お金の土台を作る

毎月5万円積み立てているのに、年間では30万円しか増えていない?

数える範囲を広げるたびに、「増えた額」は小さくなります。

このページの要点

内閣府は、正味資産を「(非金融資産)+(金融資産)-(負債)」と定義し、調達と運用の間に「(自己資金の純増額)+(金融市場から調達した資金の純増額)=(実物投資)+(金融資産の純増額)」という恒等式が成立するとしています。入れた額と増えた額は、別の欄の数字です。毎月50,000円で年600,000円を積み立てても、旅行・車検・家電で300,000円を取り崩せば預金の純増は300,000円。修理費200,000円が加われば100,000円、年末のカード未払額50,000円を引けば50,000円になります。

最終更新 2026年9月10日 / 全 15 問 ・知る 3 ・わかる 2 ・見抜く 3 ・ケースで考える 5 ・判断する 2

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目次 全 15 問

知る 3 問

  1. 正味資産
  2. 正味資産
  3. 国民経済計算

わかる 2 問

  1. 取り崩し
  2. 正味資産

見抜く 3 問

  1. 国民経済計算
  2. 積立額
  3. 恒等式

ケースで考える 5 問

  1. 積立額
  2. 年間純増額
  3. 特別支出
  4. 実物資産
  5. 正味資産

判断する 2 問

  1. 年間純増額
  2. 正味資産

知る

このテーマを理解するために必要な基本を押さえます。

内閣府は、国民経済計算の言葉を次のように置いています。

それぞれ、何を指しますか。

答え 正味資産 … (非金融資産)+(金融資産)-(負債)/実物資産 … 住宅、企業設備、土地等/金融資産 … 預貯金、公社債、株式等/制度部門 … 非金融法人企業、金融機関、一般政府、家計、対家計民間非営利団体

一つだけ、引き算が入っています。

知るお金の土台を作る★★★★
言葉中身
正味資産(非金融資産)+(金融資産)-(負債)
実物資産住宅、企業設備、土地等
金融資産預貯金、公社債、株式等
制度部門非金融法人企業、金融機関、一般政府、家計、対家計民間非営利団体

一国全体の正味資産は、国富とも呼ばれる。

正味資産だけは、足すだけでなく負債を引いています。実物資産は住宅・企業設備・土地等、金融資産は預貯金・公社債・株式等で、どちらも持っているものです。制度部門は記録の単位で、家計もその一つに数えられています。増えたかどうかを見るときは、持っているものだけでなく、負っているものまで並べることになります。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

正味資産は、非金融資産と金融資産を足して_を引いたものです。

  • A 固定資本減耗

    固定資本減耗は、自己資金の純増額のほうに出てくる言葉です。

  • B 実物投資

    実物投資は、恒等式の右側にある項目です。

  • C 資本移転

    資本移転も、自己資金の純増額のほうです。

  • D 負債 正解

    正解です。返さなければならない分です。

返さなければならない分です。

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正味資産
  • + 非金融資産
  • + 金融資産
  • − 負債

一国全体の正味資産は、国富とも呼ばれる。

資料は「各制度部門の正味資産は(非金融資産)+(金融資産)-(負債)として定義され、一国全体の正味資産は国富とも呼ばれています」としています。持っているものを足すだけでは、正味資産になりません。家計でいえば、預金が増えていても、カードの未払いが同じだけ増えていれば、正味では増えていないことになります。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

四つの言い分を、一つずつ確かめてください。

  • A SNAは、フロー面だけを記録する体系である

    フロー面とストック面の両方を記録します。

  • B SNAの制度部門には、家計が含まれている 正解

    通ります。五つのうちの一つに数えられています。

  • C 正味資産は、金融資産だけから計算される

    非金融資産を足し、負債を引いて計算します。

  • D 実物資産には、預貯金や公社債が含まれる

    預貯金や公社債は、金融資産のほうです。

五つのうちの一つに数えられています。

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資料に書いてあること

  • SNAはフロー面とストック面を体系的に記録する国際的な基準
  • 制度部門は非金融法人企業、金融機関、一般政府、家計、対家計民間非営利団体
  • 実物資産は住宅、企業設備、土地等
  • 金融資産は預貯金、公社債、株式等

