人間関係が原因で仕事を辞めるのはアリ。トラブルなく辞めるための7つのルール

仕事をしていると大変なことが多いのは確かです。自分の努力次第で何とでもなることなら、簡単に会社を辞めず、打てる手を打ってみるのも1つの選択肢でしょう。しかし、仕事をしていて直面するトラブルの中には、自分が努力して解決できないものも確かにあります。

特に注意すべきなのが、周囲との人間関係です。自分の接し方や考え方を変えて改善するならともかく、その見込みがないなら、仕事を辞めてしまうほうが、将来が明るいかもしれません。そこで

  • 人間関係が原因で仕事を辞めてもいいケース
  • 人間関係が原因で仕事を辞める場合にトラブルなく辞める方法

の2つについて解説しましょう。

人間関係が原因で仕事を辞めてもいいケースは?

上司、同僚から暴言・暴力・パワハラを受けている

人間関係が原因で仕事を辞めてもいいケースの代表例は「上司、同僚から暴言・暴力・パワハラを受けている」です。なお、パワハラとは「パワーハラスメント」の略で

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

を指します。

具体例としては

  • 蹴られたり、殴られたりしている
  • 他の同僚の前で無能扱いする言葉を受けた
  • 他の社員との接触や協力依頼を禁じられた
  • 物を投げつけられて、身体にあたった
  • いきなり胸ぐらをつかまれる
  • 休みの理由を根ほり葉ほり聞かれる
  • 不在時に机の上やカバンの中を勝手に物色された
  • 明らかに納期に間に合わないほどの仕事を押し付けられる

などが考えられます。

上司、同僚からセクハラを受けている

職場のトラブルで、パワハラと同じくらい問題になるのがセクハラです。これは「セクシャルハラスメント」の略で

相手の意に反する性的言動によって不利益を被ったり、就業環境が妨げられたりすること

を指します。

具体例としては

  • 家族や恋人のことをしつこく聞く
  • 「どうして結婚しないの」としつこく聞く
  • 「彼女は男好きだから」「あいつ、婚活連敗続きだって」など、性的な噂を流す
  • 何度断っても執拗にデートや食事に誘う
  • パソコンの壁紙にグラビアアイドルの水着写真などの性的な画像を使う
  • 「男のくせに」「女には仕事を任せられない」などという

などが考えられます。

顧客、取引先からのセクハラを無視するケースも含まれる

また、顧客や取引先からセクハラに当たる言動を受けていたことを従業員が会社に伝えたとしても、会社が実効性のある対策をとらなかった場合も、会社を辞めることを本気で検討したほうがいいでしょう。

本来、会社には雇用契約上、労働者の生命・身体が害されないようにすべき安全配慮義務があり、その義務違反がある場合、債務不履行として民事損害賠償責任を負います。

つまり、顧客や取引先からセクハラを受けた社員がいたなら、会社がやるべきことは相手方と交渉しつつ、社員を守ることです。間違っても社員を泣き寝入りさせてはいけないし、それを怠ったら退職した社員から訴えられる恐れもあることに注意しましょう。

無視、陰口、いじめが横行している

上司と部下という関係性でのみ行われるものではないので、パワハラとは区別していますが、職場で無視、陰口、いじめが横行している場合も、早く退社したほうが身のためです。例えば

  • 陰口を言われ、悪い噂を流される
  • 1人だけ仕事に関する情報を共有してもらえない
  • 「会社に何をしに来ているの?帰れ」と言われる
  • 1人だけ仲間外れにされる
  • 仕事を何も与えられない

などが考えられます。

職場の雰囲気が悪い

職場の雰囲気が悪い場合も、精神衛生上、長く働き続けるのに適してはいません。例えば

  • 失敗を許さない雰囲気がある
  • 優秀な従業員がどんどん辞めていく
  • 無謀なノルマが設定されている
  • いつも怒鳴る上司、役職者がいる
  • 社員同士のコミュニケーションが希薄
  • 愚痴や悪口を言い合ってばかり

