老後資金をどうやってためればよいか。不動産投資は有効か?

男性40代 yasu1217さん 40代/男性 解決済み

特に不動産投資について聞きたいです。いまたくさん営業を受けているのですが、シミュレーションとか見せられてもリスクはまあないかな、というのは分かるのですが、最初の4-5年は経費がかかるし、私は40才ですので、ローン組んだら完済は75才になってしまいます。そもそも自宅も購入していないので、自宅購入が先のほうが良いのか、とも迷います。年収が高いので節税もやりたいですし、なんとかいい方法はないものかと考えています。投資はやりたいけど、現状キャッシュアウトもかなりあるので、キャッシュアウトは小さく始められないか、と思っています。不動産は持ち続けるべき、と中古業者は言っていますが、それはそもそも出口戦略で売れないからなのではないか、と勘繰ってもいます。

1 名の専門家が回答しています

石村 衛 イシムラ マモル
分野 お金の貯め方全般
60代前半    男性

全国

2021/03/09

アパート経営やワンルーム賃貸経営といった不動産投資には、魅力的な勧誘文句が存在しています。
家賃収入によるインカムゲイン期待
現金より魅力的な資産価値
節税対策に有効
ローン返済後の私的年金作り
生命保険代わり
自己資金ゼロも可能
売却差益のキャピタルゲイン期待

不動現物投資の成否を分ける最大の不確定要因(以下リスクと記載)は、「空室」です。不動産営業の作成するシミュレーションは、「空室リスクを考慮していない満室経営」の場合もあるかもしれませんので注意しましょう。
通常、不動産賃貸は、入居者の入れ替わりに伴う一定期間の空室は避けられません。シミュレーションである程度の空室が見込まれていたとしても。その妥当性について十分検討しておきましょう。空室率は高め(80%~85%程度)のシミュレーションのほうが安心だと思います。
空室リスクについては、そもそも候補となる不動産が、「借り手にとって魅力的な物件かどうか」が重要です。この魅力が低ければ低いほど借り手が見つかりにくくなり、家賃低下の原因や空室期間の長期化が懸念されます。

単身者向けワンルームマンション賃貸では、駅までの距離や日当たり・騒音・その他周辺環境、躯体および室内の状態、風呂・台所など設備状況、その他様々なニーズ・好みが存在し、入居者が「家賃を支払って住みたい」という部屋である必要があります。これらの条件がそろっていればいるほど相対的に高い家賃が見込まれ、不動産の取引価格も高くなります。
新築物件の場合には、新築プレミアムが加わりますが、新築時入居者が退去した途端に、新築プレミアムは消滅してしまいます。中古物件では、既に築年数に応じた劣化と管理状態次第で老朽化問題が相対的にある程度早く訪れることを念頭に置いておきましょう。

不動産現物投資の場合には、数千万円単位の高額な価格の取引になり、金融機関から資金調達が主流です。「自己資金ゼロ」という場合には、その分ローンが多くなり、返済リスクが高まります。
空室時であっても、ローンの返済は「待ったなし」ですので、その間は手元資金を持ち出してローン返済に充てる必要があります。手持ち資金が少ないと、空室が数ヶ月続くだけでもローンの返済に詰まってしまい「経営破綻」の可能性も否定できません。

家賃を上回るローンの返済プラス管理費、固定資産税など支払いによりによる赤字経営も散見されます。その場合には決まって、「建物の減価償却の効果もあり、赤字は節税効果が絶大です」との勧誘文句がささやかれます。
赤字金額と節税金額の差額が本当に収益となっているのか?
黒字であっても、リスクに見合う収益となっているのか?
年次経過による家賃の低下の可能性とその収益変化の可能性を考慮しているか?
空室時の経営体力は大丈夫か?
など、ローン金額が多ければ多いほどリターンが減少しリスクが高まりますので注意しましょう。
とはいえ、不動産投資を始める際に現金一括購入は難しいと思います。不動産投資におけるローンとは、購入資金の準備に必要な「時間を買う」ということです。

また、老後の年金にするつもりであったはずが、30年ローンを利用していた場合、購入当時新築でも築30年の物件になっており、ローン返済が「やっと終わった」としても「老朽化問題」という新たな懸念は存在しているかもしれません。
リスクを軽減させるため、その不動産投資から生み出される収益に自己資金を加えて定期的に繰り上げ返済を実行しましょう。空室・老朽化懸念、いずれもローンの早期返済にまさる妙薬はないと思います。

この他、家賃滞納や入居者トラブル、災害被害、老朽化など様々なリスクがあります。さらに将来の売却の可能性に至っては、将来時点の不動産市況や人々の生活スタイルの変化など想像を超える変化が起こっているかもしれません。過去のバブル期は論外としても、筆者はたとえ僅かであってもキャピタルゲインは期待できないと思います。

不動産営業の勧誘文句は、それぞれの項目においてはあながち間違いではないにせよ、すべての勧誘文句がもれなく当てはまるわけでもなく、聞いている側は「自分にとって都合の良い部分はすべて当てはまる」と聞いてしまいがちです。
☆ 不動産現物投資のローン返済中は、「ミドルリスク・ローリターン」
☆  ローン返済終了以後は、育て方次第で「カネの生る木に育つ」
かもしれないと思います。
あえて否定的な見解も記述しましたが、不動産投資は投資手法の有力な選択肢の一つであると考えています。

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