日本で今後現金が消えることはあるのか？

こんにちは。ご質問をいただき、ありがとうございます。
断定的な判断は致しかねますので、あくまで私（荒井）の個人的な見解として回答させてください。

ご指摘の通り、世界でも急速にキャッシュレスの方向に舵を切っている国はあります。
代表的なのがスウェーデンです。

同国では、主要銀行11行が共同で開発した支払いアプリ「スウィッシュ（Swish）」が広く普及しています。それと関連して、現金での決済を受け付けない商店も多数あるのが実情です。

しかし、これだとキャッシュレス決済を使えない人（例：高齢者や新規移民、障害者など）が生活できなくなってしまうため、現金での支払いを保証する（支払い場所を確保する）義務が県レベルで課されています。また、全国の銀行に対しても、現金を扱い続けるよう命じる法案も提出されているとのことです。以下のJETROの記事において詳しくまとまっていたので、ご参考にしてください。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/11/bbf1082a6bcf2e62.html

また、アメリカ・ニューヨーク市においては、小売店や飲食店が現金による支払いを受け付けないことを禁止する法案がすでに可決されています。これも、スウェーデンの場合と一緒で、キャッシュレス決済が使えない人を保護する趣旨があるものです。同様の法律は、既にサンフランシスコ市とフィラデルフィア市で制定されました。また、ニュージャージー州は州全体でこのような法律を導入しているとのことです。

https://forbesjapan.com/articles/detail/31984/1/1/1?s=ns

やはり、キャッシュレス決済が急速に普及している国であっても、現実的には公共の福祉を優先し、現金による支払いも方法の1つとして残す、という対応に至っているようです。
日本は諸外国に比べると、比較的クレジットカードや銀行口座は作りやすいですが、それでも利用できない人はいます。このような事情を考えると「日本から現金が完全に消える日は来ない（現実的に難しい）」というのが現時点での私の意見です。