お金の基本

待てることの見返り

すぐ使えるお金は増えにくく、待てるお金には見返りがつきます。なぜそうなるのかが分かると、うますぎる話も自分で見分けられます。

このページの要点

見返りが大きくなる理由は2つ。待つことと、不確かさを引き受けること。この2つのどちらでも説明できない高い見返りは、出どころが分からないということ。「高い見返り・いつでも引き出せる・元本保証」の3つは同時には成り立たない。

最終更新 2026年8月31日 / 全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 4 問

  1. すぐ使えるほど増えにくい
  2. 見返りがつく理由
  3. 利回り
  4. 見返りの2つの出どころ

わかる 3 問

  1. 3つはそろわない
  2. 高い見返りを見たら
  3. 見返りの判定

見抜く 4 問

  1. 出どころが説明できるか
  2. 引き換えと見返り
  3. 金利差の金額
  4. 元本保証で高利回り

ケースで考える 2 問

  1. うまい話を聞いたら
  2. 定期にするかどうか

判断する 2 問

  1. 高さより出どころ
  2. 待てることの見返り

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

次の説明は、流動性と見返りの関係として正しいですか。

  • A すぐ使えるものほど増えにくく、待てるものほど見返りが大きくなりやすい 正解

    使いやすさを手放すほど、見返りが大きくなりやすくなります。

  • B すぐ使えるものほど、見返りも大きくなる

    すぐ使えるものほど、増えにくい傾向があります。

  • C 流動性と見返りの大きさは、まったく関係がない

    2つには、はっきりした関係があります。

  • D 見返りの大きさは、預けた金額だけで決まる

    金額の大小だけで、見返りの率は決まりません。

すぐ使えるものほど増えにくい、という関係があります。

知るお金の基本★★★
  1. 財布の現金増えない
  2. 普通預金ごくわずか
  3. 定期預金もう少し

財布の現金は1円も増えません。普通預金はごくわずか。定期預金はもう少し。使いやすさを手放すほど、見返りが大きくなりやすい。これは偶然ではなく、預かる側にとって「いつ引き出されるか分からないお金」より「期間の決まったお金」のほうが使いやすいからです。使いやすさは、譲った側に返ってきます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

待てるお金に見返りがつくのは、なぜですか。

  • A 預かる側が、期間の決まったお金のほうが計画を立てやすいから 正解

    計画が立てやすいぶん、見返りとして返ってきます。

  • B 待っている間に、物価が必ず下がるから

    物価が必ず下がる、ということはありません。

  • C 長く預けると、法律で利息が義務づけられるから

    法律で利息が義務づけられているわけではありません。

  • D 待つこと自体に、価値があると決められているから

    決まりではなく、双方の都合から生まれる関係です。

預かる側にとって、使いやすいお金だからです。

知るお金の基本★★★
いつでも引き出せる自由を手放す預かる側が計画を立てられるので見返りとして返ってくる

見返りは、手放した使いやすさの対価

銀行は、預かったお金を貸し出しに回します。いつ引き出されるか分からないお金では、長い貸し出しに使いにくい。期間の決まったお金なら計画が立てられます。その使いやすさの差が、金利の差として預けた側に返ってきます。つまり見返りは、こちらが手放した使いやすさの対価です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

預けたお金が1年でどれだけ増えるかを、割合で表したものを__といいます。

  • A 利回り 正解

    1年でどれだけ増えるかを、割合で表したものです。

  • B 元本

    元本は、最初に預けた金額そのものです。

  • C 残高

    残高は、いま口座にある金額のことです。

  • D 手数料

    手数料は、取引にかかる費用のことです。

1年でどれだけ増えるかの割合が、利回りです。

知るお金の基本★★
  • 1%100万円が1万円増える
  • 2%10万円が2,000円増える
  • 割合にそろえる比べるとき

金額ではなく割合で表すのは、大きさの違うお金どうしを比べるためです。100万円が1万円増えるのと、10万円が2,000円増えるのでは、金額では前者が大きくても、割合では後者が上です。比べるときは必ず割合にそろえます。賃上げのときに率へそろえたのと、同じ考え方です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

