お金の基本

現金・預金・電子マネーの違い

形が違っても、お金の3つの役割は同じです。違うのは、誰が発行しているか、記録が残るか、失ったときに取り戻せるか。この違いが選び分けの基準になります。

このページの要点

現金・預金・電子マネーは役割こそ同じだが、発行元・記録・保護の3点が違う。とくに電子マネーの残高は預金保険の対象ではなく、保全は未使用残高の半額以上にとどまる。

最終更新 2026年8月31日 / 全 15 問 ・知る 4 ・わかる 3 ・見抜く 4 ・ケースで考える 2 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 4 問

  1. お金の形
  2. 預金
  3. 前払い式
  4. 発行元

わかる 3 問

  1. チャージ残高
  2. 使った記録
  3. 形の選び方

見抜く 4 問

  1. 発行保証金
  2. 紛失時の扱い
  3. 通用する範囲
  4. 一本化のリスク

ケースで考える 2 問

  1. 形ごとの特徴
  2. 発行会社の破綻

判断する 2 問

  1. 使い分けの基準
  2. 形による違い

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

現金・預金・電子マネーの関係について、正しい説明はどれですか。

  • A 形は違うが、交換の手段・価値の尺度・価値の保存という役割は共通している 正解

    役割は共通で、違うのは発行元や保護の扱いです。

  • B 電子マネーだけは、お金の役割を持たない

    電子マネーも支払いに使え、残高としてとっておけます。

  • C 預金は記録にすぎず、支払いには使えない

    預金は口座振替やカードを通じて支払いに使えます。

  • D 3つはそれぞれ別の役割を1つずつ担っている

    3つとも、3つの役割をすべて備えています。

形が違うだけで、果たしている役割は3つとも同じです。

知るお金の基本★★

お金

  • 現金
  • 預金
  • 電子マネー

どれも支払いに使え、円という単位で表され、あとで使うためにとっておけます。役割の面では違いがありません。違うのは、誰が発行しているか、使った記録が残るか、失ったときにどうなるか、といった扱いの部分です。役割が同じだからこそ、違いは扱いのほうにあると分かります。

出典 日本銀行「教えて!にちぎん」 / 2026年8月時点の情報

次の説明は、預金について正しいですか。

  • A 銀行にお金を預け、返してもらう権利を持っている状態である 正解

    返してもらう権利を持っている、というのが預金の実体です。

  • B 銀行の金庫に、自分のお金がそのまま保管されている状態である

    預けたお金がそのまま保管されているわけではありません。

  • C 銀行から借りているお金のことである

    借りているのは銀行のほうで、預金者は貸している側です。

  • D 預けた時点で、そのお金の所有権は完全に失われる

    返してもらう権利は残ります。

預金は、銀行に対して返してもらう権利を持っている状態です。

知るお金の基本★★★
預金者銀行返してもらう権利

預金は銀行への貸しにあたる

預けたお金は金庫に置かれたままではなく、銀行が貸し出しなどに使います。預金者が持っているのは、必要なときに返してもらう権利です。だから銀行が破綻すると、その権利がどこまで守られるかという話になり、預金保険という制度が出てきます。現金を手元に持つのとは、構造がまったく違います。

出典 預金保険機構 / 2026年8月時点の情報

あらかじめ入金しておき、その残高から支払う仕組みを__支払手段といいます。

  • A 前払い式 正解

    先に入金してから使う仕組みのことです。

  • B 後払い式

    後払いは、先に商品を受け取り、あとから代金を払う仕組みです。

  • C 即時払い式

    即時払いは、その場で口座から引き落とされる仕組みです。

  • D 分割払い式

    分割払いは、代金を複数回に分けて払う方法です。

先に入金し、その残高から支払う仕組みを前払い式支払手段といいます。

知るお金の基本★★
  1. チャージ先にお金を渡す
  2. 買い物残高から引かれる

チャージ式の電子マネーや商品券がこれにあたります。先にお金を渡しているため、発行した会社に対して「あとで使わせてもらう権利」を持っている状態です。この点が、その場で現金を渡す取引とも、あとで払う後払いとも違います。先に渡している以上、発行元が倒れたときの扱いを知っておく必要があります。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

