お金の土台を作る

年収1,000万円でも純資産100万円。お金持ちと言える?

ものさしを取り替えると、順位が入れ替わります。

このページの要点

内閣府は国民経済計算について、生産・分配・支出・資本蓄積といったフロー面と、資産・負債といったストック面から明らかにするとしています。記者公表資料もフロー編とストック編に分かれ、公表日は令和7年12月23日と令和8年1月20日です。年収10,000,000円・純資産1,000,000円のAさんと、年収4,000,000円・純資産12,000,000円のBさん。年収ではAさんが6,000,000円多く、純資産ではBさんが11,000,000円多くなります。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 所得とストックの違い
  2. 所得とストックの違い
  3. 所得とストックの違い

わかる 2 問

  1. 年収
  2. 純資産

見抜く 3 問

  1. 所得とストックの違い
  2. 年収
  3. 年収

ケースで考える 5 問

  1. 純資産
  2. 純資産
  3. 資産
  4. 資産
  5. 負債

判断する 2 問

  1. 年収
  2. 資産

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

国民経済計算は、生産、分配、支出、資本蓄積といった_面や、資産、負債といったストック面から明らかにするものです。

  • A ミクロ

    資料は「マクロの経済状況」と書いています。

  • B 価格

    価格の話ではありません。

  • C フロー 正解

    正解です。資産・負債の側と対になる言い方です。

  • D 予算

    予算でもありません。

資産・負債の側と対になる言い方です。

知るお金の土台を作る★★★
資料が挙げているもの
フロー面生産、分配、支出、資本蓄積
ストック面資産、負債

国民経済計算は、2008年に国連によって勧告された国際基準(2008SNA)に基づいている。

資料は「一国全体のマクロの経済状況を生産、分配、支出、資本蓄積といったフロー面や資産、負債といったストック面から体系的に明らかにすることを目的としている」としています。国という単位でも、通り過ぎる側と残っている側を分けて数えている、ということです。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

内閣府のページでは、記者公表資料がフロー編とストック編に分かれて置かれています。

それぞれ、どうなっていますか。

答え フロー面 … 生産、分配、支出、資本蓄積/ストック面 … 資産、負債/国民経済計算年次推計 フロー編 … 令和7年12月23日に公表/国民経済計算年次推計 ストック編 … 令和8年1月20日に公表

公表日も、ひと月近く離れています。

知るお金の土台を作る★★★★
フロー面 → 生産、分配、支出、資本蓄積ストック面 → 資産、負債記者公表資料(フロー編) → 令和7年12月23日記者公表資料(ストック編) → 令和8年1月20日

どちらの記者公表資料もPDFのため、中の数字はこの回では使わない。

同じ国民経済計算でも、フロー編とストック編は別々に公表されます。通り過ぎた額を数える作業と、残っている額を数える作業が別のものだからです。家計でも同じで、1年の収支を数えることと、いま持っているものを数えることは、別の作業になります。

出典 内閣府「国民経済計算(GDP統計)」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 資産や負債も、この統計の対象である 正解

    通ります。ストック面として挙げられています。

  • B この統計は、フロー面だけを対象としている

    ストック面も対象に含まれています。

  • C フロー編とストック編は、同じ日に公表されている

    公表日はひと月近く離れています。

  • D この統計は、日本が独自に定めた基準に基づいている

    国連が勧告した国際基準に基づいています。

ストック面として挙げられています。

知るお金の土台を作る★★★★

資料に書いてあること

  • 2008年に国連によって勧告された国際基準(2008SNA)に基づく
  • 一国全体のマクロの経済状況を対象とする
  • フロー面は、生産、分配、支出、資本蓄積
  • ストック面は、資産、負債
  • 記者公表資料はフロー編(令和7年12月23日)とストック編(令和8年1月20日)に分かれている

どちらの記者公表資料もPDF。

資料は「資産、負債といったストック面から体系的に明らかにする」としています。フロー面だけではありません。記者公表資料はフロー編が令和7年12月23日、ストック編が令和8年1月20日で、同じ日ではありません。また基準は「2008年に国連によって勧告された国際基準(2008SNA)」で、日本が独自に定めたものではありません。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

