消費税を導入した意味がない気もしています

男性40代 neuconmsiさん 40代/男性 解決済み

消費税についてお伺いしたいです。安定財源で社会保障などに使われ、将来的に高齢化社会が加速するのでもっと増税する必要があると仰る方もいますが、消費税導入後はどう見ても経済が落ち込み、景気が良くなることがなくなったように感じます。税収も確か減っていたかと思います。いっそ消費税を廃止にして経済を活性化させたほうが税収も上がって社会保障費にも充てられるように思うのですが、FPの方から見てどう思うのかが知りたいです。

1 名の専門家が回答しています

松村 勝宜 マツムラ カツノリ
分野 税金・公的手当・給付金・補助金・助成金
50代前半    男性

全国

2021/03/09

廃止した消費税収分の穴埋めをどのようにするかについて、ご質問者さまの対案が記載されていないようですので、ご質問者さまのご意見に対して回答はなかなか難しいのですが、そのあたりも補いながら考えてみたいと思います。
現状、消費税は国の税収全体の中でも最大となる3割以上を占め、金額にすると20兆円を超えています。仮にこれがゼロになるとしたら、①他の税収を増やす、②国の借金を増やす、③歳出を減らす、のいずれか、または複数の項目に取り組んでいかなければなりません。しかも、国の予算規模が約100兆円であることを考えると、決して簡単なことではないことを覚悟する必要があります。
まず①の可能性について考えてみます。消費税に次いで税収が多いのが、所得税です。これを増やすと手取りが減っていきますので、経済にはマイナスの方向です。次に多いのが法人税ですが、これを増やすと労働者に支払われる賃金にしわ寄せがいくかもしれませんし、企業が低い法人税率の国へ出ていってしまえば、働く場所が少なくなり、失業者が増えてしまう可能性もあります。その他の税として、酒税やたばこ税、相続税などがありますが、いずれも税収全体に占める割合はごくわずかですので、どんなにビールやたばこを値上げしたとしても、消費税廃止分を穴埋めする効果は限定的でしょう。
②の借金をさらに増やすことについてはどうでしょうか。現状でさえ、借金が膨張し続けている状況です。国債を次から次へと発行していく中で、世の中のお金の量が増え続けるとしたら、お金の価値は下がり、歯止めが効かないインフレがやって来るかもしれません。極論ですが、今は100円で買えるペットボトルの値段が1万円になる世の中になったとしたら(物価は100倍)、今は百万円の預貯金があっても実質は今の1万円程度の価値しかなくなってしまいます。また、そもそも借金の返済を子どもや孫の世代に先送りし続けていく状況は、決して好ましいとは思えません。
③の歳出を減らすということは、さらに難しいでしょう。国の歳出で最大の項目は社会保障関係費であり、歳出全体の3分の1を占めています。これからも高齢化は止まりませんので、どんなに高齢者にガマンを求めたとしても、社会保障に必要な費用は比率・金額ともに拡大し続けるでしょう。ちなみに、国会議員の報酬を減らせ!などの主張がよくみられますが、予算規模全体からみると微々たるものですので、根本的な問題解決にはなりません。
では、こうした背景をふまえて私見を申し上げますと、やはり消費税廃止はもちろんのこと、消費税率を下げることも現実的ではないと考えます。
むしろ、社会保障を充実させて生きていく上での安心感を高めるためにも、消費税を早期に増税し、広く薄くみんなで負担し合うことは必要だと思います。消費税への批判として、逆進性が高いことが言われます。つまり、お金持ちもそうでない人も、食費など生活に最低限必要な一定の出費は発生するため、低所得者ほど負担感が大きくなってしまうというものです。しかし、まだ高齢化率が低い時代であればそうかもしれませんが、高齢社会となった今では、社会保障の恩恵を受けるのは、相対的に所得が低い高齢者層が中心となるため、必ずしもこの批判は当てはまらないともいえます。私は、消費税は決して不公平ではなく、むしろ逆で、相対的には最も公平な税ではないかと思います。
もっとも、所得が高い人や、たくさんの資産を保有している人には、今よりも少し大きな負担をしていただくことも必要でしょう。所得税の累進性(高所得者ほど税率を高くする)を高め、相続税など、資産に対する課税を強化することなどが必要だと思います。実は今すでにそのような方向性にはなっているのですが、まだ十分とはいえないでしょう。
ご質問者さまがおっしゃるように、経済を活性化させていうことは言うまでもなく重要です。しかし、短期的に景気が良くなっても根本的な問題が解決していなければ、結局は将来同じことが繰り返されるでしょう。奇策はありません。目先の小手先の景気対策ではなく、みんながこのような財政の現状をしっかりと認識し、長期的な視座に立って考えていけるようになることこそが、より良い未来につながるのだと思います。

