お金の土台を作る

奨学金400万円が残っている。預金400万円なら借金ゼロと同じ?

借りた額と返す額は、はじめから同じではありません。

このページの要点

日本学生支援機構の返還例では、第二種奨学金を月額80,000円・48か月借りると貸与総額は3,840,000円。年利1%なら返還総額は4,257,117円で、差は417,117円です。同じ額の預金を全部あてても足りません。年利0.50%なら205,295円、3%なら1,327,586円の上乗せで、どの年利でも返還回数は240回(20年)のまま。さらに1,200,000円を生活防衛資金として残すと、足りない額は1,617,117円になります。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 第二種奨学金
  2. 年利
  3. 返還例

わかる 2 問

  1. 負債
  2. 返還総額

見抜く 3 問

  1. 返還総額
  2. 負債
  3. 返済条件

ケースで考える 5 問

  1. 貸与総額
  2. 返還総額
  3. 流動性
  4. 返還回数
  5. 第一種奨学金

判断する 2 問

  1. 返済条件
  2. 流動性

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

資料の返還例で、第二種奨学金の表にだけある欄は「_」と「返還総額」です。

  • A 年利 正解

    正解です。第一種の表には、この二つの欄がありません。

  • B 学費

    学費の欄はありません。

  • C 税率

    税率の欄もありません。

  • D 為替

    為替の欄もありません。

第一種の表には、この二つの欄がありません。

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見出しに並んでいる欄
第一種奨学金通学形態/貸与月額/貸与月数/貸与総額/返還月額/返還回数(年数)
第二種奨学金貸与月額/貸与総額/年利/返還総額/返還月額/返還回数(年数)

第二種の表にだけ、年利と返還総額の欄がある。

資料の第一種奨学金の表の見出しは「通学形態/貸与月額/貸与月数/貸与総額/返還月額/返還回数(年数)」で、年利の欄も返還総額の欄もありません。第二種の表の見出しは「貸与月額/貸与総額/年利/返還総額/返還月額/返還回数(年数)」。二つの表の見出しを見比べると、どちらに上乗せがあるのかが分かります。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

資料は、貸与総額3,840,000円の行について、年利ごとの返還総額を並べています。

それぞれ、返還総額はいくらですか。

答え 年利 0.50% … 返還総額 4,045,295円/年利 1% … 返還総額 4,257,117円/年利 2% … 返還総額 4,699,817円/年利 3% … 返還総額 5,167,586円

同じ3,840,000円でも、返す額が変わります。

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年利 0.50% → 返還総額 4,045,295円(上乗せ 205,295円)年利 1% → 返還総額 4,257,117円(上乗せ 417,117円)年利 2% → 返還総額 4,699,817円(上乗せ 859,817円)年利 3% → 返還総額 5,167,586円(上乗せ 1,327,586円)

どの行も貸与総額は3,840,000円で同じ。実際の年利は貸与終了時に決まるもので、これは返還例。

上乗せ額は、0.50%なら205,295円、1%なら417,117円、2%なら859,817円、3%なら1,327,586円。3%の行では、借りた額の3分の1を超える額が上乗せになります。借りた額はどの行も同じ3,840,000円です。変わるのは返す額のほうだけです。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A 第二種奨学金の返還例には、年利の欄がない

    年利の欄があるのは、第二種のほうです。

  • B 年利が変わっても、返還回数は同じである 正解

    通ります。変わるのは総額と月額だけです。

  • C 第一種奨学金の返還例には、返還総額の欄がある

    第一種の表には、返還総額の欄がありません。

  • D 返還は、卒業する前から始まる

    卒業後に月賦等で返還する、と書かれています。

変わるのは総額と月額だけです。

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資料に書いてあること

  • 振替口座(リレー口座)に加入し、卒業後に月賦等で返還する
  • 第二種の表には、年利と返還総額の欄がある
  • 第一種の表には、年利も返還総額もない
  • 貸与総額3,840,000円の行は、年利0.50%から3%までどれも240回(20年)

