支払う税金の金額が増えても収入は変わらないこと

女性40代 ななまるねこさん 40代/女性 解決済み

収入は低いままなのに税率だけがどんどん上がっていきます。このままでは税金を支払うためだけに仕事をしているという感じになってしまいそうです。それだけ負担が大きくなっている、ということです。それなのに将来的に受け取ることができるであろう、公的年金の金額はどんどん減っていくと言われています。今支払っている税金分があれば、今だってある程度余裕のある生活を送ることができると思いますし、税金で支払っている分を自分で預貯金に回すことができるのであれば、安心もできると思います。税金を支払っていても自分には返ってきている感じもしません。生活が苦しくなる一方です。今出来る上手な節税方法があればぜひとも教えていただきたいです。

1 名の専門家が回答しています

松村 勝宜 マツムラ カツノリ
分野 税金・公的手当・給付金・補助金・助成金
50代前半    男性

全国

2021/03/09

私はセミナー講師としてもお金に関するさまざまなテーマでお話ししているのですが、特に受講者が増えるのが、会社員でも可能な節税方法についての内容です。
しかし、セミナー終了後は高い期待に反してがっかりされている方が少なくない印象を受けます。
なぜなら、私の話の拙さもあるでしょうが、会社員の方にとってはそれほどインパクトのある節税手段がそもそもないからです。
昔から、「9-6-4(クロヨン)」や「10-5-3(トーゴーサン)」という言い方があります。
それぞれ課税対象となる所得を税務署に捕捉されている割合のことで、会社員などの給与所得者は9割が捕捉されているのに対し、自営業者は6割、農業従事者は4割しか捕捉されていないという現実が表現されています。トーゴーサンは、この差がさらに開いている形ですね。
原則として会社員は、勤務先が所得税を計算し、給料からあらかじめ差し引いて国に納める「源泉徴収」という仕組みがあるためです。
ご質問者さまも会社員とのことですので、無念かもしれませんがこの前提をまずはご理解ください。
そのような状況でも、しっかりと活かせれば高い効果が期待できるのが、「確定拠出年金(DC)制度」のフル活用です。公的年金に上積みする「私的年金」に当たります。
現行の公的年金制度は、加速する高齢者の増加と現役世代の減少により、ご相談者さまがまさにおっしゃる通り受け取り額を少なくするか、受け取り開始年齢を遅らせるか、早期に何らかの対策をとらなければ制度維持が難しくなっていきます。
そこで、税制優遇というオマケをつけて、一般生活者の老後資金づくりを後押ししようという制度が定められ、少しずつ改良を繰り返しながら広がってきているのです。
DCには「企業型」と「個人型」があり、ご勤務先に企業型DC制度がなければ個人型に加入することになります。個人型DCの愛称は「iDeCo(イデコ)」と呼ばれます。
具体的な税制優遇内容として私が特に大きいと考えるのは、掛金が全額所得控除の対象となることです。例えば、会社員の上限である23,000円を毎月拠出した場合(年間276,000円)、ご相談者さまの所得税・住民税が合わせて税率15%であるとすると、年間41,400円(276,000円×15%)もの税金が少なくなります。
ご相談者さまが希望されるように、この節税額を20年間貯めていかれると、元本だけで828,000円(41,400円×20年)になります。決して小さな数字ではないですよね。
ただし、ご質問の主旨とは異なるのですが、私が考えるDC制度の最大のメリットは、老後まで引き出せないというところにあります。これこそが確実にお金を貯めるための肝なのですが、向こう10年、20年のうちにどこかでまとまった資金が必要になるかもしれないとお考えであれば、あえて活用しないほうがよいかもしれません。
最後に一言。
みんなががんばって税金を支払うから、公的年金制度がそれなりに維持されています。
税金を支払った分がご自身にに返ってきている感じがしないとのことですが、道路の信号がほとんど消えることなく点灯しているのも、道端にゴミが散乱していることが少ないのも、119番通報で救急車がわりと素早く来てくれるのも、みんなが税金を支払っているからです。どんなに素晴らしいことでも、当たり前になっていることにはなかなか気付きにくいものですよね。誰しもどうしても悪いところに目がいきがちですが、良いところに目を向けるよう意識みてみると、暮らし全般が好転していくはずです。
現在支払っておられる税金分を、もし支払わずに手元に残すことができるのなら、目先は少し余裕のある生活を送ることができるのかもしれません。しかし、税収が足りずに危なくて汚くて安心できない世の中になってしまえば、そもそも生活に余裕などなくなってしまうのではないでしょうか。
大切なのは、節税に一所懸命になるのではなく、がんばって働いて収入を少しでも増やす努力をすることです。もちろん収入が増えるほど税率も高くなり、納める税金の額も増えるでしょうが、手取りも確実に増えていきます。
そうなれば、ご自身も周囲も、少しずつみんながハッピーになっていくのではないでしょうか。

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