見返りが大きくなる理由は、大きく2つあります。それはどれですか。

  • A 待つことを引き受けること、そして不確かさを引き受けること 正解

    この2つが、見返りの出どころです。

  • B 金額を大きくすること、そして回数を増やすこと

    金額や回数は、見返りの率を生みません。

  • C 有名な会社を選ぶこと、そして長く付き合うこと

    知名度や付き合いの長さは、出どころではありません。

  • D 手数料を払うこと、そして早く売ること

    手数料は費用であって、見返りの源ではありません。

待つことと、不確かさを引き受けることの2つです。

知るお金の基本★★★
見返りの出どころ
  • 待つことを引き受ける
  • 不確かさを引き受ける

定期預金の見返りは、待つことから来ています。値動きのあるものの見返りは、値下がりするかもしれないという不確かさを引き受けることから来ています。この2つのどちらでも説明できない高い見返りは、出どころが分かりません。出どころが分からないものは、誰かが払っているか、そもそも払われないかのどちらかです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

「高い見返り」「いつでも引き出せる」「元本が減らない」の3つは、同時に成り立ちますか。

  • A 成り立たない。高い見返りは、待つことか不確かさの引き受けと引き換えだから 正解

    高い見返りは、必ず何かとの引き換えになっています。

  • B 成り立つ。探せば、3つを満たすものは見つかるから

    3つを同時に満たすものは、仕組みの上で成り立ちません。

  • C 成り立つ。ただし、金額が大きい人だけに限られるから

    金額の大小で、この関係が変わることはありません。

  • D 成り立たない。3つのうち2つも、同時には成り立たないから

    2つまでなら、組み合わせとして成り立ちます。

成り立ちません。高い見返りは、何かとの引き換えです。

わかるお金の基本★★★

同時には成り立たない3つ

  • 高い見返り
  • いつでも引き出せる
  • 元本が減らない

見返りの出どころは、待つことか、不確かさを引き受けることの2つでした。いつでも引き出せるなら待っていないし、元本が減らないなら不確かさも引き受けていない。両方とも手放していないのに高い見返りがあるなら、その出どころが説明できません。3つがそろうとうたうものを見たら、まず立ち止まります。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

ふつうより高い見返りをうたうものを見たとき、確かめる順序を正しく並べてください。

答え 見返りの出どころを聞く → 待つことか不確かさで説明できるか確かめる → 説明できなければ、いったん止まる

出どころを聞き、2つで説明できるか確かめ、できなければ止まります。

わかるお金の基本★★★
  1. 見返りの出どころを聞く
  2. 2つの出どころで説明できるか確かめる
  3. 説明できなければ、いったん止まる

高いこと自体は問題ではありません。問題は、なぜ高いのかが説明できないことです。だから最初にすることは、断ることでも申し込むことでもなく、聞くことです。答えが待つことか不確かさに結びつかないなら、その見返りは誰かの元手から出ているか、そもそも払われません。止まるのは、慎重さではなく手順です。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

それぞれの説明が、見返りについての見方として正しいかどうかを判定してください。

  • A 見返りが大きいものは、そのぶん待つか、不確かさを引き受けている 正解

    そのぶん、待つか不確かさを引き受けています。

  • B 見返りが大きいものほど、必ず得をする

    引き受けたものが裏目に出れば、損をすることもあります。

  • C 見返りが大きければ、元本が減る心配はない

    不確かさを引き受けている以上、減ることもあります。

  • D 見返りの大きさは、その会社の熱心さで決まる

    熱心さは、見返りの出どころにはなりません。

大きい見返りには、必ず引き換えているものがあります。

わかるお金の基本★★★

大きい見返りには、引き換えているものがある

見返りが大きいものほど、無条件に有利だと考える

見返りが大きいことは、良い知らせでも悪い知らせでもありません。「そのぶん何かを引き受けている」という事実を示しているだけです。引き受けているものが自分に合っていれば選べますし、合っていなければ選ばない。大事なのは、引き受けているものが何なのかを言葉にできることです。言葉にできれば、比べられます。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

