お金の土台を作る

切り捨てたのに、毎月払う額が増えた

端数を落とすと期間が短くなり、そのぶん1回あたりが上がります。

このページの要点

日本学生支援機構の貸与奨学金には、利子の付かない第一種奨学金と、利子の付く第二種奨学金があります。定額返還方式の月賦返還では、貸与総額を「奨学金返還年数算出表」に定める割賦金の基礎額で割って得た返還年数(小数点以下切り捨て)を12倍した回数で返還します。たとえば毎月2万円を48か月借りた場合、貸与総額96万円に対する基礎額は9万円で、96万÷9万=10.666…を切り捨てて10年、120回となり、1回あたりは8,000円です。減額返還や繰上返還などの制度も用意されています。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 返還年数
  2. 割賦金の基礎額
  3. 貸与奨学金の返還

わかる 2 問

  1. 貸与奨学金
  2. 返還年数

見抜く 3 問

  1. 貸与奨学金の返還
  2. 返還年数
  3. 減額返還制度

ケースで考える 5 問

  1. 貸与奨学金の返還
  2. 返還回数
  3. 貸与奨学金の返還
  4. 返還回数
  5. 返還回数

判断する 2 問

  1. 貸与奨学金
  2. 返還回数

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

返還年数は、貸与総額を割賦金の基礎額で割って得た数の、小数点以下を_ます。

  • A 切り上げ

    切り上げではありません。

  • B 切り捨て 正解

    正解です。端数は落とされ、年数は短くなります。

  • C 四捨五入

    四捨五入でもありません。

  • D そのまま使い

    端数はそのままにはしません。

端数は落とされ、年数は短くなります。

知るお金の土台を作る★★★
割って得た返還年数(例:10.666…)
  • 小数点以下を切り捨てる → 10年
  • 10年 × 12 = 120回

切り上げでも四捨五入でもない。

資料は「貸与総額(借用金額)を『奨学金返還年数算出表』に定める割賦金の基礎額で割って得た返還年数(小数点以下切り捨て)の12倍した回数となります」としています。10.666…年なら10年です。端数を落とすので返還年数は短くなり、そのぶん1回あたりの返還額は増えます。切り上げでも四捨五入でもないところが、この計算の効きどころです。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

奨学金返還年数算出表の一部です。

それぞれの区分の、割賦金の基礎額はいくらですか。

答え 700,001円~900,000円 … 80,000円/900,001円~1,100,000円 … 90,000円/1,100,001円~1,300,000円 … 100,000円/3,400,001円以上 … 総額の20分の1

いちばん上だけ、金額ではありません。

知るお金の土台を作る★★★
貸与総額(借用金額)割賦金の基礎額
200,000円以下30,000円
700,001円~900,000円80,000円
900,001円~1,100,000円90,000円
1,100,001円~1,300,000円100,000円
1,300,001円~1,500,000円110,000円
2,500,001円~3,400,000円170,000円
3,400,001円以上総額の20分の1

最後の区分だけ、金額ではなく式で書かれている。

20万円以下の3万円から始まり、区分が上がるごとに1万円ずつ基礎額も上がっていきます。ところが3,400,001円以上の区分だけは金額ではなく「総額の20分の1」と書かれています。そこから先は、割った答えが必ず20年になるということです。表の途中まで階段だったものが、最後で式に変わります。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 第二種奨学金には、利子が付かない

    第二種は利子の付く奨学金です。

  • B 返還年数は、小数点以下を切り上げて計算する

    切り捨てて計算します。

  • C 所得連動返還方式では、所得が0円なら返還しなくてよい

    所得が0円でも最低月額2,000円を返還します。

  • D 繰上返還した分には、期日の来ていない分の利息が付かない 正解

    通ります。第二種でも、繰り上げた分には付きません。

第二種でも、繰り上げた分には付きません。

知るお金の土台を作る★★★★

資料に書いてあること

  • 第一種は利子が付かず、第二種は利子が付く
  • 返還年数は小数点以下切り捨て
  • 所得連動返還方式では、所得が0円でも最低月額2,000円を返還
  • 繰上に相当する分(返還期日が到来していない分)には利息が付かない

