従来は、仕事中にケガ・病気になった場合でも「どこかに雇われて給料をもらっている人=労働者」でなければ、労災保険による補償を受けることはできませんでした。つまり、フリーランスの場合、たとえ仕事中にケガ・病気をして働けなくなったとしても、何ら補償はなかったのです。
しかし、現在は、自分で保険料を払う前提ではあるものの、条件を満たすフリーランスであれば労災保険に加入し、仕事中のケガ・病気に対して補償が受けられるようになっています。
このように、フリーランスという働き方の社会的な認知度は上がってきましたが、どこかに雇われて働いている人であれば直面するはずのない悩みが多いのも事実です。そこで今回は
- フリーランスはどんな悩みを抱えているのか
- 相談に使えるコミュニティ「.ippo(ドットいっぽ)」とは
の2点について紹介します。
フリーランスの悩み9選
最初に、筆者が考える「フリーランスならではの悩み」についてまとめてみました。
収入が不安定
会社員である限りは、毎月給料が入ってきます。そもそも、法律で「働いた分の給料=賃金は払わなくてはいけない」という決まりがあるためです(労働基準法24条)。
一方、フリーランスの場合、仮に仕事を引き受け、成果物を納品したとしても、相手が報酬を支払ってくれる保証が100%あるとは限りません。
現実的には
- 内容証明郵便を送る
- 民事調停を申し立てる
- 裁判で争う
などが考えられますが、これらの対応を行っても決着がつかなかったり、報酬を回収できなかったりすることは十分に考えられるのです。
「働いた分だけの報酬が必ず入ってくるとは限らない」点に注意しましょう。
自分で営業活動を行わないといけない
フリーランスの場合、一部のとても優秀な人を除いては、自分で営業活動を行わないといけません。
- 自分が扱う商品・サービスに興味を示してくれそうな人にダイレクトメールを送る
- クラウドソーシングなど「仕事を引き受けたい人と頼みたい人がマッチングできる場」に登録する
などの営業方法が考えられますが、最初から「放置していても仕事が来る」ということはありえません。自分を売り込むために時間を割く必要があるでしょう。
一定以上の質・スピードを維持しなくてはいけない
筆者も今の会社で働き始めてから、外部のライターさんに業務委託という形で仕事をお願いしたことは何度もありました。その中で感じたのは
- 連絡した場合に早めに返答をしてくれること
- 成果物の修正点が少ないこと
の2点を満たすライターさんであれば、何度も仕事を頼みたいというごくごく当たり前のことです。
筆者が体験したことからもわかるように「仕事を頼まれるフリーランス」になるためには「一定以上の質・スピードを維持すること」が条件の1つに数えられるのでしょう。
常にインプットを怠らないことが必要
これはフリーランスに限ったことではありませんが、仕事で一定以上の成果を出していくためには、インプット=知識や技術を身につけることを欠かさないようにしましょう。
- 資格を取る
- 仕事に関連する本や雑誌、Web記事を読む
- 自分と同じ分野で活躍しているフリーランスの人の話を聞いてみる
など「インプットをする方法」はたくさんあるはずです。
確定申告も自分でやらないといけない
会社員であれば、給料から所得税が差し引かれて支払われます。そして、年末になると「年末調整」といって、本来支払うべき所得税と給料から差し引かれた(源泉徴収された)所得税との差額を調整する手続きを行う流れです。つまり、仕事を通じてもらった給料にかかっている税金を支払う手続きは、基本的に自分でする必要はありません。
しかし、フリーランスとなった場合、1年間の売上から1年間の費用を差し引いた上で利益を計算し、その額に応じた税金を支払う手続き(確定申告)が必要になります。慣れていないと結構面倒な上に時間がかかるので、注意しましょう。もし、予算に余裕があるなら、税理士に依頼してしまった方が現実的かもしれません。
「お金を借りる」ハードルが高い
フリーランスになると直面するのが「お金を借りること」へのハードルの高さです。フリーランスになりたての人が
- 住宅ローンの審査に通りにくい
- クレジットカードを新規で作れない
ということは決して珍しいことではありません。そもそも、クレジットカード会社や銀行などの金融機関は、このような「お金を貸すことが前提の取引(信用取引)」を行う際は「利用者に継続・安定して返済をする能力があるか」をきわめて重視しています。
フリーランスの場合、年によって年収が全く違うことも珍しくありません。極端な話「去年の年収は2,000万円だったが、今年の年収は200万円」ということだってあり得ます。
そのため、「お金を貸した場合に毎月期限通りに返済してくれるかどうか」を見通すことが難しいため、貸す側としても慎重にならざるを得ないのです。
自分の働き方に対し理解をしてもらう必要がある
フリーランスが1つの働き方として認知されつつあるとは言え、人によっては「どうしてそんな不安定な働き方をしているの?」と思うかもしれません。
