お金の基本

純資産を増やす2つの道

資産を1万円増やしても、負債を1万円減らしても、純資産は同じだけ増えます。違うのは、その先に起きることの確かさです。

このページの要点

純資産を増やす道は、資産を増やすか負債を減らすかの2つ。同じ1万円なら、どちらでも純資産への効果は同じ1万円。ただし率の高い負債を減らす効果は確定していて、増える見込みは不確か。年15%の負債に1万円充てれば年1,500円の利息が確実に減る。ただし、すぐ使えるお金を削りすぎると、また借りることになる。

最終更新 2026年8月31日 / 全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 4 問

  1. 増やす2つの道
  2. 同じ1万円
  3. 確かさの違い
  4. 残しておくお金

わかる 3 問

  1. 回す順番
  2. 道と特徴
  3. どちらに回すか

見抜く 4 問

  1. 確実な効果
  2. 1万円ぶんの効き目
  3. 2つの道の判定
  4. 返しすぎると

ケースで考える 2 問

  1. 余りをどう使うか
  2. すぐ使える分が薄い

判断する 2 問

  1. 守りが先
  2. 純資産を増やす2つの道

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

純資産を増やす道は、大きく分けて何と何ですか。

  • A 資産を増やすことと、負債を減らすこと 正解

    引き算の、両側を動かす2つの道です。

  • B 収入を増やすことと、支出を減らすこと

    収入や支出は、余りを生む手前の話です。

  • C 働くことと、投資すること

    働き方や置き場所は、道の中身の話です。

  • D 節約することと、我慢すること

    節約は、余りを生む方法の1つです。

資産を増やすことと、負債を減らすことです。

知るお金の基本★★
純資産を増やす
  • 資産を増やす(引く前を大きく)
  • 負債を減らす(引く数字を小さく)

純資産は「資産 − 負債」なので、増やすには引く前を大きくするか、引く数字を小さくするかしかありません。収入を増やす・支出を減らすというのは、その手前の話で、そこで生まれた余りをどちらに回すかが、この2つの道になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

次の説明は、1万円の使い道について正しいですか。

  • A 1万円を積み立てても、1万円を返済に充てても、純資産は同じだけ増える 正解

    引き算の結果は、どちらも同じです。

  • B 積み立てたほうが、純資産は多く増える

    積み立てても、増える額は同じです。

  • C 返済に充てたほうが、純資産は多く増える

    返済に充てても、増える額は同じです。

  • D どちらも、純資産は増えない

    どちらでも、純資産は増えます。

どちらでも、純資産は同じだけ増えます。

知るお金の基本★★★

1万円を積み立てる

  • 資産 +1万円
  • 純資産 +1万円

1万円を返済に充てる

  • 負債 −1万円
  • 純資産 +1万円

積み立てれば資産が1万円増え、返済に充てれば負債が1万円減る。引き算の結果はどちらも1万円のプラスです。だから「どちらが得か」は純資産の額では決まりません。決まるのは、その先に起きることの違いのほうです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

積み立てと返済で、その先に起きることの違いはどこにありますか。

  • A 返済で減る利息は確定しているが、増える見込みは確定していない 正解

    片方は決まっていて、片方は決まっていません。

  • B 返済で減る利息のほうが、必ず小さい

    率によっては、返済のほうが大きくなります。

  • C 増える見込みは、必ず当たる

    見込みは、外れることがあります。

  • D どちらも、まったく同じ確かさである

    確かさに、はっきりした差があります。

返済で減る利息は確定し、増える見込みは確定していません。

知るお金の基本★★★
その先に起きること確かさ
返済に充てる将来の利息が減る確定している
増やす側に置く増えるかもしれない確定していない

年15パーセントの負債を1万円減らせば、その先の利息は確実に減ります。一方、値動きのあるものに1万円置いても、増えるかどうかは分かりません。同じ1万円でも、片方は決まっていて、片方は決まっていない。この違いが、選ぶときの材料になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

返済にすべて回してしまうと、急な出費のときにまた__ことになりかねません。

  • A 借りる 正解

    せっかく減らした負債が、また増えます。

  • B 売る

    売れるものがあるとは限りません。

  • C 働く

    すぐに収入は増えません。

  • D 待つ

    待てない支出だから、困るのです。

急な出費のときに、また借りることになりかねません。

知るお金の基本★★★

すぐ使える分を残したうえで、余りを回す

手元のお金をすべて返済に回す

手元のお金をすべて返済に回すと、次の予定外の出費で行き詰まります。そこで借りれば、せっかく減らした負債がまた増える。しかも新しい借入のほうが率が高いこともあります。すぐ使える分を残したうえで、余りを回すのが順番です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

