火災保険の支払いが滞ったときの火災

ご自宅に火の手が上がることなんてないと思われているにもかかわらず、火災が起こったときにどうなるかというご質問自体に矛盾があるような気がいたしますが、ひとまずお答えいたします。

火災保険は一般的には掛け捨てです。

保険料の支払いをやめて解約された後に火災が起こってご相談者さまに費用負担が発生したとしても、無保険の状態ですので当然ながら補償は一切ありません。

また、退去され保険を解約される際には、満期となるまでの残りの期間分は所定の計算をした上で保険料が戻ってきますが、すでに満期となった過去の契約分にまでさかのぼって戻ってくるなどということはありませんよ。

もしそのような一部でも戻ってくるような保険があるなら、保険料もその分だけ割高になるはずです。

本当に、火災が起こらなければ意味なく支払い続けてしまったと思われますか？

では、逆にご質問いたします。

もし保険期間中に火災が起こらなければ支払った保険料分のバックが得られるとするなら、同じ保険に加入している人が火災を起こして仮に1千万円の費用負担が発生する場合、誰がその補償をするのでしょう。

保険は、助け合いのシステムです。

保険の加入者みんなで少しずつお金を出し合って貯めておいて、その保険の対象となる事態が不運にも起こってしまった人に届けるという、本来はシンプルな仕組みなのです。

これまで支払ってこられた分が全く無駄になったと悔しく思われるのではなく、火事が起こらず安全に過ごせたことを喜びましょう。

それでも悔しいようなら、数千万円の余裕資金をがんばって貯めて、保険に入らなければよいのです。

保険はそもそも、滅多に起こることはないけれども、万一起こってしまったときに、預貯金等では到底対応できないほどの莫大な経済的負担が発生すると考えられるリスクに対して加入するものです。

万一大きな事故を起こしてしまった場合に、修復費用や隣家への補償などで困ることのないように、必要な分だけは確実に加入しておきましょう。