親を扶養に入れることはできますか?

女性40代 Sandy333さん 40代/女性 解決済み

昨年父が亡くなり、母と同じ家で二人暮らしをしています。私は一般企業の会社員(正社員)です。母は現在、遺族年金と老齢年金をもらって生活しています。遺族年金分は非課税と聞きましたので、母の老齢年金分だけを計算すると年収が180万円には及ばないことになるため、母を私の扶養に入れたいと考えています。今一緒に住んではいるのですが、役所の書類上は世帯は私と母は別のままになっています。この場合、世帯を同じにしなければ母を私の扶養にいれることはできないのでしょうか?また、扶養に入れることができた場合は、どんな税金がどれくらい安くなるものなのでしょうか?いろいろと初めてで分からないことだらけです。ご回答、どうぞよろしくお願いいたします。

1 名の専門家が回答しています

佐藤 元宣 サトウ  モトノブ
分野 税金・公的手当・給付金・補助金・助成金
40代前半    男性

全国

2021/03/09

ご質問の件について、質問が令和2年度にあったことから、令和2年度の税法に基づいてそれぞれの質問に回答をしていきます。

1.税法上の扶養について

質問内容を確認し、「今一緒に住んではいるのですが、役所の書類上、世帯は私と母は別のままになっています。この場合、世帯を同じにしなければ母を私の扶養にいれることはできないのでしょうか?」とありますが、結論から申し上げて、質問者様の場合、母親を税法上の扶養親族として「扶養控除」の適用が受けられ、世帯を同じにする必要はありません。

ちなみに、国税庁では、扶養控除の対象となる扶養親族に該当する人の範囲を以下のように解説しており、その年の12月31日の現況で4つの条件すべてを満たしていることを要件としています。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。

質問者様の母親は、質問者様から見て、1親等の血族にあたるため、上記条件を満たしています。

(2) 納税者と生計を一にしていること。

「納税者と生計を一にしていること」とは、簡単に解説しますと、質問者様と日常生活を共にしていること、という意味にあたり、こちらも上記条件を満たしています。(質問者様が懸念している世帯を同じにすることを要件としていない)

(3) 年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

質問者様の母親は、公的年金の支給を受けており、「遺族厚生年金と老齢基礎年金を併給」していることが容易に推測できます。

この結果、母親の雑所得は0円となり、合計所得金額が48万円以下であることから、上記条件を満たしています。

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

事業専従者とは、ざっくりと事業を営んでいる家族を手伝っている親族のことを指し、母親は事業専従者でないため、上記条件を満たしています。

参考:国税庁 No.1180 扶養控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm

つまり、すべての要件を満たしているため、扶養控除の対象になると言い切れます。

2.扶養に入れることができた場合は、どんな税金がどれくらい安くなるのか

母親を扶養控除として適用できることがわかりましたが、これによって、納めるべき所得税および住民税が大きく軽減されることになります。

なお、扶養控除の金額は、母親の年齢が12月31日時点で何歳なのかによって大きく変わります。

・一般の控除対象扶養親族:母親の年齢が12月31日時点で69歳以下(控除額38万円)
・老人扶養親族:母親の年齢が12月31日時点で70歳以上、かつ、同居(控除額58万円)

ちなみに、具体的に軽減される節税効果というのは、質問者様の源泉徴収票を見なければわかりませんが、年末調整でいつもよりも多く還付されたと気が付けるほどの効果は期待していただいて結構です。

3.回答者が率直に感じたちょっとためになるかもしれない下世話な話

質問では「昨年父が亡くなり、母と同じ家で二人暮らしをしています」とあることから、令和元年度に父親が死亡したことがわかります。

そして、令和2年度に今回の質問があったということは、おそらく、令和元年度から現在と同じ状況が続いていたと推測することができます。

仮に、そうであったとするならば、質問者様は、令和元年度の年末調整にて、母親を扶養控除の対象にしていなかったことにつながり、結果として、所得税および住民税を納めすぎているのではないかと思われます。

もしも、上記の推測がその通りであったとするならば、質問者様は、所得税の還付申告を行うことによって、納めすぎた税金を還付される結果につながると言い切れます。

還付申告は、過去5年間に遡って行うことができるものとなっているため、早めに還付申告を行い、納めすぎた税金を還付してもらうのが質問者様にとって得策になるものと思われます。

不明な場合や疑問な場合は、税務署、税理士、税務に詳しいFPなどへご相談いただき、適切に対応いただくことをおすすめするのと同時に、本当に下世話ですが、税金が無事還付された場合、父親の仏前にいつもよりも立派なお供え物をしても良いかもしれませんね。

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