開業から確定申告までにやっておくべきこと

男性20代 fukurou9さん 20代/男性 解決済み

わたしは大学2年生で今年、映像クリエイターとして開業し、来年には確定申告をしなければいけないのですが、正直ほとんど何をしたらいいのかわかっていません。来年までにやらなければいけないことを詳しく教えていただきたいです。私は扶養に入っているので、103万円の壁などの税制度についても調べてみてもいまいちピンときていません、将来のことを考えると簿記などを勉強しておいた方がいいのか悩んでいます。学校などでは税金について学ぶ機会がなかったので、学生のうちに知っておくべき税金の仕組みなどについても広く知りたいです。また個人事業主として今後経費の計算や、税制面でやっておいた方がいいことなどがあれば教えていただきたいです。

1 名の専門家が回答しています

石村 衛 イシムラ マモル
分野 税金・公的手当・給付金・補助金・助成金
60代前半    男性

全国

2021/03/09

大学で勉学に励みながら、専門技術をいかして「収入を得ている」とのこと。心強いですね。その上、収入を得たことで必要となる「確定申告」について、しっかり意識をされており頭が下がります。
 
学生・成年者を問わず、一定以上の収入を得た場合には所得税の申告・納税義務を負います。個人事業主が、映像クリエイターとして対価を得た場合には、原則として所得税の事業所得という区分に該当します。

「103万円の壁について調べてみよう」とのこと。巷では、「103万円未満であれば、所得税が掛からず、扶養も外れない」とささやかれることが多いようです。このささやきは、会社などで従業員やアルバイト社員として働いて給料を得た場合に適用されるもので、所得税の「給与所得」のみに限られた仕組みです。
給与所得は、「給与所得控除」というみなし経費が認められており、その控除は最低適用額が65万円と定められています。加えて納税者全員に認められている「基礎控除」が38万円あるため、給与所得控除65万円プラス基礎控除38万円で合計103万円までの収入には「所得税が課税されず扶養から外れない」という仕組みです。
この給与所得に限られた仕組みが、給与以外のすべての収入にも「共通して適用される」という誤解があるようです。
今回のご質問をみると、所得税の区分は給与所得ではなく、事業所得に区分されますので、103万円の壁は存在せず、基礎控除の38万円が出発点になります。

事業所得は、収入-必要経費=事業所得の計算で求められます。映像クリエイターとして得た収入に対して、仕事に限った部分での必要な支出、例えば仕事の発注元に出向いての打ち合わせ交通費や映像作成に必要な資料等購入費などを必要経費として収入から差し引いて事業所得を求め、その金額をベースにして税計算をすることになります。必要経費については、プライベートな支出と混同しないように注意しましょう。

卒業後も引き続き映像クリエイターとしての仕事を「継続してきたい」とのご意向があれば、すぐにでも住所地を管轄する税務署に「個人事業の開廃業等届出書(※1)」を提出しておきましょう。その他にも「所得税の青色申告承認申請書(※2)」やその他の届出書がありますので必要に応じて提出すると良いと思います。詳しくは、国税庁タックスアンサー「新たに事業を始めたときの届出など(※3)」に記載されていますのでご確認ください。

確定申告を行うための準備として、ご質問者さんの場合、令和2年の申告は白色申告になりそうですね。白色申告は、収入を得た記録(通帳のコピーや領収証の控え、支払い明細書等)や必要経費の領収書など、さらに仕入れの明細などを整理・保管しておくとともに日付別に売上・経費・仕入れ金額を一覧表にしておいてください。
個人事業で申告をする場合には、白色申告に加えて青色申告という申告方法があります。青色申告で申告を行うと複式簿記の基づいた帳簿作成・保管が必要になる反面、控除枠の拡大などの特典もあります。
帳簿作成の手間はかかりますが、市販の青色申告アプリケーションを使って数値データーの入力に慣れてしまえば、あとはアプリが帳票作成を行うのでそれほど手間はかからないでしょう。

※1 国税庁:タックスアンサー「個人事業の開廃業等届出書」
 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
※2 国税庁:タックスアンサー「所得税の青色申告承認申請書」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
※3 国税庁:タックスアンサー「新たに事業を始めたときの届出など」
 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm

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