などの条件に当てはまる場合は、要注意です。

仕事の押しつけ、ミスのなすりつけが日常茶飯事

そもそも、優秀な人がどうして会社を辞めてしまうのかについても考えてみましょう。

優秀な人が1人いると「あの人にやってもらえば何とかなる」と周囲が思ってしまいがちです。全員が全員、その人に仕事を頼んでしまったら、どんなに優秀だったとしてもいつかはパンクしてしまいます。チームで仕事をするという会社本来の機能が損なわれる状態になる以上、そこで働き続けるのは得策ではありません。

これとは逆に、ミスのなすりつけが日常茶飯事になっている場合も要注意です。ミスの原因があきらかに自分以外にあるにも関わらず、周囲からの圧力により、自分が責任を取らされることも考えられます。

自分に明らかに落ち度があるならともかく、落ち度がないのに責任を取らされるのは、本来はあり得ないことです。このような現象が常態化している場合も、早めにその会社を離れたほうが、身のためでしょう。

体調を崩して鬱っぽくなってきた

結局のところ、明らかに自分に非がなく、周囲との人間関係が原因でトラブルが起きている場合は、自分が努力しても現状を変えるのは難しいです。「どうしよう」と思いあぐねているうちに鬱っぽくなってくることも考えられます。

  • 夜眠れない
  • 急激に体重が増えた、減った
  • 立ち眩み、耳鳴りがする
  • 微熱が続いている
  • 便秘、下痢が続いている

など、明らかに体調に異変をきたしている場合は、鬱の一歩手前かもしれません。

こうなった場合は、仕事どころではなくなります。状況次第では、医師に診断書を書いてもらい、まずは休むことを考えましょう。

仕事をトラブルなく辞めるための7つのルール

先のことを思い悩みすぎない

結局のところ、自分で解決できないことが原因で仕事がいやになってしまった場合、最終的な結論は「その会社を辞める」に行きつきます。しかし、中には今勤めている会社を辞めたら再就職できないと思って、退職に踏み切れない人がいるのも事実です。

確かに、再就職できなかったらどうしようと思ってしまいがちですが、そのまま環境の悪い場所で働き続けて体を壊し、命を落としたとしても誰もその責任は取ってくれません。

「ここじゃなくても、働ける場所はある」といい意味での割り切りをしましょう。

上司、人事部、社内カウンセラーに相談する

人間関係に疲れてはいるものの、退職を考えるところまではいっていない、という場合は、まずは上司や人事部、社内カウンセラーなどに相談しましょう。相談することで、事態の重大さを認識し、改善に向かうことも考えられるからです。

社外の友人・家族に相談する

小さい会社だと、社内に人事部がなかったり、カウンセラーと契約していなかったりするため、相談するのは難しいかもしれません。そういう場合は、会社とは全く関係のない社外の友人・家族にも相談してみましょう。

自分1人で考えても答えが出ないことでも、第三者の客観的な意見が入ることで、大分展開が違ってくることは十分に考えられるためです。

なお、この方法を取る場合は、自分のことを否定せず、まずは受け止めてくれる人を選びましょう。仮に相談した人が「そんなのは自分の気の持ちようでしょ?」と、真向から否定することを言ってきた場合は、それ以上相談しないほうが身のためです。

円滑かつ確実に退職する

人間関係に問題を抱えていることが原因で退職する場合に考えられるトラブルとして

  • 上司から退職を拒否される
  • 残った有給休暇の消化を拒否される
  • 退職時に嫌がらせをされる

などのトラブルに発展することが考えられます。そのため、トラブルを避けるためには、以下のことに気を付けましょう。

  • できる限り1カ月以上前に退職意思を伝える
  • 引継ぎ、あいさつ回りをする
  • 退職日、有給休暇消化の話し合いも行う

なお、民法では会社を退職する2週間前までに意思を伝えれば退職できることになっています(民法627条1項)。しかし、会社の就業規則で「退職の1カ月前までに意思を伝えること」という旨が定められていた場合、損害賠償を請求されるリスクもあるので注意してください。