企業会計原則に相当する、一国経済の会計原則だと説明されている。

資料は制度部門を「非金融法人企業、金融機関、一般政府、家計、対家計民間非営利団体より構成」としています。SNAは「フロー面や、資産、負債といったストック面を体系的に記録する」もので、フローだけではありません。正味資産は非金融資産と金融資産を足して負債を引いたもの。預貯金や公社債は金融資産のほうで、実物資産として挙げられているのは住宅・企業設備・土地等です。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

わかる

仕組みや計算のしかたを確かめます。

600,000円を入れたのに、年末に預金が増えていたのは300,000円でした。

何が起きたと考えられますか。

  • A 入れた額が誤り

    入れた額そのものは、誤りではありません。

  • B 銀行の記録が誤り

    記録が誤っているとはかぎりません。

  • C 途中で引き出した 正解

    正解です。入れた欄と、出た欄が別にあります。

  • D 利息がつかなかった

    利息の有無では、300,000円の差になりません。

入れた欄と、出た欄が別にあります。

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  • 入れた額(円)
  • 取り崩した額(円)
  • 預金の純増(円)

旅行100,000+車検120,000+家電80,000=300,000円。金額はこの回で置いた例。

旅行100,000円、車検120,000円、家電80,000円で、合わせて300,000円を途中で取り崩していました。600,000 − 300,000 = 300,000円。入れた額も出た額も、どちらも本当の記録です。内閣府のSNAも、調達側と運用側を両方並べて釣り合わせる形になっていて、片側だけでは残高の動きが決まりません。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

同じ1年について、四つの数字が出ました。600,000円、300,000円、100,000円、そして年末のカード未払額50,000円を引いた額です。

いちばん小さいのは、どれですか。

  • A 負債を引いた増え方 正解

    正解です。数える範囲がいちばん広いものです。

  • B 積み立てた額

    積み立てた額は600,000円で、いちばん大きい数字です。

  • C 預金の純増

    預金の純増は300,000円です。

  • D 修理費を払ったあと

    修理費を払ったあとは100,000円です。

数える範囲がいちばん広いものです。

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  • 積み立てた額(円)
  • 預金の純増(円)
  • 修理費を払ったあと(円)
  • 負債を引いた増え方(円)

同じ1年について、数える範囲を広げるたびに額が縮む。

100,000 − 50,000 = 50,000円で、これが最も小さくなります。入れた額600,000円と比べると12分の1です。資料の正味資産の定義にならって負債まで引くと、いちばん狭い答えになります。範囲を広げるほど額が縮むので、どこまでを数えた数字なのかを言わないと、比べられません。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

見抜く

誤解しやすい点や、見落としがちなリスクを見抜きます。

この資料から言えるのは、どれでしょう。

答え 正味資産の計算では、負債を引く/SNAは、フロー面とストック面の両方を記録する/調達と投資・運用の間に、恒等式が成立する

入れた額は、恒等式の片側にすぎません。

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どこまでを数えた数字かを決めてから、増えた額を言う

口座に入れた額を、その年に増えた額として話す

(自己資金の純増額)+(金融市場から調達した資金の純増額)=(実物投資)+(金融資産の純増額)

負債を引くこと、フローとストックの両方を記録すること、調達と投資・運用の間に恒等式が成立することは、いずれも資料に書かれています。一方、入れた額がそのまま増えた額になるとは書かれていません。恒等式は両側を釣り合わせるもので、片側だけでは決まりません。預貯金は金融資産のほうで、実物資産は住宅・企業設備・土地等です。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

