お金の土台を作る

4月だけ30万円の赤字。家計は本当に赤字?

切り取る期間を変えると、同じ家計が赤字にも黒字にもなります。

このページの要点

統計局の家計調査報告は、同じ月の消費支出について前年同月比と前月比(季節調整値)を並べて出しています。2026年は4月が▲0.5%と+1.5%、5月が▲0.4%と+3.5%、7月が▲3.6%と+0.5%で、4か月のうち3か月は二つの比べ方が逆を向いています。家計も同じで、4月だけ300,000円の赤字でも、通常月10か月の200,000円と7月の賞与460,000円を足せば年間は+360,000円。月あたりにならせば30,000円になります。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 前月比
  2. 季節調整値
  3. 家計調査報告

わかる 2 問

  1. 年間収支
  2. 前月比

見抜く 3 問

  1. 家計調査報告
  2. 年間収支
  3. 前年同月比

ケースで考える 5 問

  1. 月別変動
  2. 年間収支
  3. 年間収支
  4. 前月比
  5. 消費支出

判断する 2 問

  1. 年間収支
  2. 前年同月比

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

統計局は、二人以上の世帯の消費支出(実質)について、前年同月比と前月比(季節調整値)を並べて出しています。

それぞれ、どの数字ですか。

答え 2026年4月 … 前年同月比 ▲0.5%/前月比 +1.5%/2026年5月 … 前年同月比 ▲0.4%/前月比 +3.5%/2026年6月 … 前年同月比 ▲3.3%/前月比 ▲6.3%/2026年7月 … 前年同月比 ▲3.6%/前月比 +0.5%

一つだけ、二つとも同じ向きの月があります。

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前年同月比前月比(季節調整値)向き
2026年4月▲0.5%+1.5%
2026年5月▲0.4%+3.5%
2026年6月▲3.3%▲6.3%同じ
2026年7月▲3.6%+0.5%

二人以上の世帯の消費支出(実質)。4月・5月・6月は遡及改定した値。

4月・5月・7月は、前年同月比がマイナスなのに前月比はプラスで、向きが逆です。6月だけが二つともマイナスでした。同じ月の同じ支出でも、去年の同じ月と比べるか、先月と比べるかで、増えたとも減ったとも読めます。なお4月・5月・6月は、消費者物価指数の2025年基準改定に伴って遡及改定された値だと注記されています。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

資料の月次の欄で、【 】の中に書かれているのは_です。

  • A 前年同月比

    前年同月比は、かっこの外のほうです。

  • B 年平均の前年比

    年平均の前年比は、別の欄にあります。

  • C 前月比(季節調整値) 正解

    正解です。先月と比べた数字のほうです。

  • D 前年同期比(季節調整値)

    前年同期比という欄は、この表にありません。

先月と比べた数字のほうです。

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月次の欄
  • かっこの外 → 前年同月比
  • かっこの中【 】→ 前月比(季節調整値)

どちらも同じ月について出されている。

資料の見出しは「月次(前年同月比、【 】内は前月比(季節調整値) %)」となっています。かっこの外が去年の同じ月と比べた数字、中が先月と比べた数字です。どちらも同じ月について出されているので、どちらを見ているかを取り違えると、増えたのか減ったのかが逆になります。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 消費支出と実収入は、対象としている世帯が違う 正解

    通ります。片方は勤労者世帯に限っています。

  • B 前年同月比と前月比は、いつも同じ向きに動く

    4月・5月・7月は、逆を向いています。

  • C 2025年平均の実収入は、実質でも増加している

    名目は増加ですが、実質は減少です。

  • D 季節調整値は、年平均の前年比にも使われている

    季節調整値は、月次の欄に付いています。

片方は勤労者世帯に限っています。

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資料に書いてあること

  • 消費支出(二人以上の世帯)2026年7月 301,245円
  • 勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)2026年7月 689,476円
  • 2025年平均の実収入 名目 +2.8%/実質(帰属家賃除く総合)▲0.9%
  • 2025年平均の消費支出 名目 +4.6%/実質 +0.9%

対象が違う数字どうしを引き算しない。

資料は消費支出を「二人以上の世帯」、実収入を「勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)」として出しています。対象が違うので、689,476円から301,245円を引くような計算はできません。前年同月比と前月比は、2026年の4月・5月・7月で逆を向いています。2025年平均の実収入は名目2.8%の増加ですが、実質では0.9%の減少です。季節調整値は月次の欄に付いています。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

4月は、税金と保険と学校関連費が重なって300,000円の赤字でした。7月には賞与で460,000円の黒字があります。

4月だけを見て、この家計は赤字と言えますか。

  • A 赤字と言える

    4月だけを切り取った結果です。

  • B 言えない 正解

    正解です。年間では360,000円の黒字になります。

  • C 判断は12月まで待つ

    12か月分の見込みがあれば、その前でも出せます。

  • D 賞与がなければ赤字

    賞与を除く話ではなく、期間の切り取り方の話です。

年間では360,000円の黒字になります。

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  • 4月だけ見たとき(円)
  • 年間を足したとき(円)