それぞれの説明が、お金の発行元について正しいかどうかを判定してください。

  • A 紙幣は日本銀行、硬貨は政府、電子マネーは民間の会社が発行している 正解

    発行元は3つとも異なります。

  • B 現金も電子マネーも、すべて日本銀行が発行している

    日本銀行が発行するのは紙幣です。硬貨や電子マネーは違います。

  • C 電子マネーは、国が発行と価値を保証している

    電子マネーの価値を国が保証しているわけではありません。

  • D 預金は、預金者自身が発行しているものである

    預金は銀行に預けたことで生じる権利で、預金者が発行するものではありません。

紙幣は日本銀行、硬貨は政府、電子マネーは民間の会社が発行します。

知るお金の基本★★★
現金電子マネー
発行日本銀行・政府民間の会社
支えるもの法律による通用力発行会社の信用

発行元が違えば、後ろにある信用も違います。紙幣と硬貨には法律で通用力が定められていますが、電子マネーの残高を支えているのは発行した会社の信用です。だから、その会社が倒れたときにどうなるかを考える必要が出てきます。同じ「お金」という言葉でも、誰が支えているかは同じではありません。

出典 日本銀行「教えて!にちぎん」 / 2026年8月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

電子マネーに5,000円をチャージし、1,280円と2,450円の買い物をしました。残高はいくらですか。

答え 1270円

5,000 − 1,280 − 2,450 = 1,270円です。

わかるお金の基本★★
5,000円3,730円1,270円

使った分だけ残高が減る

前払い式では、使うたびに残高が減っていきます。残高が足りなければ、その場で支払いはできません。この「先に入れた分しか使えない」という性質が、使いすぎを防ぐ側面にもなります。一方で、必要なときに残高が足りないと払えないという不便さも同時に生みます。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

使った記録が自動的に残らないのは、次のうちどれですか。

  • A 現金 正解

    手渡した時点で終わるため、記録は残りません。

  • B 預金からの引き落とし

    引き落としの履歴が通帳や明細に残ります。

  • C 電子マネーでの支払い

    利用履歴が残ります。

  • D クレジットカードでの支払い

    利用明細が残ります。

現金だけは、使った記録が自動では残りません。

わかるお金の基本★★

記録が残る

  • 預金
  • 電子マネー
  • カード

残らない

  • 現金

預金・電子マネー・カードは、いつ・いくら使ったかが履歴として残ります。現金は渡した時点で終わるため、自分で記録しない限り何も残りません。家計を振り返るときには、この差が効いてきます。逆に、記録を残したくない場面では現金が選ばれます。どちらが良いかではなく、性質の違いです。

出典 日本銀行「教えて!にちぎん」 / 2026年8月時点の情報

お金をどの形で持つかを決めるとき、正しい手順に並べてください。

答え 何に使うお金かを決める → その場面で使えるかを確かめる → 失ったときにどうなるかを確かめる

用途を決め、使えるか確かめ、失ったときの扱いまで見ます。

わかるお金の基本★★
  1. 何に使うお金かを決める
  2. その場面で使えるかを確かめる
  3. 失ったときにどうなるかを確かめる

還元率から入ると、使えない場面や、失ったときに戻らない性質を見落とします。まず何に使うのかが決まれば、その場面で通用するかが決まります。そのうえで、なくしたときにどうなるかまで見る。順番を守ると、確認漏れが起きにくくなります。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

前払い式支払手段(チャージ式の電子マネーなど)の未使用残高について、発行会社に課されている保全の義務はどれですか。

  • A 基準日の未使用残高の2分の1以上を、供託などの方法で保全する 正解

    2分の1以上という水準が定められています。

  • B 未使用残高の全額を、必ず供託して保全する

    全額の保全までは求められていません。

  • C 保全の義務はなく、発行会社の判断に任されている

    法律による保全の義務があります。

  • D 預金保険によって、1,000万円まで保護される

    電子マネーの残高は、預金保険の対象ではありません。

未使用残高の2分の1以上の保全が義務づけられています。全額ではありません。

見抜くお金の基本★★★★★
  • 未使用残高全額
  • 保全の義務2分の1以上

資金決済に関する法律により、前払い式支払手段の発行者は、基準日の未使用残高が一定額を超える場合、その2分の1以上を供託などの方法で保全しなければなりません。**全額ではない**というのがここでの要点です。預金保険とは別の制度であり、守られる範囲も違います。チャージした金額がそのまま守られていると考えるのは正確ではありません。

