どの程度の貯蓄があれば老後にどの程度の生活水準が維持できるか

男性50代 dormukanさん 50代/男性 解決済み

現在の現役世代が退職した場合でも、現在まで収め続けてきた金額以下の年金しか受け取れない現状です。例えば夫婦ともに平均寿命まで生きた場合には、どの程度の貯蓄が無ければ生活する事が難しいのか。また、どの程度の貯蓄があれば老後にどの程度の生活水準が維持できるかのアドバイスが欲しい。

1 名の専門家が回答しています

水上 克朗 ミズカミ カツロウ
分野 老後のお金全般
60代後半    男性

東京都

2021/08/03

まずは、年金について考えてみましょう。

「国の年金はあてにならない」とか「公的年金はいずれ破綻する」などといわれているのを見聞きすることがあるかもしれませんが、これらに根拠はありません。

日本の公的年金は、現役世代の払っている年金保険料を、現在の高齢者が年金として受け取る仕組みです。「賦課方式」といって、現役世代が高齢世代に先送りする形式なのです。 若い人たちは「どうせ自分たちは払うだけで、年金をもらう頃には破綻している」と思っている人もいるようですが、年金は国が社会制度として運営管理しているので、日本がなくならない限り、年金制度も破綻することはありません。

また、少子高齢化に伴い、1人の高齢者を支える現役世代の人数が減り、その負担も増えていますが、年金額の抑制(マクロ経済スライド)や、受給開始年齢の引き上げ、消費増税分の投入など、いろいろな方法で年金制度が破綻しないよう制度改正が行われています。
もちろん破綻しなければいいというものではなく、受給額が実質的に減少する覚悟は必要です。「年金版人間ドック」によりますと、「所得代替率(年金の受給開始の額が、現役時代の手取りの何%にあたるか示す率)」は、経済再生ケースで、現在の6割強から将来は50%程度に、約2割低下するといわれていますが、あくまで推測値となっています。

また、「払った保険料ほど年金はもらえない」というイメージは多く広がっていますが、厚生労働省のデータによりますと、厚生年金でみて、現在の50歳では払った保険料の2.8倍(国民年金のみでは1.8倍)の金額がもらえます。なぜならば、国民年金の半分は税金でまかなわれていますし、厚生年金保険料の半分は事業主負担だからです。低金利時代の現在では、「公的年金は有利な投資」といえるでしょう。
ちなみに、現在、高齢夫婦無職世帯の公的年金受給額平均は月約20万円です。しかも終身でもらえます。

次に、老後資金について考えてみましょう。
夫婦2人の老後に必要な資金は、生命保険文化センター調査によりますと、最低必要生活費で月22万円、ゆとりある生活をしたければ月36万円と言われています。
〇最低必要生活費で暮らす場合
20万円/月(公的年金受給額平均)-22万円/月(最低必要生活費)×25年(65~88歳)=約550万円必要

〇ゆとりある老後の場合
20万円/月(公的年金受給額平均)-36万円/月(50代の生活レベル)×25年(65~88歳)=約4400万円必要
年金受給額はあくまで平均ですので、自身の年金受給額によっても老後必要資金は変わってきます。また、平均寿命(男性82歳、女性88歳)ですが、夫婦とも88歳まで生きると想定しています。

なお、老後は悠々自適、海外旅行に行ったり、車を買い替えたり、家のリフォーム代、介護費用も準備したい・・・そんなゆとりを持ちたければ、さらに準備すべき老後資金は増えるでしょう。最後に、老後資金の本質は、実はお金ではありません。なぜならば生活レベルによって老後5000万円必要な人も、1億円必要な人もいるからです。今後の介護費用によっても変わってきますし、リスクはまちまちです。つまり、どんな老後を過ごしたいのか、そのためにどのくらいの資金が必要なのか、どんな計画で実現していくのか。夫婦でじっくり考えて、何よりも自分らしい生き方を見つけていくことが、必要だと思われます。

なお、生活費のほかに、介護費用(1人あたり500万円、夫婦2人で1000万円)は準備しておいた方が良いでしょう。

専門家にお金の悩みを相談できます

・ 月300円(税別)

・ 毎月3回まで質問が可能

・ 最短5分で回答可能

・ 100名超の認定専門家が回答

・ 回答率99%

関連する質問

お金に困らず生活をできるようにするポイントは?