200,000 − 300,000 + 460,000 = 360,000。金額はこの回で置いた例。

200,000 − 300,000 + 460,000 = 360,000円。4月だけを切り取れば300,000円の赤字ですが、12か月を足せば360,000円の黒字です。同じ家計が、切り取る期間で赤字にも黒字にもなります。統計局の家計調査報告も、同じ月について前年同月比と前月比を並べていて、二つが逆を向くことがあります。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

資料では、2026年5月の消費支出(実質)は前年同月比▲0.4%、前月比(季節調整値)+3.5%でした。

この月は、増えたのですか、減ったのですか。

  • A 増えた

    前月比だけを見れば、増えています。

  • B 減った

    前年同月比だけを見れば、減っています。

  • C 資料からは読み取れない

    二つとも資料に書かれています。

  • D 比べる相手で変わる 正解

    正解です。去年の5月と比べるか、4月と比べるかです。

去年の5月と比べるか、4月と比べるかです。

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  • 前年同月比(%)
  • 前月比(季節調整値、%)

2026年5月の消費支出(実質)。どちらも同じ月について出された数字。

去年の5月と比べれば0.4%減っていて、先月(4月)と比べれば3.5%増えています。どちらも同じ月の同じ支出について出された数字です。だから「増えた」「減った」だけを聞いても、何と比べたのかが分からなければ意味が決まりません。2026年の4月・5月・7月は、いずれも二つが逆を向いています。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 同じ月について、二つの比べ方の数字が並べて出されている/名目と実質で、増減の向きが逆になることがある/2026年4月・5月・6月は、遡及改定された値である

同じ月でも、比べ方で向きが変わります。

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数字を見たら、何と比べたものかを先に確かめる

増えた・減ったという言葉だけで、向きを決める

2026年は4か月のうち3か月で、二つの比べ方が逆を向いていた。

二つの比べ方が並んでいること、名目と実質で向きが逆になること、4月から6月が遡及改定された値であることは、いずれも資料に書かれています。一方、2026年4月・5月・7月は前月比がプラスでも前年同月比はマイナスでした。消費支出は二人以上の世帯、実収入は勤労者世帯(二人以上の世帯)で、対象が違います。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

「1か月の収支を見れば、その家計が回っているかどうか分かる」と考えました。

この考え方は、どうですか。

  • A 1か月で分かる

    1か月では決まりません。

  • B 赤字なら赤字

    4月が赤字でも、年間は黒字でした。

  • C 期間で変わる 正解

    正しい見方です。4月は赤字、年間は黒字でした。

  • D 月次のほうが正しい

    どちらが正しいという話ではありません。

4月は赤字、年間は黒字でした。

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4月だけを切り取る

  • −300,000円
  • 赤字に見える

12か月を足す

  • 通常月 +200,000円
  • 4月 −300,000円
  • 7月 +460,000円
  • 合計 +360,000円

どちらかが誤っているのではなく、切り取った範囲が違う。

同じ家計が、4月だけを切り取れば300,000円の赤字、12か月を足せば360,000円の黒字です。統計局の数字も、同じ月について前年同月比と前月比で逆の向きが出ています。どちらかが誤っているのではなく、どこを切り取ったかが違うだけです。だから、何をどの期間で見た数字なのかが分からないと、判断できません。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

資料は、月次の欄でまず前年同月比を出しています。

この比べ方には、どんな利点がありますか。

  • A 計算がいちばん簡単

    計算の簡単さで選ばれているわけではありません。

  • B 同じ月どうしで比べられる 正解

    正解です。毎年くり返す上下を、そろえられます。

  • C 数字が大きく出る

    数字の大きさで選ぶものではありません。

  • D 発表が早くなる

    発表の早さとは関わりません。

毎年くり返す上下を、そろえられます。

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メリット

  • 去年の同じ月と比べるので、毎年くり返す上下がそろう
  • 二つ並べれば、短い動きと1年の動きの両方が見える

デメリット

  • 去年の同じ月が特殊だと、その影響が残る
  • 先月と比べるほうは、季節調整をしないと月ごとの上下が出る

資料は、前年同月比と前月比(季節調整値)を並べて出している。

去年の同じ月と比べれば、その月に特有の出来事は両方に入るので、そろった条件で比べられます。先月と比べるほうは、月ごとの上下がそのまま出てしまうため、資料では季節調整値を使っています。どちらが正しいというより、そろえ方が違います。だから二つを並べて出しているということになります。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

1年のうち、4月と7月を除く10か月は、どの月も20,000円の黒字でした。

この10か月を足すと、いくらですか。(単位:円)

答え 200000円

20,000 × 10 で、200,000円です。

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  • +20,000円/月通常月の収支
  • 10か月通常月の数
  • +200,000円合計

4月と7月は、このあと別に足す。金額はこの回で置いた例。

まず、凹凸のない月だけを足します。ここに4月の赤字と7月の賞与を足していくと、年間の合計になります。1か月ずつ見ていると、大きく動いた月だけが記憶に残りますが、動かなかった月にも同じ重みがあります。金額は、この回で置いた例です。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