出典 資金決済に関する法律 第14条(発行保証金の供託) / 2026年8月時点の情報

次の説明は、お金を失ったときの扱いについて正しいですか。

  • A 現金は落とすと戻らないことが多いが、預金は記録があるため状況が異なる 正解

    記録と本人の結びつきがあるかどうかで、扱いが変わります。

  • B どの形でも、失えば同じように戻らない

    形によって扱いは異なります。

  • C 現金は届け出れば必ず全額が戻る

    拾得物として届く場合もありますが、必ず戻るわけではありません。

  • D 電子マネーは、どのサービスでも必ず再発行できる

    サービスによって扱いが異なり、無記名式では戻らないことがあります。

現金は戻らないことが多く、預金は記録があるため扱いが異なります。

見抜くお金の基本★★★
現金預金
落としたとき戻らないことが多い残高は消えない
本人との結びつきなし口座で結びつく

現金は誰のものかを示すものが無いため、落とせば戻らないことが少なくありません。預金は口座と本人が結びついているため、通帳やカードを失っても残高そのものが消えるわけではありません。電子マネーは、記名式で本人確認ができるものは残高を引き継げる場合がありますが、無記名式では戻らないことがあります。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

電子マネーと現金の、使える範囲の違いとして正しいものはどれですか。

  • A 電子マネーは対応している店でしか使えないが、現金は原則どこでも使える 正解

    通用力の有無が、使える範囲の差になっています。

  • B 電子マネーのほうが、現金より広い範囲で使える

    対応店に限られる以上、現金より広くはなりません。

  • C どちらも使える範囲に違いはない

    通用力の有無という、はっきりした違いがあります。

  • D 現金は店ごとに受け取りを断れる

    現金による支払いは、原則として断れません。

電子マネーは対応している店に限られ、現金は原則どこでも使えます。

見抜くお金の基本★★★
電子マネー
  • 対応している店では使える
  • 対応していない店では使えない

現金には法律で通用力が定められているため、支払いとして受け取りを原則として断れません。電子マネーにはその力がなく、発行会社と契約している店でしか使えません。便利さは使える場所の広さとは別で、対応していない場面では手も足も出なくなります。使える範囲は、その支払い手段を支えているものの違いから来ています。

出典 日本銀行「教えて!にちぎん」 / 2026年8月時点の情報

支払い手段を1つの電子マネーだけに絞ることの問題点はどれですか。

  • A 通信・電源・発行会社の障害のいずれかが起きると、支払う手段が無くなる 正解

    止まる原因が複数あるのに、代わりが無い状態になります。

  • B 複数持つより手数料が高くなる

    手数料が上がるという性質はありません。

  • C 残高の上限が下がる

    上限は絞ったかどうかで変わるものではありません。

  • D 記録が残らなくなる

    記録は残ります。問題は使えなくなることです。

1つに絞ると、それが止まったときに払う手段が無くなります。

見抜くお金の基本★★★★

1つに寄せると起きること

  • 通信が止まると払えない
  • 電源が切れると払えない
  • 発行会社の障害で止まる

電子マネーは、通信・端末の電源・発行会社のシステムの3つがそろって動きます。どれか1つが止まれば使えません。1つの手段に寄せていると、その瞬間に支払う方法が無くなります。少額の現金や別の手段を併せて持っておくことは、便利さを捨てることではなく、止まったときの逃げ道を残すことです。

出典 日本銀行「教えて!にちぎん」 / 2026年8月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Jさんは、財布の中の現金、銀行口座の残高、スマートフォンの電子マネーの3つを持っています。

