学生起業が失敗に終わる5大要因。成功するために意識すべきポイントは?

日本や世界の有名企業の創業者が、実は学生時代に起業していたというのは決して珍しくはありません。マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏やFacebookのマーク・ザッカーバーグ氏、ソフトバンクの孫正義氏やリクルートの江副浩正氏など、経済や経営に興味がない人でも知っているほどに有名な人も、実は大学在学中に起業していたのです。

ここで挙げた以外にも、学生時代に起業し、ビジネスを軌道に乗せている人は決して珍しくありません。このような背景もあってか「大学在学中に起業し、卒業(中退)後も自分の会社を発展させていきたい」と考える学生も一定数いるでしょう。しかし、細心の注意を払って始めないと、結局のところ失敗に終わるので注意が必要です。

そこで今回は

  • 学生起業が失敗に終わる5大要因
  • 学生起業を成功させるために意識すべきポイント

について解説しましょう。

学生起業が失敗に終わる5大要因

安易に友達と事業を立ちあげる

1つ目の要因は「安易に友達と事業を立ち上げる」ことです。十人十色、という言葉があるように、人にはそれぞれ考え方の違いがあります。

仮に、自分の起業に対する思いが「学生時代に会社を立ち上げて、卒業後も継続して取り組んでビジネスとして発展させていきたい」という強いものだったとしても、友達が同じくらいの熱意を持っているとは限りません。

  • 何となく面白そうだったから
  • お金をもうけられそうだったから

など「別に起業でなくても良いのでは?」程度の気持ちしかない友達だった場合は、モチベーションに明らかな差があるので、途中で辞められてしまったり、ケンカ別れをする羽目になったりするでしょう。

見通しが甘く、資金が足りなくなる

学生の最大の弱点として「人生経験や知識が浅い」ことが考えられます。必死に考えたビジネスプランだったとしても、社会経験がそれなりにある人から見ると、抜け・漏れが多く、到底事業としてマネタイズ(収益化)はできないことだって往々にしてあるのです。

仮に、そのまま具体化してしまうと「成果が出せないのに費用がかさむ」という状態が続き、最終的には行き詰まってしまいます。

まずは、自分が用意できる資金額を踏まえ、身の丈に合った事業案を作ることを考えましょう。

そもそも具体的なビジョンがない

従来、日本では「終身雇用制」と言って、新卒で入社した会社にそのまま定年まで勤めるという働き方がごくごく一般的でした。しかし、昨今では経済情勢が急激に変化していることから、ほとんどの会社が終身雇用制を維持できなくなっています。

また、会社勤めをしている限りは、仮に自分の意見や考え方と合わないことを要求されたとしても、結局は会社の意向に沿った行動をしなくてはいけない場合がほとんどです。

このような背景があるため「会社に縛られず、自分のやりたいようにできる」ということで、起業に興味を持つ学生もいるでしょう。

それ自体は何ら不思議なことではありませんが「起業して、結果として何をしたいのか」が明確になっていないと途中で頓挫することになりかねません。

社会経験がなく知らないことが多い

学生の場合、社会経験が圧倒的に少ないため

  • 基本的なビジネスマナー
  • 相手へのプレゼンテーションの仕方
  • 営業を行う際の進め方

など、ビジネスをしていく上で基本となる知識が身についていないことも多いです。仕事でなければ、相手も「まあ、まだ若いからな」と温かい目で見てくれるかもしれませんが、仕事となると話は別です。

相手によっては、伝え方を間違えたり、言葉遣いがなっていなかったりなどの理由で取引を見送る決断をされてしまったりします。些細なことかもしれませんが、気を付けるに越したことはありません。

学業をおろそかにし家族との関係が悪化した

厳密にいえば、これだけで起業が失敗するとは考えにくいですが「学生起業にまつわるトラブル」という意味で一応項目に入れておきます。

起業に本気で取り組もうとすると、いくら時間があっても足りません。3日3晩徹夜というのも珍しくないのです。そんな中で、学校の授業に出て、単位をコンスタントに取得するのは、並大抵のことではないでしょう。

結果として学校に行かなくなり、単位をたくさん落としてしまったなら、家族からの心象は最悪になるはずです。

もちろん、自分の中で「自分は起業をして、会社を軌道に乗せると決めたのだから、それに向かって頑張るだけ」という心づもりができていたり、既に成果を出せているなら、中退するのも1つの選択肢かもしれません。

しかし、中退することに対して家族が理解を示してくれるとは限らない点に注意しましょう。

仮に、大学を中退したら最終学歴は高卒ということになってしまいます。最近は、学歴があまり重視されなくなってきているとは言え、まだまだ「大卒以上であること」を求人に掲げている企業がほとんどです。

もし、起業が失敗に終わり、就職することになった場合「大学を中退したため、高卒であること」がネックになるおそれは十分にあります。

学生起業を成功させるために意識すべきポイントは?