余ったお金を回す順番として、この回で示した並びはどれですか。

答え すぐ使える分を確保する → 率の高い負債を減らす → 残りを増やす側に回す

すぐ使える分、率の高い負債、残りを増やす側の順です。

わかるお金の基本★★★
  1. すぐ使える分を確保する
  2. 率の高い負債を減らす
  3. 残りを増やす側に回す

すぐ使える分がないと、また借りることになります。率の高い負債は、減らす効果が確定しているうえに大きい。この2つを済ませてから、増やす側に回す。ただし、これは一般的な並びであって、事情によって前後することもあります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

それぞれの使い道と、その特徴を対応させてください。

答え すぐ使える分を確保する … また借りることを防ぐ/率の高い負債を減らす … 将来の利息が確実に減る/増やす側に回す … 増える見込みがあるが、確定はしない

使い道ごとに、得られるものが違います。

わかるお金の基本★★★
使い道得られること
守りすぐ使える分の確保また借りることを防ぐ
確実率の高い負債を減らす将来の利息が確実に減る
見込み増やす側に回す増える可能性(確定しない)

3つは、まったく別のことをしています。1つめは崩れないようにするため、2つめは確実に費用を減らすため、3つめは増える可能性を得るため。どれが正しいということではなく、いまどれが足りていないかで決まります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

返済に回すか、増やす側に回すかを考えるとき、比べる材料はどれですか。

  • A 負債の率と、増やす側の見込みの率。ただし確かさが違うことも合わせて見る 正解

    率と確かさの2つを並べます。

  • B 負債の残高と、増やす側に置ける金額

    残高の大きさでは、決まりません。

  • C 返済の回数と、積み立ての回数

    回数は、比べる材料になりません。

  • D 周りの人が、どちらを選んでいるか

    他人とは、率も事情も違います。

2つの率を比べ、確かさの違いも合わせて見ます。

わかるお金の基本★★★★
  • 年15%の負債を減らす1万円あたり年1,500円・確定
  • 年3%で置く1万円あたり年300円・見込み

率の差と、確かさの差の両方を見る

年15パーセントの負債と、年3パーセントの見込みなら、率の差は大きく開いています。しかも片方は確定、片方は見込みです。逆に負債の率が非常に低い場合は、判断が分かれることもある。率と確かさの2つを並べて考えます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

年15パーセントの負債を1万円多く返した場合と、1万円を年3パーセントで置いた場合では、1年でどれだけ違いますか。

  • A 1,500円と300円で、1,200円の差。しかも前者は確定している 正解

    5倍の差があり、確かさも違います。

  • B 差はほとんどない

    5倍の差があります。

  • C 300円と1,500円で、後者のほうが大きい

    大きいのは、負債を減らすほうです。

  • D 率が違っても、効果は同じ

    率が違えば、効果も違います。

1,500円と300円で、1,200円の差があります。

見抜くお金の基本★★★★
  • 年1,500円が確実に減る年15%の負債に1万円
  • 年300円の見込み年3%で1万円を置く
  • 1,200円

5倍の差です。しかも負債側の1,500円は「減る」と決まっていて、置く側の300円は「増えるかもしれない」にすぎません。率の高い負債があるうちは、そちらを減らすほうが効き目も確かさも上、という状態になります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

年15パーセントの負債を、1万円多く返したとします。

これによって、1年で減る利息はいくらになりますか。

答え 1500円

10,000円 × 15パーセント = 1,500円です。

見抜くお金の基本★★★★
  • 10,000円多く返した額
  • 年15%
  • 1,500円(確定)1年で減る利息

1万円返すごとに、毎年1,500円ぶん利息が軽くなります。しかもこれは見込みではなく、そうなると決まっている数字です。返済を続ければこの効き目は積み重なり、返し終わるまでの期間も短くなります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

それぞれの説明が、純資産を増やす道の見方として正しいかどうかを判定してください。

  • A 負債の率が非常に低い場合は、増やす側に回す判断もありうる 正解

    率が低ければ、判断は分かれます。

  • B 負債があるうちは、増やす側に回してはいけない

    率の差によって、判断は変わります。

  • C 返済に回すと、純資産は減ってしまう

    返済に回しても、純資産は同じだけ増えます。

  • D 増やす側に回せば、純資産は必ず増える

    増やす側は、減ることもあります。

負債の率が低ければ、増やす側に回す判断もありえます。

見抜くお金の基本★★★★
どちらに回すか
  • 負債の率が高い → 減らす効果が大きく、確定している
  • 負債の率が非常に低い → 増やす側に回す判断もありうる

年0.5パーセントの負債なら、1万円あたり年50円しか減りません。この場合、増やす側に回して不確かでも高い見込みを取る、という判断も成り立ちます。決めるのは率の差と、その人の事情。「負債があるうちは絶対に」という決まりはありません。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

