遅れるほど金利が高くなるので、かえって有利になる

    遅れることで金利が上がることはありません。

いちばん伸びる後半の区間を失います。

わかるお金の基本★★★
  • 30年置いた約432万円
  • 20年置いた約265万円

元本100万円・年5%。差は約167万円

30年置ける場合と、20年しか置けない場合。失われるのは最後の10年で、そこがいちばん大きく伸びる区間です。100万円を年5パーセントなら、約432万円と約265万円で、差は約167万円。同じ金額を出しても、期間だけでこれだけ違います。ただし、これは「早ければ必ず得」という話ではありません。次の問いで見ます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

100万円を年5パーセントの複利で置いたとき、期間と元利合計を対応させてください。

答え 10年置いた … 元利合計は約163万円/20年置いた … 元利合計は約265万円/30年置いた … 元利合計は約432万円

期間が延びるほど、伸び幅も大きくなります。

見抜くお金の基本★★★★
元利合計増えた額
10年約163万円約63万円
20年約265万円約165万円
30年約432万円約332万円

10年で約63万円増え、20年で約165万円増え、30年で約332万円増える。増えた額で見ると、20年は10年の約2.6倍、30年は約5.3倍です。年数が3倍になると、増えた額は5倍以上。この非対称さが、複利のいちばんの特徴です。だから期間は、金利と同じかそれ以上に大事な材料になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

「複利は早く始めるほど有利だから、とにかく早く始めるべきだ」という考え方について、正しいのはどれですか。

  • A 期間は確かに効くが、備えができていないうちに始めると途中で崩すことになる 正解

    崩してしまえば、期間の値打ちが消えます。

  • B 正しい。何より早さを優先すべきである

    続けられなければ、早さは活きません。

  • C 誤り。期間の長さは、複利にはほとんど効かない

    期間は、複利にはっきりと効きます。

  • D 正しい。備えがなくても、複利なら必ず増えるから

    備えがなければ、途中で崩すことになります。

期間は効きますが、備えが先です。

見抜くお金の基本★★★★
備えを用意する途中で崩さずに済むので期間の値打ちが活きる

早さの値打ちは、続けられることにある

期間が効くのは事実です。しかし備えがないまま始めれば、予定外の出費でその途中に崩すことになります。崩せば、いちばん伸びる後半には届きません。早く始めることの値打ちは「長く続けられること」にあるので、続けられない形で始めても意味がありません。順番は、備えが先です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

100万円を年5パーセントで置くと、最初の10年で増えるのはおよそ63万円です。では10年目から20年目までの10年で増えるのは、およそいくらですか。

答え 102万円

約265万円 − 約163万円 = 約102万円です。

見抜くお金の基本★★★★
  • 約163万円10年後
  • 約265万円20年後
  • 約102万円その差

同じ10年でも、2回目のほうが1.6倍ほど大きく増えます。理由は、10年目の時点で計算のもとが約163万円に育っているからです。3回目の10年ではさらに大きく、約167万円。回を追うごとに増え方が上がっていきます。この形を数字で確かめておくと、「後半ほど効く」という言葉が実感になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

複利で置いていたお金を途中で引き出すと、何が失われますか。

  • A そこから先の区間で得られたはずの、いちばん大きい伸び 正解

    先にあったはずの、大きい伸びが失われます。

  • B それまでに受け取った利息

    受け取った利息は、手元に残ります。

  • C 最初に預けた元本

    元本も、手元に残ります。

  • D 何も失われない

    先の伸びという形で、確かに失われます。

そこから先の、いちばん大きい伸びが失われます。

見抜くお金の基本★★★★
途中で引き出す
  • 手元に残る:元本とそれまでの利息
  • 失われる:これから先の大きい伸び

元本もそれまでの利息も、自分のものとして手元に残ります。失われるのは、これから先にあったはずの区間です。しかもその区間こそ、いちばん大きく伸びる部分でした。だから複利のお金は、途中で崩さなくて済む形で置いておく必要があります。備えを別に用意しておくことが、そのまま複利を守ることになります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Oさんは3年前に、当分使う予定のないお金を複利で増える形に置きました。3年経ったいま、思ったほど増えていないと感じています。