「年収1,000万円なのだから、Aさんはお金を持っている」と言われました。

いま残っている額で見ると、どうですか。

  • A 年収で決まる

    年収は、残っている額を教えてくれません。

  • B 残っている額は100万円 正解

    正解です。負債7,000,000円を引いた残りです。

  • C 借金は関係ない

    負債は、資産から引くものです。

  • D 資産の800万円だけを見る

    資産だけでは、負債が入っていません。

負債7,000,000円を引いた残りです。

わかるお金の土台を作る★★★

1年のあいだに通り過ぎた額

  • 年収 10,000,000円

いま残っている額

  • 資産 8,000,000円
  • 負債 7,000,000円
  • 純資産 1,000,000円

内閣府は国民経済計算を、フロー面とストック面の両方から明らかにするとしている。

年収10,000,000円は、1年のあいだに通り過ぎた額です。そのお金がいくら残ったかは、別の欄を見ないと分かりません。資産8,000,000円から負債7,000,000円を引くと1,000,000円。年収の高さと、いま残っている額は、それぞれ別の数字として並びます。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

収入が減って、支出をまかなえなくなりました。

その差を埋めるのは、どれですか。

  • A これまでの年収の高さ

    過去の年収は、いまの不足を埋めません。

  • B 積み上がった純資産 正解

    正解です。足りない分は、残っている額から出ます。

  • C 去年の源泉徴収票

    源泉徴収票は、記録であって残高ではありません。

  • D 勤務先の設立年

    設立年は関わりません。

足りない分は、残っている額から出ます。

わかるお金の土台を作る★★★
  • 250,000円Aさんの月あたりの不足
  • 1,000,000円(4か月分)Aさんの純資産
  • 3,000,000円Bさんの年間支出
  • 12,000,000円(4年分)Bさんの純資産

埋めるのはフローの側ではなく、ストックの側。

年収が高かったことは、いま足りない分を埋めてくれません。埋められるのは、それまでに残して積み上がった額です。この回では、Aさんの純資産1,000,000円で4か月分、Bさんの純資産12,000,000円なら収入が0でも4年分。フローの側がどれだけ大きかったかではなく、ストックの側にいくらあるかで決まります。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 国民経済計算は、フロー面とストック面の両方から明らかにする/ストック面にあたるのは、資産と負債である/記者公表資料は、フロー編とストック編で公表日が別である

二つの面は、別々に数えられています。

見抜くお金の土台を作る★★★★

年収の欄とは別に、資産と負債の欄を作って差を出す

年収の高さだけで、いまの状態を言い表す

年収ではAさんが6,000,000円多く、純資産ではBさんが11,000,000円多い。

フロー面とストック面の両方を対象にすること、ストック面が資産と負債であること、公表日が別であることは、いずれも資料やページの表記から確かめられます。一方、年収と純資産は別の欄なので、片方が高ければもう片方も多い、とは決まりません。基準は国連が勧告した2008SNAです。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

「年収が高いほうが、状態としては上だ」と考えました。

二人の数字では、どうなっていますか。

  • A 年収で判断できる

    年収だけでは決まりません。

  • B Aさんのほうが上

    純資産ではBさんのほうが多くなります。

  • C 純資産で見ると逆 正解

    正解です。年収と純資産で、順位が入れ替わります。

  • D 二人とも同じである

    同じではありません。11,000,000円の差があります。

年収と純資産で、順位が入れ替わります。

見抜くお金の土台を作る★★★★
  • Aさんの年収(円)
  • Bさんの年収(円)
  • Aさんの純資産(円)
  • Bさんの純資産(円)

上の二本と下の二本で、長いほうが入れ替わる。

年収はAさんが10,000,000円でBさんの2.5倍。純資産はBさんが12,000,000円でAさんの12倍です。さらに支出をまかなえる期間で見ると、Aさんは約1.3か月分、Bさんは4年分。どちらが上かは、どのものさしで測るかで変わります。一つの数字だけを見て決めることはできません。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

