親から受けた援助に掛かる税金を安くしたい

男性40代 nyannkurouさん 40代/男性 解決済み

マンションを購入するための資金を親から一部援助してもらえることになりましたが、贈与税が割と高額になるという話を聞いたことがありました。
また、相続時精算課税制度などという言葉も以前耳にしたことがあったのですが、親から住宅取得資金の援助を受けた場合に、一番税金が安くなる方法を教えていただきたいです。
購入する予定のマンションの販売価格は3200万円程度であり、親からの資金援助を受ける金額は1000万円程度になります。
援助を受けた資金は、マンション購入のための頭金や諸経費の支払いに充てていきたいと考えている所です。
また、相続時精算課税制度を利用した場合に生じる可能性があるリスクなどがあれば、事前に教えていただきたいと考えています。

1 名の専門家が回答しています

佐藤 元宣 サトウ  モトノブ
分野 税金・公的手当・給付金・補助金・助成金
40代前半    男性

全国

2021/03/09

ご質問が、令和2年度にあったことから、令和2年度における税法に基づいた回答をしていきます。

また、質問内容全体より、質問者様は、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」および「相続時精算課税制度」のいずれも適用要件をすべて満たしているものとして回答を致しますので、あらかじめご留意ください。

はじめに、「親から住宅取得資金の援助を受けた場合に、一番税金が安くなる方法を教えていただきたいです。」とあります。

結論から申し上げて、仮に、親からの資金援助を受ける金額が1,000万円だった場合、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」および「相続時精算課税制度」のいずれの制度を活用したとしても節税効果は同額(贈与税0円)となります。

ただし、以下、注意点を回答していきますので、必ず最後まで読み進めていただくことを強く推奨致します。

1.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を適用する場合、どのような住宅を購入するのか、また、住宅購入をする契約を締結した日によって、非課税となる金額が異なる点に注意が必要です。

1-1.住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が「令和2年4月1日~令和3年3月31日」

・省エネ等住宅:1,500万円
・上記以外の住宅:1,000万円

1-2.住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が「令和3年4月1日~令和3年12月31日」

・省エネ等住宅:1,200万円
・上記以外の住宅:700万円

上記2つのことをまとめますと、質問者様が、住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が「令和2年4月1日~令和3年3月31日」であった場合、購入した住宅が、省エネ等住宅であっても、それ以外であったとしても贈与税がかかることはありません。

一方、住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が「令和3年4月1日~令和3年12月31日」であった場合、購入した住宅が、省エネ等住宅の場合は贈与税がかからないものの、それ以外の住宅の場合、贈与税の納税負担(概ね19万円)が生じると考えられます。

なお、相続時精算課税制度は、通算2,500万円までの贈与が非課税となるため、購入する住宅の種類を問わず、1,000万円の資金援助に対して贈与税が課されることはありません。

2.資金援助を受けたお金をすべて住宅取得資金に充てる

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を適用する場合、資金援助を受けたお金をすべて住宅取得資金に充てることが要件の1つとされているため注意が必要です。

したがって、たとえば、住宅購入後の贈与や住宅ローンの返済が始まってからの贈与は、本制度の要件を満たさないことが考えられるため、要注意と言えます。

3.贈与税の申告が必須

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を適用する場合、この非課税制度を適用した旨の贈与税の申告を必ず行う必要があります。

これは、納めるべき贈与税が0円であったとしても贈与税の申告をする必要があるため要注意です。

4.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度は相続税対策になる

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度は相続税対策になります。

この理由は、少々専門的なお話しとなるのですが、相続開始前3年以内における相続税の課税価格に加算する規定の対象にならないためです。

たとえば、質問者様が父親から住宅取得資金として1,000万円の贈与を受け、その後、3年以内に父親が死亡した場合、相続税の課税価格に贈与をした1,000万円が加算されます。

これによって、納めるべき相続税が発生したり、納めるべき相続税額が増加する原因になるデメリットが生じます。

しかしながら、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を適用した場合、仮に、質問者様が父親から住宅取得資金として1,000万円の贈与を受け、その後、3年以内に父親が死亡したとしても、相続税の課税価格に贈与をした1,000万円が加算されることはありません。

そのため、有効に相続財産を減らせる効果が得られることになります。

なお、相続時精算課税制度を適用しますと、相続が開始した時、贈与をした1,000万円が相続税の課税価格に加算されるため、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度に比べて相続税対策になるとは言い切れません。

場合によっては、納めるべき相続税が発生したり、納めるべき相続税額が増加する原因になるデメリットが生じることから、相続時精算課税制度を利用した場合に生じる可能性があるリスクの1つと言えるでしょう。

おわりに

質問内容全体のみを考慮しますと、今回の質問者様の場合、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を適用することが、将来的なことを考慮しても、最も得策になる方法と判断します。

目先の贈与税だけを考慮しますと、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度も相続時精算課税制度を適用した場合も税効果は同じです。

しかしながら、将来的なことも考慮しますと、贈与をした後の取り扱いが全く異なることを回答内容からご理解いただけたと思います。

後は、専門家である税理士へ贈与税の申告を申告期限までに行ってもらうなど、適宜、適切な対応を行っていただくことで、疑問が解決されることになるのではないかと思われます。

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