保険に入らなかった場合のデメリットを聞きたいです。

男性40代 MASAKI_Mさん 40代/男性 解決済み

生命保険やがん保険、医療保険にまったくの未加入の割合はどれくらい存在しているのかをまずは知りたいです。そのうえで自分の置かれている状況からそもそも保険に加入するべきか否かを総合的に判断していただきたいです。入っておいた方が安心ですよ等の精神論的回答ではなく、何故必要不可欠と考えるのかを理論的に教えていただきたいと思います。最後にFPの方自身はどのようなお考えから自らはどのようなタイプの保険に加入されているのか、逆にどういう理由で加入されていないのかをお聞かせ願いたいと思います。なんでもかんでも加入しておいた方が良いというスタンスではなく、必要性に確証を持った上で保険に加入したいと考えるからです。

1 名の専門家が回答しています

石村 衛 イシムラ マモル
分野 医療保険・がん保険
60代前半    男性

全国

2021/03/09

日本国内居住者は、類稀なる「保険大好き」のようです。生命保険協会の調査(※1)によると保有契約件数は、
☆ 死亡保険(終身保険、定期付終身保険、利率変動型積立終身保険、定期保険、変額保険、養老保険の合計)   9,439万件
☆ 医療保険          3,850万件
☆ ガン保険          2,500万件
☆ その他           2,334万件(こども保険含む)
☆ 合計           1億8,129万件
 同調査によると、保有契約高は横ばいながら、保有件数は11年連続で増加しており前年比では104.8%となっています。
 保有契約数が1億8千万件を超えるということは、一人が重複して契約しているとしても圧倒的多数の人が、死亡保険や医療保険などに加入していることになります。

 上記の契約状況を見ると「保険に入っておいた方が安心」というイメージ戦略に乗り、「右へ倣え」の風潮に流されやすいといわれる日本人には、一見説得力があるように感じてしまうこともあります。
しかし、保険はあくまでも「保険金支払いに該当する出来事発生の際、金銭的な補填に過ぎない」ということを忘れないようにしましょう。
 
 死亡保険は、被保険者(加入者)が亡くなったことによって、それまでの収入が途絶え、その収入に依存していた遺族が生活費や教育費などの不足を「補填とするため」に加入する方が圧倒的多数です。
「40歳代の独身で子供のいない方」というケースでは、独身者は収入に依存する配偶者はおらず、子どもがいなければ扶養義務は存在せず教育費も発生しませんので、一般的に死亡保険は「必要ない」と推定されます。
詳細な状況次第では、死亡保険が必要となる場合もあるかもしれません。例えば、親の高齢化に伴う扶養が必要になるケースも考えられますが、被保険者の収入に依存する親の存在はレアケースかもしれません。
 その他、独身者でも相続税の課税対象となる資産をお持ちの方が、相続税の負担軽減策や納税資金として生命保険を使うというケースも散見されます。
いずれも例外的な場合ですので死亡保険加入の必然性は乏しく、目的に応じた検討が必要なことには変わりがありません。

 次に医療保険については、3,800万件を超える加入しているという調査結果ですが、終身保険や定期付終身保険などの特約として入院特約を付加しているケースが多く、実際には生命保険全体の加入数に匹敵する契約が存在していると思います。

 民間医療保険の入院限度日数は、1入院60日限度が主流です。仮に入院給付金1万円/日の契約であるとします。この契約の1入院限度は60日×1万円=60万円となります。
貯蓄等が乏しく最大給付金額60万円がないと治療費が不足する懸念のある方が、支払に備えるのが医療保険です。つまり。貯蓄などの資産があれば「医療保険の必要性は乏しい」と考えられます。
では、医療費の自己負担はどのくらいになるのでしょうか、69歳未満の自己負担3割は周知のことだと思います。1万円の総治療費は、自己負担3,000円の支払いです。これが、300万円の総治療費となると自己負担は90万円となり、負担は増します。
ところが、全健康保険(国民健康保険、きょうかい健保、くみあい健保等)共通の「高額療養費制度(※2)」という仕組みにより、上記の300万円の総治療費(自己負担3割のケース90万円)のケースでは、一般的な収入区分(年収約370万円~約770万円)の場合では1か月間の自己負担限度額は107,430円となり、約80万円は原則として後日加入している健康保険から支給(キャッシュバック)されます。
 この制度は被保険者の収入に応じて限度額(※2)が異なりますが、医療費の自己負担は一定限度になるため、医療保険の入院給付金1万円/日では入り過ぎかもしれません。ご自身の限度額を確認しておきましょう。
 そもそも、民間医療保険の1入院限度額(上記の例では60万円)を既に生涯入院に限って使わない貯えがあれば、加入は不要といえます。
 医療保険は、高額療養費の限度額を蓄えるまで不足している期間の「時間稼ぎために加入する」という考え方が合理的だと思います。
 ちなみに高額療養費制度は、健康保険適用の治療や投薬等を受ける場合には、すべての治療、投薬などが対象となります。その場合、ガンや心臓病など特定疾病に対する除外規定は存在しません。冷静に考えれば、特定疾病に限って給付金を上乗せするガン保険や三大成人病特約などは「あったほうが安心」という典型例かもしれません。
 また、保険営業のセールストークには、「差額ベット代は高額療養費の対象外で高額ですよ」と不安を煽る場合もありますが、差額ベットは「患者が快適な環境を望む場合に限って利用する」もので、ドクターの判断で治療が必要、感染症など特殊な場合などで個室等に収容される場合には差額ベット代は請求できない決まり(※3)です。

 ちなみに筆者の生命保険は、万が一の際の妻と子供の生活費補填目的で加入しています。子どもも独立し所帯を持ちましたので、それに合わせて保障は大幅に縮小しました。保険は、「あったら安心」よりも「最低限の必要性重視」というスタンスです。

※1 生命保険協会:2019年版 生命保険の動向
https://www.seiho.or.jp/data/statistics/trend/pdf/all_2019.pdf
※2 厚労省:高額療養費を利用される皆さまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf
※3 厚労省:保医発0305第5号 令和2年3月5日
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0702/documents/0305.pdf

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