持ち家と賃貸のどちらがいいか

男性50代 widocqさん 50代/男性 解決済み

社会人になってから、今までずっと賃貸アパートに住んでいます。ですが、老後などの生活を見据えて、これからの長い人生を考えると、最近、このままでいいのか不安に思うようになりました。それで、これから家を購入して住宅ローンを払い続けるのと、このまま賃貸住宅に住み続けて家賃を払い続けるのと、どちらがいいのかで悩んでいます。今は金利が低く借り入れしやすい時期だと思いますが、いろいろと先行きの見通しが立ちにくいこの時代に住宅ローンを最後まで払い続けることができるのか不安もあり、どうしたらいいかわかりません。どのような基準や考えで、今後の住環境を決めていったらいいのか、よいアドバイスなどいただけないでしょうか。

1 名の専門家が回答しています

水上 克朗 ミズカミ カツロウ
分野 住まい選び・マイホーム・住宅ローン
60代後半    男性

東京都

2021/03/09

<持ち家と賃貸のどちらがいいか>ということですが、
結論からしまして、得か損かで購入の是非を検討するよりも、それぞれのメリット、デメリット(*)があるので、買いたいなら「購入」、買いたくないなら「賃貸」とシンプルに考えればいいのではないでしょうか。
なぜならば、得か損かは、試算の妥当性に疑問があるからです。
たとえば、将来の住宅価格、賃料、住宅ローンの金利を考えても今後のインフレで高くなるかもしれませんし、人口減少で空き室が増えて賃料が下がるかもしれません。遠い未来の予測を正確にはできないので、どっちが得かという答えは、そのときになるまでは、はっきりしないからです。

*持ち家と賃貸のメリット・デメリット
(持ち家)
・メリット:資産になる、老後が安心、設備のグレードが高いなど
・デメリット:住みかえしにくい、維持費がかかる、頭金が必要など
(賃貸)
・メリット:住み替えが可能、修繕の必要がない、不動産価格下落の影響を受けない、災害による資産の目減りがないなど
・デメリット:資産にならない、リフォームできない、老後家賃が発生するなど

ただし、平均寿命は、これから基本的には伸びていくので、定期収入が年金だけになったときのことを考えると、老後は家賃を払い続けなければいけない「賃貸」の方が負担が重いといえます。
老後の住居費に大きな差が出るということです。
仮に65歳で退職し、90歳まで生きるとして、賃貸と持ち家の費用を比較してみます。
ここでは、住み替えにかかる費用は考慮せず、単純に賃貸なら家賃と更新料、持ち家であれば固定資産税(マンションの場合毎月かかる管理費と修繕積立金)で概算します。
賃貸の場合、家賃が7万円なら、25年間で合計2100万円、2年に1度、更新料(家賃の1ヵ月分)がかかる契約なら、7万円×12回で84万円かかるので、計2184万円かかります。
一方、持ち家の場合、住宅ローンを完済していれば毎月支払わなければならないのは固定資産税だけです。10万円程度の目安ですから、25年で約250万円ほどになります。
ただし、住宅ローンは、定期収入のなくなる定年までに完済していなければ負担は重くなるので、定年前の完済を目指しましょう。
マンションは、管理費と修繕積立金を毎月支払う必要があります。住宅ローンを完済していても、月3万円であれば、25年間で900万円かかり、毎年の固定資産税を支払う必要があります。
それでも賃貸が最も支払額が多くなるので、相応の資金を用意しておく必要があります。
また、賃貸派にとってのリスクは、高齢者は物件が借りづらくなる可能性がある点です。UR賃貸の「高齢者向け賃貸住宅」など、高齢者向けに住宅を貸し出す支援制度などはありますが、収入が少なく、健康不安が大きくなる高齢者は、特に、単身者だと入居審査のハードルが高くなります。
老後も賃貸を続ける場合は、お金の面ではリスクがありますが、状況に応じて臨機応変に転居できるのはメリットです。
次に、持ち家の場合の一般的な注意点をお話させていただきます。
身の丈に合わない高額の住宅を購入し、何十年もゆとりのない生活をしたり、住宅ローンが破綻するようなことがあれば、間違いなく赤字の人生を送ることになります。無理な資金計画は論外です。
また、持ち家の場合は、遅くとも、定年までに住宅ローンが完済できると、老後のマネープレッシャーはかなり小さくなりますので、自分の終の棲家はどこになるのか、できるだけ早く計画し、準備しておくことをおすすめします。
なお、どんな家を買えばいいのかというと、資産価値の高い家です。
ただでさえ、住宅の建物部分は年を減るごとによって資産価値は下がります。資産価値が下がるスピードが早くなると、家計のバランスシートの負債(住宅ローンの残高)と資産(不動産価格)の乖離が激しくなります。そうなると、まだ3000万円以上の住宅ローン残高があるのに、家の価値は2000万円に下がってしまったといった事態も起こりうるのです。たとえば、病気になり仕事ができなくなったり、会社が倒産して収入がなくなった場合など、不測の事態になったときに家を売却しても、住宅ローンを完済できない状態が起こりうるのです(オーバーローン)。
資産価値が下がらない家を選べば、たとえ家を売却するような事態になったとしても、売却によって住宅ローンを返済することが可能です。
また、オーバーローン対策として、物件価格の20%以上を頭金で用意することも有効です。
なお、資産価値を重視するなら、利便性が重要です。なるべく駅近で都心部に近いところ、車利用の地方でも、交通アクセスのよいところがおすすめです。
利便性にくらべれば、家の広さなどそれほど大きな価値はないかもしれません。
利便性のよさに加えて、環境のよい場所であることも大切です。特に子育てをするなら、近隣環境は非常に重要です。その地域の治安や教育レベル、施設の充実度などを十分精査しておきましょう。
新築物件だけでなく、中古物件も検討しましょう。
家を購入する予定があるなら、まずは、不動産屋さん経由で、内覧会などで、多くの物件を見に行って、目を養っておくことが大切です。すぐに購入してはいけません。何件も物件をみにいくことにより、購入価格、利便性など、すべての自分の希望する購入条件を満たすことができないと感じるとともに、購入における優先順位がわかってくると思います。
人生で一番高い買い物なので、後悔のない物件を選びましょう。

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