見返りの出どころが説明できないものについて、正しい見方はどれですか。

  • A 説明できないなら、その見返りは誰かの元手から出ているか、そもそも払われない可能性がある 正解

    出どころが説明できないことが、そのまま危うさになります。

  • B 説明できなくても、実際に支払われていれば問題はない

    最初のうちは支払われるので、証明にはなりません。

  • C 説明できないものほど、有利な条件である

    説明できないことは、有利さの根拠になりません。

  • D 出どころは、利用者が知る必要のないことである

    どこから来るお金かは、判断に必要な情報です。

出どころが説明できないものは、いったん止まります。

見抜くお金の基本★★★★
高い見返り
  • 説明できる:待つこと・不確かさ
  • 説明できない:出どころが不明

お金は、どこかから来ています。事業の利益、貸し出しの利息、値上がり。どれかで説明できるはずです。説明されないまま高い見返りが約束されているとき、実際には後から入ってきた人のお金を配っているだけ、ということが起こりえます。最初のうちは実際に支払われるので、支払われていること自体は説明の代わりになりません。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

引き受けるものと、期待できる見返りの大きさを対応させてください。

答え いつでも引き出せる … 見返りはごく小さい/数年間、引き出さないと決める … そのぶん見返りが上乗せされる/値下がりの可能性を引き受ける … さらに大きな見返りがありうる

引き受けるものが増えるほど、見返りも大きくなります。

見抜くお金の基本★★★★
引き受けるもの見返り
いつでも引き出せるなしごく小さい
数年待つ時間上乗せされる
値下がりの可能性不確かさ大きくなりうる

3つは階段になっています。何も引き受けなければ見返りはごく小さく、待つことを引き受ければ上乗せされ、不確かさまで引き受ければさらに大きくなりうる。ただし最後の「ありうる」が大事で、大きくなることが約束されているわけではありません。引き受けた不確かさが裏目に出れば、元本が減ることもあります。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

100万円を、年0.02パーセントの普通預金に置く場合と、年0.2パーセントの定期預金に置く場合。1年で受け取る利息の差はいくらですか(税は考えません)。

答え 1800円

2,000円 − 200円 = 1,800円です。

見抜くお金の基本★★★★
  • 200円普通預金 0.02%
  • 2,000円定期預金 0.2%
  • 1,800円1年の差

普通預金は200円、定期預金は2,000円。差は1,800円です。1年間引き出さないという約束の値段が、1,800円だったことになります。この金額を見て「待つ価値がある」と思うか「1,800円のために縛られたくない」と思うかは人それぞれです。大事なのは、感覚ではなく金額で比べられるようになることです。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

「元本は保証され、しかも高い利回りが得られる」とうたうものを見たとき、まず考えるべきことは何ですか。

  • A 不確かさを引き受けていないのに高い見返りがある理由を、説明できるかどうか 正解

    引き受けていないのに高い、という点が説明を要します。

  • B 早く申し込まないと、枠が埋まってしまうかどうか

    急かされていること自体は、判断の材料になりません。

  • C 紹介してくれた人が、信頼できる人かどうか

    紹介者への信頼は、仕組みの説明にはなりません。

  • D すでに何人が申し込んでいるかどうか

    人数の多さは、出どころの説明になりません。

見返りの出どころを説明できるかどうかを、まず考えます。

見抜くお金の基本★★★★

引き受けていないのに高い理由を、説明できるか確かめる

急かされたので、確かめる前に決めてしまう

元本が保証されているなら、不確かさは引き受けていません。いつでも引き出せるなら、待ってもいません。それなのに高い見返りがあるなら、出どころが説明できません。急かす言葉、紹介者への信頼、申込者の人数。どれも出どころの説明にはなりません。判断の材料と、判断を急がせる材料は別のものです。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Uさんは「年10パーセントで、いつでも引き出せて、元本も保証される」という話を聞きました。