第一種と第二種を併用した場合は、並行して返還する。

資料の貸与総額3,840,000円の行は、年利0.50%でも3%でも返還回数240回(20年)と書かれています。年利の欄があるのは第二種のほうで、第一種の表には年利も返還総額もありません。返還については「振替口座(リレー口座)に加入し、卒業後に月賦等で返還していただきます」とされています。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

Aさんは、貸与総額と同じ3,840,000円の預金を持っていて、「相殺すれば実質ゼロ」と考えています。

年利1%の行を見ると、どうなりますか。

  • A 差し引きするとゼロになる

    借りた額とはゼロになりますが、返す額とは合いません。

  • B 預金のほうが多く残る

    預金は余らず、逆に足りません。

  • C 返す額のほうが多い 正解

    正解です。返還総額は4,257,117円です。

  • D 同じ額なので同じ

    同じ額ではありません。417,117円ちがいます。

返還総額は4,257,117円です。

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手元にあるもの

  • 預金 3,840,000円

返す約束

  • 貸与総額 3,840,000円
  • 年利 1%
  • 返還総額 4,257,117円
  • 返還月額 17,737円 × 240回(20年)

同じ「約400万円」でも、借りた額と返す額は417,117円ちがう。

資料の年利1%の行は、返還総額を4,257,117円としています。借りた額3,840,000円との差は417,117円。預金を全部あてても、まだ417,117円足りません。借りた額と返す額が別の数字なので、「同額の預金がある」ことは「ゼロになる」ことを意味しません。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

資産と、これから出ていく額を並べようとしています。

出ていく額として見ておくのは、どれですか。

  • A 貸与総額 3,840,000円

    受け取った額であって、これから払う額ではありません。

  • B 返還総額 4,257,117円 正解

    正解です。実際に払うのは、こちらの額です。

  • C 借りていたときの貸与月額 80,000円

    借りていたときの、毎月受け取っていた額です。

  • D 預金 3,840,000円

    預金は資産の側に並べます。

実際に払うのは、こちらの額です。

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数字何の額かどちら側に置くか
預金 3,840,000円いま手元にある額資産
貸与月額 80,000円借りていたときに毎月受け取った額どちらでもない
貸与総額 3,840,000円受け取った合計参考
返還総額 4,257,117円これから20年で払う合計これから出ていく額

内訳は返還月額17,737円 × 240回。

貸与総額は受け取った額で、これから出ていく額ではありません。貸与月額は借りていたときの毎月の額で、返すときの額ではありません。預金は資産の側です。20年かけて実際に払っていくのは返還総額4,257,117円で、内訳は毎月17,737円を240回。並べるときは、この数字を使います。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 同じ貸与総額でも、年利によって返還総額が変わる/第二種奨学金の返還例には、年利の欄がある/返還は、卒業後に月賦等で行う

借りた額を用意しても、返す額には届きません。

見抜くお金の土台を作る★★★★

返還総額がいくらかを見てから、手元の額と比べる

借りた額と同じ預金があるから、差し引きゼロだと考える

年利1%なら、借りた額と同じ3,840,000円では417,117円足りない。

年利で返還総額が変わること、第二種の表に年利の欄があること、卒業後に月賦等で返還することは、いずれも資料に書かれています。一方、貸与総額3,840,000円を用意しても、年利1%なら417,117円足りません。また四つの行はどれも240回(20年)で、年利が上がっても回数は変わりません。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

「預金と奨学金が同じ額なのだから、実質ゼロだ」と考えました。

この考え方は、どうですか。

  • A 差し引きするとちょうどゼロになる

    借りた額とはゼロですが、返す額とは合いません。

  • B 預金のほうが余る

    余りません。足りない側です。

  • C 返す額は貸与総額と同じ

    返還総額は4,257,117円で、貸与総額とは違います。

  • D 417,117円足りない 正解

    正解です。同じなのは、借りた額とだけです。

同じなのは、借りた額とだけです。

見抜くお金の土台を作る★★★★
  • 預金(円)
  • 貸与総額・借りた額(円)
  • 返還総額・返す額(円)