そして、家族の中にこのような考え方をしている人がいた場合
- フリーランスになること自体を反対される
- フリーランスで働いていても「就職活動したら?」など、会社員として再び働くことを促される
- 収入が少なかった場合、そのことに対してあからさまに不安がられる
など、揉める原因になることもあるでしょう。独身であるならまだしも、家族がいる場合は、この辺りは注意深く進めた方が良さそうです。
健康管理に注意が必要
会社員の場合、仕事中の病気・ケガが原因で仕事を休んだり、万が一のことが起きてしまったりした場合は、労災保険による補償が受けられます。また、仕事中の病気・ケガが原因でなくても、最大1年6ヶ月まで傷病手当金として月給の約3分の2を受け取ることが可能です。
一方、フリーランスにはそのような制度はありません。もちろん、もう仕事が続けられなくなるほどの病気・ケガを負った場合、障害年金を受け取ることができる可能性はあります。
しかし、会社員の場合のように、労災保険による補償や傷病手当金の受給ができるとはかぎりません。
- 最低でも「月収の12カ月分」を生活防衛費として貯めておく
- 医療保険、収入補償保険などで備える
- ケガ・病気をしたときに使える制度をあらかじめ調べておく
のはもちろん、普段から体調管理に細心の注意を払いましょう。
そもそも悩みを相談できる人がいない
ここまで「フリーランスならではの悩み」を書き連ねてきましたが、最大の悩みになるのは「そもそも、フリーランスならではの悩みを相談できる人が周囲にいない」ということでしょう。
フリーランスとして働いている方の中にも、「学生時代の友達はほとんどがサラリーマンで、周りに自営業やフリーランスの人がいない」という方も多いのではないでしょうか。
その場合、いくら親しい友達であったとしても、全く置かれた状況や立場が違う人に悩み相談をしたところで、的確な答えは得られません。
「そんなに嫌だったら、フリーランス辞めて会社員に戻れば?」など、全く見当はずれなことを言われてしまうことだって考えられるのです。
「いや、自分が欲しいのはそういう答えじゃなくて…」と落胆しないためにも、相談する相手は選ぶべきでしょう。
初心者もベテランもOK!フリーランスのためのコミュニティ「.ippo(ドットいっぽ)」って?
結局のところ
ことが、フリーランスの悩みをややこしくする原因の1つです。
特に、会社を辞めて独立したばかりの時こそ、この傾向は強くなるでしょう。だからこそ、早い段階で「相談できる人」を数人見つけておくことが重要になります。
今回はそんな「フリーランスならではの悩みを相談できる人を見つけたい」人におすすめのサービス「.ippo(ドットいっぽ)」をご紹介しましょう。
「.ippo(ドットいっぽ)」とは
出典:.ippo【ドットいっぽ】| BiSE
「.ippo(ドットいっぽ)」とは「フリーランス向けのオープンワークコミュニティ」です。もっと砕けた言い方をすると
と考えましょう。
現在進行形でフリーランス(個人事業主や「法人成りしたてのひとり社長」)として働いている人はもちろん、会社勤めをする傍ら副業をしている人や、将来的にフリーランスとして独立することに興味がある人も参加できます。
コミュニケーションアプリ「BiSE」が必須
なお、「.ippo(ドットいっぽ)」を使うためには、運営会社の合同会社KBCが運営するコミュニケーションアプリ「BiSE」が必要となります。
「.ippo(ドットいっぽ)」は2021年10月現在、この「BiSE」の公式コミュニティの1つとして運営されているためです。
「.ippo(ドットいっぽ)」のここがスゴい!
次に、特に独立したてのフリーランスの人に「.ippo(ドットいっぽ)」を使って欲しい理由として、次の3点を挙げましょう。
参加は無料
参加に当たって必要になる「BiSE」のダウンロードも含め、「.ippo(ドットいっぽ)」への参加は完全無料です。
純粋に悩み相談ができる
別のコミュニティでは、残念な話ですが、いわゆる「困っていることを相談する場」が全く違った形で使われてしまうこともあります。例えば、
- 明らかに自分に不利な条件での案件の引き合いが来る
- 欲しくもない商品・サービスのセールスをされる
- 「直接相談に乗るよ」と言って呼び出され、ネットワークビジネスなどの勧誘を受ける
などのトラブルに巻き込まれることもあります。
「.ippo(ドットいっぽ)」では、以下の画像からもわかるように「一方的な宣伝・売り込みは控えること」を運営上の基本姿勢として打ち出しています。
まずは純粋に「悩みを相談したり、答えたりしながら、信頼できる仲間を見つける場」として、安心して利用できるでしょう。
参加手続きも簡単
なお「.ippo(ドットいっぽ)」への参加手続きは簡単です。以下の画像のように
- 「BiSE」をダウンロードする
- ホームページからユーザー登録を行う
- 参加申込フォームから申し込みをする
の3ステップで完了します。
運営会社の方にもお話を伺いました!
