目次
レストランで結婚式を挙げて費用を節約する仕組み
近年は結婚式を挙げず、入籍や写真撮影だけで済ます「ナシ婚」を選択する人もいます。しかし、世間的に見ればまだまだ結婚に伴い、なんらかのイベントを開催するカップルのほうが、多数派でしょう。
株式会社リクルートマーケティングパートナーズが実施した「結婚総合意識調査2019」によれば、72.9%のカップルが、挙式・披露宴、親族中心の会食、報告パーティーなどのイベントを開催しているという結果が出ました。
出典:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「結婚総合意識調査2019」
費用を節約するという意味では、開催しないのが効果的であるのはもちろんですが、そういうわけにもいかない、というのが実情のようです。
このような背景の中、費用を節約するための方法として「レストランで結婚式を挙げる」ことを選択する人もいます。
つまり、一般営業のほかに、婚礼営業を行っているレストラン・料亭で挙式(外部の教会、神社のケースもある)・披露宴を執り行うことです。
全体から見るとかなり少数派ではあるものの、工夫次第で節約をしながら質の高いイベントにできるのが魅力でしょう。
レストランで結婚式を挙げて費用を節約する方法のメリット
レストランで結婚式を挙げて費用を節約する方法のメリットとして
- ホテルや専門式場に比べると安い
- 料理のクオリティが高い
- 料理以外の持ち込みは比較的自由
- 少人数での婚礼を挙げやすい
の4点が挙げられます。
ホテルや専門式場に比べると安い
株式会社リクルートマーケティングパートナーズが実施した「ゼクシィ結婚トレンド調査 2020(首都圏)」によれば、会場タイプごとの挙式・披露宴の平均費用は以下の通りでした。
- 一般の結婚式場:419.1万円
- ホテル:404.8万円
- レストラン:294.2万円
- ホテル・式場・会館内のレストラン:277.5万円
- ハウスウエディング(ゲストハウス):381.0万円
出典:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ結婚トレンド調査 2020(首都圏)」
実際にどれだけの費用がかかるのかは、個々の事情によって異なるので一概には言えませんが、一般的な傾向としては、レストランを選ぶと、他のタイプの会場より平均費用は安くなる傾向にあるようです。
料理のクオリティが高い
レストランは本来、料理を提供する場所である以上、婚礼営業であっても、通常の営業と変わらない料理を提供することに努めている会場が多いです。「温かいものは温かく」「冷たいものは冷たく」という配慮を行き届かせているため、ゲストにも満足のいく料理を食べてもらいやすいでしょう。「お互いの出身地にちなんだ食材を入れてほしい」「苦手な食材は使わないでほしい」など、細かいカスタマイズが可能なのも魅力です。
料理以外の持ち込みは比較的自由
また、引き出物、ドレス・タキシードなどの衣装や、招待状・席札などのペーパーアイテムなども、レストランが提携している業者を利用するのはもちろん、自分で業者を探してきて手配する(持ち込み)も比較的自由に行うことができます。「できる限り、費用は抑えたい」と思う人には、このことが大きなアドバンテージになるはずです。
少人数での婚礼を挙げやすい
レストランの場合、家族のみの会食会など、少人数での婚礼に対応したプランを多く設けています。そのため「派手なことはしたくないけど、家族やごく親しい人には感謝を伝えたい」など、アットホームな式を望む人にはおすすめです。
レストランで結婚式を挙げて費用を節約する方法のデメリット
一方、レストランで結婚式を挙げることには
- お互いの親族からの反対に遭う恐れがある
- ホテル、専門式場に比べると設備は整っていない
- 自分たちでやらなくてはいけないことが比較的多い
- 高級レストランの場合、ホテルや専門式場と費用が変わらないこともある
というデメリットもあります。
お互いの親族からの反対に遭う恐れがある
結婚式は本人同士だけでなく、お互いの両親や親族の考え方も聞いた上で準備を進めたほうがよいイベントです。そのため、会場選びに関しても、少なくともお互いの両親や親族の意見は聞いたほうがよいでしょう。
仮に、両親や親族の誰かが「レストランでは砕けすぎている」という考えを持っていた場合、反対に遭う可能性も出てきます。その際は「どうしてレストランで挙げたいのか」という理由を述べて、交渉に臨みましょう。
レストランや料亭でも
- ミシュランなどの有名ガイドブックに紹介されたことがある
- その地域での老舗として名が通っている
店を選べば、ホテルや専門式場にも引けをとらないほどのサービスが受けられるので、その点を伝えてみるのも方法の1つです。
ホテル、専門式場に比べると設備は整っていない
本来、レストランや料亭は「食事をするための場所」です。そのため、結婚式を挙げられるレストランであっても
- キャンドルサービスなど、結婚式で一般的に行われる演出ができない
- 待合室、更衣室がない