Oさんは、この状況をどう受け止めるのが適切ですか。

  • A 複利は前半の増え方がゆるやかなので、3年で判断するには早すぎる 正解

    まだ前半なので、判断するには早すぎます。

  • B 3年で増えていないなら複利は効かないので、引き出すべきである

    前半がゆるやかなのは、複利の形そのものです。

  • C 3年で増えていないのは、計算が間違っているからである

    計算ではなく、増え方の形の問題です。

  • D 複利は最初の数年でいちばん増えるので、この先も増えない

    増え方が大きくなるのは、後半のほうです。

複利は前半がゆるやかなので、3年では早すぎます。

ケースお金の基本★★★★
  1. 3年約16万円増
  2. 10年約63万円増
  3. 30年約332万円増

増え方の形を知らないと、この時期にやめてしまいます。100万円を年5パーセントなら、3年で増えるのは約16万円。これは10年目以降の伸びとは比べものになりません。「効いていない」のではなく「まだ前半にいる」だけです。判断すべきなのは増え方ではなく、置き続けられる状況かどうかのほうです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

Pさんは、複利で増える形に置いたお金を、途中で崩さずに続けたいと考えています。

そのために有効なことを、すべて選んでください。

答え 急な出費への備えを、別に確保しておく/そのお金を使う予定が、当分ないことを確かめる/前半は増え方がゆるやかだと、あらかじめ知っておく

備え、予定の確認、増え方を知っておくことの3つです。

ケースお金の基本★★★★

途中で崩さないための3つ

  • 備えを別に確保しておく
  • 当分使う予定がないことを確かめる
  • 前半はゆるやかだと知っておく

続けられなくなる理由は2つです。お金が必要になって崩すか、増えないと感じてやめるか。前者には備えと予定の確認が効き、後者には増え方の形を知っておくことが効きます。こまめに確認するのは、むしろ後者を招きます。前半のゆるやかさを毎月見れば、やめたくなるのが自然だからです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

複利で増える形にお金を置くとき、金利より先に決めるべきことは何ですか。

  • A そのお金を、何年置いておけるか 正解

    期間が決まれば、金利の重さも決まります。

  • B どの商品の金利が、いちばん高いか

    金利は、期間を決めたあとに比べます。

  • C 周りの人が、何を選んでいるか

    他人の選択は、自分の期間を決めません。

  • D 手続きが、どれくらい簡単か

    手続きの簡単さは、伸びを左右しません。

何年置いておけるかを、先に決めます。

判断お金の基本★★★★
  1. 何年置けるかを決める
  2. その期間で金利差がどれだけ効くか見る
  3. そのうえで商品を比べる

期間が決まらないうちに金利を比べても、その金利差が自分に効くかどうかは分かりません。5年しか置けないなら、年数を必要とする金利差はほとんど効きません。逆に30年置けるなら、わずかな金利差が大きな差になります。期間を先に決めれば、金利をどれだけ重く見るべきかも決まります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

この回で身につけた見方を、ひとことでいうと何になりますか。

  • A 複利は後半ほど伸びる。だから期間が効き、途中で崩さない形にしておくことが要になる 正解

    期間が効き、続けられる形が要になります。

  • B 複利は、最初の数年でいちばん増える

    最初の数年は、いちばんゆるやかな区間です。

  • C 複利は、期間の長さとは関係しない

    期間は、いちばん強く効く材料です。

  • D 複利なら、途中で引き出しても同じだけ増える

    引き出せば、そこから先の伸びは得られません。

後半ほど伸びるので、続けられる形が要になります。

判断お金の基本★★★★★

時間が生む差

  • 後半ほど伸びが大きい
  • だから期間が強く効く
  • 途中で崩さない形にしておく

同じ100万円・同じ年5パーセントでも、10年なら約163万円、30年なら約432万円。増えた額で見れば5倍以上の差です。この差を生んでいるのは金利ではなく期間で、しかも伸びは後半に偏っています。だから途中で崩さない形にしておくことが、金利を選ぶこと以上に効きます。次回は、少しずつ積み立てを続けたときに何が起きるかを見ていきます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

会員登録をすると、経験値と連続学習日数が記録され、間違えた問題だけをあとで解き直せます。

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