家計簿は手書き・スマホのどちらでつけるべき?それぞれの方法に向いている人の特徴4選

節約・貯金をするために重要なのは、まず「自分たちは毎月どのくらいお金を使っているのか」を正確に把握することです。1カ月続けるだけでも大まかな傾向は見えてきますが、長期間付けたほうがより実態を反映した正確なデータが得られます。

つまり、家計簿は「続けてこそ意味がある」ので、始める際には「どうすれば続けられるか」を考えた上で取り組みましょう。そこで今回は

  • 手書きの家計簿が向いている人の特徴
  • スマホの家計簿が向いている人の特徴

について解説します。

家計簿は手書き・スマホのどちらでつけるべき?

ある程度正確につけられて続くならどちらでもOK

筆者は仕事柄、様々な人から「家計簿はどうやってつけるのが一番良いですか?」と聞かれます。結論から言うと

ある程度正確につけられて続く方法なら大丈夫

ということです。

もちろん、正確であるに越したことはありませんが、会社の帳簿を付けるのとはわけが違うので「1円単位で収支が合わないとダメなの?」と意気消沈しないようにしましょう。

それよりも「自分にとって苦にならず、続けていけるか」を基準にして、家計簿の付け方を考えていくほうが現実的です。

手書きの家計簿が向いている人の特徴4選

自分のこだわりが強い

スマホがここまで普及する前は、家計簿は手書きでつけるのが当たり前でした。

手書きで家計簿、という場合書店や文房具店で売っている家計簿を買ってきて使うのが一般的ですが、自分の好きなデザインのノートを買ってきて家計簿にする人もいるようです。

「わざわざ市販の家計簿を買わない理由」として

  • 自分たちの生活の実態に合った項目の割り振りをしたい
  • 自作のイラストを空いたスペースや見出しに入れたい
  • お気に入りのノートを使って家計簿を作りたい

など、自分なりのこだわりを反映させたいことが理由の1つとして考えられます。

もちろん、スマホの家計簿でも、希望する項目を追加する程度のカスタマイズは可能ですが、自作のイラストやデザインの大幅な変更は難しいのも事実です。「毎日使うからには、お気に入りを使いたい」という人なら、手書きの家計簿のほうがあっているでしょう。

なお、手書きで家計簿を作る場合、しっかりとお金の流れを把握するためには、入れておくと良い項目の例をまとめました。

大分類 項目 内容
固定費 住居費 家賃、管理費、住宅ローンの返済など
水道光熱費 電気代、ガス代、水道代、新聞代など
通信費 固定電話代、スマホ・携帯電話代、プロバイダー使用料など
保険料 生命保険、医療保険、がん保険、自動車保険、火災保険など
変動費 食費 食費、外食費、おやつ代など
日用品費 生活するために必要な次用品、雑貨、衣服費など
交際・娯楽費 冠婚葬祭費、嗜好品の支出、旅行に行く際の交通費・ホテル代、友人との外食・飲み会代など
その他 交通費、医療費、お小遣い、美容費、特別費(数年に1回レベルの家電の買い物など、大きな買い物をした場合の費用)

几帳面

市販の家計簿を買ってきてそのまま使うならまだしも、1冊のノートに項目を書き込んでいき、継続して数字を付けていくという作業は、几帳面でないと続きません。

  • 誤字脱字が多い
  • 項目がずれてしまってもあまり気にしないで進めてしまう

など、どちらかといえば几帳面でない人(筆者も含みます)には、正直手書きは向いていないのも事実です。

結局、見た目がひどかったり、正確なデータが得られなかったりする「微妙な家計簿」が出来上がってしまうでしょう。

しっかりしている

いざ、まっさらなノートから家計簿を作ろうと思っても

  • 自分たちの家ではどんな項目を割り振らなくてはいけないのか
  • 見開き1ページに何日分の情報を記載するのか
  • イレギュラーな情報が出てきた場合はどうやって整理するのか