すぐ使えるお金をほとんど残さずに繰上返済を続けると、何が起きやすいですか。

  • A 急な出費のときに借りることになり、純資産がかえって減ることがある 正解

    借り直せば、往復のぶんだけ損になります。

  • B 純資産が、必ず速く増えていく

    手元が薄いと、途中で戻ることがあります。

  • C 急な出費が、起きにくくなる

    手元の額は、出費の起きやすさを変えません。

  • D 返済が、自動的に終わる

    返済は、自動では終わりません。

急な出費で借りることになり、かえって減ることがあります。

見抜くお金の基本★★★★★
  1. 繰上返済負債 −10万円・手元は空に
  2. 急な出費10万円が必要になる
  3. 借り直し負債 +10万円・利息も新たに

10万円を繰上返済して手元を空にした直後に、10万円の出費が来たとします。年15パーセントで借り直せば、減らしたはずの負債が戻り、利息も新たにかかる。手元に残しておけば、この往復は起きませんでした。守りが先、というのはこのためです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Uさんの家計に、毎月2万円の余りが出るようになりました。

この使い道を決める前に確かめるべきことを、すべて選んでください。

答え すぐ使える分が足りているかを確かめる/いちばん率の高い負債を確かめる/その率と、増やす側の見込みの率を比べる

手元の厚み、いちばん高い率、率の比較の3つです。

ケースお金の基本★★★★

余りの使い道を決める前に

  • すぐ使える分は足りているか
  • いちばん率の高い負債はどれか
  • その率と、増やす側の見込みの率を比べる

すべて返済に回すと、次の急な出費でまた借りることになります。率を見ずに残高で選ぶと、費用の大きいほうが後回しになる。3つを確かめてから決めれば、順番も金額も自分で説明できるようになります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

Vさんには年15パーセントの負債があり、すぐ使えるお金は3万円しかありません。毎月2万円の余りが出ています。

Vさんの進め方として、適切なのはどれですか。

  • A まず、すぐ使える分をある程度まで厚くし、それから率の高い負債に寄せる 正解

    往復を避けてから、効き目の大きい先に寄せます。

  • B すべてを年15パーセントの負債に寄せる

    手元が薄いままだと、また借りることになります。

  • C すべてを増やす側に回す

    率の高い負債があるうちは、効き目が小さくなります。

  • D 何もせず、余りをそのままにしておく

    そのままでは、どちらも進みません。

すぐ使える分を厚くしてから、率の高い負債に寄せます。

ケースお金の基本★★★★★
  1. まず、すぐ使える分を数か月ぶんまで厚くする
  2. そのあと、年15%の負債に寄せる
  3. 負債が片づいたら、増やす側に回す

年15パーセントの負債を減らす効果は大きいのですが、3万円しかない状態でそこに全部寄せると、次の出費でまた借りることになります。数か月ぶんを積んでから寄せれば、往復を避けられる。急がば回れになる場面です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

純資産を増やしていくうえで、最初に置くべき考え方はどれですか。

  • A すぐ使える分を確保してから、率と確かさで回す先を決める 正解

    往復を避けてから、効き目で決めます。

  • B とにかく率の高い負債から、すべて返す

    すべて返すと、手元が空になります。

  • C とにかく増やす側に、すべて回す

    率の高い負債があると、効き目が小さくなります。

  • D 純資産が増えていれば、順番はどうでもよい

    順番によって、往復が起きるかどうかが変わります。

すぐ使える分を確保してから、率と確かさで決めます。

判断お金の基本★★★★

すぐ使える分を確保してから、率と確かさで決める

手元を空にしてまで、返済や積み立てに回す

守りがないと、せっかく減らした負債がまた戻ります。守りができたら、率の高い負債と増やす側の見込みを並べて、確かさの違いも含めて決める。この順番なら、往復を避けながら進められます。急ぐより、戻らないことのほうが結果的に速くなります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

この回で身につけた見方を、ひとことでいうと何になりますか。

  • A 同じ1万円なら純資産への効果は同じ。違うのは確かさと率なので、守りを確保してから決める 正解

    効果・確かさ・守りの3つを押さえた回でした。

  • B 負債があるうちは、絶対に増やす側に回してはいけない

    負債の率が低ければ、判断は分かれます。

  • C 積み立てのほうが、純資産は多く増える

    純資産への効果は、どちらも同じです。

  • D 手元を空にしてでも、負債を先に返すべきである

    手元を空にすると、また借りることになります。

効果は同じ。違うのは確かさと率です。

判断お金の基本★★★★★

純資産を増やす2つの道

  • 資産を増やす/負債を減らす。純資産への効果は同じ
  • 違うのは確かさ:返済は確定、増える見込みは不確か
  • すぐ使える分を確保してから回す

資産を1万円増やしても負債を1万円減らしても、純資産は1万円増えます。違うのはその先で、年15パーセントの負債を減らせば年1,500円が確実に減り、年3パーセントの見込みは年300円で不確か。ただし手元を空にすると往復が起きます。次回は、純資産の変化を読む方法へ進みます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

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