減額返還や返還期限猶予でも、第二種の利息は増えない。

資料は繰上返還について「第二種奨学金の場合、繰上に相当する分(返還期日が到来していない分)については利息は付きません」としています。第二種は「利子の付く」奨学金です。返還年数は小数点以下切り捨てです。そして所得連動返還方式では「前年の所得が0円であっても、最低月額の2,000円は返還することとなります」とされています。

出典 日本学生支援機構「奨学金の返還について」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

貸与奨学金とは、どういうお金ですか。

  • A 返す必要のないお金

    返す必要がないのは、給付奨学金のほうです。

  • B 就職したら消えるお金

    就職しても消えるものではありません。

  • C 返すことになるお金 正解

    正解です。ページの表題も「返済必要」となっています。

  • D 半分だけ返せばよいお金

    半分になる仕組みではありません。

ページの表題も「返済必要」となっています。

わかるお金の土台を作る★★
第一種奨学金 → 利子の付かない貸与第二種奨学金 → 利子の付く貸与給付奨学金 → 返済不要(別の制度)

同じ「奨学金」でも、返すものと返さないものがある。

日本学生支援機構の案内は「貸与奨学金(返済必要)」という表題で、利子の付かない第一種奨学金と、利子の付く第二種奨学金があるとしています。返さなくてよい給付奨学金は、これとは別の制度です。「奨学金」という言葉は同じでも、貸与のほうは借りたお金なので、返還の回数と1回あたりを先に知っておくことになります。

出典 日本学生支援機構「貸与奨学金(返済必要)」 / 2026年9月時点の情報

10.666…年を切り捨てて10年(120回)としました。もし切り捨てずに12倍すると128回になります。

1回あたりの返還額は、どうなりますか。

  • A 切り捨てないときと比べて少なくなる

    少なくなるのは、回数が増えたときです。

  • B 変わらない

    回数が変われば、1回あたりも変わります。

  • C 半分になる

    半分になるわけではありません。

  • D 切り捨てないときより多くなる 正解

    正解です。128回なら7,500円、120回なら8,000円です。

128回なら7,500円、120回なら8,000円です。

わかるお金の土台を作る★★★★
  • 128回で割ると
  • 120回で割ると

単位は円。切り捨てで回数が8回減り、1回あたりは500円増える。

同じ960,000円を、128回で割れば7,500円、120回で割れば8,000円。切り捨てたことで回数が8回減り、1回あたりは500円増えます。端数を落とすと期間が短くなるので、そのぶん一度に払う額は上がる。切り捨てという言葉から負担が軽くなるように感じますが、ここでは逆に働きます。返す総額そのものは変わりません。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 返還年数は、小数点以下を切り捨てて求める/割賦金の基礎額は、貸与総額の区分ごとに決まっている/繰上返還した分には、期日の来ていない分の利息が付かない

端数は落とす向きに丸められます。

見抜くお金の土台を作る★★★★

割って、小数点以下を切り捨てて、12倍する

割った答えをそのまま12倍する

切り捨てを飛ばすと、この例では128回と120回で8回ずれる。

切り捨てで年数を求めること、基礎額が区分ごとに決まっていること、繰上に相当する分に利息が付かないことは、いずれも資料に書かれています。一方、第二種奨学金は「利子の付く」奨学金です。そして端数は切り上げではなく切り捨てです。同じ「丸める」でも、向きが違えば回数も1回あたりも変わります。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

返還年数を切り捨てると、返還期間は短くなります。

このとき、何が起きますか。

  • A 1回あたりも減ることになる

    減るのは回数のほうです。

  • B 返す総額そのものが減る

    総額は借用金額のままです。

  • C 1回あたりは増える 正解

    正しい見方です。同じ総額を、少ない回数で割るからです。

  • D 期間は変わらないままだ

    期間は短くなります。

同じ総額を、少ない回数で割るからです。

見抜くお金の土台を作る★★★★

切り捨てないとき

  • 128回
  • 1回あたり7,500円
  • 期間は長い

切り捨てたとき

  • 120回
  • 1回あたり8,000円
  • 期間は短い

返す総額はどちらも960,000円のまま。

返す総額は借用金額のままなので、回数が減れば1回あたりは増えます。960,000円を128回で割れば7,500円、120回なら8,000円。期間が短いほうが早く終わりますが、毎月の負担は重くなる。どちらがよいかという話ではなく、二つが必ず逆向きに動くという仕組みです。総額そのものが減るわけではありません。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