年収だけでは、いまの状態が分かりませんでした。

それは、なぜですか。

  • A 年収は1年で通り過ぎる額だから 正解

    正解です。入った額と、残った額は別です。

  • B 年収は毎年変わるから

    毎年変わることは、この回の理由ではありません。

  • C 年収には税金や社会保険料が含まれるから

    引かれるものがあることは本当ですが、それだけではありません。

  • D 年収は勤務先が決めるから

    誰が決めるかは、この話とは別です。

入った額と、残った額は別です。

見抜くお金の土台を作る★★★★
1年のあいだに入ってきた年収
  • 出ていった分(支出・返済など) → 残らない
  • 残った分 → 資産に積み上がる(負債を引いて純資産になる)

内閣府はフロー面とストック面を分けて数えている。フロー編とストック編は公表日も別。

年収は1年のあいだに入ってくる額で、そのうちいくら残ったかは書かれていません。Aさんは年収10,000,000円ですが、年間支出が9,000,000円あり、負債も7,000,000円あります。残ったのは1,000,000円。内閣府も、国という単位でフロー面とストック面を分けて数えています。同じ分け方が、一人の家計にも当てはまります。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Aさんの年収は10,000,000円です。資産は8,000,000円、負債は7,000,000円あります。

Aさんの純資産は、いくらですか。(単位:円)

答え 1000000円

8,000,000 − 7,000,000 で、1,000,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  • Aさんの年収(円)
  • Aさんの資産(円)
  • Aさんの負債(円)
  • Aさんの純資産(円)

金額はこの回で置いた例。年収は1年で入ってくる額、純資産はいま残っている額。

年収は10,000,000円ですが、それは1年のあいだに入ってくる額です。いま残っているものを見ると、資産8,000,000円から負債7,000,000円を引いて1,000,000円。年収の10分の1にあたります。年収の欄と純資産の欄は、まったく別の数字です。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

Bさんの年収は4,000,000円です。資産は15,000,000円、負債は3,000,000円あります。

Bさんの純資産は、いくらですか。(単位:円)

答え 12000000円

15,000,000 − 3,000,000 で、12,000,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  • 4,000,000円Bさんの年収
  • 15,000,000円Bさんの資産
  • 3,000,000円Bさんの負債
  • 12,000,000円Bさんの純資産

Aさんの純資産は1,000,000円。金額はこの回で置いた例。

Bさんの年収はAさんの4割ですが、純資産は12,000,000円。Aさんの1,000,000円の12倍です。年収という一つの数字だけでは、この差はまったく見えません。二人を並べるとき、どちらの欄を見るかで話が変わります。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

Aさんの純資産は1,000,000円、Bさんの純資産は12,000,000円です。年収はAさんが10,000,000円、Bさんが4,000,000円でした。

純資産では、Bさんのほうがいくら多いですか。(単位:円)

答え 11000000円

12,000,000 − 1,000,000 で、11,000,000円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  • 年収の差(Aさんが多い)(円)
  • 純資産の差(Bさんが多い)(円)

同じ二人。ものさしを取り替えると、多いほうが入れ替わる。

年収では、Aさんのほうが 10,000,000 − 4,000,000 = 6,000,000円多くなります。純資産では、Bさんのほうが11,000,000円多い。同じ二人を並べているのに、どちらの欄を見るかで多いほうが入れ替わります。片方の欄だけを見ているかぎり、この逆転には気づけません。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

Bさんの年間支出は3,000,000円です。純資産は12,000,000円あります。

Bさんの純資産は、年間支出の何年分ですか。

  • A 1年分

    3,000,000円の1年分では足りません。

  • B 2年分

    2年分でもありません。

  • C 3年分

    3年分でもありません。

  • D 4年分 正解

    正解です。12,000,000 ÷ 3,000,000 で、4年分です。

12,000,000 ÷ 3,000,000 で、4年分です。

ケースお金の土台を作る★★★
AさんBさん
年収10,000,000円4,000,000円
純資産1,000,000円12,000,000円
年間支出9,000,000円3,000,000円
純資産は年間支出の何年分約0.11年(約1.3か月)4年