預金とそろっているのは、まん中の棒だけ。年利1%の行の場合。

同じ額なのは預金と貸与総額です。返す額は年利1%で4,257,117円なので、預金を全部あてても417,117円足りません。しかも手元に生活防衛資金を残せば、足りない額はさらに増えます。「同じ額」と「同じもの」は別です。どちらの数字と比べているのかを、先に決める必要があります。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

同じ額の預金があるのに、返還総額には足りませんでした。

それは、なぜですか。

  • A 預金に利息が付かないから

    預金の利息は、この資料には書かれていません。

  • B 利息の分だけ多く返すから 正解

    正解です。返す額は、借りた額に上乗せされています。

  • C 返還回数が決まっているから

    回数は240回ですが、足りない理由はそこではありません。

  • D 口座振替の手数料がかかるから

    手数料の話は、この資料には出てきません。

返す額は、借りた額に上乗せされています。

見抜くお金の土台を作る★★★★
貸与総額 3,840,000円
  • 第二種・年利1% → 返還総額 4,257,117円(417,117円の上乗せ)
  • 第一種(年利の欄なし) → 貸与総額 ÷ 返還回数 が返還月額になる

資料の第一種6年制・私立自宅外は 4,608,000円 ÷ 240回 = 19,200円。

資料の第二種奨学金の表には年利の欄があり、貸与総額3,840,000円に対して返還総額は年利1%で4,257,117円。差の417,117円が上乗せの分です。第一種の表には年利の欄がなく、貸与総額を返還回数で割ると返還月額になります。同じ奨学金でも、上乗せがあるかどうかで返す額の決まり方が変わります。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

資料の返還例では、第二種奨学金を大学の4年制で借りた場合が並んでいます。貸与月額80,000円、貸与月数48か月の行を見ます。

貸与総額は、いくらですか。(単位:円)

答え 3840000円

80,000 × 48 で、3,840,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  1. 貸与月額 80,000円
  2. 貸与月数 48か月
  3. 80,000 × 48 = 3,840,000円
  4. これが「借りた額」(貸与総額)

資料の第二種奨学金・4年制の表に、この行がそのまま載っている。

毎月80,000円を48か月借りるので、80,000 × 48 = 3,840,000円。資料の表もこの行を3,840,000円としています。これが「借りた額」です。この回では、ここから「返す額」がいくらになるかを追っていきます。まず押さえておきたいのは、借りた額と返す額は別の数字だということです。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

貸与総額3,840,000円、年利1%の行を見ます。資料は返還総額を4,257,117円としています。

返還総額は、貸与総額よりいくら多いですか。(単位:円)

答え 417117円

4,257,117 − 3,840,000 で、417,117円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  • 3,840,000円貸与総額(借りた額)
  • 4,257,117円返還総額(返す額)
  • 417,117円
  • 17,737円 × 240回 = 4,256,880円返還月額 × 回数

返還総額との差237円は、最終回で調整される端数。

これが利息の分の上乗せです。20年かけて返す間に、この417,117円も一緒に払うことになります。返還月額17,737円を240回で 17,737 × 240 = 4,256,880円。返還総額との差237円は、最終回で調整される端数です。借りた額だけを見ていると、この417,117円は数えられません。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

預金3,840,000円のうち、1,200,000円は生活防衛資金として手元に残すことにしました。年利1%の返還総額は4,257,117円です。

返還総額には、いくら足りませんか。(単位:円)

答え 1617117円

返還に回せるのは2,640,000円で、1,617,117円足りません。

ケースお金の土台を作る★★★★
  1. 預金 3,840,000円
  2. 生活防衛資金として残す 1,200,000円
  3. 返還に回せる額 3,840,000 − 1,200,000 = 2,640,000円
  4. 足りない額 4,257,117 − 2,640,000 = 1,617,117円

手元に残す額を決める前は417,117円の不足。1,200,000円を残すと1,617,117円になる。

3,840,000 − 1,200,000 = 2,640,000円が、返還に回せる額です。4,257,117 − 2,640,000 = 1,617,117円が足りません。はじめは417,117円足りないだけでしたが、手元に残す額を決めると、足りない額はその分だけ増えます。預金の額と、そのうち使える額は別のものです。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

