マイナポイントと副業について

ご相談者さまのご意見には正しい面もありますが、誤解されている部分もあるようです。
マイナンバーやキャッシュレスの拡大は、誰よりも政府（国）が最も切望していることです。だからオマケをつけてでも早く普及させようと必死なのですね。お金を隠せないようになれば、資産に課税しやすくなるわけですから。
ご相談者さまは国民が困るとのご意見のようです。確かにお金持ちは困るかもしれませんが、本来は、国民全体にとっては望ましい方向であるともいえます。
なぜなら、社会保障にかかる費用の増加とともに税収不足が常態化している中で、お金持ちから税金を取るという方向性は税制としてあるべき姿であると思うからです。
収入が多い人やお金をたくさん持っている人から税金をより多くとらなければ、みんなが支払う消費税をもっと上げなければますます社会保障制度の維持が難しくなっていきます。
（主に税金が使われる）高齢者の増加と（主に税金を支払う）働き手の減少がますます加速していく中で、みんなにやさしい世の中を維持していくためには、全体として税金を増やさなければ成り立たないのは明らかです。
家計にとっては収入が同じでも使えるお金が減っていきますので、これからますます資産運用を生活の一部としていくことが不可欠になっていくわけですね。
着実に資産を増やしていくための考え方は、決して難しくありません。
株式を主な投資対象とする投資信託（ファンド）を選んで、毎月コツコツと積み立てていけばよいだけなのです。
投資対象に株式を選ぶ理由は、企業価値の高まりとともに株価の上昇が期待できるからです。
身の回りにあるさまざまなモノやサービスは、企業によって生み出されています。歴史をさかのぼれば、人々の少しでもより良い生活をしたいという欲望が原動力となって今まで経済が成長してきましたし、おそらくこれからもそうなっていくでしょう。であれば、株価は短期的には大きく上下動しますが、長期的にはその企業の価値に収れんし、価格は上昇していくはずです。
本業を通じて社会課題を解決し、より良い世の中づくりに欠かせない企業を丹念にリサーチして選定している、長期での投資に資する本格的なファンドを選ぶ手間さえ惜しまなければ、何も心配することはありません。時間を味方につけて、複利の威力で資産が加速的に増えていくでしょう。
ファンドを選ぶ際には、一般生活者向けのセミナーをこまめに行っている会社、理念を確実に伝えるために直接販売（直販）にこだわっている会社などであれば、安心して「信じて託す」ことができるかと思います。距離感が近く、不安なことがあれば気軽に相談できる投信会社を探してみてください。
資産運用を始めることさえできれば、あとは基本的にほったらかしにしておけば大丈夫です。
やりたくもない副業などを考えなくても、本業に一所懸命取り組んで少しでも収入を上げる努力を続けることこそが、老後までお金の心配なく暮らしていくための最善策だと言えるでしょう。