資産運用の安全策

残念ながら質問のあるような損失を限定する仕組みはありません。
自身の行動、しかもリスクの伴う積極的な行動を補うには受けて側（例えば保険会社など）もそれ相応のリスクを負うことになります。米国であれば、投資銀行がリスクヘッジの手段として受けることも考えられますが、相当高い保険料を要求されます（この点については映画となった「マネー・ショート」を見れば理解できると思います）。

金融市場にはいろいろなリスクヘッジの手法があります。株式のヘッジとしてオプション取引・先物取引・ETFなどが挙げられます。しかし、どの仕組みもそれ相応の知識と経験がなければできません。仕組債という商品はこれらの仕組みを活用・組み合わせて作られた商品です。そのため、汎愛する銀行や証券の営業でも理解できている人は少ないと思われます。つまり、このような商品は買ってはダメということになります。

FXやCFD取引には強制ロスカットの仕組みが完備されているので大きな損失になる前に決済されてしまいます。しかし、万能ではありません。買いポジションを持っている段階で急激な下落が起き、ストップ安（1日の下落できる値幅限界）まで下がった場合、決済したくてもできないことも多々あります。決済できなければ、損失は増え続けます。そのため、元本を超える損失が発生することもあります。もし決済されずに続けたいのであれば、それに耐えられるだけの資金を事前に入れておく必要があります。
投資はこれらにリスクを自身で負わなければなりません。

金融商品はリスクがあるから収益が上がります。リスクのないものは増えません。この点は覚えておく必要があります。一方でリスクとは「コントロール可能なもの」を指します。そのため、リスクはゼロにはできませんが、減らすことはできます。