「毎月5万円積み立てているから、1年で60万円増えた」と考えました。

この考え方は、どうですか。

  • A 積立額が増えた額

    入れた額と、増えた額は違います。

  • B 差は誤差である

    600,000円と50,000円の差は、誤差ではありません。

  • C 記録の誤りである

    どの数字も、誤りではありません。

  • D 出た分を引く 正解

    正しい見方です。入れた額と、残った額は別です。

入れた額と、残った額は別です。

見抜くお金の土台を作る★★★

入れた額

  • 毎月 50,000円
  • 12か月で 600,000円

出ていった額

  • 旅行 100,000円
  • 車検 120,000円
  • 家電 80,000円
  • 修理費 200,000円
  • 年末のカード未払額 50,000円

どちらも本当の記録。数える範囲が違うだけ。

入れた額は600,000円ですが、途中の取り崩しが300,000円、修理費が200,000円あれば、預金の純増は100,000円です。さらに年末のカード未払額50,000円を引くと50,000円になります。入れた額のほうは1円も間違っていません。数える範囲が違うだけで、同じ1年について四つの答えが出ます。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

資料は「(自己資金の純増額)+(金融市場から調達した資金の純増額)=(実物投資)+(金融資産の純増額)」という恒等式を示しています。

この式は、何を表していますか。

  • A 資産の増え方の上限

    上限を定めた式ではありません。

  • B 調達と運用が釣り合う 正解

    正解です。左側で集めた分が、右側に振り分けられます。

  • C 負債を返す順序

    返す順序を定めた式ではありません。

  • D 所得の分け方

    所得の分け方は、別の勘定で扱われます。

左側で集めた分が、右側に振り分けられます。

見抜くお金の土台を作る★★★★
左側 → 自己資金の純増額 + 金融市場から調達した資金の純増額右側 → 実物投資 + 金融資産の純増額集めた分は、どこかに置かれる

資料は、この二つの間に恒等式が成立するとしている。

資料は「各制度部門は、様々な形態で資金を調達して実物資産…と金融資産…に投資・運用しますが、その調達と投資・運用の間には次の恒等式が成立します」としています。集めた分は、どこかに置かれるということです。家計でいえば、入れたお金が預金に残っているか、何かを買うのに使われたか、どちらかになります。片側だけを見ても、答えは出ません。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

ケースで考える

具体的な条件のもとで考えます。

毎月50,000円を、1年間欠かさず積立口座へ入れました。

入れた額は、合計いくらですか。(単位:円)

答え 600000円

50,000 × 12 で、600,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  • 50,000円毎月の積立額
  • 600,000円12か月分

これは入れた額。年末に増えていた額とは別。金額はこの回で置いた例。

これは口座へ入れた額であって、年末に増えていた額ではありません。内閣府は、資金を調達して資産に投資・運用する側と、調達する側が釣り合う恒等式を示しています。入れた額はその片側にすぎず、途中で出ていった分を引かないと、残った額にはなりません。金額は、この回で置いた例です。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

入れた額は600,000円、途中で取り崩したのは旅行100,000円、車検120,000円、家電80,000円でした。

預金は、いくら増えましたか。(単位:円)

答え 300000円

600,000 −(100,000 + 120,000 + 80,000)で、300,000円です。

ケースお金の土台を作る★★
  1. 入れた額 600,000円
  2. − 旅行 100,000円
  3. − 車検 120,000円
  4. − 家電 80,000円
  5. = 預金の純増 300,000円

取り崩しの合計は300,000円。金額はこの回で置いた例。

取り崩しの合計は300,000円なので、残ったのは300,000円です。「毎月5万円貯めている」と言うときの5万円は入れた額で、増えた額はその半分でした。同じ1年について、どちらも本当の数字です。だから、どちらの意味で言っているのかを決めないと、話が合いません。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

預金の純増は300,000円でした。ここに、突発的な修理費200,000円の支払いが加わります。

預金の純増は、いくらになりますか。(単位:円)

答え 100000円

300,000 − 200,000 で、100,000円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  • 修理費を引く前(円)
  • 修理費を引いたあと(円)

入れた額600,000円に対して、残ったのは100,000円。

入れた額600,000円に対して、残ったのは100,000円。6分の1です。予定していた取り崩しに、予定していなかった支払いが重なると、こうなります。入れた額のほうは変わっていません。変わったのは、出ていった額のほうです。同じ1年について、答えがまた一つ増えました。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