など、かなり細かい部分まで決めた上で取り組まないと、到底家計簿として使えそうにない代物が出来上がってしまいます。

そのため、物事に取り組む際はかなり細かい部分まで決めた上で取り組める、しっかりした人(慎重な人)でないと、手書きの家計簿を一から作るのは難しいでしょう。

書くことが好き

普通のノートで一から家計簿を自作する場合はもちろん、市販の家計簿を買ってきてつけていく場合でも「筆記用具で文字を書くこと」自体が好きでないと、家計簿は続きません。

電卓が得意かどうかもカギ

また、手書きの家計簿の場合、アプリの家計簿のように自動で収支計算をしてくれるわけではありません。数字を取りまとめて計算していくことになるので、ある程度は電卓の扱いに長けている必要もあります。

  • 自分の家の家計簿程度なら抵抗はない
  • 実は簿記の資格(日商簿記検定2級など)を持っているので電卓には慣れている

という人ならともかく、電卓が苦手な人はあまり手書きの家計簿に向いていないようです。

スマホの家計簿が向いている人の特徴4選

こだわりはそこまで強くない

一方、スマホの家計簿が向いている人の特徴についても考えてみましょう。まず、最大の特徴として挙げられるのは「こだわりはそこまで強くないこと」です。

筆者はどちらかといえば「家計簿は大まかな傾向さえ見られればそれで良い」と割り切っている部分もあるので、よほど目に余るデザインでなければ気にしません。また、項目も細かくカスタマイズせず「これは大体このあたりに収まりそうな費用だな」など、大まかな算段を付けた上で分類しています。

筆者と同じように「家計簿は大まかな傾向さえ見られればそれで良い」と割り切っている人は、スマホの家計簿でも十分に役割は果たせるでしょう。

面倒臭がり

ノートで自作したものでも、市販のものでも、手書きの家計簿には「レシートを集めて自分で書き込む」という作業が発生します。その作業を楽しんでやれているなら何ら問題はありません。

しかし

  • 毎日コツコツ何かをすることが苦手
  • 家事や仕事、育児をこなすのに精いっぱいで家計簿を書くところまで手が回らない

人に「レシートを集めて自分で書き込む」ことを楽しむように、と言ってもあまり意味があありません。

「自分は面倒臭がりだから、できるだけ効率的にやりたい」という人は、スマホの家計簿のほうが「続けられる」という意味で理にかなっているでしょう。

特に、いわゆる「キャッシュレス決済」をメインに使っている人なら、スマホの家計簿のほうが向いています。

昨今、スマホの家計簿アプリはクレジットカード・銀行口座の情報を連動させると自動的にデータを反映させてくれる仕様になっているものが多いため、一度設定を済ませてしまえば、後は勝手にデータを付けてくれるためです。

細かいことが苦手

先ほども触れたように、キャッシュレス決済を使っている場合は、スマホの家計簿アプリでデータを反映させる設定を行えば、自動的に家計簿をつけてくれる仕組みになっています。しかし、それでも

  • 現金払いをした
  • スマホの家計簿アプリとのデータ連動に対応していないクレジットカードを使っている

など、自動的にデータが反映されない場合は手で入力しなくてはいけません。ただし、この場合もいきなり細かくつけようとするのではなく、以下の3つのどれに当てはまるか分類した上で対応するなど、まずはゆるく始めてみるのが良いでしょう。

食費 食費、外食費、おやつ代など
日用品費 生活するために必要な日用品、雑貨、衣服費など
その他 食費、日用品費以外の費用

細かいことが苦手な人が無理すると挫折します

手書きの家計簿に限ったことではありませんが、家計簿は細かくつけようと思えばいくらでも細かくできます。

しかし、細かいことが苦手な人が「それでも家計簿は正確でないといけないから」と言って、自分や家族の支出を細かく割り振った上で家計簿を付けようとすると、ほぼ間違いなく挫折するので注意してください。

書くことが苦手

そもそも、文字を書くことが苦手(筆者のように、ケガや病気の影響で長時間文字が書けないケースも含む)な人の場合は、スマホの家計簿にしておいた方が無難です。

文字を書くことが苦手にも関わらず、手書きの家計簿にチャレンジしようとすると

  • 誤字・脱字が多くなる
  • 修正を繰り返すことになるため、見た目が汚くなる
  • 「なんだか、面倒臭い」と嫌気がさし、結果家計簿をつけなくなる

など、何一つ良いことはありません。

FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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