このときに確かめるべきことを、すべて選んでください。

答え その見返りが、どこから生まれるのかを説明してもらう/待つことか、不確かさの引き受けで説明できるか確かめる/元本が減る可能性があるかどうかを確かめる

出どころ、2つの説明、元本が減る可能性の3つです。

ケースお金の基本★★★★

うまい話を聞いたら

  • 見返りの出どころを説明してもらう
  • 待つことか不確かさで説明できるか
  • 元本が減る可能性はあるか

3つがそろうとうたわれている時点で、仕組みの上で成り立ちません。それでも確かめるのは、どこが事実と違うのかを自分ではっきりさせるためです。人への信頼や申込者の人数は、仕組みについて何も語りません。仕組みで確かめて、仕組みで判断する。人で判断すると、仕組みの穴が見えなくなります。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

Vさんは100万円を、1年間はまず使わないと考えています。普通預金なら年0.02パーセント、1年ものの定期預金なら年0.2パーセントです。

Vさんの判断として、適切な考え方はどれですか。

  • A 1年待つことの値段が約1,800円だと分かったうえで、途中で必要になる見込みと比べて決める 正解

    金額を出して、自分の見込みと比べます。

  • B 金利が高いのだから、迷わず定期預金にする

    途中で必要になる見込みを見ないまま決めています。

  • C 金額が小さいのだから、考えるだけ無駄なので普通預金のままにする

    金額が出れば、判断できる材料になります。

  • D 定期預金は引き出せないので、選んではいけない

    定期預金でも、解約はできます。

差の金額を出したうえで、必要になる見込みと比べます。

ケースお金の基本★★★★

1年もの定期にすると

メリット

  • 1年で約1,800円多く受け取れる
  • 元本は変わらず戻る

デメリット

  • 途中で必要になると利息が減る
  • その間は使う予定を立てにくい

1,800円という数字が出れば、比べられるようになります。1年の間に使う可能性がほとんどないなら、受け取らない理由はありません。逆に、途中で必要になりそうなら、中途解約で利息が減ることも見込んでおきます。どちらが正解ということはなく、自分の見込みと金額を並べて決めるという手順が正解です。

出典 金融広報中央委員会「知るぽると」 / 2026年8月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

見返りの数字を見たとき、いちばん先に確かめるべきことは何ですか。

  • A その見返りが、何を引き換えにして生まれているのか 正解

    引き換えを確かめてから、数字を比べます。

  • B その数字が、ほかより高いかどうか

    高さだけでは、引き換えているものが見えません。

  • C いつまでに申し込む必要があるか

    申込の期限は、判断を急がせる材料にすぎません。

  • D 最低いくらから始められるか

    最低金額は、条件を絞ったあとに見るものです。

何を引き換えにしているのかを、先に確かめます。

判断お金の基本★★★★
見返りの数字より先に何を引き換えにしているかを見ると比べられる形になる

引き換えを確かめてから、数字を比べる

数字の高さだけを比べると、引き換えているものの違いが見えません。同じ3パーセントでも、10年待つことで得られるものと、元本が半分になりうる不確かさで得られるものはまったく違います。先に引き換えを確かめ、そのうえで数字を比べる。この順番なら、比べられないものを比べずに済みます。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

この回で身につけた見方を、ひとことでいうと何になりますか。

  • A 見返りは、待つことか不確かさの引き受けから生まれる。説明できない高さは、いったん止まる 正解

    出どころを言葉にできるかで、判断します。

  • B 見返りは、高ければ高いほどよい

    高さの裏には、必ず引き換えているものがあります。

  • C 見返りのつくものには、手を出さないほうがよい

    引き換えが自分に合っていれば、選べます。

  • D 見返りの出どころは、利用者が知る必要はない

    どこから来るお金かは、判断に必要な情報です。

出どころは2つ。説明できない高さは、いったん止まります。

判断お金の基本★★★★★

見返りの出どころを、言葉にしてから決める

数字の高さだけを見て、決めてしまう

前回、使いにくさは費用だと見ました。今回は、その裏側に見返りがあることを見ました。同じ1つの関係を、両側から見ているだけです。だから「高い見返り・いつでも引き出せる・元本保証」は同時に成り立ちません。次回は、この2本の物差しを使って、自分のお金を使う時期ごとに分けるところまでを仕上げます。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

会員登録をすると、経験値と連続学習日数が記録され、間違えた問題だけをあとで解き直せます。

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