減額返還制度では、毎月の返還額を減らすかわりに、返還期間が延長されます。

第二種奨学金の場合、利息はどうなりますか。

  • A 増えない 正解

    正解です。資料に「利息は増えません」とあります。

  • B 期間に応じて増える

    期間が延びても増えません。

  • C 2倍になる

    2倍になる仕組みではありません。

  • D 半分になる

    半分になるとも書かれていません。

資料に「利息は増えません」とあります。

見抜くお金の土台を作る★★★★

メリット

  • 毎月の返還額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2に減額できる
  • 第二種でも、減額返還適用期間に応じた延長で利息は増えない
  • 返還期限猶予でも、猶予期間中は無利息

デメリット

  • 願い出が必要で、審査がある
  • 返還期間はそのぶん延長される

資料は「少しずつでも残額が減っていく」減額返還を勧めている。

資料は減額返還制度について「第二種奨学金の場合、減額返還適用期間に応じて返還期間は延長されますが、利息は増えません」としています。返還期限猶予でも「猶予期間中は無利息です」とされています。期間が延びれば利息も増えるのがふつうの借入れですが、この制度ではそうなっていません。資料も「少しずつでも残額が減っていき将来の負担が少なくなる『減額返還』をお勧めします」と書いています。

出典 日本学生支援機構「奨学金の返還について」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

Bさんは、第一種奨学金を毎月20,000円、48か月にわたって借りました。

貸与総額は、いくらですか。(単位:円)

答え 960000円

20,000 × 48 で、960,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  • 20,000円毎月の貸与額
  • 48か月貸与月数
  • 960,000円貸与総額(借用金額)

返還の計算は、この総額から始まる。

返還の計算は、まずこの貸与総額(借用金額)から始まります。毎月の額が小さく見えても、48か月分を積み上げると100万円近くになります。日本学生支援機構は、この総額をもとに返還年数と回数を決める表を用意しています。月額だけを見ていると、返すときにどれだけの回数が要るのかは分かりません。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

Bさんの貸与総額は960,000円です。算出表では「900,001円~1,100,000円」の区分の割賦金の基礎額は90,000円です。月賦返還で計算します。

返還回数は、何回になりますか。(単位:回)

答え 120回

960,000 ÷ 90,000 = 10.666… → 10年 → 120回です。

ケースお金の土台を作る★★★
  1. 貸与総額 960,000円
  2. 算出表で区分を見る(900,001円~1,100,000円)
  3. 割賦金の基礎額は90,000円
  4. 960,000 ÷ 90,000 = 10.666…
  5. 小数点以下を切り捨てて10年
  6. 10 × 12 = 120回

切り捨てを飛ばすと128回になる。

割った答えは10.666…ですが、小数点以下を切り捨てて10年とします。それを12倍して120回。ここで切り捨てを忘れて10.666…をそのまま12倍すると128回になり、答えが8回ずれます。区分表で基礎額を引き、割って、切り捨てて、12倍する。四つの手順のどれを飛ばしても、回数は変わってしまいます。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

Bさんの貸与総額は960,000円、返還回数は120回です。第一種奨学金の定額返還方式では、借用金額を均等に返還します。

1回あたりの返還額は、いくらですか。(単位:円)

答え 8000円

960,000 ÷ 120 で、8,000円です。

ケースお金の土台を作る★★★
960,000円÷1208,000円

毎月20,000円を借りていた人が、毎月8,000円を10年間返していくことになります。借りるときの月額と、返すときの月額は別の数字です。第一種は利子が付かないので、返す総額は借りた960,000円と同じ。第二種であれば、これに利子が加わって元利均等で返すことになります。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

資料の例では、毎月3万円を4年間(48か月)借りて、貸与総額は144万円です。この区分の割賦金の基礎額は11万円です。

返還回数は、何回になりますか。

  • A 132回(11年間)