実際に損害賠償の請求まで至るケースはまれですが、万が一請求された場合は、労働法に詳しい弁護士に相談し、対処しましょう。

また、退職を申し入れたものの拒否された場合の最終手段として、会社に退職届を内容証明郵便で送ることも考えられます。本来は好ましくない手段ですが、自分の身が持たないと感じた場合の対処法の1つとして覚えておきましょう。

失業保険受給の手続きをする

会社を退職したあと、すぐに就職する予定がない場合は、その間の収入をどうするかが大きな課題となります。退職した会社に1年以上勤めていた場合は、失業保険を受給するのも1つの手段です。

会社都合か自己都合かで扱いが大きく違う

失業保険給付を受ける場合に注意したいのは、会社を辞めたことに対しての扱いです。

自分の意思で辞めた場合(自己都合)と、会社が原因で辞めた場合(会社都合)とでは、失業保険給付の給付が開始されるまでの期間と、受け取れる期間に大きな差があります。

会社都合か自己都合かで扱いが大きく違う

本来、失業保険給付は申請をしてから7日間は、待機期間とされて受け取ることができません。これは、会社都合の場合でも、自己都合の場合でも変わりません。

しかし、自己都合の場合はこれに加え、3か月間の給付制限期間が設けられています。

簡単に言うと、会社を辞めてから3カ月以上たたないと失業保険給付はもらえないということです。

受給期間の違い

自己都合で辞めた場合と、会社都合で辞めた場合とでは、失業保険給付を受取れる期間(受給期間)の扱いも全く違います。

簡単に言うと、自己都合かつ勤続期間が1年未満で会社を辞めた場合は、失業保険給付は受け取れません。
被保険者であった期間 自己都合 会社都合
1年以上10年未満 90日 90 ~ 120日(30歳未満のケース)
10年以上20年未満 120日 180日(30歳未満のケース)

特定受給者

ただし、会社を辞めるに至った原因が、一定の理由に当てはまる場合は「特定受給者」として扱われ、勤続年数が1年未満であった場合も、失業保険給付を受取れる可能性が出てきます。例えば、退職時の年齢が30歳未満だった場合は、勤続年数に応じて最大で180日分の失業保険給付が受け取れる仕組みです。

被保険者であった期間 失業保険給付の受給期間
1年未満 90日
1年以上5年未満 90日
5年以上10年未満 120日
10年以上20年未満 180日
20年以上
特定受給者として認定される事由

なお

  • パワハラを受けた
  • 給料の未払いが続いた
  • 会社の業務が法令に違反していた
  • 労働契約上の労働条件と、実際の業務が著しく異なっていた

などの理由で会社を退職する場合、特定受給者として認定される可能性がでてきます。

しかし、会社側が自己都合退職として扱うよう強要してくる可能性もあります。労働法に強い弁護士に相談し、対応を協議しましょう。

会社に未払残業代を請求する

人間関係のトラブルで会社を辞める場合でも

  • サービス残業が多かった
  • みなし残業代制を理由に、どれだけ働いても残業代が変わらなかった
  • 管理職を理由に、残業代がゼロにされていた

など、明らかに未払残業代があったと考えられる場合は、会社に対して未払残業代を請求しましょう。

この場合も、労働法や未払残業代の請求に強い弁護士に相談し、対応を協議してください。

疲れた自分の心を休める

ある意味、最も大切なのが、疲れた自分の心を休めることです。人間関係のトラブルは、ほとんどの人にとって過大なストレスになります。

ストレスで体調に変調をきたしていた場合は、再就職のことを考えるよりも、まずはその状態から脱するのが先です。しっかり休養を取り、リフレッシュしましょう。
FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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