年金の仕組みについて

女性20代 幅内さん 20代/女性 解決済み

私は現在大学4年生です。まだ20代ですが、もうすでにもっと先の将来についてよく考えて不安を抱くことがあります。その一つが年金についてです。「年金」といえば定年退職をしたあとから政府から給付されるお金だという認識でいるのですが、その金額がどれくらいなのか、年金だけで生活をしていけるくらいのお金がもらえるのか、などの疑問を強く抱いています。そのため専門家の方には、基本的な年金についての知識と、将来私がもらえるであろう年金のおおよその額、将来年金だけで暮らしていけるのかなどについて詳しく教えていただきたいなと考えています。できれば現代の年金事情についても知りたいです。

1 名の専門家が回答しています

佐藤 元宣 サトウ  モトノブ
分野 年金・個人年金・iDeco
40代前半    男性

全国

2021/08/19

質問内容を一通り確認させていただき、質問に回答をした令和3年8月現在における各種年金法に基づいて、質問者様が知りたいこと(ポイント)を簡単にまとめて回答をしていきます。

はじめに、質問にある「基本的な年金の知識」についてですが、質問者様が質問されている公的年金は、国民年金から支給される「老齢基礎年金」と厚生年金保険から支給される「老齢厚生年金」の2つに大きく分けられます。

これらの年金を将来受け取るためには、支給を受けるための要件を満たしている必要があり、この要件を簡単に回答しますと、20歳から60歳までの40年間の内、年金を納めた期間が「10年(120ヶ月)以上」ある必要があります。

上記回答は、厳密に言えば異なる部分もあるのですが、あえて質問に回答する上でシンプルにわかりやすくしたことをあらかじめご留意ください。

つまり、質問者様が将来年金を受け取るためには、大学を卒業して社会人になった後、60歳になるまでに「10年(120ヶ月)以上」に渡って、国民年金保険料または厚生年金保険料を納めることで、「年金を受け取る権利が得られる」ことを意味します。

逆に、上記要件を満たさない場合、将来1円たりとも年金をもらえることはありません。

なお、将来もらえる年金の支給が開始される時期というのは、質問にある「定年退職をしたあとではなく」、原則として、年齢が65歳に達したときから死亡するまでとなります。

次に、「将来の年金額」についてですが、こちらはすべての人が同じではなく、個々によって将来もらえる年金額は全く異なります。

これには、大きく2つの理由があり、1つ目の理由は、「20歳から60歳までの40年間」で、どのくらいの期間に渡って国民年金保険料を納めたのか?によって、将来もらえる年金額に違いが生じる仕組みになっているからです。

ちなみに、令和3年8月現在において、20歳から60歳までの40年間に渡って国民年金保険料をすべて納めた場合に支給される老齢基礎年金の金額は、年間780,900円です。

上記の年金額は、あくまでも20歳から60歳までの40年間に渡って国民年金保険料をすべて納めた場合でありますから、この期間中に、国民年金保険料の未納期間や免除期間があった場合、上記金額よりも年金額が少なくなります。

2つ目の理由は、厚生年金保険から支給される老齢厚生年金は、これまで支払った厚生年金保険料によって年金額が変わるからです。

仮に、質問者様が大学を卒業した後、会社員や公務員になり、給料や賞与(ボーナス)から厚生年金保険料が天引きされるようになった場合、これらの金額によって、将来もらえる老齢厚生年金の金額は変わります。

シンプルに、多くの給料や賞与(ボーナス)をもらって、多くの厚生年金保険料を納めた人ほど、将来支給される年金は多くなることを意味します。

これら2つの理由があることから、質問者様が求めている年金のおおよその金額を回答するのは難しいわけですが、シンプルに、年金保険料は納めておくことに越したことはないということです。

最後に、「将来年金だけで暮らしていけるのか」といった質問についてですが、豊かな老後生活をしていきたいのであれば、年金だけでは厳しいのが現実でしょう。

そのため、若年者を含め、子育て世代の多くは、早い内から老後資金対策を行っている人も多くなっており、質問者様もそのような考えを持って取り組まれることを強くおすすめします。

具体的には、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」といった制度を活用して、老後資金を自らの自助努力で準備されることを念頭に入れておかれることを推奨します。

公的年金は、原則として年齢が65歳に達したときに支給されるものであることを回答しましたが、これはあくまでも質問に回答をしている現状における年金法でのものとなり、将来、法改正によって支給開始の年齢が変わるかもしれません。

そのようなとき、自助努力をしている場合としていない場合の違いは明らかになることが容易に予測でき、お金にゆとりのある人生を送っていきたいのであれば、社会人になってまとまった収入を得るようになりましたら、早い内から将来の老後資金対策に取り組まれるのが無難だと申し上げて回答を終えさせていただきます。

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