筆者自身は現状、会社員として働いていますが、周囲にフリーランス(自営)で働いている友人・知人は多いです。
そして、この記事を書きながら、特に親しくしている友人が「今はコロナ禍だから難しいけど、自分が勉強会のあとの懇親会に顔を出していたのは、やはり“人とのつながり”が財産になる部分があったからだと思う」と話していたのを思い出しました。
「.ippo(ドットいっぽ)」もいわば「人とのつながり」を作るためのツールだと筆者は感じています。そこで、運営会社である合同会社KBCの代表・小林慶志郎さんに
- サービスを立ち上げたきっかけ
- サービスを運営する上で意識していることや今後のビジョン
の2点についてお話を伺いました。
仕事の成果や楽しさは「一緒に働く人」に左右される
最初に、サービスを立ち上げたきっかけについてお話を伺いました。
私はもともと、コンサルタント(中小企業診断士)として様々なクライアント企業様の問題解決のお手伝いをしてきました。その中で「休職・離職してしまう社員」の方を多数見てきました。その原因の1つに挙げられるのが「一緒に働くメンバー」との関係です。
やはり、“仕事だから”ということもあり、働く環境やメンバーに対して思うところがあっても、抱え込んでしまった結果、限界を迎えてしまう人もいたのだと思います。仕事において、いかに人間関係が大事かを痛感しました。
また、同じ「仕事における人間関係」という意味では、こんなエピソードもあります。
私自身が仕事をしていく中で「こういう課題は、前に一緒に仕事をした〇〇さんだったらすぐに解決できそう」「■■さんだったらどう対応するだろう」と思うことが頻繁にしてあります。
しかし、しばらく連絡を取っていない相手だったりすると、ちょっとした質問をするために個別に連絡するのに気が引けてしまい、結局連絡できずに終わることが多かったです。
おそらく、私と同じように「相談できそうな誰か」の顔が思い浮かんだにも関わらず、結局相談できずに自分で調べて仕事をしているのは、社会的にも大きな損失であるように思いました。
そこで、仕事上での繋がりを持った”仲間”とつながっておくための場所・ツールがあれば、その課題を解決できるのではないかと考えました。検討を始めた頃(2020年初)、ちょうど新型コロナが広がりはじめ、この先、人と人とのつながりが一層薄れていくのではないかと危惧したことも背景としてあります。
そこで、一度つながりを持った”仕事上の信頼できる仲間”とつながりを維持するためのツールとして「BiSE」を作りました。
その後、実際に「BiSE」を作って幅広いユーザーに向けて発信・説明をしていく中で、フリーランスの方が「信頼して相談できる仲間がいない」という悩みを抱えていることに気づきました。
「同業の知り合いがいない」「相談相手がいない」「苦手な仕事も全部自分でやらないといけない」状況ゆえ、フリーランス同士が出会える場所を作る必要があると考え、今回ご紹介いただいた「.ippo」を立ち上げました。
「案件獲得」よりも「信頼できる仲間との出会い」を
次に「サービスを運営する上で意識していることや今後のビジョン」についてお話を伺いました。
やはり、一緒に仕事をする仲間は“誰でも良い”というわけではないと思っています。そのため「.ippo」では「信頼関係を積み重ねて仲間を作ること」を、サービスを運営する上での大切な価値観の1つとして位置付けています。
主な機能は「フリーランスの方の情報交換」ではありますが、具体的な案件の情報よりも仕事上の困りごとや相談を解決する場として活用していただければと考えています。時には、参加者の方に私から個別にコミュニケーションをとらせていただき、その中で、「今更これは聞けない」というような悩みを拾い上げ、私が代わりに投稿して他の参加者の方々から意見をいただくような取り組みも行っていたりします。
相談を通じてコミュニケーションを重ね、その人の「人となり」がわかった上で案件の話に持ち込めるのが理想の流れと考えています。
今後の展開としては、まずは.ippoの中で多くのフリーランスの方に、仲間との出会いを提供できるよう、参加者を増やすための取り組みを続けていきます。加えて、現状では「フリーランス」という一括りでサービスを運営していますが、、将来的には「デザイナーコミュニティ」や「エンジニアコミュニティ」などの職種ごとのコミュニティを立ち上げたいと考えています。専門的な質問・相談をできる環境を作り、より密度の濃い出会いの場として盛り上げていければと考えています。
フリーランスや副業に取り組んでいる方で「同業の知り合いがいない」「フリーランス仲間がいない」「苦手分野の案件を自分で受けざるを得ない」などといった状況にある方に参加いただけたら嬉しいです。
また、「副業に興味はあるけど、どうやって一歩目を踏み出したら良いのか分からない」などという方にとっても勉強になり、かつ仲間が見つかる場になるかと思います。
参加いただきたいのは、「とにかく仕事がほしい」という方ではなく、「長く付き合っていける仲間を見つけたい!」という方です。完全無料なので、肩肘張らずに「まずはちょっと相談してみよう」というお気持ちでご利用いただければと思います!
小林様、ありがとうございました!働き方が多様化する中で、今後「フリーランス」という働き方を選ぶ人も増えていくと筆者は考えています。しかし、大事なのは「働き続けられるか」です。長く、自分が望む働き方を続けるためにも「悩み事を相談できる人」を見つけ、その人たちと良好な関係を築いていく努力をしましょう。きっと「.ippo(ドットいっぽ)」が役に立つはずです!
お仕事用コミュニケ―ションアプリ「BiSE」公式Webサイトはこちら
「BiSE」公式OPENワークコミュニティ「.ippo(ドットいっぽ)」はこちら
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