貸与総額3,840,000円の行は、年利0.50%から3%まで四つ並んでいます。

年利が上がると、返還回数はどうなりますか。

  • A 変わらない 正解

    正解です。どの行も240回(20年)です。

  • B 回数も同じ割合で増える

    回数は増えていません。増えるのは月額です。

  • C 回数が半分になる

    半分にもなりません。

  • D 回数は年利で決まる

    年利で決まるのは、総額と月額のほうです。

どの行も240回(20年)です。

ケースお金の土台を作る★★★
  • 年利0.50%の返還月額(円)
  • 年利3%の返還月額(円)

どちらも240回(20年)で、貸与総額は同じ3,840,000円。増えるのは月額のほう。

資料の四つの行は、返還総額も返還月額も違いますが、返還回数はどれも240回(20年)です。つまり年利が上がったとき、返す期間が延びるのではなく、毎月払う額のほうが増えます。0.50%なら16,855円、3%なら21,531円。同じ20年でも、毎月の負担が4,676円ちがいます。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

資料の第一種奨学金・6年制・私立・自宅外の行では、貸与総額4,608,000円、返還回数240回とされています。第一種の表には年利の欄がありません。

返還月額は、いくらですか。(単位:円)

答え 19200円

4,608,000 ÷ 240 で、19,200円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  • 4,608,000円貸与総額
  • 240回(20年)返還回数
  • 19,200円返還月額
  • 19,200 × 240 = 4,608,000円240回分の合計

上乗せがないので、返す額の合計は借りた額とぴったり同じになる。この例は平成24年度新規入学者に標準修業年限貸与した場合。

資料の表も、この行の返還月額を19,200円としています。上乗せがないので、貸与総額を返還回数で割るとそのまま返還月額になります。ほかの行でも同じで、2,160,000 ÷ 168 = 12,857.1…で表は12,857円、3,072,000 ÷ 216 = 14,222.2…で表は14,222円。第二種のように差が出ないのは、上乗せがないからです。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

預金と借りている額が、同じくらいに見えました。

確かめておくのは、どれでしょう。

  • A 返す額の合計 正解

    正解です。借りた額と同じとは限りません。

  • B 借りた年の物価水準

    物価水準は、返す額を教えてくれません。

  • C 口座を作った金融機関

    金融機関も関わりません。

  • D 奨学生番号の並び方

    番号の並び方も関わりません。

借りた額と同じとは限りません。

判断お金の土台を作る★★★

返す額の合計と、手元の額を比べる

借りた額と手元の額が同じだから、差し引きゼロだと考える

年利1%なら417,117円、3%なら1,327,586円の上乗せがある。

この回では、預金3,840,000円と貸与総額3,840,000円がぴったり同じでも、返還総額は4,257,117円でした。差は417,117円。年利3%の行なら1,327,586円になります。物価水準も、金融機関も、番号の並び方も、返す額がいくらかを教えてくれません。同じかどうかは、返す額と比べて初めて決まります。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

預金の一部を、手元に残しておく必要があります。

確かめておくのは、どれですか。

  • A 振替日が何曜日か

    振替日の曜日は、額とは関わりません。

  • B 奨学生だった年数

    年数も、額を教えてくれません。

  • C 使える額と返す額 正解

    正解です。残す額を決めると、足りない額が変わります。

  • D 学校の種別と課程

    種別や課程も、この判断とは別のものです。

残す額を決めると、足りない額が変わります。

判断お金の土台を作る★★★★
手元に残さない → 返還に回せる 3,840,000円 → 足りない額 417,117円1,200,000円を残す → 返還に回せる 2,640,000円 → 足りない額 1,617,117円

返還総額4,257,117円は変わらない。変えたのは、返済に回せる額のほうだけ。

この回では、1,200,000円を手元に残すと、足りない額が417,117円から1,617,117円に増えました。預金がいくらあるかではなく、そのうちいくらを返済に回せるかで決まります。曜日も、年数も、種別も、その額を教えてくれません。手元に残す額を先に決めてから、残りと返す額を比べることになります。

出典 JASSO「大学・返還例」 / 2026年9月時点の情報

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