通常月10か月で200,000円、4月が−300,000円、7月が+460,000円でした。

年間の合計は、いくらですか。(単位:円)

答え 360000円

200,000 − 300,000 + 460,000 で、360,000円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  1. 通常月10か月 +200,000円
  2. 4月 −300,000円 → ここまでで −100,000円
  3. 7月 +460,000円
  4. 年間の合計 +360,000円

途中で手を止めると、赤字に見える。

足す順番は変わっても答えは同じですが、途中で −100,000円になります。そこで手を止めると赤字に見えます。12か月ぶんを最後まで足して、はじめて360,000円という答えが出ます。符号の混ざった数は、途中経過ではなく全部足し終えた結果で見ることになります。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

年間の合計は360,000円でした。

月あたりにならすと、いくらですか。(単位:円)

答え 30000円

360,000 ÷ 12 で、30,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  • ならした月あたり(円)
  • 通常月の実際(円)

どの月もならした額にはならない。4月は−300,000円、7月は+460,000円。

ならせば月30,000円の黒字です。実際には20,000円の月が10回、−300,000円の月が1回、460,000円の月が1回で、どの月も30,000円ではありません。ならした数字は、年間でどれだけ残るかを見るためのもので、その月に手元にいくらあるかとは別です。統計局の季節調整値も、月ごとの上下をならして比べるための数字です。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

資料の2026年4月から7月で、前年同月比と前月比(季節調整値)が同じ向きだった月があります。

それは、どの月ですか。

  • A 4月

    4月は▲0.5%と+1.5%で、逆向きです。

  • B 6月 正解

    正解です。二つとも大きなマイナスでした。

  • C 5月

    5月は▲0.4%と+3.5%で、逆向きです。

  • D 7月

    7月は▲3.6%と+0.5%で、逆向きです。

二つとも大きなマイナスでした。

ケースお金の土台を作る★★★
前年同月比前月比(季節調整値)
2026年4月▲0.5%+1.5%
2026年5月▲0.4%+3.5%
2026年6月▲3.3%▲6.3%
2026年7月▲3.6%+0.5%

二人以上の世帯の消費支出(実質)。4月・5月・6月は遡及改定した値。

6月は前年同月比▲3.3%、前月比▲6.3%で、二つともマイナスです。4月は▲0.5%と+1.5%、5月は▲0.4%と+3.5%、7月は▲3.6%と+0.5%で、いずれも逆を向いています。4か月のうち3か月で向きが分かれるので、片方だけを見て動きを決めると読み違えます。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

二人以上の世帯の消費支出は、2025年平均が1世帯当たり314,001円、2026年7月分が301,245円でした。

差はいくらですか。(単位:円)

答え 12756円

314,001 − 301,245 で、12,756円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  • 314,001円2025年平均(1世帯当たり)
  • 301,245円2026年7月分(1世帯当たり)
  • 12,756円

年平均は12か月をならした数字、7月分はその月だけの数字。

年平均と1か月分を並べた引き算です。ただし年平均は12か月をならした数字、7月分はその月だけの数字なので、この差がそのまま「減った額」を表すわけではありません。並べる前に、何をならした数字なのかを見ておくことになります。どちらも1世帯当たりの平均値です。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

ある月だけ大きな赤字になりました。

確かめておくのは、どれでしょう。

  • A 通帳の見開きの幅

    通帳の幅は、収支と関わりません。

  • B ほかの11か月の収支 正解

    正解です。足し終えるまで、答えは出ません。

  • C 記帳した曜日

    曜日も、関わりません。

  • D 明細の行の高さ

    行の高さも、関わりません。

足し終えるまで、答えは出ません。

判断お金の土台を作る★★★

12か月を並べて、最後まで足してから判断する

大きく動いた1か月だけを見て、家計を決める

途中で止めると −100,000円。最後まで足すと +360,000円。

4月に300,000円の赤字が出ても、通常月10か月で200,000円、7月の賞与で460,000円あれば、年間は360,000円の黒字です。12か月を足し終えるまで、赤字か黒字かは決まりません。通帳の幅も、記帳した曜日も、行の高さも、その合計を教えてくれません。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

「消費支出が減った」という説明を読みました。

先に決めておくのは、どれですか。

  • A 数字の書体の種類

    書体は、向きと関わりません。

  • B 発表された時刻

    時刻も、関わりません。

  • C 小数点以下の桁数

    桁数も、関わりません。

  • D 何と比べるか 正解

    正解です。同じ月でも、向きが逆になります。

同じ月でも、向きが逆になります。

判断お金の土台を作る★★★★
去年の同じ月と比べる → 前年同月比先月と比べる → 前月比(季節調整値)物価で割り直す前 → 名目物価で割り直したあと → 実質

2025年平均の実収入は、名目 +2.8%、実質(帰属家賃除く総合)▲0.9%。

資料の2026年5月は、前年同月比では0.4%の減少、前月比(季節調整値)では3.5%の増加でした。同じ月の同じ支出です。何と比べた数字かが決まらなければ、増えたのか減ったのかも決まりません。書体も、時刻も、桁数も、その区別を教えてくれません。名目か実質かも、同じように先に決めることになります。

出典 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

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