それぞれの形と、その特徴を対応させてください。

答え 現金 … どこでも使えるが記録は残らない/預金 … 記録が残り、預金保険の対象になる/電子マネー … 素早く払えるが使える店が限られる

通用する範囲・記録・保護のされ方が、3つで違います。

ケースお金の基本★★★
特徴
現金どこでも使えるが記録なし
預金記録あり・預金保険の対象
電子マネー素早いが使える店が限られる

現金はどこでも使えますが、落とせば戻らず記録も残りません。預金は記録が残り、預金保険という制度の対象になります。電子マネーは素早く払える一方、使える店が限られ、預金保険の対象ではありません。3つを併せて持っているのは、それぞれの弱点を互いに補うためだと考えると整理しやすくなります。

出典 預金保険機構 / 2026年8月時点の情報

Iさんはチャージ式の電子マネーに3万円の残高を持っていました。ある日、その発行会社が破綻しました。

この残高について、最も適切な説明はどれですか。

  • A 発行保証金からの還付手続きがあるが、全額が戻るとは限らない 正解

    保全は2分の1以上であり、全額ではありません。

  • B 預金保険によって、1,000万円まで必ず保護される

    電子マネーの残高は、預金保険の対象ではありません。

  • C 発行会社が破綻しても、残高は影響を受けない

    発行会社の信用に支えられている以上、影響を受けます。

  • D 残高は国が全額を肩代わりして払い戻す

    国が肩代わりする仕組みはありません。

還付の手続きはありますが、全額が戻る保証はありません。

ケースお金の基本★★★★★

Iさん

残高
電子マネーに3万円
発行会社
破綻
保全
未使用残高の2分の1以上
戻る額
全額とは限らない

前払い式支払手段の発行者は、未使用残高の2分の1以上を保全する義務を負っています。破綻した場合は、その保全された資金から権利者へ還付する手続きが行われます。ただし保全は全額ではなく、手続きにも時間がかかります。預金保険とは別の制度であり、守られる範囲が違うことを知らないまま多額をチャージしておくのは危険です。

出典 資金決済に関する法律 第14条(発行保証金の供託) / 2026年8月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

お金をどの形で持つかを決めるとき、確認すべきことをすべて選んでください。

答え その場面で実際に使えるか/失ったときに取り戻せるか/発行元が倒れたときにどこまで戻るか

使えるか、失ったときどうなるか、発行元が倒れたときどうなるか、の3つです。

判断お金の基本★★★★

形を選ぶとき

  • その場面で実際に使えるか
  • 失ったときに取り戻せるか
  • 発行元が倒れたときにどこまで戻るか

このレッスンで見てきた違いが、そのまま確認項目になります。使える範囲は発行元の性質で決まり、失ったときの扱いは記録と本人の結びつきで決まり、破綻時の扱いは制度で決まります。使いやすさは大切ですが、この3つを満たしたうえで比べる話です。順番を逆にすると、いざというときに困る側を選んでしまいます。

出典 金融庁 / 2026年8月時点の情報

「現金でも電子マネーでも、どれも同じお金だ」という考え方について、最も適切な理解はどれですか。

  • A 役割は同じだが、使える範囲・記録・保護のされ方が違うので、分けて持つ意味がある 正解

    同じ役割を果たしながら、扱いだけが違うという整理です。

  • B まったく同じものなので、どれか1つに絞ってよい

    1つに絞ると、その手段が止まったときに払えなくなります。

  • C 役割も扱いもすべて違うので、比べる意味がない

    役割の面では共通しています。

  • D 電子マネーはお金ではないので、同じには扱えない

    電子マネーも支払いに使え、とっておける以上、お金の役割を果たしています。

役割は同じでも、扱いが違います。だから分けて持つ意味があります。

判断お金の基本★★★★

役割は同じ。使える範囲・記録・保護が違う

どれも同じお金なので、違いはない

交換の手段・価値の尺度・価値の保存という点では、3つに違いはありません。だからこそ「同じお金」と感じます。しかし使える範囲は通用力の有無で決まり、失ったときの扱いは記録の有無で決まり、破綻時の扱いは制度で決まります。役割が同じだからといって、置き換えがきくわけではない。ここが、この5回で積み上げてきたことの結論にあたります。

出典 日本銀行「教えて!にちぎん」 / 2026年8月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

会員登録をすると、経験値と連続学習日数が記録され、間違えた問題だけをあとで解き直せます。

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