    11年ではありません。

  • B 156回(13年間) 正解

    正解です。144万 ÷ 11万 = 13.09 → 13年です。

  • C 168回(14年間)

    13.09を切り上げると14年ですが、切り捨てです。

  • D 144回(12年間)

    12年でもありません。

144万 ÷ 11万 = 13.09 → 13年です。

ケースお金の土台を作る★★★

資料に載っている例

毎月の貸与額
30,000円
貸与月数
48か月(4年間)
貸与総額
1,440,000円
割賦金の基礎額
110,000円
割った答え
13.09
返還回数
156回(13年間)

4年借りて、13年かけて返す。

割った答えは13.09。小数点以下を切り捨てて13年とし、12倍して156回です。資料も「貸与総額144万円 ÷ 割賦金の基礎額11万円 = 13.09 → 156回(13年間)で返還」としています。毎月3万円を4年借りると、13年かけて返すことになる。借りる期間と返す期間は、まったく違う長さになります。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

月賦返還の返還回数を出す手順です。

正しい順に、並べてください。

答え 貸与総額(借用金額)を出す → 奨学金返還年数算出表で、割賦金の基礎額を調べる → 貸与総額を割賦金の基礎額で割る → 小数点以下を切り捨てて年数とし、12倍して返還回数にする

基礎額は、総額が決まらないと引けません。

ケースお金の土台を作る★★★
  1. 貸与総額(借用金額)を出す
  2. 奨学金返還年数算出表で、割賦金の基礎額を調べる
  3. 貸与総額を割賦金の基礎額で割る
  4. 小数点以下を切り捨てて年数とし、12倍して返還回数にする

切り捨ては、12倍より前に置く。

基礎額は貸与総額の区分によって決まるので、先に総額を出さなければ表を引けません。そのうえで割り、切り捨てて年数にし、12倍して回数にします。順番のどこを入れ替えても、正しい回数にはなりません。とくに切り捨てを最後の12倍より前に置くところが、この手順の要になります。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

奨学金の案内を見たときのことです。

確かめておくのは、どれでしょう。

  • A 学校の創立年はいつか

    創立年は、返す額と関わりません。

  • B 校舎が何階建てか

    校舎の階数も、関わりません。

  • C 利子が付くのか 正解

    正解です。第一種と第二種で、そこが分かれます。

  • D 窓口が開く時刻

    窓口の時刻も、関わりません。

第一種と第二種で、そこが分かれます。

判断お金の土台を作る★★★★

第一種か第二種か、給付か貸与かを先に見る

「奨学金」という言葉だけで、同じものだと考える

第一種は無利子、第二種は有利子、給付奨学金は返済不要。

第一種奨学金は利子が付かず、第二種奨学金は利子が付きます。同じ「奨学金」という言葉でも、返すときの総額が変わる分かれ目です。さらに給付奨学金は返済不要で、これはまた別の制度です。創立年も、校舎の階数も、窓口の時刻も、返す額を変えません。名前ではなく、種類を見ることになります。

出典 日本学生支援機構「貸与奨学金(返済必要)」 / 2026年9月時点の情報

返還がどれくらい続くのかを見積もろうとしています。

まず要るのは、どれですか。

  • A 貸与総額 正解

    正解です。そこが決まれば、算出表を引けます。

  • B 学校の偏差値

    偏差値は、返還回数と関わりません。

  • C 就職先の業種

    業種も、この計算には入りません。

  • D 通学にかかる時間

    通学時間も、関わりません。

そこが決まれば、算出表を引けます。

判断お金の土台を作る★★★★
  • 貸与総額分かること
  • 割賦金の基礎額算出表から
  • 返還回数割って切り捨てて12倍
  • 1回あたりの返還額総額を回数で割る

借りている段階で、返し終わるまでの姿は見えている。

貸与総額が分かれば、算出表で割賦金の基礎額を引き、割って切り捨てて12倍すれば回数が出ます。総額を回数で割れば、1回あたりも出ます。つまり借りている段階で、返し終わるまでの姿はおおよそ見えます。偏差値も、業種も、通学時間も、この計算には入ってきません。

出典 日本学生支援機構「返還期間(回数)と割賦金」 / 2026年9月時点の情報

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