金額はすべてこの回で置いた例。

Aさんの年間支出は9,000,000円で、純資産は1,000,000円。1,000,000 ÷ 9,000,000 = 0.11…年で、約1.3か月分にしかなりません。年収ではAさんのほうが2.5倍多いのに、支出をまかなえる期間で見るとBさんのほうがはるかに長くなります。年収も支出も、それぞれ大きさが違うからです。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

Aさんの年収が10,000,000円から6,000,000円に減りました。年間支出9,000,000円は変えないものとします。純資産は1,000,000円です。

不足分を純資産で埋めるとして、何か月もちますか。(単位:か月)

答え 4か月

月あたり250,000円足りず、4か月分です。

ケースお金の土台を作る★★★★★
  1. 年収 10,000,000 → 6,000,000円
  2. 年間の不足 9,000,000 − 6,000,000 = 3,000,000円
  3. 月あたりの不足 3,000,000 ÷ 12 = 250,000円
  4. 純資産で埋められる月数 1,000,000 ÷ 250,000 = 4か月

支出9,000,000円を変えない場合。Bさんは収入が0になっても純資産12,000,000円で4年分。

年間の不足は 9,000,000 − 6,000,000 = 3,000,000円。月あたりでは 3,000,000 ÷ 12 = 250,000円です。純資産1,000,000円を250,000円で割ると4か月。年収が減ったとき、そこを埋めるのは年収ではなく、それまでに残った額のほうです。Aさんの年収は減ったあとでもBさんの1.5倍ですが、支えられる期間は4か月です。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

誰かの年収を聞きました。

そこから分からないのは、どれでしょう。

  • A いま残っている額 正解

    正解です。別の欄を見ないと分かりません。

  • B 1年に入る額

    これは年収から分かります。

  • C 額面の大きさ

    これも年収から分かります。

  • D 1年分の収入

    これも年収そのものです。

別の欄を見ないと分かりません。

判断お金の土台を作る★★★

年収を聞いたら、資産と負債の欄も別に確かめる

年収の高さから、いま残っている額まで見当をつける

年収10,000,000円のAさんに残っていたのは1,000,000円だった。

年収から分かるのは、1年のあいだに入ってくる額だけです。そこからいくら出ていったのか、いくら残ったのか、借りているものがいくらあるのかは、年収の欄には書かれていません。この回では、年収10,000,000円のAさんに残っていたのは1,000,000円でした。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

自分の状態を書き出します。

並べておくのは、どれですか。

  • A 今年の年収の額だけ

    年収だけでは、残っている額が入りません。

  • B 勤続年数と役職

    勤続年数や役職も、残っている額とは別です。

  • C 賞与の支給月

    支給月も関わりません。

  • D 資産・負債・年収 正解

    正解です。一つの欄では、順位が決まりません。

一つの欄では、順位が決まりません。

判断お金の土台を作る★★★★

この回の二人(金額はすべてこの回で置いた例)

Aさん 年収
10,000,000円
Aさん 純資産
1,000,000円(資産8,000,000 − 負債7,000,000)
Bさん 年収
4,000,000円
Bさん 純資産
12,000,000円(資産15,000,000 − 負債3,000,000)
順位
年収ではAさんが上、純資産ではBさんが上

内閣府も、フロー面とストック面を分けて数えている。

この回では、年収で並べるとAさんが上、純資産で並べるとBさんが上でした。さらに支出をまかなえる期間で見ると、その差はもっと開きます。どのものさしを使うかで答えが変わるので、一つだけ書き出しても状態は決まりません。勤続年数も役職も支給月も、残っている額を教えてくれません。

出典 内閣府「国民経済計算年次推計 統計の目的」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

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