そもそも「自分が何をしたいのか」を明確にしておく

ここからは、学生起業を成功させるために意識すべきポイントについて解説しましょう。最も大切なことは「自分が何をしたいのか」を明確にしておくことです。

  • 特定の社会問題を解決したい
  • こういう悩みに答えられるサービスを作りたい
  • こういう悩みを持つ人が容易に情報を集められるようにしたい

など「自分は起業を通じて、何に貢献したいのか」をまずは考えてみましょう。

ただ単に「お金を儲けたい」が理由であるなら、起業するよりも、給料が高い会社への就職を目指す方が早いかもしれません。

最初は1人で小さく始める

どんなに仲の良い友達であっても、仕事や働き方に対する考え方が同じとは限りません。

「生活に困らない程度の収入が得られさえすればよい」「プライベートと仕事は分けたい」など、人によって考え方は様々である上に、どちらが良いとか悪いとかもないのです。

仕事を含めた生き方が全く違う友達を無理やり誘って起業をしたとしても、いずれ行き詰まります。できる限り、まずは1人で小さく始めましょう。

もちろん

  • 自分と同じように、学生時代など早い段階での起業を考えていた
  • マーケティングやライティング、プログラミングなど役に立つスキルを持っている
  • 対等に話し合える関係性を築いている

友達であれば、話を持ち掛けても良いかもしれません。

基本的なビジネスマナーは習得しておく

学生時代に起業をする場合、ネックになるのが「社会人経験がないこと」です。

学生時代とは違い、働く以上は「周囲に気を使いながら、順調に仕事が回ること」を意識した立ち居ぶるまいをしなくてはいけません。しかし、社会人経験がない以上、このあたりについては勉強するしかないのです。

接客のプロほどに習熟するようにとまでは言いませんが、基本的なビジネスマナーは習得しておくに越したことはないでしょう。

メンターをつける

メンターというと大げさかもしれませんが、要は「自分がやろうとしていることを客観的に見て、どこが良いのか、どこを改善すべきか指摘してくれる相談相手」のことです。

特に、自分1人で起業する場合、独りよがりな判断をした結果、事業がとん挫してお金も無くなってしまうという事態が起きかねません。

適宜相談し「こういう考え方もあるのか」「このアドバイスは取り入れてみよう」など、自分だけの考えで突っ走らないようにするためにも、メンターはつけておきましょう。

できれば「実際に学生起業をして、現在もその会社が軌道に乗っている人」がおすすめです。

1~2年生のうちにできるだけ単位を取っておく

実際に起業したら、しばらくは毎日が時間との戦いになります。そのため、どうしても学校がおろそかになりがちなのは否めません。

「起業しようとして忙しくなり、単位を落としまくって卒業できなくなった」という事態を避けるためには、先行逃げ切り型で単位を取ることを考えましょう。

要は、1~2年生のうちにできるだけ単位を取り、3年生以上は必修の授業以外は出席しなくても大丈夫、という状態にしておくことをおすすめします。

「失敗しても再チャレンジできる」という意識を頭の中に持っておく

少々古いデータですが、中小企業庁が2017年に発表した中小企業白書では「起業後の企業生存率」に関するデータが示されていました。

詳しくは以下のグラフを見て欲しいのですが、日本の場合、5年後であっても、起業した企業のうち、約8割が残っています。これは、比較対象となった諸外国と比べるとかなり高い水準です。

もちろん、残りの約2割は廃業しているため、決して「起業した人は全員成功する」とは言えません。それでも

  • 事業を諦めて就職する場合であっても「学生時代に起業した」ことを高く評価してくれる会社はやはりある
  • とん挫しても、資金を貯めて再チャレンジすれば成功することだってある

以上、決して無駄にはならないはずです。「何が何でも結果を出す」という意気込みを持つのは大事ですが、心の片隅に「失敗しても再チャレンジできる」という余裕を持っておくのも、同じくらい大切でしょう。

FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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