ビットコインは止めておくべきですか？

ビットコインに資金を回すことに反対はしませんが、目先のことだけを考えずに冷静に判断すべきです。

足元でビットコインの価格は直近の高値から約50％下落しています。つまり、ビットコインに入れた資金が半分になっています。この状況でも冷静に対応できる資金・精神でなければビットコインに手を出すべきではないと思います。このような状況に遭遇した時、群集心理バイアスが働くため人は冷静な判断はできません、できる人の方が変わった存在です。大抵の場合、「損切りして、お金が無くなった」という結果になります。日常経済では「安い時に買って、高い時に売る」という行為ができますが、いざ投資となるとできません。投資の神様、ウォーレン・バフェット氏も講演で「皆さん、スーパーに行って普段から欲しいものがあって、普段よりも高い価格になっていたら今日は見送りますよね。しかし、安かったとしたら買うかも知れません。それが賢い消費者です。ところが、普段は賢い投資家が、投資の世界に入ると急に愚かなことをしてしまうんです。そう、安い時には買わずに、高い時に買おうとしてしまうんですね。だから、株式投資ではみんな失敗してしまうのです」と発言しています。株式がビットコインに変わっても内容は同じです。

更に、ビットコインを代表とする仮想通貨は資産にはなりません。資産（Asset）とは「それを保有することにより、将来のキャッシュフロー収入を得ることができる」ものになります。仮想通貨は所有しているだけでは金利等のキャッシュフローを得ることはできません。また、資産とされるものは現在価値の計算ができます。現在価値が計算できなければ、割高・割安の判断ができません。つまり、割安だから買われる、割高だから売られるといった行動は起きません。端的に表現すると現在の仮想通貨は投資対象にはなり得ないということです。仮想通貨はあくまで投機の対象です。
投機とは、文字通り、機会に資産を投じること＝ギャンブルに近い経済行為です。老後のためにビットコイン投資をすることは、人生をビットコインに賭けることと同意になります。

老後の資産形成という目的で運用を考えるのであれば、もっと手堅い方法を考えるべきです。