資料は、実物資産と金融資産を分けて例を挙げています。

実物資産として挙げられているのは、どれですか。

  • A 預貯金

    預貯金は、金融資産のほうです。

  • B 公社債

    公社債も、金融資産のほうです。

  • C 住宅 正解

    正解です。企業設備や土地と、同じ側です。

  • D 株式

    株式も、金融資産のほうです。

企業設備や土地と、同じ側です。

ケースお金の土台を作る★★★

実物資産

  • 住宅
  • 企業設備
  • 土地 等

金融資産

  • 預貯金
  • 公社債
  • 株式 等

資料が挙げていないものを、勝手にどちらかへ入れない。

資料は実物資産を「住宅、企業設備、土地等」、金融資産を「預貯金、公社債、株式等」としています。分け方は、モノかお金かではなく、この二つの並びで決まっています。家計でいえば、買った家電や車は資料の例には入っていません。資料が挙げていないものを、勝手にどちらかへ入れないことになります。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

預金の純増は100,000円でした。年末には、まだ引き落とされていないカードの未払額が50,000円あります。

正味資産の考え方で見ると、いくら増えましたか。(単位:円)

答え 50000円

100,000 − 50,000 で、50,000円です。

ケースお金の土台を作る★★★
  1. 入れた額 600,000円
  2. − 取り崩し 300,000円 → 300,000円
  3. − 修理費 200,000円 → 100,000円
  4. − カード未払額 50,000円 → 50,000円

600,000 ÷ 50,000 = 12。いちばん広い範囲で見ると、12分の1になる。

資料は正味資産を「(非金融資産)+(金融資産)-(負債)」としています。持っているものから、負っているものを引いた額です。預金が100,000円増えていても、未払いが50,000円あれば、正味では50,000円。入れた額600,000円に対して、12分の1になります。範囲を広げるほど、額は小さくなります。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

判断する

実際の場面で、何を確認すべきかを判断します。

「今年は60万円貯めた」と聞きました。

確かめておくのは、どれでしょう。

  • A 通帳の色

    通帳の色は、金額と関わりません。

  • B 途中で出た額 正解

    正解です。入れた額と、残った額は別です。

  • C 記帳の回数

    記帳の回数も、関わりません。

  • D 口座の開設日

    開設日も、関わりません。

入れた額と、残った額は別です。

判断お金の土台を作る★★★

入れた額を聞いたら、途中で出た額と負債も並べる

入れた額を、そのまま増えた額として受け取る

600,000 → 300,000 → 100,000 → 50,000。同じ1年で四通りの答えが出る。

入れた額が600,000円でも、取り崩しと修理費と未払額を引けば50,000円になりました。どちらも同じ1年について本当の数字なので、どちらの意味で言っているのかを確かめないと、話が合いません。通帳の色も、記帳の回数も、口座の開設日も、その区別を教えてくれません。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

増えた額を、去年と比べようとしています。

先にそろえておくのは、どれですか。

  • A 数字を書いた順番

    順番は、金額と関わりません。

  • B 数える範囲 正解

    正解です。範囲が違えば、12倍の差が出ます。

  • C 通帳の冊数

    冊数も、関わりません。

  • D 記帳した時刻

    時刻も、関わりません。

範囲が違えば、12倍の差が出ます。

判断お金の土台を作る★★★★
入れた額 → 600,000円取り崩しを引く → 300,000円修理費まで引く → 100,000円負債まで引く(正味資産の考え方)→ 50,000円

同じ1年について、範囲を決めなければ比べられない。

この回では、同じ1年について600,000円、300,000円、100,000円、50,000円という四つの答えが出ました。いちばん広い範囲といちばん狭い範囲で12倍の開きがあります。去年と今年で範囲が違えば、増えたか減ったかも入れ替わりかねません。書いた順番も、通帳の冊数も、記帳した時刻も、その差を埋めてくれません。

出典 内閣府「基礎から分かる国民経済計算」 / 2026年9月時点の情報

読んだら、解いて確かめる

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