クレジットカードを紛失した時の対応。正しい手順を解説

自分の持ち物を失くすのは、誰にとってもストレスです。中でもクレジットカードは「悪い人に拾われたら、何に使われるかわからない」という特殊な事情が加わるため、余計に不安な気分になるでしょう。

しかし、落ち着いて正しい対応をすれば、クレジットカードを紛失したことによるダメージは最低限に抑えられます。今回の記事では、クレジットカードを紛失したときの対応について、正しい手順を解説しましょう。

手順1.クレジットカードの利用停止手続きをする

Webまたは電話で行う

まず、クレジットカードを紛失したことに気づいたら、一度冷静になって周囲を探しましょう。それでもなさそうなら、クレジットカードの利用停止手続きをしましょう。クレジットカードの利用停止手続きですが

  • クレジットカード会社のコールセンターに連絡する
  • クレジットカードの会員専用Webページから手続きをする

などにより行います。このあたりの扱いは、クレジットカード会社やクレジットカードの種類により扱いが異なるので、各自確認しましょう。

24時間365日受付が基本

なお、クレジットカード会社は様々な問い合わせ窓口を開設していますが、盗難・紛失の担当部署については、24時間365日対応が基本です。

クレジットカードを落としてしまったことに気づいたら、たとえ夜中であっても構わないので、すぐに連絡しましょう。

また、海外でクレジットカードを紛失した場合であっても、専用の電話番号に連絡しましょう。クレジットカード会社によっては、滞在先の国・地域ごとに個別の電話番号を設けているケースがあります。

念のため、渡航前に自分が滞在する国・地域で紛失した場合に連絡できる電話番号は調べてから、出発するといいでしょう。

手順2.クレジットカードの再発行手続きを願い出る

警察の遺失届が必要

クレジットカード会社に利用停止の連絡をすると、再発行手続きについての案内があるはずです。再発行を依頼する場合は、必要な書類と今後の流れについて説明が入ります。

その際、かならず必要になるのが、警察が発行する遺失届です。

遺失届の申請ですが

  • 警察署、交番、駐在所に行く
  • 警察署に電話する
  • 電子申請を利用する

ことで手続きができます。旅行や出張中など、自宅から離れた場所で紛失した場合であっても、その地域を管轄する警察署や交番、駐在所に行けば手続きを済ますことが可能です。

なお、クレジットカードを紛失したのではなく、クレジットカードが入った財布を盗まれたなど「盗難」に当たる場合は、被害届を出す必要があります。

被害届を出す場合は、警察署や交番・駐在所に問い合わせ、対応を仰ぎましょう。

海外で紛失した場合はポリスレポートが必須

国内の場合は、どこで紛失した場合であっても、その時点でいる場所の近くの警察署や交番・駐在所に行って手続きをすれば問題ありません。

一方、海外で紛失したり、盗難にあったりした場合は、現地の警察が発行するポリスレポートが必須になります。

言葉の面で不安がある場合は

  • ホテルのコンシェルジュ
  • 現地の旅行代理店の担当者
  • 現地の大使館、領事館(台湾の場合は日本台湾交流協会の事務所)

に事情を話し、サポートをしてもらうといいでしょう。

参照:駐日外国公館リスト 目次|外務省

参照:公益財団法人日本台湾交流協会

再発行手数料は基本有料

クレジットカード会社やクレジットカードの種類によってもばらつきはありますが、基本的に、紛失や盗難を理由にクレジットカードの再発行を申し出る場合は、手数料がかかります。

金額もまちまちですが、500円から1,000円程度が一般的です。翌月以降の請求額に上乗せする形で支払います。

万が一出てきても使えない

クレジットカードの再発行手続きをすると、不正利用防止のために、それまでに使ってきたクレジットカードは一切使えなくなります。

仮に、再発行手続きをしたあとに、それまでに使ってきたクレジットカードが出てきたとしても、一切使えません。

ハサミを入れて細かくして廃棄するか、クレジットカード会社に返却するか、指示された対応をするようにしましょう。

手順3.不正利用がないかチェックする

利用明細を見られるようにしておこう

クレジットカードを紛失することで起こるトラブルの筆頭として、不正利用が挙げられます。ひどいケースになると、1日で100万円以上使われてしまうのも珍しくありません。

利用明細をチェックし、明らかにおかしい動きがあった場合は、クレジットカード会社に連絡し、調査してもらいましょう。

なお、利用明細をこまめにチェックするためには、紙の明細ではなく、Web明細を利用すると便利です。クレジットカード会社にとっても、経費や二酸化炭素排出量の削減につながるという意味で、Web明細への切替を促進しています。

クレジットカード会社によっては

  • Web明細への切替によりポイントが付与される
  • 紙の明細を希望する場合は有償対応になる

などの対応をしているケースがあるので、確認しましょう。

手順4.新しいクレジットカードが届いたら署名する

署名なしのクレジットカードを落とすと何が起きる?

新しいクレジットカードが届いたら、まずは表面に刻印されている名前の綴りが正しいかを確認し、裏面の署名欄に記名しましょう。

なお、その際に用いるサインは「明らかに自分が書いたとわかるもの」であれば、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットのいずれを使っても構いません。ただし、サインを求められる度に書かないといけないので、あまり複雑なものはやめたほうが無難です。

手順5.月額料金の支払い情報を変更する

支払い情報を変更しないと何が起きる?

携帯電話の月額料金やプロバイダ代、習い事の月謝や公共料金の支払いなど、毎月コンスタントに流行っている支出を支払うためにクレジットカードを使っている人は、新しいクレジットカードが届き次第、支払情報を変更しましょう。

仮に、支払情報を変更しないままにしておくと、これらの支出の支払がどこかのタイミングでできなくなってしまいます。通常、引き落としができなくなったタイミングで連絡があるはずですが、そのままにしておくと、代金不払いでトラブルのもとになるので注意してください。

変更方法は、サービスを提供している会社によりまちまちですが、Webや電話で済ませられる場合が大半です。わからなければ、コールセンターに連絡をして、対応を仰ぎましょう。

手順6.サブのクレジットカードを作る

クレジットカードが1枚しかない場合は必須

既にクレジットカードを2枚以上持っている人ならあまり気にすることはありませんが、現状で1枚しかクレジットカードを持っていない人は、万が一に備えてサブのクレジットカードを用意しておきましょう。

クレジットカードを紛失した場合、新しいクレジットカードがいつ届くかは、クレジットカード会社によってかなり対応に差があります。翌営業日に発送してくれる会社もあれば、2週間近くかかる会社もあるのが実情です。いつ、クレジットカードが必要になるかわからない以上、普段から準備しておくに越したことはありません。

年会費無料の一般カードで十分

サブカードとしてどんなクレジットカードを選ぶべきかについても考えてみましょう。ひとまず、最低限の支払ができれば、サブカードとしての役割は果たしてくれます。

それを考えると、年会費無料の一般カードが1枚あれば、サブカードとしての役割を十分に果たしてくれるはずです。なお、どこでも使えることを重視するなら、国際ブランドはVisaかMastercardにしておくのが無難でしょう。
FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

記事一覧

大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事

  1. 不動産投資にはリスクがある。頼りになる客観的なプロの意見が欲しいなら「セカオピ」で入手!

  2. おうち時間の過ごし方は読書!という人に使ってもらいたい。本の買取・購入がオトクになる「ブックチケット」って?

  3. フリーランスの最大の悩みは「相談相手がいない」こと。「.ippo(ドットいっぽ)」で相談相手を見つけて快適に仕事しよう