債務整理を弁護士・司法書士に頼む場合の4つのチェックポイント

カードローンやキャッシング、クレジットカードの返済が難しくなった場合、債務整理を行うことで大幅に負担を減らすことができます。しかし、債務整理を行う場合には、弁護士・司法書士などの専門家を代理人として立て、手続きを進めてもらうのが現実的な流れです。

決して安くはない報酬を払って働いてもらうことになる以上、弁護士・司法書士の選び方を間違えてしまうと、手続きが進まないどころか、失敗に終わる可能性も出てくるので、注意しましょう。実際に債務整理を弁護士・司法書士に頼む場合、どんな点に着目して選べばいいのかを解説します。

1.費用がはっきりしている弁護士・司法書士を選ぶ

あまりに高い事務所は避けたほうが無難

大前提として、弁護士・司法書士に対して債務整理を依頼した場合、報酬はいくら払わなくてはいけないのかはまちまちです。かつては、弁護士・司法書士ともに報酬規程が存在していたため「何をしてもらったらいくらかかるのか」は、ある程度予測できました。

しかし、弁護士については平成16(2004)年に、司法書士については平成15(2003)年に、報酬規程が完全に廃止されています。

そのため、債務整理をはじめとした業務を遂行した場合の報酬の決め方も、個々の弁護士・司法書士に一任されているのが実情です。

ただし、債務整理については、日本弁護士連合会および日本司法書士会連合会が、ガイドラインとして「債務整理事件処理の規律を定める規程」「債務整理事件における報酬に関する指針」を定めています。

参照:日本弁護士連合会:債務整理の弁護士報酬のルールについて

参照:日本司法書士会連合会 | 「債務整理事件における報酬に関する指針」の一部改正について

債務整理手続きを依頼した場合の報酬があまりに高い場合は、これらのガイドラインを遵守していない報酬体系を採用していることも考えられるので、注意が必要です。「どうしてもこの人に頼みたい」などの特別な事情がない限りは、避けたほうが無難でしょう。

減額報酬が設定されている事務所は注意

また、債務整理の手続きを頼む場合には「その弁護士・司法書士が減額報酬を設定していないかどうか」という点に注意しましょう。

減額報酬とは「債務整理による返済額の減額分に応じて請求される報酬」のことです。

仮に「減額報酬は減額分の10%」という文言が報酬規程に盛り込まれていたとしましょう。債務整理を行ったことにより返済額を100万円減額できた場合は、10万円を減額報酬として支払わないといけません。

減額分が予想より多くなったとしても、その分減額報酬が増えてしまうので、依頼した側の持ち出しも増えてしまいます。

予期しない出費を防ぐためには、なるべく減額報酬の設定がない弁護士・司法書士事務所を選んだほうが無難です。

無料相談の際に見積もりを出してもらう

ほとんどの弁護士・司法書士は初回無料面談を受け付けています。現在の状況をヒアリングした上で、債務整理の手続きにかかる諸費用・報酬についての見積もりをしてくれるはずです。3 ~ 4名の弁護士・司法書士の見積もりを比較検討し、最終的に誰に頼むかを決めましょう。

2.債務整理の実績がある弁護士・司法書士を選ぶ

事務所ごとに得意分野がある

一口に弁護士・司法書士といっても、得意分野は人それぞれです。例えば、弁護士の場合、

  • パワハラや賃金未払いなどの労働問題
  • 離婚、DV、不倫などの男女・家族の問題
  • 交通事故の損害賠償・示談金

など、各自の得意分野をWebページなどに掲げている例が多くみられます。

本来、弁護士は司法試験に合格し、司法修習を経たうえで弁護士としての仕事を始めるので、幅広いトラブルに対応できるだけの法律知識や判断力はあるはずです。

しかし、これまでにどんな業務を手掛けてきたかで、得意分野とそうでない分野とが分かれるのもまた事実でしょう。

弁護士の中にも「債務整理の案件はほとんどやったことがない」という人はもちろんいるはずです。債務整理をスムーズに進めたいなら、なるべくなら相応の知識と経験がある弁護士・司法書士に頼むほうが効果的でしょう。

年間の取扱い件数を質問しておこう

弁護士・司法書士の得意分野を探る1つの指標として、年間の取り扱い件数が考えられます。1年間に取り扱う件数が多ければ、場数を踏んでいるため、手続きを行うときに何を重視すればいいのかという勘所がわかっているはずです。

Webページや事務所への口コミで確認するのはもちろん、無料面談をした際にも、年間の取り扱い件数を確認しておくといいでしょう。

3.弁護士・司法書士と直接会って話ができるかを確認する

「会えない弁護士・司法書士」はNG

債務整理の手続きを依頼したものの、実際のやり取りはすべて事務員が中心となり、郵送やメールのみで済ませようとする弁護士・司法書士事務所もごく少数ながら存在するのが事実です。

しかし、日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会は「依頼者と直接会って面談すること」を義務付けています。このルールに違反していた場合、面談義務違反として弁護士・司法書士が懲戒処分を受けることも十分に考えられるのです。

仮に懲戒処分の結果として業務停止になった場合、その期間中は依頼された案件への対応は一切できません。当然、債務整理の手続きを頼んでいたとしても、完全にストップしてしまうため、手続きが終わるまで時間がかかったり、完遂できずに途中で打ち切りになるという最悪の結果も考えられます。

「直接会って話ができること」は、弁護士・司法書士を選ぶ上での最低条件であることを覚えておきましょう。

4.コミュニケーションの取りやすい弁護士・司法書士を選ぶ

不明点、困ったことは相談が必要

何も弁護士・司法書士に限ったことではありませんが、大きなことを成し遂げるときほど「相手と腹を割って話をできるか」が重要になります。

債務整理も、依頼した人のその後の人生を左右するほどの大きなことです。そのため、弁護士・司法書士を選ぶときも、不明点や困ったことを気軽に相談できるかどうかを重視しましょう。

弁護士・司法書士としての経歴や実績はもちろん大事ですが、それと同じくらい、弁護士・司法書士自身の人柄も大事です。「この人となら、気軽にやり取りできそうだな」と思える人を選びましょう。

また、電話やメールで連絡を取っても、返信があまりに遅い場合は、スムーズな意思疎通ができないので、契約を見送るほうが無難です。

初回無料面談を経てから選ぼう

実際のところ、相手と先々うまくやっていけるかどうかは、実際に会って、話をしてみないとわかりません。ほとんどの弁護士・司法書士は初回の面談(30分程度)を無料で受け付けています。正式に依頼する前に面談をし「この人はどんな人なのか」を見極めたうえで、選びましょう。

難しいことを簡単に説明できるか

また、筆者は「専門用語を多用せず、簡単な言葉で説明できるか」を重視して弁護士・専門家を選ぶべきと考えています。一見、難しい専門的な概念でも、本質を理解していれば、中学生が理解できる程度の簡単な言葉で説明できるはずです。

弁護士・司法書士に「何をしようとしているのか、何が問題なのかを依頼者にしっかり理解してもらった上で、安心して手続きを任せて欲しい」という自覚があれば、できるだけ簡単な言葉で説明してくれるでしょう。逆に、専門用語を多用してよくわからない話をするようであれば、依頼しないほうが無難です。
FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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