日本において、初めて一般向けにクレジットカードの募集が始まったのは1961年のことでした。
現在は三井住友信託銀行傘下のクレジットカード会社である三井住友トラストクラブが発行している「ダイナースカード」が、「収入、生活の安定性、将来性の3点を重視し、社会的信用の高い方をお迎えする」という方針を掲げ、募集を開始したのです。
それから60年近く経ち、今ではクレジットカードは学生や主婦でも持つことができるほど一般的になりましたが、やはり「富裕層にターゲットを絞ったクレジットカード」は存在します。
中でも、一部のクレジットカード会社が最上位顧客に対してのみ発行する「ブラックカード」は「ごく一部の富裕層 = 超大金持ちしか持てない」というイメージが付きまとうほど、希少性が高いものとなっています。
しかし、一部のブラックカードは「超大金持ち」でなくても手に入れることが可能です。そのためには
- そもそもブラックカードが一体何かを理解すること
- どこの会社のクレジットカードを使うか考えること
の2点が重要になるので解説します。
目次
ブラックカードとは?
クレジットカードにおける最上位資格のこと
俗に、クレジットカードの会員資格のことを「ステータス」と言いますが、このステータスは
- 一般
- ゴールド
- プラチナ
- ブラック
の4つに大まかに分類されます。
そして、ブラックカードとは「当該クレジットカード会社が最上位顧客として認定した会員に対してのみ発行される、招待制が基本のクレジットカード」のことを指します。
なお、実際にブラックカードを発行しているクレジットカード会社はごくわずかです。2021年8月現在、日本国内でブラックカードに相当するクレジットカードを発行している会社をまとめました。
国際ブランド | 日本での発行会社名 | カード名 |
---|---|---|
American Express | アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(日本支社) | アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード |
Diners | 三井住友トラストクラブ | ダイナースクラブ プレミアムカード |
Mastercard | 三井住友トラストクラブ | TRUST CLUB ワールドエリートカード |
アプラス | ラグジュアリーカード/Mastercard Gold Card | |
Visa | スルガ銀行 | SURUGA VISA Infinite |
JCB | ジェー・シー・ビー | JCB THE CLASS |
券面が黒いことがほとんどであるためこの名前
ここで「なぜ、最上位顧客に対して発行されるクレジットカードをブラックカードというのか」についても触れておきましょう。
アメリカの有名クレジットカード会社の1つに、アメリカン・エキスプレスがあります。この会社のマーケティングの特徴として「自社発行のクレジットカードに対して会員ランク( = ステータス)を設けることで、顧客の囲い込みを行う」ことが挙げられます。
つまり、現在ほどクレジットカードが一般的ではなかった時代から、ステータスを意識して新しいクレジットカードを発行してきたのです。
日本においては
- アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(ゴールドに相当):1980年より発行
- プラチナ・カード(プラチナに相当):1993年より発行
- アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード(ブラックに相当):2002年より発行
という3種類の上位会員向けカードを発行し、富裕層の囲い込みを行ってきました。いわばアメリカン・エキスプレスは、「クレジットカードにステータスという概念を持ち込む取り組みを率先して行った会社」です。
アメリカン・エキスプレスの取り組みに追随するように、国内外のクレジットカード会社も、上位顧客に向けたクレジットカードの発行に着手するようになります。
その際、クレジットカードの券面の色については、アメリカン・エキスプレスと同じように「最上位会員に対しては黒を基調としたデザインを使う」というルールを用いる会社が多かったのが実情です。
ただし、SBI新生銀行傘下のクレジットカード会社・アプラスが発行しているブラックカード「ラグジュアリーカード/Mastercard Gold Card」の券面の色は金色です。
一口にブラックカードと言っても難易度は様々
そして、一口に「ブラックカード」をいっても、審査難易度は千差万別です。
中でも、アメリカン・エキスプレスのアメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カードは審査が極めて難しいブラックカードの1つとして知られています。具体的な審査基準を同社が公表していないため「日本の人口におけるアメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カードの会員数の割合」から考えてみましょう。
会員に対しては会報誌「CENTURION」が定期的に発送されますが、公式に発表されている発行部数が8,500部とのことです。
仮に、発行部数を会員数として考え、日本の人口を1億2,300万人として考えると、人口のわずか0.007%しかアメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カードを保有していない計算になります。
超大金持ち以外でもOK!ブラックカードを着実に手に入れる方法
ねらい目は「JCB THE CLASS」
さすがに、ごく一部の富裕層 = 超大金持ちしか持てないブラックカードを目指すのは現実的ではありません。
しかし、上場企業の会社員や公務員、長年運営されている会社の経営者や高度専門職(弁護士、税理士、公認会計士、医師など)など「安定継続した収入がある」立場の人であれば、計画を立てて取り組むことで入手できる可能性が高いブラックカードもあります。
ブラックカードとして十分な機能を有しているものの、年会費は55,000円と(ブラックカードの中では)比較的リーズナブルであるため、旅行が好きだったり、(今は時節柄厳しいですが)海外出張が多かったりすれば、十分会費のもとは取れるでしょう。
そこで、今回は「JCB THE CLASS」を手に入れる方法について解説します。詳しくは後述しますが「JCBが自社発行しているカード(プロパーカード)の利用履歴(クレジットヒストリー)がかなり重視される」仕組みです。
ステップ1.JCBゴールドを作る
まず、JCBが自社発行しているクレジットカード(プロパーカード)のうち、ゴールドカードに相当する「JCBゴールド」を作りましょう。
出典:ゴールドカードなら、JCBゴールド | クレジットカードのお申し込みなら、JCBカード
ステップ2.JCBゴールド ザ・プレミアの招待条件を満たす
JCBではインビテーション(招待)制のクレジットカードとして、プラチナカードに相当する「JCBゴールド ザ・プレミア」を発行しています。以下の2つの条件を満たした場合、招待状が届く仕組みです。
- 会員専用サイト「MyJCB」にメールアドレスを登録している
- JCBゴールドでのショッピングご利用合計金額(集計期間:12月16日~翌年12月15日)が2年連続で100万円(税込)以上である
ステップ3.延滞・滞納をせず、コンスタントに使う
これは、JCBゴールドを使う場合でも、JCBゴールド ザ・プレミアを使う場合でも全く変わらないのですが、延滞・滞納をせず、毎月一定額以上の支払いに使うようにしましょう。
公共料金や日々の買い物の支払いに使うのはもちろん
- 国内、海外旅行に行く
- 家電製品、ブランド物など高額な買い物をする
時の支払いにも使いましょう。「比較的、生活必需品以外にお金を使う余裕がある」とみなされるため、上位顧客に該当するかの判断においてはプラスになる可能性が高いためです。
先ほど触れたアメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カードはもはや「一部の超大金持ちしか持てないもの」であることに比べると、JCB THE CLASSは「コツコツ頑張れば何とか手に入る可能性はあるもの」だということがお分かりいただけたかと思います。
もちろん、ブラックカードを手に入れたいからという理由で、自分や家族に必要がないものまで買うのは褒められたことではありません。日々の生活を上手に工夫して、着実に良いクレジットヒストリーを積み上げていきましょう。
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