後期高齢者の年齢を見据えての終活の在り方

男性70代 R2GGさん 70代/男性 解決済み

年金生活者ですが、退職金を原資とした企業年金も受給しており、生活資金についての心配はありません。
しかし、退職金を一括でもらわなかった事で預貯金が数百万円しかありません。そんな中で後期高齢者の年齢が近づいています。
そこで、終活の必要性を考える様になりました。お墓は父親が建立し、両親が眠る墓があるので、心配はありません。
万が一の時に、家族がバタバタしなくても良い様に、葬儀社の積み立て会員に加入しようかと思っています。
葬儀社の謳い文句では、会員価格は色々な品が安くなるとなっていますが、本当に安くなるのでしょうか?また加入すると、そこの葬儀社で葬儀を営む事になり、縛りが発生しますね。
積み立て会員を止めて、異なる葬儀社で葬儀を営んだ時に、積立金は返還されるものでしょうか?またそれ以外のデメリットとして考えられる点にはどんなものがあるでしょうか?

1 名の専門家が回答しています

石村 衛 イシムラ マモル
分野 老後のお金全般
60代前半    男性

全国

2021/03/09

 葬儀は、一生に数度経験する程度に止まります。まして葬儀の主催者である喪主を務めることはさらに限られると思います。
 葬儀はある日突然起こり、ご遺族は深い悲しみつつまれ気が動転している最中、まごまごしている間もなく、様々な準備を整えなくてはいけません。
 そのお手伝いをしてくれるのが葬儀社であり、様々なサービスメニューの中に会員制度いった事前準備のサービスがあります。
類似サービスとして冠婚葬祭を対象とした互助会という組織もあり、割引等のサービスが受けられるものもあります。
 会員制度も互助会も契約内容によって異なりますが、葬儀費用割引等の特典を謳った「前払いシステムの積み立て」と考えれば、分かりやすいと思います。
 メリットしてよく謳われている「割引価格」は、その葬儀社の提供しているサービスの一部に止まり、選べるプランが限定されてしまいご希望のプラン・内容とミスマッチになることもありますので注意しましょう。
 また、会費などの名称で支払った金額では、葬儀費用のすべてを賄えるとは限らず、葬儀費用が追加で請求されることもあります。積立不足の事態に備えて、多額に積み立てをすればするほど積立金をすべて使い果たすことになりますので注意しましょう。
また、葬儀費用以外にも「寺院等への支払い」や「通夜の飲食費や葬儀あとの法要飲食費など」は別途必要になります。
 葬儀社の行っている会員制度は、その葬儀社が行っている制度であれば、「提携葬儀社などがある等」の場合を除いてその葬儀社限定となります。
一方、互助会では、その互助会に加盟している葬儀社が選択できますが、必ずしも身近な葬儀社が加盟しているとは限りません。
仮に、会員となっていた葬儀社が倒産してしまうと、積立金の全額または一部戻ってこなくなります。
 積立金には一切利息等は付かず、退会・解約する場合には、手数料を支払えば退会可能な契約がほとんどです。退会・解約手数料は、葬儀社の契約内容によって千差万別ですが、手数料として数%~20%を差し引かれるようです。
その一方で、「退会できない」契約の場合や、葬儀社が「退会を渋る」といった退会トラブルも皆無ではないようです。
 困ったときには、消費者ホットライン(全国共通局番なし188番)に電話をすれば、お住いの自治体が設置している、消費生活センターや消費生活相談窓口につながりますので相談してみましょう。
 葬儀に関しては、一部のアンケートによると一般葬で180万円~、家族葬で120~150万円程度を支払う可能性のある大きな支出です。
 葬儀費用は、手向けるお花1本でも価格は変わります。邪推ですが、葬儀社は葬儀費用がたくさん掛かる葬儀を志向しますので、「一般的」とか「皆様」、「この位は普通」というキーワードで高額な葬儀になるよう誘導する可能性があります。
 通常の商取引では、「合い見積もり」は不可欠です。ところが、葬儀に関しては100万円を超える契約にもかかわらず、「病院にあったチラシを見た」、あるいは「たまたまネットで探し当てた」葬儀社1社の言われるまま、「そんなもんか?」と疑問を抱きつつも葬儀を執り行うようです。
 人生の締めくくりを考えておくことは、大切なことです。お元気なうちに終活の一環として、葬儀社の会員サービス加入是非に加えて、複数の葬儀社や互助会などに葬儀費用の見積もりを依頼してみると良いと思います。
さらに葬儀費用・寺院への支払、飲食費といった葬儀にかかわる費用全体を把握し、わからないことを解消しつつ、納得できる葬儀を目指しましょう。
 その結果、ご遺族に見積内容、及び葬儀で「必要なこと」、「不要なこと」を伝え、あるいはエンディングノートなどに書き記し、その存在を遺族に託しておくと安心だと思います。

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