など、ホテルや結婚式場とは事情がやや異なります。もちろん、優秀なプランナーであれば、代替案を示してくれるはずですが、対応に満足がいかないこともあるかもしれません。
自分たちでやらなくてはいけないことが比較的多い
個々のレストランによって事情は異なりますが、ホテルや専門式場のように、特定のタクシー会社や宿泊施設と提携しているレストランは決して多くありません。そのため、列席者が移動にタクシーを使ったり、前日もしくは当日の夜に宿泊したりする場合に、タクシーやホテルの手配を自分たちがやらなくてはいけないことも多々あります。
決して難しいことではありませんが、時間を確保できない場合は、レストランで挙式は厳しいかもしれません。
高級レストランの場合、ホテルや専門式場と費用が変わらないこともある
レストランでといっても、カジュアルな店舗を利用するのか、ミシュランの星を持っている(もしくはそれに相当する)有名店を利用するのかによって、かかる費用は千差万別です。先ほど紹介した「ゼクシィ結婚トレンド調査 2020(首都圏)」から、レストランウェディングの場合の総費用の分布を見てみましょう。
ホテル、専門式場内のレストランの場合
総費用 | 割合(%) |
---|---|
50万円未満 | 該当なし |
50~100万円未満 | 9.58 |
100~150万円未満 | 14.6 |
150~200万円未満 | 9.8 |
200~250万円未満 | 7.3 |
250~300万円未満 | 14.6 |
300~350万円未満 | 12.2 |
350~400万円未満 | 9.8 |
400~450万円未満 | 4.9 |
450~500万円未満 | 2.4 |
500~550万円未満 | 4.9 |
550~600万円未満 | 4.9 |
600~650万円未満 | 2.4 |
650~700万円未満 | 該当なし |
700万円以上 | 2.4 |
それ以外のレストランの場合
総費用 | 割合(%) |
---|---|
50万円未満 | 1.9 |
50~100万円未満 | 9.4 |
100~150万円未満 | 7.5 |
150~200万円未満 | 9.4 |
200~250万円未満 | 7.5 |
250~300万円未満 | 7.5 |
300~350万円未満 | 17 |
350~400万円未満 | 7.5 |
400~450万円未満 | 13.2 |
450~500万円未満 | 5.7 |
500~550万円未満 | 5.7 |
550~600万円未満 | 5.7 |
600~650万円未満 | 1.9 |
650~700万円未満 | 該当なし |
700万円以上 | 該当なし |
比較的安めではあるものの
両者を見比べるとわかるはずですが、300万円以下で収まるケースがある一方、600万円以上かかるケースも散見されます。ここまでくると、ホテルや専門式場で挙げても変わらないかもしれません。
レストランで結婚式を挙げて費用を節約する方法の手順
結婚式を挙げることができるレストランを探す
レストランで結婚式を挙げたい場合は、まずは婚礼営業を行っているレストランを探さなくてはいけません。最初から「レストラン以外では行わない」と決めているのなら、レストランウェディングに注力した情報サイトを使ってもよいでしょう。
参照:結婚式・ウエディング・ブライダル情報検索サイト – ぐるなびウエディング
見積もりを取って比較検討する
候補のレストランが決まったら、打合せに一度出向き、希望を伝えて見積を取ってもらいましょう。なお、昨今はオンラインでの打ち合わせに対応してくれるレストランも増えてきたので、希望する場合はその旨を伝えてください。
内容に納得したら契約し、打合せを進める
見積を比較し、内容に納得できたら、打合せを進めていきましょう。
レストランで結婚式を挙げて費用を節約する方法の注意点
レストランで結婚式を行う場合
- レストランに直接申し込み、レストランのプランナーとやり取りをする
- プロデュース会社を通じて申し込み、プロデュース会社のプランナーとやり取りをする
という2つのパターンが考えられます。それぞれの方法を比較しました。
申し込み方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
レストランに直接 | ・やり取りが煩雑にならない ・比較的自由にプランニングできる |
・打ち合わせはレストランに出向くのが基本になる |
プロデュース会社経由 | ・プロデュース会社のサロンで打ち合わせができる | ・プロデュース会社によっては自由にプランニングできないこともある ・やり取りが煩雑になる |
仮に「どちらか一方(もしくは両方)の実家に近いレストランで挙げる」など、現在の居住地より離れた場所に住んでいる場合は、現在の居住地の近隣にサロンを構えるプロデュース会社を通じて申し込み、直前までの打合せをこなすとよいでしょう。
一方「やってみたい演出がある」「料理について詳しく確認したい」など、細かいリクエストが多い場合は、直接レストランに申し込むのをおすすめします。内部での確認にかかる時間が短くなるので、準備がスピーディーに進められるためです。
コメント