まず、嫌なことを言うようですが、質問者様くらいのご年齢で女性の方ですと、これから乳がんなど女性特有のがんになる確率がかなり高くなります。国立がん研究センターがん情報サービスがん登録・統計サイトによる「最新がん統計」によると、日本人女性が生涯でがんに罹患する確率は9人に1人、クラスの女子のうち約2人は乳がんになると考えてください。(もちろん他のがんにも罹患する可能性はあります。)
ご指摘の通り、がん保険に加入するのが今から5年後10年後になると保険料はかなり高くなり、がん保険に入る判断を遅くしても一生涯で払う保険料は少なくなる訳ではない、場合によっては高くなることになります。
質問者様は医療保険に加入しておられるとのことですが、がんに罹患した場合にお金が出るかというと、一般的な医療保険だと基本的には入院したときと手術・放射線治療を受けたときが支給対象になります。入院日数で言えば、がん(悪性新生物)で入院する日数の平均は35~64歳ですと13.0日です。年々短くなっています。(なお、再発した場合には長期間の入院になったり入退院を繰り返したりすることもあります。)
ただ、がんという病気は退院すればそれで終わりというわけではありません。がん細胞にはヒトの正常な新陳代謝の都合を考えず自律的に勝手に増殖を続け止まることがない、体のあちこちに飛び火(転移)し、次から次へと新しいがん組織をつくってしまう、他の正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん奪ってしまい体を衰弱させる、などの特徴があります。進行度合いにもよりますが、手術でがん細胞を切除したとしてもがん細胞の動きを封じ込める必要があります。そのため抗がん剤を投与・服用することになるのですが、近年では病院への通院や在宅療養で行うケースが増加しています。入院の保障があったとしてもお金が出る対象にはなりません。そしてがんの5年生存率は現在7割弱と以前より伸びている一方で治療期間は長期化しています。いつ治療が終わるかというのはわかりません。人によって違います。
抗がん剤は近年非常に進歩している一方で、薬の値段も非常に高くなります。ひところ話題になった「オプチーボ」などは当初は患者一人あたり年間3,500万円でした。ただ健康保険には「高額療養費制度」というものがあり、自己負担が3割だったとしても自己負担額には上限が設けられています。年収にもよりますが月約8万円、4ヶ月目以降は44,400円になります。ただ、抗がん剤の投与というのは1ヶ月2ヶ月で終わるとは限りません。何年も続く場合もありますし、再発したらまた別の治療方法を行うことになります。
また、がんの治療中は会社を休んだり、時短勤務になったりと従来通りには働けなくなる場合が非常に多いです。その場合には収入も減少します。貯金で備えておくのも大事ですが、せめて治療にかかるお金は保険で手当しておいたほうが良いのではないかと思います。(なお、がんの悩みについての調査をするとお金についての悩みが大体トップに来ます。)
今のがん保険というのはがんの治療にかかるお金をカバーするように出来ています。医療保険からはお金が出ないようなケースでもがん保険からは出るということも多いですし、がん保険の種類にもよりますが医療保険とは出る金額が全然違います。
また、今のがん治療は選択肢が多くなっている一方で非常に迷ってしまう患者さんが多いのですが(「がん難民」という言葉もあります)、保険会社によっては専門の相談員が治療方法について相談するサービスを提供している場合もあります。「がんの治療で必要なお金が出る」というだけでなく「お金の心配をせずにより良い治療を受けるためにがん保険に入る」という考え方も出来ると思います。
質問者様のようにがん保険に加入するかどうか迷っている方はかなり多いです。しかし迷っているうちにがんと診断されてしまったり、健康診断などでがんの可能性を指摘されたりしてがん保険に加入することが出来ず後悔されている方も多くいらっしゃいます。がん保険について関心を持たれたのであれば真剣に検討すべきだと思います。
がん保険というのは、一生がんにならなければ1円も出ず、かけてきた保険料というのは無駄になってしまいます。しかし、今は日本人の2人に1人ががんになる時代です。(がんになっても周囲に公表しない人が多いので実感することはないと思います。)もしご自身が一生がんにならず、保険料が無駄になってしまったのなら、質問者様はがんにならなかった2人に1人の側の人生を生きた、ということになるのです。
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