主人の現在の年齢が49歳で、健康でいてくれたとしてあと働けても約20年です。こどもたちの年齢が4歳と1歳、これから先に出費はかさむ一方で貯蓄をするならば早いほうがいいとは理解しています。しかしどうやって貯蓄額を増やして今後の生活に備えればいいのか…イマイチわかりません。わたし自身現在専業主婦でいるため、貯金がほとんどありません。老後資金も考えていかなければならないと思いますが、なるべく早く仕事をはじめて働いたお金を資産運用していったらいいのかもしれません。ただ確実に資金を貯めたいのですが、リスクが少なく始められそうなものが何なのかもわからないので教えていただけたら助かります。こどもたち2人を無事大学まで卒業させてあげたいという夢もあります。ライフプランも含め、なんとかお金に困らず生活をできるようにするポイントも知りたいです。

女性40代前半 まゆちゃんさん 40代前半/女性 解決済み
古戸 賢一 1名が回答

両親の介護費用を都合しながら、資産運用をつづけられるようにするには?

現在定期預金で1000万あり、現在は投資による運用で資産を増やしていますが、田舎にもどり両親とともに住むようになり、将来的には両親の介護が必要になると思いますが、都会と比べて給与が低いため、都会にいた頃よりもお金がたまりにくい状況です。今後発生する両親の介護費用を都合しながら、資産運用をつづけられるようにするにはどのようにすればいいでしょうか。

男性40代前半 dobenさん 40代前半/男性 解決済み
植田 英三郎 1名が回答

両親の老後のお金の貯め方を教えてください

私の父と母は現在50代でまだ働いています。しかし、もうすぐ60代で定年を迎えます。定年を迎えると仕事をしての収入を得ることができず、年金や退職金を当てにした生活になります。現在、父と母は買い物をすることが多く、このような生活では老後の生活が心配です。老後になればお金の使い方を見直すとは思いますが、退職する前から貯金をするなど何かしらのことをして、老後に備えた方がよいと思います。では、具体的にどういったことを行えばよいのでしょうか。節約をするといってもどういった面で節約をしていけばよいのか、私から父・母に具体的なアドバイスをすることができません。老後に備えてこれから父・母ができることを教えてください。

女性30代後半 jurisaさん 30代後半/女性 解決済み
柏木 真一 1名が回答

老後資金の2000万円の根拠とは、

高齢化社会の現在から、老後に関する将来の生き方についての悩みというのは色々な角度から論議されていて多方面から情報が発信されていますが、多分、一番に挙げられるのがお金の問題であり、次には健康や病気の問題、其れに生きがいや趣味を持つということが代表的なものでしょう。特にお金の問題というのは深刻で、国の指針によれば老後資金として2000万円も必要とかされているようですね。 一部の層の人たちは別にして、我ら普通の中小企業のサラリーマンやその他の中産以下の人たちにはどうしても2000万円というのは高額に写りますし、とても不可能な金額にも思えるのです。 其処で質問ですけど2000万円の根拠はどこにあるのですか・・?。

男性30代前半 orimasaさん 30代前半/男性 解決済み
松村 勝宜 1名が回答

老後生活に関するお金問題に悩んでいます。

現在大学3年生ではありますが、すでに「老後のお金問題」について悩んでいるところがあります。仮に大学を卒業した後に一般企業に就職して、60歳代で定年退職をしたとします。その場合に、退職後の生活費としてどれくらいのお金を貯蓄しておく必要があるのか、ということが非常に気になっています。自分自身が女性であるということもあり、給料は男性よりも圧倒的に低い可能性があります。結婚して配偶者を作るかどうかということもまだ分からないので、いくら貯めておけば安心して老後生活を満足のいく程度に送ることができるかが不安でたまりません。これらのことについてアドバイスなどを実体験を元にして専門の人に説明してほしいと思っています。

女性20代前半 ieooeiさん 20代前半/女性 解決済み
植田 英三郎 山口 雅史 2名が回答