専門家にお金の悩みを相談できます

・ 月300円(税別)

・ 毎月3回まで質問が可能

・ 最短5分で回答可能

・ 100名超の認定専門家が回答

・ 回答率99%

関連する質問

国民年金のルール

自分は現在31歳の会社員です。仕事をしていれば自然と税金を払うことになります。それと意識せず給与から支払い分がが惹かれることもあります。だからそこまで気にすることでもありませんでした。そこへきて、この前甥っ子から国民年金を払わないのは犯罪なのかと聞かれたことがあります。その問について、そういえばよくわからないので答えられませんでした。甥っ子からは払っていない人はたくさんいると聞きました。こういったやり取りを受けて、支払い能力がない、そもそもニートだから収入もないという人がこれだけたくさんいる中で、年金制度に未来はあるのかと疑問に思いました。昔決めたルールにいつまでも安心しているだけではダメではないのかとも考えます。この制度のあり方についてどう思うのか、またこのように変わっていくべきだという専門家からの意見が知りたいです。

男性30代前半 doujimayoshiteruさん 30代前半/男性 解決済み
井内 義典 1名が回答

国からの給付金について知りたい

新型コロナウイルスの影響によって国からの給付金が色々出ていますが、色々あり過ぎて正直混乱しています。そこで個人事業主に対してどのような給付金を受け取れるのか、一度ファイナンシャルプランナーの方にお聞きしたいです。そして受け取れそうな給付金についてもあればお教え下さい。昨年よりも売上は新型コロナウイルスの影響を受けて減っていますので、それで受け取れる給付金があれば受け取っておきたいと考えています。国の給付金制度は複雑で素人にはどうも分かりにくいので、お金に関するプロであるファイナンシャルプランナーの方にお力添え頂ければと思います。何かの給付金を受けることができれば、今後の事業をしていく上でも助かります。

男性40代後半 マックス99さん 40代後半/男性 解決済み
中村 真里子 1名が回答

確定申告を個人でするのと会社でするのとでは違いがあるのか?

自分は会社員のため、確定申告を会社でしてもらっています。しかし、会社の同僚に「自分で確定申告した方が、色々と家計的にも助かることが多いよ」という話を聞きました。でも、自分は住宅を購入しているので、初年度は自分で確定申告をしたことがあり、面倒くさかったことを覚えているため、自分で確定申告をしようと思いません。自分も家の家計を見ているため、できることなら少しでも家計の負担を減らしたいと思っているので、税金対策として確定申告をしようか迷っています。そこで質問です。個人で確定申告するのと、会社に確定申告してもらうのでは、お互いにどんなメリットがあり、デメリットがあるのでしょうか?あと、確定申告すると、会社を立ち上げて青色申告するのとではどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか?よろしくお願いします。

男性40代前半 なんだかなぁさん 40代前半/男性 解決済み
松山 智彦 1名が回答

確定申告を税理士に頼む意味とは?

私はフリーランスで働いており、毎年確定申告をしています。ただ、基本的には全て1人でやっており、誰かに頼んだことはないです。でも、世の中には税理士に頼んでいる人もいるみたいです。確定申告を毎年自分1人でやっていて、特に不自由を感じていない私からすると、税理士に頼むメリットってなんなんだろう?と思えてくる状況で、実際に税理士を頼っている人の気持ちが分かりません。したがって、税理士に確定申告をやってもらう必要性はどういったところにあるのか?実際にどういうメリットがあるのか?どういう人が現実的に税理士に依頼をしているのか?などに関して、詳しく教えてほしいなと思っています。お金が当然かかるため、それに見合った恩恵が本当にあるのか?知りたいのです。

男性30代後半 263823さん 30代後半/男性 解決済み
佐藤 元宣 1名が回答

年末調整の還付金

昨年末の年末調整での還付金が例年より10万円程度少なくなっていました。特に申請で条件変更はておりません。考えられるのは住宅ローン控除ですが、3500万円借入3年目で、毎年30万円程度控除される予定なのに、今年は20万円弱でした。たった3年で1000万円も返済していないのに、なぜこんなに還付金が減ってしまったのでしょうか。社内でも10万円程度少ない、と話題になっている様子です。コロナ渦の経営悪化が関係していたりするのでしょうか。それとも、子供が療育手帳を取得したことを報告したので、それも関係あるのでしょうか。とにかく、なんで減ってしまったのか納得がいきません。給料減で還付金が大変貴重な存在なので、減ってしまって困っています。

女性30代後半 tama0623さん 30代後半/女性 解決済み
佐藤 元宣 1名が回答